
特養で働く派遣介護職員のリアル|時給相場・月収シミュ・紹介予定派遣の使い方
特養で派遣として働く介護職員のリアルを公的データで整理。時給相場1,400〜1,700円、夜勤あり/なし別の月収シミュ、紹介予定派遣で直接雇用に切り替える流れ、派遣受入14.2%・派遣比率2.6%の構造、3年ルールと派遣会社選びまで網羅します。
この記事のポイント
特養で働く派遣介護職員の時給相場は1,400〜1,700円(首都圏で最大2,000円超、地方で1,200円台)で、フルタイム勤務(週40時間)なら月収約22〜27万円が目安です。夜勤に入れば1回20,000〜35,000円が上乗せされ、月収30万円超も現実的です。介護労働安定センターの令和5年度調査では特養を含む施設系の派遣受入事業所は14.2%、職員に占める派遣比率は2.6%と少数派ですが、紹介予定派遣を使えば3〜6か月後に直接雇用へ切り替える道も開けます。
目次
「特養で派遣として働きたいけど、時給はいくら?」「夜勤はやれる?やらない選択もできる?」「紹介予定派遣で正社員にステップアップできる?」——本記事は、特別養護老人ホーム(特養)で派遣として働くことを検討している介護職に向けて、厚生労働省「労働者派遣事業報告書」「介護従事者処遇状況等調査」、介護労働安定センター「介護労働実態調査」を一次ソースに、時給相場・月収シミュ・夜勤の選び方・紹介予定派遣の活用・直接雇用への切替まで整理しました。
特養は要介護3以上の重度入所者を24時間体制でケアする施設で、社会福祉法人運営が中心の安定したフィールド。一方で、施設側の人員基準(入所者3人に職員1人)を満たすために派遣を一時的に活用するケースも増えています。「派遣だから正社員より給与が低い」「キャリアが積めない」というイメージとは異なる、特養×派遣のリアルを最新データで明らかにします。
特養での派遣という働き方|公的データで見る位置づけ
特養(特別養護老人ホーム)における派遣介護職員は、施設と直接雇用契約を結ぶ正社員・パートとは異なり、派遣会社(派遣元)と雇用契約を結び、特養(派遣先)で働く間接雇用の形態です。労働基準法・労働者派遣法に基づき、給与の支払い・社会保険・有給休暇は派遣会社が管理し、業務上の指揮命令だけが特養から行われます。
特養を含む施設系での派遣受け入れ状況(令和5年度)
介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査(事業所調査)」によれば、介護事業所全体での派遣職員受け入れ状況は次のとおりです。
- 派遣介護職員を受け入れている事業所:14.2%
- 全職員に占める派遣介護職員の割合(受け入れていない事業所も含む全体):2.6%
- 派遣を受け入れている事業所のうち、職員の100%が派遣で構成されているケース:0.3%
特養(介護老人福祉施設)は入所者3人に対し職員1人以上という人員基準(介護保険法施行規則)が課されており、欠員が出た際の人員確保策として派遣が活用されます。「特養では正社員が大多数で、派遣はピンポイント補充」というのが現場の実態です。
派遣の3つの形態
| 形態 | 特徴 | 特養での主な使い方 |
|---|---|---|
| 登録型派遣 | 派遣会社に登録し、契約期間ごとに仕事を受ける(無期契約ではない) | 欠員補充・短期プロジェクト |
| 常用型派遣(無期雇用派遣) | 派遣会社に無期雇用され、安定して派遣される | 長期戦力としての配置 |
| 紹介予定派遣 | 3〜6か月の派遣期間後、双方合意で直接雇用へ切替予定 | 正社員候補の見極め採用 |
特養では登録型派遣が主流ですが、近年は人手不足を背景に紹介予定派遣を「お試し採用」として活用する施設が増えています。
派遣・パート・正社員の比較
| 比較項目 | 派遣社員 | パート(直接雇用) | 正社員 |
|---|---|---|---|
| 雇用主 | 派遣会社 | 特養 | 特養 |
| 時給/月給 | 時給1,400〜1,700円 | 時給1,200円前後 | 月給20〜25万円 |
| 賞与 | 原則なし | 少額または無し | 年2〜4か月分 |
| 夜勤 | 選択可能(拒否可) | 原則なし | 必須が多い |
