スポットワークとは
介護職向け

スポットワークとは

スポットワークとは、アプリなどで1日単位の仕事を募集・応募して働く働き方。介護分野では令和7年度介護労働実態調査で事業所の8.9%が過去1年に利用しています。応募時点で労働契約が成立する点や、無資格で担える業務の範囲を解説します。

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この記事のポイント

スポットワークとは、パソコンやスマートフォンから1日単位で仕事を募集・応募し、その都度雇用契約を結んで働く働き方です。単発の仕事、すきま時間の仕事などとも呼ばれます。厚生労働省はこれを「短時間・単発の就労を内容とする雇用契約」と位置づけており、雇用である以上、労働基準法などの労働関係法令がそのまま適用されます。介護分野では、令和7年度の介護労働実態調査で、過去1年間にスポットワークを利用したことがある事業所が8.9%でした。

目次

スポットワークの定義と労働契約の考え方

令和7年度介護労働実態調査は、スポットワークを「パソコン、スマホ等によりネットで1日単位(日々雇用)で募集・雇用するもの」と定義しています。1日のうち数時間だけ働く場合も1日単位として扱われます。

ここで押さえておきたいのは、スポットワークが雇用であるという点です。厚生労働省は令和7年7月4日、いわゆるスポットワークにおける留意事項をまとめたリーフレットを労働者向けと使用者向けに作成し、関係団体に周知を要請しました。雇用仲介のアプリを通じて働く人からの賃金不払い等の相談や申告が、全国の労働基準監督署に一定数寄せられていたことが背景にあります。同省の整理では、スポットワークで働く人から応募があった時点で、別途特段の合意がなければ労働契約が成立すると一般的に考えられるとされています。

労働契約が成立している以上、労働条件の明示、労働時間の把握、最低賃金、休業手当といったルールはすべて適用されます。施設側が当日になって「今日は人が足りているので来なくてよい」と一方的に取り消せば、休業手当の問題になりえます。使用者向けのリーフレットでは、準備や片付けの時間を含めたうえで始業・終業の時刻を求人の時点で明確に設定することなどが求められています。

介護事業所のスポットワーク利用実態

令和7年度介護労働実態調査(事業所調査、有効回答8,955件)から、介護分野での利用実態が読み取れます。

  • 過去1年間にスポットワークを利用したことが「ある」と回答した事業所は8.9%でした。
  • 介護職員の過不足の状況別に見ると、「大いに不足」とする事業所で15.3%、「不足」とする事業所で14.8%と、人手不足感が強い事業所ほど利用率が高くなっています。
  • 利用している理由は「必要とするマンパワー(人数)の確保が容易にできる」が47.1%で最も高く、次いで「繁忙の時間帯にだけ雇うことができる」が37.1%、「正社員や日々雇用でない有期雇用職員への雇用につなげられる」が27.8%でした。
  • スポットワークで雇用した人を正社員等として雇用したことがある事業所は、利用したことがある事業所の28.0%にのぼります。

これらの数字が示すのは、スポットワークが単なる人手の穴埋めにとどまらず、採用の入り口としても機能しはじめているということです。求職者にとっては、応募や面接の前に職場を実地で確かめる選択肢のひとつになります。

無資格でスポットワークとして働ける業務の範囲

介護の仕事であれば何でも単発で担えるわけではありません。制度上の制約があります。

  1. 訪問介護は資格が必要:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第5条は、指定訪問介護事業所に置くべき訪問介護員等を「指定訪問介護の提供に当たる介護福祉士又は法第8条第2項に規定する政令で定める者」と定めています。無資格のまま訪問介護のサービスを提供することはできません。
  2. 施設内では周辺業務が中心:施設系のサービスでは、配膳や下膳、清掃、寝具の交換、見守り、レクリエーションの補助といった周辺業務が、無資格でも担える範囲として設定されるのが一般的です。
  3. 身体介護は事業所の体制と判断による:施設内の介護職員に一律の資格要件が課されているわけではありませんが、身体介護は利用者の安全に直結する業務です。初めて訪れた単発勤務者に任せる運用は現実的ではなく、募集要項に記載された業務の範囲を必ず確認してください。
  4. 募集内容と実際の業務が違う場合:当日になって募集時と異なる業務を求められたときは、その場で確認し、対応が得られなければ労働基準監督署や総合労働相談コーナーに相談できます。

スポットワークに関するよくある質問

Q. 1日だけの勤務でも労災保険は使えますか?

A. 労働者災害補償保険は、労働者を雇用する事業に適用されます。1日だけの雇用であっても労働者である以上、業務中や通勤中のけがは対象になります。

Q. 給与はいつ支払われますか?

A. 雇用仲介のアプリによっては当日中に立替払いされる仕組みがありますが、賃金の支払い義務を負うのはあくまで雇用主である事業所です。支払いがない場合は労働基準監督署に相談できます。

Q. 施設側がスポットワークを使うときの注意点は何ですか?

A. 厚生労働省の使用者向けリーフレットは、労働契約の締結時、休業させる場合、賃金・労働時間について注意点を整理しています。とくに準備や片付けの時間を含めた始業・終業時刻を求人の時点で明確にしておかないと、賃金不払いにつながります。

Q. スポットワークから正職員になれますか?

A. 実例はあります。令和7年度介護労働実態調査では、スポットワークを利用したことがある事業所の28.0%が、雇用した人を正社員等として雇用したことがあると回答しています。

参考文献・出典

まとめ

スポットワークは、1日単位で募集・雇用される正式な雇用です。応募の時点で労働契約が成立すると考えられており、最低賃金も休業手当も労災保険もそのまま適用されます。介護分野では事業所の8.9%が過去1年に利用し、そのうち28.0%が正社員等への雇用につなげています。一方で、訪問介護は資格がなければ担えず、施設内でも任される範囲は募集要項によります。働く側は業務の範囲と始業・終業の時刻を、施設側は募集時の記載と実際の労働時間の一致を、それぞれ事前に確かめることが要点です。

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執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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