
紹介予定派遣とは
紹介予定派遣は将来の直接雇用を前提に派遣で働く形態。介護では最長6か月のお試し期間後、双方同意で派遣会社→施設の直接雇用に移行する仕組み。
この記事のポイント
紹介予定派遣は、将来の直接雇用を前提に派遣会社経由で働く制度で、派遣期間(最長6か月)終了時に派遣先施設と派遣社員の双方が合意すれば直接雇用に移行します。介護業界では「正社員転職に不安がある未経験者」「ミスマッチ防止を重視する経験者」に有効。労働者派遣法第40条の6で規定され、通常派遣と異なり面接や履歴書確認が認められる特殊な形態です。
目次
紹介予定派遣の仕組みと通常派遣との違い
紹介予定派遣は派遣と職業紹介のハイブリッド型制度です。労働者派遣法第2条第4号で定義されています。
通常派遣との違い
| 項目 | 通常派遣 | 紹介予定派遣 |
|---|---|---|
| 面接・履歴書確認 | 禁止(労働者派遣法第26条) | ○ 許可 |
| 派遣期間 | 同一組織3年まで | 最長6か月 |
| 派遣後 | 派遣継続または契約終了 | 双方同意で直接雇用 |
| 派遣会社の役割 | 派遣のみ | 派遣+有料職業紹介 |
派遣期間の終了時
6か月終了時に派遣先(施設)と派遣社員双方が直接雇用を希望すれば、派遣会社が施設に有料職業紹介として「紹介手数料」を請求し、派遣社員は直接雇用に移行します。直接雇用の労働条件は派遣前に派遣会社が施設から書面で取得し、派遣社員に開示します。
メリット・デメリット
派遣社員側のメリット
- 施設の実態を見てから直接雇用を決められる
- 派遣期間中の賃金は派遣会社経由で安定
- 事前面接OKなので双方理解した上で派遣スタート
- 「合わなかった」場合、6か月で派遣終了して別の施設へ
派遣社員側のデメリット
- 派遣期間中の賃金は直接雇用より低めの傾向
- 6か月後に直接雇用拒否される可能性(双方合意制)
- 直接雇用後の労働条件交渉は派遣前に終わっている
施設側のメリット
- 採用後のミスマッチ離職を減らせる
- 派遣期間中に実地評価できる
- 新人教育コストの一部を派遣会社にアウトソース
利用の流れ
1. 紹介予定派遣求人を探す
カイゴジョブ・レバウェル介護・ジョブメドレー介護等の介護専門エージェントで「紹介予定派遣」フィルタを使う。または有料職業紹介事業者にも直接問い合わせ。
2. 派遣前面接
派遣会社経由で派遣先施設と面接。志望動機・経験・希望条件を伝え、施設側も評価。通常派遣では禁止される面接が紹介予定派遣では認められています。
3. 派遣スタート(最長6か月)
派遣会社と労働契約を結び施設に出向。賃金・社会保険は派遣会社経由。実際の業務を通して双方が評価期間とする。
4. 直接雇用への移行判定
派遣終了前に派遣先・派遣社員双方が「直接雇用希望」を派遣会社へ表明。双方合意なら派遣会社が紹介手数料を受け取り、施設の正社員(または契約社員)に移行。労働条件は派遣前合意通り。
5. 双方不一致なら
派遣社員が拒否→派遣終了で別の派遣先や直接応募へ。施設側が拒否→派遣社員は別の施設を探す。
紹介予定派遣のよくある質問
Q. 派遣期間終了で直接雇用を拒否されるリスクは?
A. ありえます。労働者派遣法上、施設側が直接雇用を拒否することは違法ではありません。ただし双方が合意して紹介予定派遣を始めた以上、特段の理由なき拒否は派遣会社との関係上難しいケースが多く、実際の移行率は7〜8割程度と言われます。
Q. 派遣中の賃金は直接雇用と同じですか?
A. 直接雇用と「同一」になることは少なく、派遣会社のマージン分(25〜30%)が引かれた水準が一般的。ただし直接雇用後の賃金条件は事前合意済みなので、6か月後に上がる前提で派遣中は割り切る考え方です。
Q. 介護福祉士は紹介予定派遣を使うべきですか?
A. 直接雇用の選択肢が豊富な有資格者は、急いで紹介予定派遣を使う必要は薄いです。逆に未経験・ブランク復帰・職場との相性を慎重に見たい層には有効。経験者なら直接応募で条件交渉した方が好条件になる場合が多いです。
参考文献・出典
- [1]
- [2]紹介予定派遣の運用- 厚生労働省
- [3]労働者派遣事業 業務取扱要領- 厚生労働省
- [4]介護労働実態調査(派遣・契約データ含む)- 介護労働安定センター
- [5]職業紹介事業者検索- 厚生労働省
まとめ
紹介予定派遣は、介護転職でミスマッチを避けたい層・施設の実態を見てから入社を決めたい層に有効な制度です。事前面接OKで6か月のお試し期間が確保される一方、派遣期間中の賃金は直接雇用より低めなことが多い点はトレードオフ。経験豊富な有資格者は直接応募の方が好条件になりやすく、未経験・復帰組ほど紹介予定派遣のメリットが大きい傾向があります。利用前に派遣会社の評判と直接雇用への移行率を確認しましょう。
この用語に関連する記事

介護施設の派遣看護師|時給1,800〜2,500円・特養配置基準・施設別の働き方【2026年】
介護施設の派遣看護師は時給1,800〜2,500円が相場。2021年改正で社会福祉施設への日雇派遣も解禁され、特養(看護職員常勤1名以上)・老健・有料・GHで需要拡大中。施設別の医療行為範囲、夜勤の有無、訪問看護派遣との違いを公的データで整理します。

特養で働く派遣介護職員のリアル|時給1,400〜1,700円の月収シミュ・夜勤の選択・直接雇用への切替
特養で派遣として働く介護職員のリアルを公的データで整理。時給相場1,400〜1,700円、夜勤あり/なし別の月収シミュ、紹介予定派遣で直接雇用に切り替える流れ、派遣受入14.2%・派遣比率2.6%の構造、3年ルールと派遣会社選びまで網羅します。

派遣でグループホーム勤務|時給1,500円台・認知症ケア・1ユニット夜勤のリアル
グループホームで派遣として働きたい方へ。GHの派遣時給相場(1,300〜1,900円)、ユニット型1人夜勤の体制、認知症ケアで身につくスキル、紹介予定派遣の活用法を厚労省データを交えて整理します。

派遣で老健(介護老人保健施設)で働く|時給1,400円台・リハ職連携・在宅復帰支援の実務
派遣で介護老人保健施設(老健)で働くときの時給相場・1日の流れ・リハビリ職との連携・3〜6カ月の入退所サイクルでの動き方を厚労省データで解説。在宅復帰支援に関わりたい派遣介護士の現実と、超強化型/在宅強化型など5類型の選び方までわかります。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。