シルバーハウジングとは

シルバーハウジングとは

シルバーハウジングは、バリアフリー化された公的賃貸住宅にLSA(ライフサポートアドバイザー=生活援助員)の見守りを組み合わせた高齢者世帯向け住宅です。定義・入居条件・費用・サ高住との違いを解説します。

ポイント

シルバーハウジングの定義キャプセル

シルバーハウジングとは、住宅施策と福祉施策の連携により、バリアフリー化された公営住宅などの公的賃貸住宅と、LSA(ライフサポートアドバイザー、生活援助員)による安否確認や生活相談などの日常生活支援サービスを併せて提供する、高齢者世帯向けの住まいです。介護施設ではなく、自立した生活を前提とした賃貸住宅で、運営は地方公共団体や住宅供給公社、UR都市機構が担います。

目次

シルバーハウジングの概要と制度の位置づけ

シルバーハウジングの仕組みと制度の位置づけ

シルバーハウジングは、国土交通省が所管する「シルバーハウジング・プロジェクト」として制度化された高齢者向けの公的賃貸住宅です。住宅そのものは公営住宅法などに基づいて整備され、手すりや段差の解消、緊急通報システムといった高齢者の生活特性に配慮したバリアフリー設備を備えています。

この「ハード(住宅)」に、「ソフト(見守り)」を組み合わせているのが最大の特徴です。市町村の委託を受けたLSA(ライフサポートアドバイザー、生活援助員)が、安否確認や生活相談、緊急時の連絡などを行います。LSAの派遣にかかる費用は公費で賄われ、入居者が直接負担することはありません。LSAによる支援は、介護保険法の地域支援事業(任意事業)として位置づけられています。

つまり、シルバーハウジングは「住宅(国土交通省)」と「見守りサービス(厚生労働省・市町村)」という2つの行政が連携して成り立つ住まいです。介護が必要になった場合に介護サービスを提供する施設ではなく、自立して暮らせる高齢者が、安心して在宅生活を続けるための賃貸住宅という位置づけになります。

制度の経緯

シルバーハウジング・プロジェクトは昭和62年度(1987年度)にLSA常駐型として創設されました。その後、平成5年度(1993年度)に福祉施設と連携する型へと拡充され、平成8年度(1996年度)には障害者世帯も入居対象に追加されています。国土交通省の資料によると、平成21年度末時点で全国869団地・23,298戸が管理されてきた実績があります。

シルバーハウジングのLSA(生活援助員)の役割

LSA(ライフサポートアドバイザー・生活援助員)が行うこと

LSA(ライフサポートアドバイザー)は、市町村の委託により配置される生活援助員で、入居者の在宅生活を見守る役割を担います。提供されるのは生活支援サービスであり、入浴介助や排せつ介助といった身体介護は含まれません。主な業務は次のとおりです。

  • 安否確認(訪問や声かけ、緊急通報システムによる確認)
  • 日常生活に関する相談や生活指導
  • 緊急時の対応と、家族・かかりつけ医・救急への連絡
  • 一時的な家事援助(急病時など)
  • 保健師・ケアマネジャー・ヘルパー・行政など関係機関との連絡調整

LSAの配置は概ね30戸に1人が目安とされ、滞在は日中のみで夜間は緊急通報システムで対応する形態が多く見られます。なかには24時間常駐の住宅もあります。介護が必要になった場合、LSAが介護サービスを提供することはありませんが、介護保険の手続き方法や相談窓口を案内し、外部の訪問介護やデイサービスへつなぐ役割を果たします。

シルバーハウジングとサ高住の違い比較

シルバーハウジングとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の違い

シルバーハウジングは、見守り付きの賃貸住宅という点でサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とよく似ています。しかし、最大の違いは「公的運営か民間運営か」という運営主体にあり、そこから費用や入居のしやすさにも差が生まれます。

項目シルバーハウジングサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
運営主体地方公共団体・住宅供給公社・UR都市機構主に民間事業者・社会福祉法人
根拠シルバーハウジング・プロジェクト(公営住宅法等)高齢者住まい法(2011年制度化)
見守りの担い手市町村委託のLSA(生活援助員)運営主体が雇用する生活相談員(介護福祉士・看護師等)
入居条件原則60歳以上、所得制限あり概ね60歳以上、所得制限は原則なし
家賃公営住宅基準・低所得者は減免あり民間賃貸に近い水準(物件差あり)
入居方法抽選制が多い(URは先着順)空室があれば先着順
入居のしやすさ高め(戸数が少なく空きが出にくい)比較的入りやすい(新設が増加)

