
喀痰吸引等研修とは?資格の取り方・費用・1号2号3号の違いを解説
喀痰吸引等研修の資格取得方法を詳しく解説。第1号・第2号・第3号の違い、研修内容、費用10〜20万円、期間8〜10日間、合格率90%以上。介護福祉士の免除制度や認定証取得の流れまで網羅。医療的ケアができる介護職を目指す方必見。
「利用者さんの痰の吸引が必要だけど、看護師さんがいないときはどうすればいいの?」——介護現場でこんな場面に遭遇したことはありませんか?
かつては、痰の吸引や経管栄養は医療行為として医師や看護師しか行えませんでした。しかし、2012年の法改正により、一定の研修を修了した介護職員も、これらの医療的ケアを実施できるようになりました。
その研修が「喀痰吸引等研修」です。この研修を修了し、都道府県から認定を受けることで、介護職員も痰の吸引や経管栄養を行えるようになります。
高齢化が進む中、医療的ケアを必要とする利用者さんは増加しています。喀痰吸引等研修を修了することで、より幅広いケアを提供でき、キャリアアップにもつながります。
本記事では、喀痰吸引等研修の概要から第1号・第2号・第3号の違い、研修内容、費用、認定証取得の流れまで詳しく解説します。
喀痰吸引等研修とは?

喀痰吸引等研修とは、介護職員等が痰の吸引や経管栄養といった医療的ケアを安全に実施するための知識・技術を習得する研修です。
喀痰吸引等研修の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 資格種別 | 都道府県認定資格 |
| 根拠法令 | 社会福祉士及び介護福祉士法 |
| 制度開始 | 2012年(平成24年)4月 |
| 研修種別 | 第1号・第2号・第3号研修 |
| 受講資格 | なし(誰でも受講可能) |
| 費用 | 約5〜20万円(研修種別による) |
喀痰吸引とは?
喀痰吸引(かくたんきゅういん)とは、自力で痰を出すことが難しい方の口や鼻、気管カニューレから、吸引装置を使って痰を取り除く行為です。
痰が気道にたまると、以下のリスクがあります。
- 呼吸困難
- 窒息
- 誤嚥性肺炎
そのため、適切なタイミングで痰を吸引することは、利用者さんの生命と健康を守る重要なケアです。
経管栄養とは?
経管栄養とは、口から食事を摂ることが難しい方に対して、チューブを通じて栄養剤を投与する行為です。以下の種類があります。
- 胃ろう:腹部から胃に直接チューブを挿入
- 腸ろう:腹部から腸に直接チューブを挿入
- 経鼻経管栄養:鼻から胃までチューブを挿入
実施できる行為の範囲
喀痰吸引等研修を修了すると、以下の行為を実施できるようになります。
| 分類 | 具体的な行為 |
|---|---|
| 喀痰吸引 | 口腔内の喀痰吸引、鼻腔内の喀痰吸引、気管カニューレ内部の喀痰吸引 |
| 経管栄養 | 胃ろう又は腸ろうによる経管栄養、経鼻経管栄養 |
法改正の背景
喀痰吸引等研修が制度化された背景には、介護現場における医療的ケアのニーズの高まりがあります。
2012年以前の状況
2012年の法改正以前、痰の吸引や経管栄養は医療行為として位置づけられ、医師・看護師など医療職のみが実施できました。
しかし、介護施設や在宅介護の現場では、以下のような問題が発生していました。
- 医療的ケアが必要な利用者が増加
- 24時間看護師を配置できない施設が多い
- 夜間や休日に看護師がいない時間帯の対応が困難
- 在宅介護では家族の負担が大きい
このような状況を受け、厚生労働省は段階的に制度を整備してきました。
制度化の経緯
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 2003年 | ALS患者への痰吸引が一定条件下で容認 |
| 2005年 | 在宅ALS患者以外にも範囲拡大 |
| 2010年 | 特養等での痰吸引が一定条件下で容認 |
| 2012年 | 社会福祉士及び介護福祉士法改正、喀痰吸引等研修制度スタート |
法改正のポイント
2012年の法改正により、以下の条件を満たす介護職員等は、医療的ケアを実施できるようになりました。
- 喀痰吸引等研修を修了していること
- 都道府県から「認定特定行為業務従事者認定証」の交付を受けていること
- 勤務先が「登録特定行為事業者」として登録されていること
この3つの条件がすべて揃って初めて、介護職員が痰の吸引や経管栄養を行えるようになります。
第1号・第2号・第3号研修の違い

喀痰吸引等研修には、第1号・第2号・第3号の3種類があります。それぞれ対象者や実施できる行為が異なります。
3つの研修の比較
| 項目 | 第1号研修 | 第2号研修 | 第3号研修 |
|---|---|---|---|
| 対象者 | 不特定多数 | 不特定多数 | 特定の方のみ |
| 喀痰吸引(口腔内) | ○ | ○ | ○ |
| 喀痰吸引(鼻腔内) | ○ | ○ | ○ |
| 喀痰吸引(気管カニューレ) | ○ | × | ○ |
| 経管栄養(胃ろう・腸ろう) | ○ | ○ | ○ |
| 経管栄養(経鼻) | ○ | × | ○ |
| 基本研修時間 | 50時間 | 50時間 | 8〜9時間 |
| 費用目安 | 15〜20万円 | 10〜15万円 | 3〜5万円 |
第1号研修
第1号研修は、すべての行為を不特定多数の方に対して実施できる研修です。
- 喀痰吸引:口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部
- 経管栄養:胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養
最も幅広い行為を実施でき、特別養護老人ホームや介護老人保健施設など、施設系の介護事業所で働く方に適しています。
第2号研修
第2号研修は、一部の行為を不特定多数の方に対して実施できる研修です。
- 喀痰吸引:口腔内・鼻腔内(気管カニューレは除く)
- 経管栄養:胃ろう・腸ろう(経鼻は除く)
気管カニューレ内部の吸引と経鼻経管栄養は含まれませんが、多くの施設ではこれで十分対応できます。第1号研修より費用・時間が抑えられるため、最も受講者が多い研修です。
第3号研修
第3号研修は、特定の利用者に対してのみ行為を実施できる研修です。
- 在宅のALS患者など、重度障害者への対応
- 特定の1人(または少数)の利用者のみが対象
- 訪問介護事業所で働く方に適している
研修時間が短く費用も安いですが、対象が「特定の方」に限定されます。別の利用者に同じ行為を行う場合は、その方に対する実地研修を再度受ける必要があります。
どの研修を選ぶべき?
