短期集中予防サービスとは

短期集中予防サービスとは

短期集中予防サービス(総合事業のサービスC)とは、保健・医療専門職が3〜6か月の短期間で集中的に行う訪問型サービスC・通所型サービスC。目的・対象(要支援者・事業対象者)・内容・通常の総合事業サービスとの違い・利用の流れを解説します。

ポイント

短期集中予防サービスの直接回答

短期集中予防サービスとは、介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)の「介護予防・生活支援サービス事業」に位置づけられた多様なサービスの一類型で、訪問型サービスCと通所型サービスCの総称です。理学療法士や保健師などの保健・医療専門職が、おおむね3〜6か月という短期間で集中的に支援を行い、利用者の生活機能を改善して自立した生活への「卒業」を目指す点が特徴です。対象は要支援1・2の方と基本チェックリストで該当した事業対象者で、実施主体は市町村です。

目次

短期集中予防サービスの概要

短期集中予防サービス(サービスC)とは

短期集中予防サービスは、2015年(平成27年)の介護保険制度改正で創設された介護予防・日常生活支援総合事業の枠組みの中にあります。総合事業の訪問型サービス・通所型サービスは、それぞれ「従前の訪問介護・通所介護に相当するサービス」と「多様なサービス」に分かれており、多様なサービスはさらに緩和した基準によるサービスA、住民主体によるサービスB、保健・医療専門職が短期集中で行うサービスCに類型化されています。このサービスCが「短期集中予防サービス」と呼ばれます。

名称が示すとおり、特徴は「短期集中」です。提供期間は原則3か月で、3か月を経過した時点で評価(カンファレンス等)を行い、生活行為の改善に効果的と判断された場合に最大6か月まで継続できます。漫然と長期間続けるのではなく、限られた期間で専門職が集中的に関わり、その後は地域の通いの場やボランティア活動、一般介護予防事業といった社会参加の場へ移行(卒業)してもらうことを前提とした設計です。

支援を担う「保健・医療専門職」とは、厚生労働省のガイドライン上、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、看護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、歯科衛生士などを指します。実施方法は、市町村が直接実施するか、NPO・民間事業者等への委託によって行われます。従前相当サービスやサービスAのような「事業者指定」ではなく、市町村が主体となって運営する点も従来の介護給付サービスと異なるポイントです。

訪問型サービスC・通所型サービスCの内容

訪問型サービスCと通所型サービスCの内容

短期集中予防サービスは、利用者の状態に合わせて訪問型と通所型の2つの形態があり、効果的と判断される場合は組み合わせて実施することもできます。

訪問型サービスC(訪問型短期集中予防サービス)

  • 対象:閉じこもりやうつ、認知機能の低下などで、通所による事業への参加が困難な方。訪問による介護予防の取り組みが必要と認められる方。
  • 内容:保健・医療専門職が居宅を訪問し、生活機能に関する問題を総合的に把握・評価したうえで、社会参加を高めるために必要な相談・指導等を行います。
  • 狙い:まずは外出や活動への一歩を促し、必要に応じて通所型サービスや地域の通いの場へつなげていきます。

通所型サービスC(通所型短期集中予防サービス)

  • 対象:排泄、入浴、調理、買物、趣味活動といった生活行為に支障のある方。運動器の機能低下があり、専門職の短期集中トレーニングで改善が見込まれる方。
  • 内容:専門職がまず居宅や地域での生活環境を踏まえた評価のための訪問を行い、その後おおむね週1回以上、生活行為の改善を目的とした介護予防プログラム(運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能向上など)を実施します。
  • 狙い:心身機能だけでなく、本人を取り巻く環境にもアプローチし、家庭や社会への参加(活動・参加)につなげます。

いずれも、本人が「やりたい・できるようになりたい」と感じる生活行為を、興味・関心チェックシートなどを使って具体的な目標として明確化し、その達成を後押しする流れが基本です。

