
ケアマネの「再研修」廃止へ|厚労省・黒田老健局長「円滑な復職のための簡素な仕組みに」と国会答弁【2026年6月】
厚生労働省の黒田秀郎老健局長は2026年6月11日の参院厚生労働委員会で、ケアマネジャーが復職時に課される現行の「再研修」を廃止し、時間数を大幅削減してオンライン・オンデマンドで受けられる簡素な仕組みに改める方針を答弁した。離職ケアマネの復職促進策の中身と、人手不足への効果を解説する。
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この記事のポイント
厚生労働省の黒田秀郎老健局長は2026年6月11日の参議院厚生労働委員会で、ケアマネジャー(介護支援専門員)が現場を離れた後に復職する際に課される現行の「再研修」を廃止する方針を明言した。代わりに、制度や報酬の変更点など必要な知識のアップデートを主目的とした「円滑な復職のための簡素な研修の仕組み」を新設し、現行の再研修の時間数から大幅に削減したうえでオンライン・オンデマンドの柔軟な受講方法とする。これは2026年4月3日に閣議決定された資格更新制の廃止とセットで進む見直しで、有効求人倍率が9.70倍に達する深刻なケアマネ不足の中、いったん離職した有資格者(潜在ケアマネ)を現場に呼び戻す呼び水になるかが焦点となる。
目次
ケアマネジャーの資格制度をめぐる見直しが、また一歩具体化した。2026年6月11日に開かれた参議院厚生労働委員会で、厚生労働省の黒田秀郎老健局長が「現行の再研修は廃止する」と明言したのだ。再研修とは、ケアマネ資格を持ちながら一定期間現場を離れていた人が、現場へ戻る(復職する)ために受けなければならない研修を指す。育児や家族の介護、自身の体調などで一度ケアマネの仕事を離れた人にとって、この再研修は復職を阻む大きなハードルのひとつとされてきた。
今回の答弁が重いのは、単に負担の重い研修を削るという話にとどまらないからだ。背景には、2026年4月3日に閣議決定された「資格更新制の廃止」という大きな制度転換があり、再研修の廃止はその一連の見直しの中に位置づけられる。そして何より、ケアマネの有効求人倍率が9.70倍に達し、有資格者でありながら現場を離れている「潜在ケアマネ」をどう呼び戻すかが、業界全体の喫緊の課題になっている。
この記事では、6月11日の国会答弁で何が語られたのかを一次情報で押さえたうえで、再研修廃止が「離職したケアマネの復職」にどう作用するのか、そして深刻なケアマネ不足の解消にどこまで効くのかを、人材データに基づいて読み解く。すでに離職している有資格者、これから資格を取る人、現役で働き続ける人それぞれにとっての意味を整理していく。制度の細部は今後の審議会で詰められるが、方向性は国会の場で公式に示された段階にあり、いまのうちに全体像をつかんでおきたい。
国会答弁の中身|「現行の再研修は廃止」「円滑な復職のための簡素な仕組みに」
2026年6月11日、参院厚生労働委員会での答弁
今回の方針が示されたのは、2026年6月11日に開かれた参議院厚生労働委員会の場だ。公明党の秋野公造議員が、ケアマネジャーの復職をめぐる研修負担について質問したのに対し、厚生労働省の黒田秀郎老健局長が答弁に立った。黒田局長は厚労省で介護保険制度を所管する老健局のトップであり、ケアマネ資格制度の見直しを主導してきた立場にある。
黒田局長は、ケアマネが現場を離れた後に復職する際の手続きについて、「現行の再研修は廃止する」と明確に述べた。資格を持ちながら一定のブランクがある人が現場に戻るたびに長時間の再研修を課す現在の枠組みを、いったん白紙に戻すという意思表示である。
廃止して終わりではなく「簡素な仕組み」を新設
ただし、研修そのものをすべてなくすという話ではない。黒田局長は、再研修を廃止したうえで、制度や介護報酬の変更点など「必要な知識のアップデート」を主な目的とする、新しい研修の仕組みを設けると説明した。これを「円滑な復職のための簡素な研修の仕組み」と表現している。
