
トライアル雇用とは
トライアル雇用とは、職業経験の不足などから就職が難しい求職者を原則3か月試行雇用し、適性を見極めて常用雇用への移行を目指す制度。ハローワーク等の紹介が要件で、事業主にはトライアル雇用助成金が支給されます。試用期間との違いも解説します。
この記事のポイント
トライアル雇用とは、職業経験の不足などから就職が難しい求職者を、ハローワークや職業紹介事業者の紹介により原則3か月間試行雇用し、そのあいだに適性や業務を遂行する可能性を見極めて常用雇用への移行を目指す制度です。事業主には、要件を満たす場合にトライアル雇用助成金が支給されます。試行雇用の期間中も正式な労働契約であり、賃金や社会保険、労働時間のルールは通常の雇用と同じように適用されます。
目次
トライアル雇用の対象になる人と基本的な仕組み
厚生労働省の一般トライアルコースの案内(令和8年4月8日版)によれば、対象となる労働者は次の条件をすべて満たす人です。
- 週30時間以上の無期雇用による雇入れを希望している人であって、トライアル雇用の制度を理解したうえでの雇入れを希望していること
- ハローワークまたは民間の職業紹介事業者に求職の申し込みをしていること
- 紹介日の時点で、安定した職業に就いておらず、事業を営んでおらず、学校に在籍していないこと
- 過去2年以内に2回以上離職や転職を繰り返している、離職期間が1年を超えている、妊娠・出産・育児を理由に離職して1年を超えている、60歳未満でハローワーク等の個別支援を受けている、生活保護受給者や母子家庭の母等など特別な配慮を要する人である、のいずれかに該当すること
介護分野は未経験からの転職者が多く、離職期間が空いた人や短い期間で職を変えてきた人も応募します。4番目の条件に該当する人は少なくないため、介護施設の採用では比較的使いやすい制度です。求人がトライアル雇用の求人として出されている場合、応募にはハローワーク等の紹介が必要になる点に注意してください。
試用期間との違い
- 制度の根拠が違う:試用期間は法律に明文の規定がなく、判例によって形づくられてきた仕組みです。トライアル雇用は、ハローワーク等の紹介を前提として厚生労働省が運用する助成制度の枠組みのなかにあります。
- 期間の位置づけが違う:試用期間は本採用を前提とした労働契約のなかに置かれる期間です。トライアル雇用は原則3か月の試行雇用として設定され、その終了時点で常用雇用に移行するかどうかを判断します。
- 応募の経路が違う:試用期間は応募経路を問いませんが、トライアル雇用はハローワークまたは職業紹介事業者の紹介が要件です。求人サイトから直接応募した場合は対象になりません。
- 共通するのは労働者としての保護:どちらの期間中も労働契約は成立しており、賃金の支払い、労働時間の管理、社会保険の適用は通常どおり必要です。
助成金の枠組みと、金額を確認するときの注意
事業主に支給されるトライアル雇用助成金(一般トライアルコース)について、厚生労働省の案内(令和8年4月8日版)は、対象者1人あたり月額最大4万円、対象者が母子家庭の母等または父子家庭の父である場合は5万円としています。支給の対象となる期間は原則3か月で、各月の合計額をまとめて1回で支給する扱いです。
ただし、助成金の支給額や対象要件は改定されることがあります。金額を前提に採用計画を立てる場合は、必ず厚生労働省の当該ページと管轄のハローワーク・労働局で現行の内容を確認してください。この用語集に記した数値も、閲覧時点の公表内容と一致しているとは限りません。
なお一般トライアルコースのほかにも複数のコースが設けられており、どのコースに該当するかは対象者の状況によって変わります。
トライアル雇用に関するよくある質問
Q. トライアル雇用の期間中に辞めることはできますか?
A. できます。試行雇用の期間中も労働契約であり、期間の定めのない契約であれば民法第627条第1項により、労働者はいつでも解約を申し入れられます。ただし常用雇用への移行を前提とした制度であるため、迷いが生じたら早い段階で施設の担当者やハローワークに相談してください。
Q. 3か月が終われば必ず正職員になれますか?
A. 自動的に移行するわけではありません。トライアル雇用は適性を見極める期間であり、双方の合意があって常用雇用に移行します。移行しない場合もありえます。
Q. 求職者にも助成金は支給されますか?
A. トライアル雇用助成金は事業主に対する助成であり、求職者に直接支給されるものではありません。
Q. 介護が未経験でも対象になりますか?
A. 対象になるかどうかは業種や経験の有無ではなく、対象労働者の要件に該当するかで決まります。まずハローワークの窓口で、自分が要件に当てはまるかを確認するのが確実です。
参考文献・出典
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まとめ
トライアル雇用は、経験や離職期間を理由に書類選考で落ちてしまいがちな人が、実際に働いたうえで評価してもらえる入り口です。要件はハローワーク等の紹介を受けていること、週30時間以上の無期雇用を希望していることなどで、期間は原則3か月。試行雇用のあいだも通常の労働契約であり、賃金も社会保険も同じように扱われます。事業主向けの助成金は改定されることがあるため、金額を判断材料にするときは必ず厚生労働省の現行ページで確かめてください。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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