| 同じ職場の継続性 | 原則3年まで | 制限なし | 制限なし |
| 悩み相談先 | 派遣会社 | 施設管理者 | 施設管理者 |
特養での派遣時給相場|地域・資格・夜勤別の最新データ

特養での派遣介護職員の時給は、地域・保有資格・夜勤の有無で大きく差が出ます。厚生労働省の公的統計と求人市場のデータを組み合わせて整理しました。
介護派遣全体の平均時給(厚労省データ)
厚生労働省「令和5年度 労働者派遣事業報告書」によると、介護サービス職業従事者の派遣労働者の平均賃金は8時間あたり約10,840円(時給換算 約1,355円)です。同じく令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、直接雇用の非常勤介護職員の平均時給は約1,220円。差は130〜140円で、月20日・1日8時間勤務に換算すると月額2万円超の差になります。
特養での派遣時給の目安(地域別)
| 地域 | 無資格・初任者研修 | 実務者研修 | 介護福祉士 |
|---|---|---|---|
| 東京・神奈川 | 1,400〜1,600円 | 1,500〜1,700円 | 1,700〜2,200円 |
| 大阪・愛知 | 1,300〜1,500円 | 1,400〜1,600円 | 1,500〜1,800円 |
| 地方都市 | 1,200〜1,400円 | 1,300〜1,500円 | 1,400〜1,700円 |
※求人市場の公開情報および介護派遣会社の公表データから整理した目安。実際の時給は派遣会社・施設・経験により変動します。
夜勤帯の時給(深夜割増を含む)
労働基準法第37条第4項により、午後10時〜午前5時の労働は通常の1.25倍以上の割増賃金が支払われます。特養の夜勤(多くは16時間2交替制)では、日勤時給に深夜割増と夜勤手当が加算されます。
- 深夜割増のみ適用時:時給1,500円 × 1.25 = 1,875円(22時〜翌5時)
- 夜勤専従派遣の日給:1回20,000〜35,000円(介護福祉士・首都圏では3万円超も)
- 月10回入った場合:日給25,000円 × 10回 = 25万円(夜勤手当・深夜割増込みの実質時給は2,000円超)
当サイト独自分析|特養派遣の時給は他施設タイプと比べてどう違うか
当サイトが厚労省「介護サービス施設・事業所調査」と派遣求人データを照合したところ、特養の派遣時給は老健(介護老人保健施設)と同水準で、デイサービス(時給1,200〜1,500円)より約100〜200円高い傾向があります。理由は次の3点です。
- 重度入所者中心:要介護3以上が原則のため、身体介護スキルを評価される
- 夜勤対応の必要性:24時間体制で夜勤帯の時給割増が乗る
- 看取りなど高度ケアの実施:介護福祉士有資格者には資格手当がつきやすい
一方、グループホーム派遣は時給1,200〜1,500円とやや低めですが、夜勤回数が少ないため働きやすさを評価する声もあります。「時給」だけでなく夜勤の有無・利用者の重度度合いを含めて比較するのが現実的な選び方です。
月収シミュレーション|夜勤あり/なし・週日数別の3パターン
「特養で派遣として働くと、結局いくらもらえるのか?」を具体的に試算しました。時給1,500円(介護福祉士・首都圏標準)を基準に、夜勤の有無と勤務日数別の月収シミュレーションを掲載します。
パターン1|夜勤なし・フルタイム勤務(日勤専従)
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 日給 | 1,500円 × 8時間 | 12,000円 |
| 月勤務日数 | 20日(週5日) | — |
| 基本月収 | 12,000円 × 20日 | 240,000円 |
| 交通費(別途支給の場合) | — | +5,000〜10,000円 |
夜勤なしの日勤専従でも月収約24万円を確保可能。子育て・家庭との両立を重視する派遣希望者に最も選ばれる働き方です。
パターン2|夜勤あり・フルタイム勤務(夜勤月4回)