ポイントは「簡素」という言葉に込められた中身だ。黒田局長は、新しい仕組みについて「現行の再研修の時間数から大幅に削減しつつ、オンライン・オンデマンドの柔軟な受講方法とすることなどにより、復職にあたっての負担をできる限り軽減する」との方針を示した。つまり、(1)研修時間そのものを大きく短くする、(2)決まった会場・決まった日時に通う形ではなくオンラインやオンデマンド(録画配信)で受けられるようにする、という二つの軸で、復職時のハードルを下げる構えだ。
具体的な時間数・施行時期はこれから
一方で、新しい復職研修が具体的に何時間になるのか、いつから始まるのかといった細部は、この答弁の時点では示されていない。黒田局長は、詳細は今後の審議会(社会保障審議会の関連分科会など)で検討していくとの趣旨を述べるにとどめた。
制度設計の大枠は、後述する2026年4月の資格更新制廃止の法改正と歩調を合わせて固められていく見通しだ。したがって、現時点で離職中のケアマネが「いつから簡素な研修で復職できるのか」を確定的に知ることはまだできないが、方向性としては「復職のための研修は大幅に軽くなる」ことが国会の場で公式に示された、という段階にある。
なぜ「復職の壁」を崩すのか|求人倍率9.70倍、潜在ケアマネという人材プール
有効求人倍率は9.70倍、介護職員の6.13倍を大きく上回る
再研修の廃止が急がれる最大の理由は、ケアマネジャーの人材不足が極めて深刻な水準にあることだ。中央福祉人材センター(全国社会福祉協議会が運営)の調査によると、2025年2月時点のケアマネの有効求人倍率は9.70倍に達した。これは、求職者1人に対しておよそ10件の求人がある計算で、同じ時点の介護職員の6.13倍を大きく上回る。介護分野の中でも、ケアマネの不足が突出していることがうかがえる。
事業所側の肌感覚を示すデータもある。公益財団法人介護労働安定センターが2025年7月28日に公表した令和6年度「介護労働実態調査」では、人材の不足を感じている事業所が65.2%にのぼった。前年度から0.5ポイント悪化しており、介護現場全体で人手不足感がむしろ強まっていることを示している。
「潜在ケアマネ」という眠った人材プール
こうした不足を埋める鍵として注目されているのが、資格を持ちながら現場を離れている「潜在ケアマネ」の存在だ。ケアマネの仕事は、利用者宅の訪問やケアプラン作成、サービス担当者会議の調整など業務範囲が広く、書類作成や研修の負担も重い。育児・家族の介護・自身の健康上の理由などで一度離職すると、復職時に長時間の再研修を求められることが、現場復帰をためらわせる一因とされてきた。
つまり、すでに専門知識と実務経験を持つ有資格者が一定数いるにもかかわらず、復職のハードルの高さが、その人材プールを「眠ったまま」にしている可能性がある。新たにゼロから人を育てるよりも、いったん離れた経験者に戻ってきてもらうほうが、即戦力確保という意味では効率がよい。再研修の廃止・簡素化は、この潜在層を掘り起こすための施策と位置づけられる。
担い手の入口も細っている
復職を後押しする必要性は、新規の担い手が細っていることとも裏表の関係にある。介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)の受験者数は、2024年度(第27回)で53,718人と、受験方法が変更された2021年度以降で最も少ない水準だった。一方で、厚生労働省の推計では、2022年度と比べて2040年までに約8万3千人のケアマネ増員が必要とされる。新規参入が伸び悩む中で必要数は増えていくため、既存の有資格者にできるだけ長く、そして復職しやすい形で働き続けてもらう仕組みづくりが避けられないのだ。
更新制廃止とセットで読む|「再研修廃止」は一連の制度見直しのどこに位置するか
2026年4月の閣議決定が大きな土台
今回の再研修廃止の方針は、単独で降って湧いたものではない。土台にあるのは、2026年4月3日に政府が閣議決定した介護保険法などの改正案だ。この改正案では、5年ごとに更新研修を修了しなければ資格が失効する「資格更新制」そのものを廃止する方針が打ち出された。ケアマネ証の有効期間の更新という仕組みをなくし、いわば「生涯資格」に近い形へと舵を切る内容である。
