
24時間シート(センター方式)とは
24時間シートとは、認知症介護研究・研修センターが開発したセンター方式のアセスメントツールの一つ。利用者の24時間の生活の流れや状態の変化、その人の力やこだわりを把握し、その人本位のケアと職員間の情報共有に活かします。
24時間シート(センター方式)の定義
24時間シート(センター方式)とは、認知症介護研究・研修センターが開発した認知症ケアのアセスメントツール「センター方式」の一枚で、正式には「24時間生活変化シート」と呼ばれます。利用者の24時間の生活の流れや気分・状態の変化、その人がもつ力やこだわりを時間軸で書き出し、その人本位のケアと職員間の情報共有に活かすためのシートです。
目次
24時間シート(センター方式)の概要
24時間シートは、認知症介護研究・研修センター(東京・大府・仙台の3センター。厚生労働省により平成12年度に設置)が開発した「認知症の人のためのケアマネジメント センター方式」の構成シートの一つです。センター方式は、本人を主語にして書き込む「本人本位」を最大の特徴とし、本人のありのままの声や行動、場面を観察して事実にもとづいて記入していく考え方を土台にしています。
センター方式はA〜Eの5領域・16枚のシートで構成され、すべてを使う必要はなく、現場の状況に応じて必要なシートを段階的に取り入れられます。24時間シートはこのうちD領域(焦点情報)に位置づくシートで、一日のなかで利用者の気分や心身の状態がどう変わるかを時間の流れに沿って書き出します。
たとえば「朝は穏やかだが夕方になると落ち着かなくなる」「入浴の前後で表情が変わる」といった一日の波を可視化することで、その変化のきっかけや、その人にとって心地よい時間帯・避けたい時間帯が見えてきます。記憶や見当識に変化があり、自分の状態を言葉で伝えにくい認知症の人でも、周囲が生活の流れを丁寧にたどることで、本人の安心や快につながるケアの手がかりをつかめます。
把握した内容はケアプランや個別ケアの根拠として活用され、誰がケアにあたっても同じ理解でかかわれるよう、職員間・多職種間で共有する土台になります。
24時間シート(センター方式)で把握する内容
24時間シートで把握する主な内容
24時間シートは、一日の時間軸に沿って次のような点を本人視点で書き出します。
- 生活の流れ:起床、食事、排泄、入浴、活動、就寝など、一日の過ごし方の実際のリズム。
- 状態・気分の変化:穏やか・不安・混乱・活気など、時間帯ごとの心身の波と、その変化のきっかけ。
- その人の力:自分でできていること、調子の良い時間帯にみられる力や役割。
- こだわり・なじみ:本人が大切にしている習慣、好む順序や物、落ち着ける場所や人。
- 困りごとのサイン:落ち着かなくなる前兆や、つらさ・不快を示す行動とそのタイミング。
これらを記録することで、症状や行動を「問題」としてだけ捉えるのではなく、その背景にある本人の思いや生活の文脈を理解する手がかりが得られます。
24時間シート(センター方式)の記入とケア活用のポイント
記入とケアへの活かし方のポイント
24時間シートを現場で役立てるには、書くこと自体を目的にせず、ケアの改善につなげる視点が大切です。
- 本人を主語に、事実で書く:「困った」などの評価ではなく、観察した行動・表情・言葉をそのまま記録します。
- 変化のきっかけに注目する:落ち着かなくなる前後に何があったかを書き添えると、予防的なかかわりのタイミングが見えてきます。
- 良い時間帯も書く:穏やかで力を発揮できている場面は、その人らしさを支えるケアのヒントになります。
- チームで読み合う:複数の職員が記入・共有することで、特定の人だけが知る情報を減らし、誰がかかわっても一貫したケアにつなげます。
- ケアプラン・個別ケアに反映する:把握した生活リズムや本人の力を、入浴や活動の時間設定、声かけの工夫など具体的なケアに落とし込みます。
センター方式は全シートをそろえることが目的ではないため、まず24時間シートだけを取り入れ、利用者の一日を見直すところから始めることもできます。
24時間シート(センター方式)のよくある質問
24時間シートと「24時間対応の介護サービス」は同じものですか。
いいえ、別の概念です。24時間シートは認知症ケアのアセスメント技術・ツールであり、利用者の一日の生活変化を把握するための記録シートです。一方、定期巡回・随時対応型訪問介護看護のように24時間体制で提供される介護サービスとは意味が異なります。
センター方式の16枚すべてを使わないといけませんか。
いいえ。センター方式はA〜Eの5領域・16枚で構成されますが、すべてを使う必要はなく、現場の状況に応じて必要なシートを段階的に取り入れられます。24時間シートだけを先に活用することもできます。
誰が記入するのですか。
介護職員やケアマネジャーなど、本人にかかわる多職種が観察した事実をもとに記入し、共有します。特定の職員だけでなくチームで書き合うことが、一貫したケアにつながります。
ケアプランとはどう関係しますか。
24時間シートで把握した生活リズムや本人の力、こだわりは、ケアプランや個別ケアを組み立てる根拠になります。アセスメントで得た理解を具体的なケア内容に反映していきます。
24時間シート(センター方式)の参考資料
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24時間シート(センター方式)のまとめ
まとめ
24時間シート(センター方式)は、利用者の一日の生活の流れと状態の変化、その人の力やこだわりを本人視点で把握し、その人本位のケアと職員間の情報共有に活かすためのアセスメントツールです。一日の波を可視化することで、症状を「問題」として捉えるだけでなく、本人の安心や快につながるかかわりのヒントが見えてきます。把握した内容をケアプランや個別ケアに反映し、チームで共有することが、認知症ケアの質を高める一歩になります。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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