
リハビリテーション計画書とは
リハビリテーション計画書は医師・PT/OT/STが共同で作成する個別計画。記載項目・作成フロー・通所/訪問/老健での違い・リハマネ加算との関係を厚労省様式と通知ベースで解説。
この記事のポイント
リハビリテーション計画書は、医師およびリハビリ専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)が共同で作成する、利用者一人ひとりの個別リハビリ計画を記載した書類です。介護保険サービス(通所リハ・訪問リハ・老健入所)でリハビリを提供する際に作成が義務付けられ、原則3か月ごとに見直されます。リハビリテーションマネジメント加算(リハマネ加算)の算定要件の中核となり、LIFE提出と連動して質の高い個別リハを担保する仕組みです。
目次
リハビリ計画書の制度上の位置づけ
リハビリテーション計画書は、介護保険における通所リハビリテーション・訪問リハビリテーション・介護老人保健施設(老健)・介護医療院でリハビリを実施するすべての利用者について作成が必要な、個別計画書です。厚生労働省老健局通知(介護保険最新情報 Vol.1216 令和6年3月15日ほか)で様式例と記載要領が示されており、医師の診療に基づいて、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が共同でアセスメントと計画立案を行います。
計画書は単なる帳票ではなく、リハビリテーションマネジメント加算(リハマネ加算)を算定するうえでの中核書類です。リハマネ加算のロ・ハを算定する事業所では、計画書情報を科学的介護情報システム(LIFE)に提出し、フィードバックを次の計画見直しに反映することが算定要件に組み込まれています。2024年(令和6年)介護報酬改定では、リハビリテーション・個別機能訓練・口腔・栄養の一体的計画書も整備され、多職種が同じシートで目標と評価指標を共有できる構造になりました。
診療報酬(医療保険)側のリハビリ計画書(別紙様式21・23)とは目的・記載粒度が異なりますが、運用上は医療から介護へ移行する利用者の情報引き継ぎ書類としても重要な位置を占めています。
リハビリ計画書の主な記載項目
厚労省様式例(別紙様式3 など)で求められる主な記載項目は以下のとおりです。
- 基本情報:氏名・生年月日・性別・要介護度・原因疾患・発症/受傷日・利き手・既往歴
- 健康状態・経過:現病歴、服薬、リスク(転倒・誤嚥・血圧変動など)、医師の指示内容
- 心身機能・構造:関節可動域、筋力(MMT)、麻痺、認知機能、嚥下機能、痛み、障害高齢者の日常生活自立度
- 活動:基本動作(寝返り・起き上がり・立位)、ADL(食事・排泄・入浴・移乗)、IADL(調理・買い物・服薬管理)
- 参加:家庭内役割、地域活動、就労・余暇、生活行為向上の意欲(興味・関心チェックシート)
- 目標:長期目標(おおむね3〜6か月)と短期目標(おおむね1か月)、本人・家族の希望
- 具体的なサービス内容:個別リハの内容(運動療法・ADL練習・摂食嚥下訓練など)、提供時間・頻度、加算算定の有無
- 評価指標:Barthel Index、FIM、握力、TUG、CS-30、改訂長谷川式(HDS-R)など
- 作成者と説明同意:医師・PT/OT/STの署名、利用者・家族への説明日と同意
リハマネ加算ロ・ハを算定する場合は、これらの情報をLIFEに提出できる粒度で記録する必要があります。
作成フロー:アセスメントから見直しまで
- 初回アセスメント:医師の診察と、PT/OT/STによる心身機能・ADL・生活環境の評価を実施。興味・関心チェックシート等で本人の希望を聞き取る。
- リハビリテーション会議:医師、PT/OT/ST、看護職、介護職、必要に応じてケアマネジャー・本人・家族が参加し、目標と具体的なリハ内容を協議。
- 計画書原案の作成:会議の合意内容をPT/OT/ST等が様式に落とし込み、医師が内容を確認・署名する。
- 本人・家族への説明と同意:原則として面接で計画書を説明し、書面で同意を得る。やむを得ない場合は電話説明も可だが、同意は書面で取得する必要がある。
- サービス提供開始:計画書に沿って個別リハを実施。実施記録を残す。