更新制が廃止されれば、更新と紐づいていた更新研修は自動的に役割を終える。ただし厚労省は、研修をまったくなくすわけではなく、定期的な研修の受講をケアマネの義務として法令で定める方針も示している。事業者に対しても、雇用するケアマネが研修を受けられる機会を確保するよう義務づける構えだ。「資格の維持要件としての研修」から「専門職としての継続学習の義務」へと、研修の位置づけが組み替えられるイメージだ。
「現役の負担軽減」と「復職の負担軽減」は別レイヤー
ここで整理しておきたいのは、更新研修の見直しと、今回の再研修の廃止は、対象とする人が異なるという点だ。更新研修の見直しは、主に現役で働き続けているケアマネの定期的な学び直しの負担に関わる。一方、再研修は現場を離れていた人が戻る局面の研修であり、対象は復職者だ。今回の答弁は、後者の「復職の局面」に焦点を当てて、現役の研修見直しとは別レイヤーで負担を軽くする意思を明確にしたものと読める。
言い換えれば、厚労省は「続ける人」「戻る人」の両面でケアマネの研修負担を下げにいっている。更新制廃止で続ける人のハードルを下げ、再研修廃止で戻る人のハードルを下げる。この二つがそろって初めて、資格を持つ人がライフステージの変化に左右されずにケアマネを続けやすい、あるいは戻りやすい環境が形になる。
施行時期は法改正の進み方に連動する
注意したいのは、これらの見直しがすぐ明日から適用されるわけではないことだ。更新制廃止を含む改正案は、公布後1年半以内に政令で定める日から施行するとされており、再研修廃止後の新しい復職研修の中身も、この法改正のスケジュールと審議会の議論に合わせて固まっていく。現時点で更新時期が近い現役ケアマネは、制度変更を待つのではなく、現行ルールに沿って必要な研修を受けておくのが安全だ。「もうすぐ変わるから」と更新を先送りすると、移行のタイミングによっては資格維持に支障が出かねない点には留意したい。
「重い研修が離職を招く」という構造への問題意識
一連の見直しの根底には、研修負担そのものが人材流出の一因になっているという問題意識がある。ケアマネの法定研修は、これまで初回更新で長時間、その後も継続的に時間を割く必要があり、有給休暇を使って受講したり、研修費を自己負担したりする実態が指摘されてきた。資格を維持するためのコストが、働き続ける意欲や復職の意欲を削いでいたとすれば、それは専門職の質を保つどころか、むしろ担い手を遠ざける逆効果になりかねない。
今回、復職時の再研修にメスが入ったことは、厚労省がこの「研修負担と人材確保のジレンマ」に正面から向き合い始めたことを意味する。質の担保のために研修は残しつつ、量(時間数)と受講方法(オンライン・オンデマンド)を見直すことで、専門性の維持と負担軽減を両立させようという発想だ。再研修廃止は単発の規制緩和ではなく、ケアマネという職種を「選ばれ続ける資格」に立て直すための制度設計の一部として読むのが妥当だろう。
現場とキャリアへの波及|誰に・どんな機会が生まれるか
離職中の有資格者にとっては「戻る理由」が増える
最も直接的に恩恵を受けるのは、すでにケアマネ資格を持ちながら現場を離れている人だ。これまでは、復職を考えても「また長い再研修を受け直すのか」という心理的・時間的なコストが、最初の一歩をためらわせていた面がある。再研修が廃止され、復職用の研修が短時間でオンライン・オンデマンド受講できるようになれば、子育てや家族の介護をしながらでも、すき間時間で知識をアップデートして現場に戻りやすくなる。とくに、制度や報酬の改定が頻繁な介護分野では、「ブランク中に制度が変わって不安」という声に対し、必要な変更点だけを効率よく学べる仕組みは復職への安心材料になりうる。
事業所にとっては経験者採用のチャンスが広がる