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 日勤月収 | 1,500円 × 8時間 × 16日 | 192,000円 |
| 夜勤手当(1回25,000円・16時間想定) | 25,000円 × 4回 | 100,000円 |
| 合計月収 | — | 292,000円 |
夜勤を月4回取り入れるだけで、月収は約29万円まで上がります。賞与がない派遣でも、年収換算で350万円超が見込めます。
パターン3|夜勤専従派遣(月10回)
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 夜勤日給 | 25,000〜30,000円/回 | — |
| 月勤務回数 | 10回 | — |
| 合計月収 | 27,500円 × 10回(中央値) | 275,000円 |
夜勤専従は16時間勤務×月10回でほぼ「週2.5日勤務」の感覚。日中は副業や学業、家族のケア時間にあてられるため、ダブルワーカーや夜型生活を好む方に選ばれています。ただし夜勤帯の人手は手薄で、緊急対応・看取り対応が連続する負荷の高さも理解しておく必要があります。
年収換算と賞与なしの影響
派遣には賞与(ボーナス)が原則ありません。一方、特養の正社員(介護福祉士・経験5年程度)の年収は約400〜450万円。派遣で同等に到達するには、夜勤を月4〜6回入れて月収30万円弱を維持する必要があります。「賞与なしの派遣」と「賞与ありの正社員」の年収逆転を避けたい場合は、夜勤稼働率の設計が重要です。
手取りの目安
派遣時給1,500円・夜勤月4回(月収29万円)の場合、社会保険料・所得税・住民税の控除後の手取りは約23〜24万円が目安です(独身・東京の概算)。家族手当・通勤手当が時給に含まれるかどうかは派遣会社により異なるため、契約時に必ず確認しましょう。
特養派遣の夜勤|あり・なしの選択と現場の実態
特養派遣の大きな魅力は「夜勤を入れるかどうかを自分で選べる」こと。正社員の場合は人員配置の都合で夜勤必須が多い一方、派遣は契約条件で「夜勤あり」「夜勤なし」「夜勤専従」を選択できます。
「夜勤なし派遣」を選ぶ場合
- 働き方:早番(7時〜16時)・日勤(9時〜18時)・遅番(11時〜20時)のシフト
- 向いている人:子育て中・体力面での不安がある・家庭との両立を最優先したい人
- 注意点:求人数は夜勤あり比較で少なく、選択肢が限定される。月収は24万円前後が上限
「夜勤あり派遣」を選ぶ場合
- 働き方:日勤+夜勤の混合シフト(夜勤2〜4回/月)
- 向いている人:月収30万円前後を確保したい・夜勤手当を稼ぎたい・正社員と同水準の収入を希望する人
- 注意点:特養の夜勤は16時間2交替制が主流(17時〜翌9時など)。仮眠時間は2時間設定でも実際は取れない場合がある
「夜勤専従派遣」を選ぶ場合
- 働き方:夜勤のみを月8〜11回(週2〜2.5日換算)
- 向いている人:日中の時間を確保したい・短日数で稼ぎたい・夜型生活が苦にならない人
- 注意点:1回あたりの拘束時間が16時間と長く、看取り・緊急搬送などへの単独対応が増える
特養夜勤の人員体制と派遣の役割
特養の夜勤帯は厚労省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(厚生省令第39号)で入所者25人につき1人以上の介護職員配置が義務付けられています。100床の施設なら最低4人。しかし実際は人員基準ギリギリで運用されているケースも多く、派遣職員は「2交替の中の1〜2人を担う即戦力」として期待されます。新人が入っても夜勤に投入される頻度が高いため、夜勤未経験の派遣はOJT期間(1〜2か月)を交渉することが重要です。
夜勤を断れる派遣のメリット・デメリット
| 軸 | 夜勤なし派遣 | 夜勤あり派遣 |
|---|---|---|
| 月収目安 | 22〜26万円 | 28〜35万円 |
| 体力負担 | 低い | 高い(16時間勤務) |
| 求人選択肢 | 限定的 | 豊富 |
| 正社員転換時の評価 | 標準 | 夜勤可能で評価UP |
| 看取り・緊急対応 | 少ない | 多い |
紹介予定派遣の使い方|「お試し3〜6か月」で直接雇用へ切替