経済的な負担を抑えたい人や、自立して暮らせる人にはシルバーハウジングが向きます。一方、将来的に介護サービスの利用を見据えて選びたい人にはサ高住が選択肢になりやすい傾向があります。なお、ケアハウス(軽費老人ホーム)は食事提供などを伴う福祉施設であり、賃貸住宅であるシルバーハウジングとは性格が異なります。

シルバーハウジングの入居条件・費用・申込の流れ

入居条件・費用と申し込みの流れ

主な入居条件

  • 原則60歳以上の高齢者単身世帯、または夫婦のいずれかが60歳以上の世帯
  • 高齢者のみで構成される世帯
  • 障害者単身世帯や障害者とその配偶者の世帯(事業主体が認める場合)
  • 自立して日常生活を送れること(公営住宅では所得・収入の制限あり)

費用の目安

家賃は公営住宅法に基づき所得階層別に設定され、月額1万円から数万円程度が目安です。低所得世帯には減免制度があります(減免は公営住宅の場合)。敷金は家賃の2〜3か月分が必要なことが多く、礼金や更新料は不要なケースが一般的です。共益費として数千円が必要な場合もあります。UR都市機構が運営する住宅では、近隣の家賃相場に近い水準となり、一定の月収や貯蓄の確認が行われます。LSAの見守りサービス自体は公費負担で、入居者の追加負担はありません。

申し込みの流れ

  1. 自治体やURの窓口で募集状況・空室を確認する
  2. 年齢・世帯構成・収入など入居条件に該当するか確認する
  3. 申し込みを行う
  4. 応募多数の場合は抽選(URの場合は先着順)
  5. 契約を結ぶ
  6. 敷金などの初期費用を支払う
  7. 引越し・入居

戸数が限られ空室が出にくいため、入居までに時間がかかることがあります。まずは住んでいる地域の自治体(住宅課など)やUR都市機構の窓口に相談するのが第一歩です。

シルバーハウジングのよくある質問

シルバーハウジングは介護施設ですか?

いいえ。シルバーハウジングは介護施設ではなく、自立して暮らせる高齢者向けの公的賃貸住宅です。LSA(生活援助員)が安否確認や生活相談を行いますが、入浴・排せつなどの身体介護は提供しません。介護が必要になった場合は、訪問介護やデイサービスなど外部の介護保険サービスを個別に利用します。

要介護になったら住み続けられますか?

軽度であれば、外部の在宅介護サービスを利用しながら住み続けられる場合があります。ただし、自力で食事やトイレができるなど一人暮らしが可能であることが前提です。要介護度が高くなると継続が難しくなり、サ高住や介護付き有料老人ホームなどへの住み替えを検討することになります。地域包括支援センターやケアマネジャーへの相談がすすめられます。

LSAのサービスに費用はかかりますか?

LSAによる安否確認や生活相談などの見守りサービスは公費で賄われており、入居者が直接負担することはありません。負担が発生するのは家賃や敷金、共益費などの住宅費用です。

どこに申し込めばよいですか?

運営主体である地方公共団体(自治体の住宅課など)、住宅供給公社、UR都市機構の窓口が申込先です。募集状況や空室、入居条件は自治体ごとに異なるため、まずは住んでいる地域の窓口に確認してください。

サ高住とどちらを選べばよいですか?

費用を抑えたい人や自立して暮らせる人にはシルバーハウジングが向きます。ただし戸数が少なく入居しにくい面があります。将来的な介護利用を見据えるならサ高住も選択肢になります。健康状態や介護の見通し、予算を踏まえて検討するとよいでしょう。

シルバーハウジングの参考資料

シルバーハウジングのまとめ

まとめ

シルバーハウジングは、バリアフリー化された公的賃貸住宅にLSA(生活援助員)の見守りを組み合わせた、自立した高齢者向けの住まいです。家賃が抑えられ低所得者には減免もある一方、戸数が限られ入居しにくい面があります。介護が本格的に必要になった場合は外部サービスの利用や住み替えを検討することになります。費用や介護の見通しを踏まえ、自治体やUR、地域包括支援センターに相談しながら選ぶとよいでしょう。

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執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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