人材を採る側の事業所にとっても、再研修廃止は採用の追い風になりうる。求人倍率9.70倍という環境では、未経験者を一から育てる余裕がない事業所も多い。復職のハードルが下がって潜在ケアマネが労働市場に出てきやすくなれば、実務経験のある即戦力を採用できる可能性が高まる。求人票で「ブランクありOK」「復職支援あり」をうたう事業所が、これまで以上に応募を集めやすくなることも考えられる。一方で、経験者の獲得競争はむしろ激しくなるため、研修受講時の有給扱いや費用負担、柔軟な勤務形態といった「戻ってきた人が働き続けられる条件」を整えられるかが、選ばれる事業所の分かれ目になるだろう。
現役ケアマネ・これから目指す人への間接的な効果
現役で働き続けている人にとっても、潜在ケアマネの復職が進めば、人手不足による一人あたりの担当件数の偏りや残業の重さがいくらか緩和される可能性がある。慢性的な人手不足は、残った人への業務集中という形で現役層の離職を招く悪循環につながりやすいため、復職促進は現役の労働環境にも間接的に効く。また、これから介護福祉士・看護師・社会福祉士などの実務経験を経てケアマネを目指す人にとっても、「一度なれば、ライフイベントで離れても戻りやすい資格」という見え方が強まることは、キャリア選択上の安心につながる。
復職を後押しするうえで併せて整えたい環境
再研修の廃止が「戻る入口」を広げるとしても、実際に潜在ケアマネが現場復帰し、定着するには、研修以外の受け入れ環境も問われる。長いブランクのある人は、最新の介護ソフトの操作や、改定後のケアプラン様式、オンラインでのサービス担当者会議の運用など、現場の実務の変化に最初は戸惑いやすい。短時間の復職研修で制度知識を補えても、日々の業務フローへの慣れまではカバーしきれないため、復職直後の同行支援やメンター役の配置といった事業所側のフォローが、定着を左右する。
働き方の柔軟性も鍵になる。育児や家族の介護と両立しながら戻る人にとっては、短時間勤務や非常勤からの段階的な復帰、訪問件数の調整といった選択肢があるかどうかが、復職の現実味を大きく変える。制度が復職のハードルを下げた分、事業所側が「戻ってきた経験者が無理なく働き続けられる枠組み」を用意できれば、再研修廃止の効果は最大化される。逆に、入口だけ広げて受け皿が整わなければ、一度戻った人が短期間で再び離れる結果になりかねない。
過度な期待は禁物、運用設計が成否を握る
ただし、制度の方向性が示されたからといって、ただちにケアマネ不足が解消するわけではない点は冷静に見ておきたい。復職研修が「簡素」になっても、そもそもの業務量の多さや、ケアマネ報酬・処遇の水準といった、離職の根本要因に手が入らなければ、戻った人が再び離れてしまう懸念は残る。再研修廃止は復職の「入口」を広げる施策であり、その先で働き続けられる環境づくりとセットでなければ効果は限定的になる。新しい復職研修の具体的な時間数や、復職後の処遇改善がどこまで進むかを、今後の審議会の議論で注視していく必要がある。
よくある質問|ケアマネの再研修廃止・復職について
Q1. 再研修が廃止されると、ブランクのあるケアマネはすぐ復職できるようになりますか
方向性としては復職しやすくなりますが、「すぐ」かどうかは法改正の施行時期次第です。黒田老健局長は2026年6月11日の国会答弁で、現行の再研修を廃止し、時間数を大幅に削減してオンライン・オンデマンドで受けられる簡素な復職研修に切り替える方針を示しました。ただし、新しい研修の具体的な時間や開始時期は今後の審議会で詰められる段階です。当面は現行制度が続くため、復職を急ぐ場合は最新の取り扱いを所属予定の事業所や自治体に確認するのが確実です。
Q2. 「再研修の廃止」と「更新制の廃止」は何が違うのですか
対象とする場面が異なります。更新制の廃止(2026年4月3日閣議決定)は、5年ごとの資格更新と、それに紐づく更新研修の仕組みをなくすもので、主に現役で働き続ける人に関わります。一方、再研修は現場を離れていた人が復職する際に課される研修で、今回の答弁はこの復職時の負担を軽くする話です。両者は別々の場面を対象にしながら、一連の制度見直しとして同じ方向(研修負担の軽減)を向いています。
Q3. 研修そのものが完全になくなるのですか