短期集中予防サービスと他の総合事業サービスの違い

通常の総合事業サービス(従前相当・A・B)との違い

同じ総合事業のサービスでも、短期集中予防サービス(サービスC)は他の類型と目的や担い手が大きく異なります。

区分担い手主な目的・期間
従前相当サービス訪問介護員・通所介護事業者の従事者継続的な身体介護・生活援助。期間の定めなし
サービスA(緩和した基準)主に雇用労働者(資格要件を緩和)生活援助やミニデイサービス。継続利用が前提
サービスB(住民主体)ボランティア主体の住民住民の支え合いによる生活援助・通いの場
サービスC(短期集中予防サービス)保健・医療専門職(市町村が直接実施/委託)生活機能の改善・自立。原則3か月、最大6か月で卒業を目指す

最大の違いは、サービスCが「短期間で集中的に専門職が関わり、改善したら卒業する」ことを前提にしている点です。他の類型が継続的な生活支援を念頭に置くのに対し、サービスCはリハビリテーションの考え方に近く、機能回復と社会参加への移行をゴールに据えています。要支援の段階で適切に利用できれば、要介護状態への進行を防ぐ「予防」の効果が期待されます。

短期集中予防サービスの利用の流れと市町村運用

利用の流れと市町村ごとの運用

短期集中予防サービスを利用するまでの一般的な流れは次のとおりです。

  1. 相談・窓口:地域包括支援センターや市町村の窓口に相談します。
  2. 対象者の確認:要支援認定を受けているか、または基本チェックリストで生活機能の低下が確認され「事業対象者」と判定されると利用できます。
  3. 介護予防ケアマネジメント:地域包括支援センター等が、本人の「したい・できるようになりたい」を踏まえて目標を設定し、サービスCの利用が適切かを検討してケアプランを作成します。
  4. サービス提供:保健・医療専門職が訪問または通所で短期集中の支援を行います。
  5. 評価・卒業:おおむね3か月でカンファレンス等により評価を行い、改善状況に応じて終了・継続(最大6か月)を判断。終了後は通いの場や一般介護予防事業など、社会参加の取り組みへ移行します。

注意したいのは、総合事業が市町村ごとに運営される事業だという点です。サービスCを実施しているかどうか、名称、利用料、提供回数や期間の詳細は、市町村によって運用が異なります。総合事業の中でもサービスCは実施していない自治体もあるため、利用を検討する際は、必ずお住まいの市町村や地域包括支援センターに確認してください。

短期集中予防サービスのよくある質問

Q. 短期集中予防サービスは誰が利用できますか。

A. 要支援1・2の認定を受けた方と、基本チェックリストで生活機能の低下が確認された「事業対象者」が対象です。要介護1以上の方は対象外です。

Q. 利用期間はどのくらいですか。

A. 原則3か月です。3か月時点で評価を行い、生活行為の改善に効果的と判断された場合は最大6か月まで継続できます。長期的に利用し続けるサービスではありません。

Q. 訪問型と通所型のどちらを利用するのですか。

A. 状態によって異なります。閉じこもりなどで通所が難しい方は訪問型サービスC、運動器の機能向上など生活行為の改善を集中的に行いたい方は通所型サービスCが想定されます。両方を組み合わせて実施する場合もあります。

Q. 短期集中個別リハビリテーション実施加算とは違うものですか。

A. 別の制度です。短期集中個別リハビリテーション実施加算は、通所・訪問リハビリテーションで退院・退所直後などに集中的なリハビリを行った場合に算定する介護報酬上の加算です。一方、短期集中予防サービスは介護給付ではなく総合事業(サービスC)の一類型で、要支援者・事業対象者を対象に市町村が実施するサービスです。

Q. 利用料はかかりますか。

A. 多くの場合、利用者負担が設定されますが、金額は市町村ごとに独自に定められます。無料で実施している自治体もあるため、詳細はお住まいの市町村にご確認ください。

短期集中予防サービスの参考資料

短期集中予防サービスのまとめ

まとめ

短期集中予防サービス(総合事業のサービスC)は、保健・医療専門職が3〜6か月の短期間で集中的に関わり、要支援者・事業対象者の生活機能を改善して自立した暮らしへの卒業を目指す訪問型サービスC・通所型サービスCの総称です。継続利用を前提とする他の総合事業サービスとは異なり、機能回復と社会参加への移行をゴールに据えている点が大きな特徴です。実施の有無や利用料は市町村ごとに異なるため、利用を検討する際は地域包括支援センターや市町村の窓口に相談してみてください。

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執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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