紹介予定派遣は、3〜6か月の派遣勤務後に双方合意で直接雇用(正社員・契約社員)へ転換することを前提とした働き方です。労働者派遣法に基づき、派遣前に職場の見極め面接が認められている唯一の派遣形態です。
紹介予定派遣の流れ(特養での典型例)
- 派遣会社に登録:紹介予定派遣の希望を伝え、特養求人を紹介してもらう
- 事前面接・職場見学:施設長や介護主任と面接し、現場の雰囲気を確認
- 派遣契約締結:3〜6か月の派遣期間、時給は通常の派遣と同水準
- 派遣勤務開始:実際の業務を通じて施設・本人ともに適性を判断
- 派遣期間満了直前に意思確認:双方合意で直接雇用へ移行
- 直接雇用契約締結:正社員または契約社員として特養と雇用契約
紹介予定派遣 vs 通常派遣 vs 直接応募
| 項目 | 紹介予定派遣 | 通常派遣 | 直接応募 |
|---|---|---|---|
| 事前面接 | あり(合法) | 原則禁止(職場見学のみ) | 必須 |
| 派遣期間 | 最長6か月 | 最長3年 | — |
| 直接雇用への切替 | 前提 | 合意があれば可能 | — |
| 賞与の有無(派遣中) | なし | なし | — |
| 賞与の有無(直接雇用後) | あり(年2〜4か月分) | 転換次第 | あり |
| 職場の雰囲気の事前把握 | 可能 | 限定的 | 面接のみ |
特養で紹介予定派遣が増えている背景
特養(社会福祉法人運営が中心)では、採用後のミスマッチによる早期離職が長年の課題でした。新卒・未経験者を直接雇用するより、まず3〜6か月「派遣社員として」働いてもらい、適性を見極めてから正社員化する手法は、施設・応募者ともにメリットが大きいため近年急速に広がっています。
正社員化後の年収シミュ
派遣時給1,500円(フルタイム月20日・月収24万円)から、特養正社員(介護福祉士・経験3年)に転換した場合の年収例:
- 基本月給:22万円
- 夜勤手当:5,000円 × 4回 = 2万円
- 処遇改善加算:2万円
- 月収合計:26万円
- 賞与:年4か月分 = 88万円
- 年収換算:約400万円(派遣時の年収約350万円から+50万円)
賞与・退職金・キャリアアップを考えれば、長期的には正社員化のほうが収入面で有利です。ただし「派遣の自由度」を手放すかどうかは慎重に判断する必要があります。
紹介予定派遣で注意すべきポイント
- 必ず正社員になれるわけではない:派遣期間中の評価次第で見送られるケースもある
- 直接雇用後の条件は派遣前に確認:基本給・賞与・各種手当を派遣契約前に書面で確認
- 派遣期間中の時給は通常派遣と同水準:正社員転換後の月給より高い場合もあり、年収逆転に注意
特養派遣のメリット・デメリット|「3年ルール」と「正社員壁」のリアル
特養派遣の働き方は、メリットとデメリットがはっきりしています。「派遣だから不安定」と一括りにせず、自分のキャリア設計に合うかを見極めましょう。
メリット(5つ)
- 時給が高い:パート(直接雇用 約1,220円)より時給130〜500円高い水準で働ける
- 夜勤を選択できる:「夜勤なし」「夜勤専従」など希望に応じて働き方を組める
- 人間関係の悩みを派遣会社に相談できる:施設に直接言いにくい不満も派遣会社のキャリアアドバイザー経由で調整可能
- 合わない職場は契約満了で離脱できる:3〜6か月単位の契約で、ミスマッチを長期化させない
- 多様な特養の経験が積める:従来型・ユニット型・小規模・大規模など、複数の現場を経験することで自分に合う職場像が見えてくる
デメリット(5つ)
- 賞与・退職金がない:年収ベースで正社員に逆転される可能性。年収400万円台を目指すなら夜勤稼働が必須
- 同じ職場で3年までしか働けない(3年ルール):労働者派遣法第40条の3により、派遣可能期間は原則3年。延長や直接雇用への切替が必要
- 正社員へのキャリアアップが限定的:管理職(介護リーダー・主任など)に就きにくく、長期キャリアは見えにくい
- 即戦力を求められる:教育・研修期間が短く、入職初日から夜勤投入というケースもある
- 施設によっては派遣を「外様」扱いする文化がある:正社員と派遣の壁を感じる職場もあり、人間関係構築に時間がかかる場合がある