いいえ。研修がゼロになるわけではありません。厚労省は、再研修を廃止したうえで、制度や介護報酬の変更点など必要な知識をアップデートするための簡素な研修を新たに設ける方針です。また更新制廃止後も、定期的な研修の受講はケアマネの義務として法令で定める構想が示されています。「資格を維持するための重い研修」から「専門職として学び続けるための軽い研修」へと、位置づけが組み替えられると理解するとよいでしょう。
Q4. 現役で更新時期が近いのですが、制度変更を待つべきですか
待たずに、現行ルールで必要な研修を受けておくことをおすすめします。更新制廃止を含む改正案は公布後1年半以内の政令で定める日から施行とされ、移行時期はまだ確定していません。「もうすぐ変わるから」と更新を先送りすると、移行のタイミングによっては資格維持に支障が出る可能性があります。確実なのは、現時点のルールに沿って手続きを済ませておくことです。
Q5. 再研修廃止で、ケアマネ不足はすぐに解消されますか
すぐに解消するとは限りません。再研修廃止は、資格を持ちながら現場を離れている潜在ケアマネが復職する際のハードルを下げる施策で、人材確保の「入口」を広げる効果が期待されます。ただし、ケアマネ不足の背景には、業務量の多さや報酬・処遇の水準といった、復職後も続く課題があります。これらの根本要因に手が入らなければ、戻った人が再び離職する可能性も残ります。復職研修の簡素化はあくまで一つの手立てであり、業務負担の軽減や処遇改善といった施策と組み合わせて初めて、不足の緩和につながると考えられます。今後の審議会での制度設計と、報酬面の議論の行方を併せて見ていく必要があります。
参考資料
- [1]
- [2]幹部名簿(老健局長・黒田秀郎の役職確認)- 厚生労働省
- [3]
- [4]令和6年度 介護労働実態調査 結果(プレスリリース、2025年7月28日公表・人材不足感65.2%)- 公益財団法人介護労働安定センター
- [5]ケアマネ法定研修 再研修廃止・復職向け簡素な仕組みへ(黒田老健局長 国会答弁、2026年6月)- 介護ニュースJoint
- [6]ケアマネ資格の更新制廃止 研修受講は法令上の義務に 政府が閣議決定(2026年4月3日閣議決定)- 介護ニュースJoint
- [7]ケアマネの有効求人倍率、10倍に迫る(中央福祉人材センター調べ・2025年2月時点 9.70倍)- 介護ニュースJoint
まとめ
2026年6月11日の参議院厚生労働委員会で、厚生労働省の黒田秀郎老健局長は、ケアマネジャーが復職する際の現行の「再研修」を廃止する方針を明言した。代わりに、制度・報酬の変更点など必要な知識のアップデートに絞った「円滑な復職のための簡素な研修の仕組み」を新設し、時間数を大幅に削減してオンライン・オンデマンドで受けられるようにする。これは2026年4月3日に閣議決定された資格更新制の廃止と一連の見直しであり、厚労省が「続ける人」と「戻る人」の双方の研修負担を下げにいっていることを示している。
背景にあるのは、有効求人倍率9.70倍、人材不足感65.2%という深刻なケアマネ不足だ。新規の担い手が細る中で、資格を持ちながら現場を離れている潜在ケアマネをどう呼び戻すかが業界の課題となっており、復職のハードルを下げる今回の見直しはその「入口」を広げる施策と言える。一方で、具体的な研修時間や施行時期は今後の審議会で詰められる段階にあり、復職後の業務量や処遇といった離職の根本要因に手が入らなければ効果は限定的になる。離職中の有資格者にとっては戻る選択肢が広がり、事業所にとっては経験者採用の好機となる見直しだが、その成否は運用設計の細部にかかっている。
あなたが介護・医療の現場で「自分に合った働き方」を考えるとき、こうした制度の動きは求人選びや復職のタイミングを左右する大切な材料になる。ブランクからの復職、これからの資格取得、現役としての働き方の見直し。どの立場であっても、最新の制度動向を正確に踏まえたうえで、自分のこれからのキャリアを描いておきたい。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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