福祉用具貸与とは

福祉用具貸与とは

福祉用具貸与は介護保険でレンタルできる13種目(車椅子・特殊寝台・歩行器・徘徊感知機器など)を毎月の介護保険給付で借りる制度。要介護度ごとの利用制限・自己負担1〜3割・福祉用具専門相談員によるサービス計画書を整理する。

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この記事のポイント

福祉用具貸与(ふくしようぐたいよ)は、介護保険法に基づき、車椅子や介護ベッドなど13種目の福祉用具を月額レンタルで利用できる制度です。レンタル料の1〜3割が自己負担、残りが介護保険から給付されます。要介護度に応じて貸与できる種目に制限があり、軽度者(要支援1〜要介護1)は原則として車椅子・特殊寝台などが対象外となる「軽度者制限」が設けられています。福祉用具専門相談員による選定相談とサービス計画書が必須です。

目次

福祉用具貸与の制度概要

福祉用具貸与は、介護保険法第41条「居宅介護サービス費(福祉用具貸与)」および第53条「介護予防福祉用具貸与」に基づき、要支援・要介護の認定を受けた被保険者が在宅生活を続けるためにレンタルする福祉用具を介護保険給付の対象とする制度です。

毎月のレンタル料は「区分支給限度基準額」(要介護度ごとの月額利用上限)に組み込まれ、訪問介護やデイサービスなどの他サービスと合算されます。利用者の自己負担は所得に応じて1〜3割で、残りはレンタル料の介護保険給付として事業者に直接支払われます(法定代理受領)。

レンタルできるのは都道府県知事の指定を受けた福祉用具貸与事業者で、各事業所には福祉用具専門相談員を2名以上配置することが義務づけられています。利用にあたっては福祉用具専門相談員が「福祉用具サービス計画書」を作成し、定期的なモニタリングを行います。

福祉用具貸与の対象13種目

  1. 車椅子(自走用、介助用、電動車椅子)
  2. 車椅子付属品(クッション、電動補助装置等)
  3. 特殊寝台(介護ベッド、サイドレールが取り付け可能なもの)
  4. 特殊寝台付属品(マットレス、サイドレール、ベッド用手すり)
  5. 床ずれ防止用具(圧切替型エアマットレス等)
  6. 体位変換器(クッション・パッド等)
  7. 手すり(工事を伴わない据え置き型)
  8. スロープ(工事を伴わないもの)
  9. 歩行器(固定型・前輪付き・四輪型)
  10. 歩行補助つえ(多点杖、ロフストランドクラッチ、松葉杖等)
  11. 認知症老人徘徊感知機器(離床センサー、玄関センサー等)
  12. 移動用リフト(つり具部分は購入対象、本体は貸与)
  13. 自動排泄処理装置(本体は貸与、交換可能部品は購入)

厚生労働大臣告示「介護保険の給付対象となる福祉用具の種目」で定められた13種目で、利用者の身体状況や生活動線に合わせて事業者と相談しながら選定します。

軽度者(要支援1〜要介護1)の利用制限

要支援1〜要介護1の軽度者は、原則として以下の種目について介護保険による貸与が認められていません。

  • 車椅子・車椅子付属品
  • 特殊寝台・特殊寝台付属品
  • 床ずれ防止用具
  • 体位変換器
  • 認知症老人徘徊感知機器
  • 移動用リフト
  • 自動排泄処理装置

ただし「例外給付」として、医師の意見書や主治医意見書、サービス担当者会議の検討結果に基づき、心身の状態から必要性が認められれば貸与が可能です。たとえば「日常的に頻回の起き上がりが困難」「日常生活範囲の移動の支援が必要」など、厚生労働省の通知で定められた状態像に該当する場合に限られます。

これは「軽度者には予防的にしか給付しない」という介護保険制度の方針に基づくもので、要介護2以上では原則すべての種目が利用可能です。

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福祉用具貸与の利用手順

  1. ケアマネ・地域包括支援センターに相談:本人の身体状況・生活課題に応じてケアプランに位置づけ
  2. 福祉用具貸与事業者の選定:都道府県の指定を受けた事業所から選ぶ
  3. 福祉用具専門相談員による選定相談:種目・機種・サイズを身体状況に合わせて選定
  4. 福祉用具サービス計画書の作成・同意:利用目的、機種、使用方法、留意事項を明記。利用者の同意のうえで作成
  5. 納品・使用方法の説明:相談員が自宅で使用方法を実演・指導
  6. 定期モニタリング:相談員が少なくとも6か月に1回(要介護2以上は最低限)以上、利用状況を確認・サービス計画書を更新

福祉用具貸与の活用ポイント

  • 区分支給限度基準額に注意:訪問介護・デイサービスなどと合算して限度額を超えると全額自己負担。福祉用具のレンタル料が限度額に占める割合を意識してケアプランを組む
  • 料金は事業者ごとに異なる:同じ車椅子でも事業者によって月額レンタル料が異なる。2018年10月から「全国平均貸与価格」と「貸与上限価格」が公表されており、相談員には複数機種・複数価格帯を提示する義務がある
  • 身体状況の変化に応じて見直し:歩行器→車椅子、車椅子→特殊寝台のように状況変化に合わせて柔軟に交換
  • 軽度者の例外給付は早めに相談:医師意見書が必要となるため、ケアマネと早めに調整する
  • 修理・メンテナンスは事業者の責任:故障時の対応や定期点検は貸与事業者が行う

よくある質問

Q1. 月の途中でレンタルを開始したらどうなりますか?

A. 厚労省告示で定められた日割計算ではなく、月途中の開始・終了は事業所ごとの取り決めとなります。多くは前半(15日まで)開始は満額、後半(16日以降)開始は半額など、半月単位で計算されます。

Q2. 自費でレンタルすることはできますか?

A. 可能です。介護認定を受けていない人や、軽度者で例外給付の対象外となる人も自費でレンタルできます。事業者によって料金体系が異なります。

Q3. 福祉用具専門相談員は何をする人ですか?

A. 福祉用具貸与事業所に必ず配置される国家資格相当の専門職です。利用者に合った福祉用具の選定・使用方法説明・定期モニタリングを担当します。

Q4. 故障した場合は誰が修理しますか?

A. 福祉用具貸与事業者です。レンタル契約に保守・点検が含まれており、利用者の追加負担なしで対応されます。

Q5. 訪問介護員は福祉用具を勝手に動かしていい?

A. 利用者の安全を最優先し、相談員が決めた配置・使い方を守ります。位置の変更や角度調整が必要なときは相談員・ケアマネに連絡しましょう。

参考資料

まとめ

福祉用具貸与は、車椅子や介護ベッドなど13種目の福祉用具を介護保険給付でレンタルできる制度です。要介護度に応じた利用制限(軽度者制限)と例外給付の仕組み、福祉用具専門相談員による選定支援が制度の柱です。区分支給限度基準額の中で他サービスと組み合わせ、利用者の生活機能を最適化するレンタルプランを組み立てましょう。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

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