「3年ルール」を超えて働き続ける方法
労働者派遣法の3年ルールは、同一の派遣先・同一組織単位での派遣可能期間を制限する規定です。3年を超えて同じ特養で働きたい場合、選択肢は次のとおりです。
- 直接雇用への切替:派遣先(特養)と直接雇用契約を結ぶ(紹介予定派遣の延長線)
- 派遣会社で無期雇用化:派遣元との雇用契約を有期から無期に切替えれば、3年制限が適用外になる
- 組織単位の変更:同じ特養内でも別ユニット・別フロアなど「組織単位」が変われば再度3年勤務可能
「派遣が嫌われる」と言われる現場の本音
介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」では、派遣を受け入れている事業所は14.2%にとどまり、特に伝統的な社会福祉法人系特養では派遣活用に慎重な施設も少なくありません。理由は「研修コストの非回収」「チームワークへの影響懸念」など。一方で、人手不足が深刻化する2025年問題を控え、派遣活用は今後さらに広がる見通しです。「派遣が嫌われる」と感じる場合は、派遣文化が根付いている施設(紹介予定派遣を積極活用する施設)を選ぶのが現実的です。
独自分析|ユニット型と従来型で派遣の使われ方はどう違うか
同じ「特養」でも、施設構造(ユニット型と従来型)によって派遣職員の役割や働きやすさは大きく異なります。当サイトが厚労省「介護サービス施設・事業所調査」と派遣求人傾向を照合して整理しました。
ユニット型特養(10人前後の小規模ユニット)での派遣
- 個別ケアの徹底度が高い:1ユニット10人の入所者を少人数で担当するため、入所者一人ひとりの生活歴・嗜好を把握する必要がある。短期派遣だと馴染むのに時間がかかる
- 夜勤は2ユニット20人を1人で担当することも:1人夜勤の負荷が高く、派遣でも夜勤経験者を求める傾向
- 常勤チームとの関係構築が重要:少人数チームのため、派遣でも「お客さん」扱いされず即戦力として組み込まれる
- 給与水準は従来型より高め:ユニット型介護加算の算定により、派遣時給も+50〜100円のケースあり
従来型特養(多床室中心の大規模施設)での派遣
- 業務分担が明確:フロアごとに介護リーダーが配置され、派遣は決まったタスク(食事介助・入浴介助など)に専念しやすい
- 夜勤帯の人数が多め:50床のフロアに2〜3人配置されるため、新人派遣でも夜勤デビューしやすい
- 標準化されたケアフロー:マニュアル化されており、複数施設経験者なら短期間で順応可能
- 派遣比率が高め:100床超の大規模施設では派遣10〜20%という現場もある
派遣未経験者ならどちらを選ぶか
当サイトの分析では、派遣として特養に初挑戦するなら「従来型・100床規模」がおすすめです。理由は:
- 業務が標準化されており短期間で覚えやすい
- 介護リーダーが明確で困った時に質問しやすい
- 夜勤帯も複数人体制で派遣の負荷が分散される
逆に「個別ケアの専門性を高めたい」「看取り対応を学びたい」場合は、ユニット型特養での派遣が学びの場として優れています。
派遣会社の選び方|介護専門派遣会社のチェックポイント
特養派遣の求人を扱う主要派遣会社(レバウェル介護派遣・かいご畑・ツクイスタッフ・ベネッセMCM・きらケアなど)を選ぶ際は、以下を確認しましょう。
- 特養求人の取扱数:全体求人の50%以上が施設系(特養・老健含む)の派遣会社が望ましい
- 紹介予定派遣の実績:「派遣→正社員転換率○%」を公開している会社は実績重視で信頼できる
- キャリアアドバイザーの介護有資格率:介護福祉士・初任者研修修了者が担当だと現場感覚で相談できる
- 給与前払い・社会保険即日加入:生活基盤を支える制度の有無
- 時給交渉のサポート:契約更新時の時給アップ交渉を代行してくれるか
転職を検討するならまず働き方診断を
「自分は派遣と正社員、どちらが向いているか分からない」という方は、当サイトの働き方診断で性格・希望条件から適性をチェックするのがおすすめです。特養・老健・グループホーム・デイサービスなど、施設タイプごとの働き方適性も合わせて提案します。
特養派遣に関するよくある質問
Q1. 特養での派遣は未経験・無資格でも始められますか?
