
在宅医療とは
在宅医療は、自宅や施設で医療を受ける仕組み。訪問診療・往診・訪問看護・訪問リハの違い、診療報酬、介護保険との連携、地域包括ケアシステムでの位置づけをやさしく解説します。
この記事のポイント
在宅医療とは、医師・看護師・薬剤師・リハ職などの医療職が患者の自宅や入居施設を訪れて医療を提供する仕組みの総称です。訪問診療(計画的な定期訪問)と往診(急変時の臨時訪問)、訪問看護、訪問リハ、訪問薬剤管理指導、訪問歯科などを含みます。地域包括ケアシステムの中核を担い、終末期や慢性疾患を「住み慣れた場所」で支えるサービスです。
目次
在宅医療の制度的位置づけ
在宅医療は2025年問題(団塊世代が75歳以上になる年)への対応として、厚生労働省が10年以上にわたり推進してきた政策の中核です。「病院完結型から地域完結型へ」の医療提供体制再編の中で、在宅医療は地域包括ケアシステムの「医療」を担う柱と位置づけられています。介護保険サービス(訪問介護・通所介護等)と医療保険サービス(訪問診療・訪問看護等)が同一利用者に併用提供されるのが特徴です。
厚生労働省「令和4年医療施設調査」では、在宅療養支援診療所は約1.5万施設、在宅療養支援病院は約1,800施設で、年々増加傾向にあります。訪問診療を受ける患者数は約180万人で、その6割以上が要介護認定者です。介護現場との連携は不可欠で、ケアマネ・看護師・介護職員と医師の情報共有が在宅医療の質を決めます。
訪問診療・往診・訪問看護の違い
- 訪問診療:医師が計画的に定期訪問(週1回・月2回など)。在宅療養計画に基づき継続的に診療する。診療報酬は「在宅患者訪問診療料」。
- 往診:患者の求めに応じて医師が臨時に訪問。急変・発熱・転倒などのスポット対応。診療報酬は「往診料」。
- 訪問看護:看護師が訪問し、医療処置・健康観察・服薬管理・家族支援などを実施。医療保険/介護保険どちらでも提供可能。
- 訪問リハビリ:PT・OT・STが訪問。生活動作の維持・住環境調整。
- 訪問薬剤管理指導:薬剤師が訪問し、服薬管理・副作用モニタリング・残薬整理を行う。
介護現場との連携ポイント
在宅医療を支える介護現場で重要なのは情報共有の仕組みです。
- サービス担当者会議:ケアマネが招集し、医師・訪問看護師・介護職・家族が一堂に会して方針を共有する。
- 看取り対応:終末期患者の在宅看取りには、夜間・休日のオンコール体制と医師・看護師の連携が必須。
- 急変時の連絡フロー:介護職が異変を察知した際、誰にどの順序で連絡するかを事前にケアプランで明確化する。
- 多職種連携ICT:MCS(メディカルケアステーション)など医療介護専門のSNS活用が広がっている。
よくある質問
- Q. 在宅医療と訪問看護の違いは?
- A. 在宅医療は医療を在宅で提供する仕組み全体の総称(医師・看護師・薬剤師・リハ職等を含む)。訪問看護は在宅医療の構成要素の1つで、看護師が提供する部分です。
- Q. 在宅医療は介護保険ですか医療保険ですか?
- A. 訪問診療・往診は医療保険。訪問看護は要介護認定があれば原則介護保険、特定疾病・厚労大臣の定める疾病等では医療保険。訪問リハビリは介護保険・医療保険のいずれか。同じ利用者でも併用するケースが多くあります。
- Q. 介護施設でも在宅医療は受けられますか?
- A. 有料老人ホーム・サ高住・グループホーム入居者は「在宅扱い」のため、訪問診療・訪問看護を利用できます。特養・老健は施設配置医がいるため通常は訪問診療を併用しません。
まとめ
在宅医療は、訪問診療・往診・訪問看護・訪問リハ・訪問薬剤管理指導など、医療を住み慣れた場所で提供する仕組みです。地域包括ケアシステムの「医療」を担い、介護保険サービスと併走しながら高齢者の生活を支えます。介護職・ケアマネにとっては、医師や看護師との情報共有スキルが在宅医療の成否を左右します。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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