- モニタリングと再評価:原則3か月ごと(老健の短期集中等は月1回以上)に再評価を実施し、計画書を見直す。LIFEへの再提出も同時に行う。
- サービス担当者会議への共有:ケアプランとの整合を取るため、計画内容をケアマネジャーへ情報提供する。
サービス類型ごとのリハビリ計画書の違い
同じ「リハビリ計画書」でも、提供サービスによって作成主体・頻度・加算との関係が異なります。
| 項目 | 通所リハビリテーション計画書 | 訪問リハビリテーション計画書 | 老健施設リハビリ計画書 |
|---|---|---|---|
| 作成主体 | 医師+PT/OT/ST(事業所) | 医師+PT/OT/ST(事業所) | 施設の医師+PT/OT/ST |
| 提供場所 | 通所リハ事業所内 | 利用者宅・居宅系施設 | 老健施設内 |
| 標準的な見直し頻度 | 原則3か月ごと | 原則3か月ごと | 入所時・月1回以上(短期集中時は月1回以上必須) |
| 連動する主な加算 | リハマネ加算(イ/ロ/ハ)、短期集中個別リハ加算、認知症短期集中リハ加算、生活行為向上リハ加算 | リハマネ加算、短期集中リハ加算、移行支援加算 | 短期集中リハ加算、認知症短期集中リハ加算、リハマネ計画書情報加算 |
| LIFE提出 | リハマネ加算ロ・ハで必須 | リハマネ加算ロで必須 | 計画書情報加算で必須 |
| ケアプランとの関係 | 居宅サービス計画と整合 | 居宅サービス計画と整合 | 施設サービス計画と一体運用 |
2024年改定で導入された「一体的計画書」を用いれば、リハビリ・口腔・栄養・個別機能訓練の評価を1枚に集約でき、多職種連携の事務負荷を下げられます。
よくある質問
Q. ケアプラン(居宅サービス計画)と何が違いますか?
ケアプランはケアマネジャーが利用者の介護全体(リハ・通所介護・訪問介護・福祉用具など)を統合した計画です。一方リハビリ計画書は、その中の「リハビリ部分」をPT/OT/STが医師の指示のもと専門的に詳細化した個別計画です。両者は別書類ですが、内容の整合性を保つため、リハ計画の見直しはサービス担当者会議でケアマネに共有します。
Q. LIFEへの提出は全ての事業所で必須ですか?
必須ではありません。リハビリテーションマネジメント加算ロ・ハ、老健のリハビリテーションマネジメント計画書情報加算など、LIFE提出を要件とする加算を算定する場合にのみ提出が必要です。ただし、フィードバックを活用した質改善は加算算定の有無にかかわらず推奨されています。
Q. 計画書は誰が署名する必要がありますか?
医師、計画作成に関与したPT/OT/ST、そして利用者本人(または家族)の同意署名が必要です。医師が直接リハを実施しない場合でも、指示と計画内容の確認のため医師の関与は必須です。
Q. 計画書を作成しないとどうなりますか?
計画書未作成のままリハビリを提供した場合、当該月の通所リハ・訪問リハ費そのものや関連加算が算定できなくなる可能性があります。実地指導で過誤調整・返戻の対象となる典型例です。
Q. 3か月ごとの見直しは絶対ですか?
「原則3か月ごと」であり、状態に大きな変化があった場合はそれ以前でも見直す必要があります。逆に状態安定時でも3か月を超えて放置することは認められていません。
参考資料
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まとめ
リハビリテーション計画書は、医師とPT/OT/STが共同で作成する個別リハの設計図であり、リハマネ加算・短期集中加算・LIFE提出といった多くの加算と直結する中核書類です。記載項目は基本情報・ICFの心身機能/活動/参加・目標・具体的サービス内容・評価指標まで多岐にわたり、原則3か月ごとの見直しが求められます。通所リハ・訪問リハ・老健で運用ルールが少しずつ異なるため、自分の所属サービスの様式と算定要件を改めて確認しておきましょう。一体的計画書の活用やLIFEフィードバックの読み込みは、これからの介護現場で評価される実務スキルになります。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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