始められますが選択肢は限定されます。介護労働実態調査によると、派遣を受け入れる事業所は「即戦力人材の確保」を目的にしているケースが多く(理由の76.5%が欠員補充)、未経験者は介護福祉士有資格者と比べて派遣求人数が3〜4割少ない傾向です。まずは介護職員初任者研修(130時間・約1〜3か月)を取得してから派遣登録するのが現実的です。
Q2. 特養派遣の時給で月収30万円は本当に可能ですか?
可能です。時給1,500円(介護福祉士・首都圏標準)の場合、夜勤を月4回入れると月収約29万円、夜勤専従で月10回入ると月収27.5万円が目安です。介護福祉士+首都圏+夜勤稼働の組み合わせで、月収30万円超は現実的なラインです。ただし賞与なしのため、年収では正社員に逆転される可能性に留意してください。
Q3. 派遣でも特養の処遇改善加算の恩恵は受けられますか?
原則として、処遇改善加算は直接雇用の介護職員(正社員・パート)が対象であり、派遣社員には直接支給されません。ただし、加算を獲得している施設は派遣会社に支払う料金水準も高くなるため、派遣時給に間接的に反映される傾向があります。加算率最大14.0%を取得している特養を選ぶと、派遣時給が高めに設定されている可能性があります。
Q4. 紹介予定派遣で必ず正社員になれますか?
必ずではありません。派遣期間中に勤怠不良・スキル不足・人間関係トラブルなどがあると見送られる場合があります。逆に派遣期間中に「この施設は合わない」と感じれば、本人側から直接雇用を辞退することも可能です。双方の合意が必要な点が紹介予定派遣の大原則です。
Q5. 派遣で特養に入った場合、3年後はどうなりますか?
労働者派遣法の3年ルールにより、原則として同一組織単位(同じユニット・フロア)での派遣可能期間は3年です。3年経過時の選択肢は、①直接雇用への切替、②派遣会社で無期雇用化、③別組織単位への異動、④別の特養への派遣、の4つ。多くの場合、派遣会社が3年到達前にキャリア面談を実施し、次のステップを一緒に検討します。
Q6. 派遣の特養夜勤は新人でも入れられますか?
施設によりますが、人手不足が深刻な特養では入職1〜2か月で夜勤デビューするケースもあります。夜勤未経験の派遣の場合、契約時に「日勤OJTを最低1か月確保」を派遣会社経由で交渉できます。夜勤の不安が大きい方は、夜勤研修制度を整えた派遣会社(夜勤同行研修ありなど)を選ぶと安心です。
Q7. 派遣社員でも有給休暇は取れますか?
取れます。労働基準法第39条により、派遣社員も雇用開始から6か月経過・出勤率8割以上で年10日の有給休暇が付与されます。有給は派遣会社(雇用主)の管理下で取得するため、申請も派遣会社に行います。直接雇用に比べて気兼ねなく取りやすいというメリットも。
Q8. 特養派遣と訪問介護の派遣、どちらが稼げますか?
時給単価では訪問介護派遣のほうが高い(時給1,500〜2,500円)傾向ですが、移動時間が賃金にカウントされないため時間単価あたりの実収入は特養派遣のほうが安定しがちです。特養は1日8時間連続勤務で安定収入、訪問介護は短時間×多訪問で柔軟性が高いという違いがあります。
参考文献・出典
- [1]
- [2]
- [3]
- [4]
- [5]労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)- e-Gov法令検索(厚生労働省)
派遣可能期間の制限(3年ルール・第40条の3)、紹介予定派遣の事前面接(第26条)
- [6]
まとめ|特養派遣は「自由度」と「収入」の両立を狙える働き方
特養で派遣として働くことは、「時給の高さ」「夜勤の選択自由」「紹介予定派遣で正社員への道」という3つの軸で、介護職員のキャリア戦略に有効な選択肢です。本記事の要点を整理します。
- 時給相場:1,400〜1,700円(首都圏・介護福祉士で2,000円超)
- 月収シミュ:夜勤なし24万円/夜勤月4回29万円/夜勤専従月10回27.5万円
- 夜勤の選択:あり/なし/専従を契約条件で選べる(正社員にはない自由)
- 紹介予定派遣:3〜6か月の派遣後に直接雇用へ切替可能、事前面接OK
- 業界全体の派遣比率:受け入れ事業所14.2%・職員比率2.6%(介護労働実態調査)
- 3年ルール:同一組織単位で原則3年、超えるには直接雇用化か無期雇用化が必要
- 派遣会社の選び方:特養求人取扱率・紹介予定派遣実績・有資格アドバイザーの3点で比較
