リファラル採用とは
介護職向け

リファラル採用とは

リファラル採用とは、自施設の職員に友人・知人を紹介してもらう採用手法です。介護事業所の66.0%が実施し、うち47.3%が効果を実感。報奨金は職業安定法第40条の規制があるため、賃金として就業規則に定める設計が必要です。

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この記事のポイント

リファラル採用とは、自施設で働く職員に友人・知人・元同僚を紹介してもらい、その人材を選考する採用手法です。介護現場では「職員紹介制度」「社員紹介制度」とも呼ばれます。令和7年度介護労働実態調査では、職員に友人・知人などの紹介を依頼している事業所は66.0%で、実施している事業所のうち47.3%が「採用に効果があった」と回答しています。紹介した職員に報奨金を支払う場合は職業安定法第40条の規制があるため、賃金として就業規則に定める設計が欠かせません。

目次

リファラル採用の仕組みと介護現場での位置づけ

求人票や広告で不特定多数に呼びかける公募型の採用に対し、リファラル採用は既存の職員をチャネルにして候補者に接触します。応募前の段階で職員が現場の実情を伝えるため、候補者はシフトの組み方や人間関係のイメージを持った状態で選考に進みます。求人媒体や職業紹介事業者を介さないため、外部に支払う費用が発生しない点も特徴です。

介護事業所での実施率と効果

公益財団法人介護労働安定センターの令和7年度介護労働実態調査(事業所調査)によると、採用活動の実施状況と、実施している事業所のうち「採用に効果があった」とする割合は次のとおりです。

採用活動行っているうち効果があった
職員に対して友人・知人などの紹介を依頼66.0%47.3%
ハローワークや福祉人材センターの担当者に相談64.8%41.8%
有料職業紹介所を活用37.9%53.4%
事業所ホームページで自事業所のアピールポイントを発信36.8%24.4%
民間の有料求人情報サイトを活用36.3%44.8%

職員紹介は、最も多くの事業所が行っている採用活動であると同時に、効果があったとする割合も有料職業紹介所に次ぐ水準です。外部費用がかからないチャネルとしては、他の手段と比べて実効性が高い位置にあります。

リファラル採用の報奨金を賃金として扱う理由

職業安定法第40条が制限していること

職業安定法第40条は、労働者の募集を行う者が、募集に従事するその被用者や募集受託者に対して、賃金・給料その他これらに準ずるものを支払う場合などを除いて報酬を与えてはならないと定めています。同法第65条第6号により、この規定に違反した場合は6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科され得ます。

紹介してくれた職員へのお礼を、賃金以外の「謝礼」「お祝い金」といった名目で現金や金券として渡す運用は、この条文に触れるおそれがあります。実務では、報奨金を賃金の一部として位置づけ、支給要件と金額を規程に明記したうえで給与として支払う形をとります。

就業規則への記載

常時10人以上の労働者を使用する事業場は、労働基準法第89条により就業規則の作成と労働基準監督署への届出が義務づけられています。紹介報奨金のように臨時に支給する賃金は、制度として定めるのであれば就業規則(または賃金規程)に記載すべき事項にあたります。10人未満の事業場でも、支給要件・金額・支給時期を文書化しておかないと運用が恣意的になり、職員間の不公平感につながります。

職員個人が「紹介業」と評価されない設計

紹介行為が反復継続し、職員個人が紹介の対価として利益を得ている実態になると、無許可の有料職業紹介事業と評価されるおそれがあります。制度を設計する際は、あくまで事業所が自らの募集活動として行うものであること、報奨金が労働の対償である賃金として支払われることを、規程上も運用上も明確にしておきます。

リファラル採用と縁故採用・有料職業紹介の違い

リファラル採用縁故採用有料職業紹介
紹介者自施設の職員経営者や役員の親族・知人職業紹介事業者
選考通常の選考プロセスを通す選考が形骸化しやすい通常の選考プロセスを通す
費用報奨金(賃金として支給)原則として発生しない紹介手数料(介護分野の全国平均は1件55万1千円)
主なリスク報奨金の法的整理、職員が断りにくいこと適性・能力以外の基準が入り込む費用負担、早期離職時の返金条件

紹介手数料の金額は、厚生労働省が公表している令和5年度実績の全国平均値です。リファラル採用と縁故採用は「知人の紹介」という点で似ていますが、選考基準を通常どおり適用するかどうかで性質が大きく変わります。紹介であることを理由に選考を省略すると、適性・能力のみを基準とする公正な採用選考の考え方から外れます。

リファラル採用に関するよくある質問

Q. 報奨金の相場はいくらですか

介護分野の報奨金額を示す公的な統計は確認できません。金額の目安を外部の相場に求めるのではなく、自施設の採用単価(求人媒体費や紹介手数料の実績を採用人数で割った額)と比較して決めるのが現実的です。

Q. 紹介された人を不採用にしてもよいですか

選考は応募者の適性・能力のみを基準に行うのが原則です。紹介だからという理由で採用したり、逆に断りづらさから基準を曲げたりすると、公正な採用選考の考え方から外れます。不採用になる可能性があることを、紹介を依頼する段階で職員に伝えておきます。

Q. 定着率も上がりますか

令和7年度介護労働実態調査で示されているのは「採用に効果があった」とする事業所の割合であり、入職後の定着率を示すものではありません。紹介経由の入職者がその後どれだけ在籍したかは、自施設で追跡する必要があります。

Q. どの職種でも使えますか

制度上の制限はありません。ただし紹介元となる職員の人的つながりに依存するため、母集団の規模は限られます。公募型のチャネルと併用するのが基本です。

リファラル採用の参考資料

リファラル採用のまとめ

リファラル採用は、自施設の職員に友人・知人を紹介してもらう採用手法です。令和7年度介護労働実態調査では実施率66.0%と最も広く行われており、実施事業所の47.3%が採用への効果を認めています。外部費用が発生しない点で、紹介手数料が重い介護の採用において意味を持つチャネルです。

一方で、報奨金の扱いには法的な整理が要ります。職業安定法第40条は賃金等以外の報酬を禁じており、違反時は同法第65条第6号で6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になります。報奨金は賃金として就業規則に定め、支給要件と金額を明文化したうえで給与として支払う形にしてください。選考自体は通常どおり、適性・能力のみを基準に行います。

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執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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