「特養派遣」は単なる短期の働き方ではなく、「直接雇用前のお試し期間」「ライフステージに合わせた柔軟な収入確保」「複数施設の経験蓄積」といった戦略的活用が可能な選択肢です。賞与・退職金がない弱点は、夜勤稼働による月収アップと、紹介予定派遣で正社員化する出口戦略でカバーできます。
「自分は派遣・正社員、どちらの働き方が合うか分からない」「特養と他施設、どちらが向いているか知りたい」という方は、まず当サイトの働き方診断で適性をチェックしてみてください。性格・希望条件・ライフステージを踏まえた、あなただけのキャリアパスをご提案します。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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特養介護職の1日の流れ
特養の介護職は、早番・日勤・遅番・夜勤など複数のシフトで勤務します。ここでは、代表的な勤務シフトごとの1日の流れを紹介します。
早番(7:00〜16:00)の1日
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 7:00 | 出勤・夜勤者からの申し送り確認 |
| 7:30 | 起床介助・着替え・排泄介助 |
| 8:00 | 朝食準備・配膳・食事介助 |
| 9:00 | 口腔ケア・排泄介助・バイタル測定 |
| 10:00 | 入浴介助(午前入浴の方) |
| 12:00 | 昼食準備・配膳・食事介助 |
| 13:00 | 口腔ケア・排泄介助 |
| 14:00 | レクリエーション・おやつ提供 |
| 15:00 | 介護記録の作成 |
| 15:30 | 遅番への申し送り |
| 16:00 | 退勤 |
日勤(9:00〜18:00)の1日
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 9:00 | 出勤・申し送り確認 |
| 9:30 | バイタル測定・入浴介助 |
| 12:00 | 昼食準備・配膳・食事介助 |
| 13:00 | 口腔ケア・休憩 |
| 14:00 | レクリエーション・機能訓練補助 |
| 15:00 | おやつ提供・排泄介助 |
| 16:00 | 入浴介助(午後入浴の方) |
| 17:00 | 介護記録の作成・申し送り準備 |
| 17:30 | 夜勤者への申し送り |
| 18:00 | 退勤 |
夜勤(17:00〜翌10:00)の1日
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 17:00 | 出勤・日勤者からの申し送り |
| 18:00 | 夕食準備・配膳・食事介助 |
| 19:00 | 口腔ケア・排泄介助 |
| 20:00 | 就寝介助・着替え |
| 21:00 | 消灯・巡回開始 |
| 0:00 | 体位変換・おむつ交換(2〜3時間おき) |
| 5:00 | 起床準備・早起きの入居者対応 |
| 6:00 | 起床介助・着替え |
| 7:00 | 朝食準備・配膳・食事介助 |
| 8:00 | 口腔ケア・排泄介助 |
| 9:00 | 介護記録の作成 |
| 9:30 | 日勤者への申し送り |
| 10:00 | 退勤 |
シフトのポイント
- ユニット型:1ユニット10名程度を2〜3名で担当
- 夜勤:施設によっては1人で2ユニット(約20名)を担当することも
- 休憩:日勤は1時間、夜勤は2〜3時間の仮眠時間あり
のの働き方
のでは、様々な働き方が可能です。
勤務形態の選択肢
- 日勤のみ:の中には日勤帯のみで働ける施設もあります
- シフト制:早番・日勤・遅番・夜勤のローテーションが基本
- パート・アルバイト:週2〜3日から働ける柔軟な雇用形態
で働く環境
エリアのでは、資格取得支援制度や研修制度が充実している施設が多くあります。での経験を積みながら、キャリアアップを目指すことができます。
のでキャリアを築く
での仕事をしながらキャリアを築くための情報をご紹介します。
キャリアアップの道筋
- 資格取得:初任者研修 → 実務者研修 → 介護福祉士と段階的にステップアップ
- 役職への昇進:でリーダー・主任・管理者として施設運営に携わる
- 専門性の深化:ならではのケア技術を極める
長く働ける環境
の多くのでは、産休・育休制度や時短勤務制度が整備されており、ライフステージに合わせた働き方が可能です。

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