| おすすめの研修 | こんな方に |
|---|---|
| 第1号研修 | 施設で働き、幅広い医療的ケアに対応したい方 |
| 第2号研修 | 施設で働き、基本的な医療的ケアに対応したい方(最も一般的) |
| 第3号研修 | 在宅で特定の利用者をケアする方、費用・時間を抑えたい方 |
研修内容(基本研修・実地研修)
喀痰吸引等研修は、基本研修と実地研修の2つで構成されています。
基本研修の内容
基本研修では、喀痰吸引・経管栄養に関する知識と、シミュレーター(人形)を使った技術を学びます。
第1号・第2号研修の基本研修(50時間)
| 科目 | 時間 |
|---|---|
| 人間と社会 | 1.5時間 |
| 保健医療制度とチーム医療 | 2時間 |
| 安全な療養生活 | 4時間 |
| 清潔保持と感染予防 | 2.5時間 |
| 健康状態の把握 | 3時間 |
| 高齢者及び障害児・者の喀痰吸引概論 | 11時間 |
| 高齢者及び障害児・者の経管栄養概論 | 10時間 |
| 演習(シミュレーター) | 16時間 |
| 合計 | 50時間 |
第3号研修の基本研修(8〜9時間)
| 科目 | 時間 |
|---|---|
| 重度障害児・者等の地域生活等に関する講義 | 2時間 |
| 喀痰吸引等を必要とする重度障害児・者等の障害及び支援に関する講義 | 3時間 |
| 緊急時の対応及び危険防止に関する講義 | 1時間 |
| 喀痰吸引等に関する演習 | 1時間 |
| 現場演習(実際の利用者に対する演習) | 1時間 |
| 合計 | 8〜9時間 |
実地研修の内容
基本研修を修了した後、実際の利用者に対して行為を実施する実地研修を受けます。
第1号・第2号研修の実地研修
| 行為 | 必要回数 |
|---|---|
| 口腔内の喀痰吸引 | 10回以上 |
| 鼻腔内の喀痰吸引 | 20回以上 |
| 気管カニューレ内部の喀痰吸引(第1号のみ) | 20回以上 |
| 胃ろう又は腸ろうによる経管栄養 | 20回以上 |
| 経鼻経管栄養(第1号のみ) | 20回以上 |
実地研修は、指導看護師等の指導のもとで行います。規定回数を実施し、安全に行為を実施できると認められれば修了となります。
第3号研修の実地研修
第3号研修は、特定の利用者に対する実地研修を行います。その利用者に必要な行為のみを練習し、指導看護師から「実施可能」と評価されれば修了です。
研修期間の目安
| 研修 | 期間目安 |
|---|---|
| 第1号研修 | 約2〜4ヶ月(基本研修8〜10日 + 実地研修) |
| 第2号研修 | 約1〜3ヶ月(基本研修8〜10日 + 実地研修) |
| 第3号研修 | 約1〜2週間(基本研修1〜2日 + 実地研修) |
受講資格と免除制度
喀痰吸引等研修の受講資格と、介護福祉士向けの免除制度について解説します。
受講資格
喀痰吸引等研修には、特別な受講資格はありません。
- 学歴不問
- 資格不要
- 実務経験不要
- 年齢制限なし
介護の仕事に就いていない方でも受講可能です。ただし、実地研修を受けるためには、実際に利用者がいる介護事業所で働いている(または働く予定がある)ことが必要です。
介護福祉士の免除制度
2016年度(平成28年度)以降に介護福祉士資格を取得した方は、基本研修が免除されます。
| 介護福祉士資格の取得時期 | 基本研修 | 実地研修 |
|---|---|---|
| 2015年度以前に取得 | 必要 | 必要 |
| 2016年度以降に取得 | 免除 | 必要 |
理由:2016年度以降の介護福祉士養成課程および実務者研修には「医療的ケア」の科目が含まれており、すでに基本研修相当の内容を学習しているためです。
介護福祉士が実地研修を受ける方法
2016年度以降の介護福祉士が喀痰吸引等を実施するには、以下の手順が必要です。
- 勤務先で実地研修を受ける:登録研修機関または勤務先で実地研修を受講
- 認定証の申請:都道府県に「認定特定行為業務従事者認定証」を申請
- 認定証の交付:認定証が交付されれば、医療的ケアを実施可能
実務者研修との関係
実務者研修を修了しただけでは、喀痰吸引等を実施することはできません。実務者研修で学ぶ「医療的ケア」は基本研修に相当しますが、実地研修は別途受ける必要があります。
| 研修・資格 | 基本研修相当 | 実地研修 | 認定証 |
|---|---|---|---|
| 実務者研修のみ | ○ | × | ×(実施不可) |
| 実務者研修 + 実地研修 | ○ | ○ | ○(実施可能) |
| 喀痰吸引等研修(第1・2号) | ○ | ○ | ○(実施可能) |
費用と期間
喀痰吸引等研修にかかる費用と期間を研修種別ごとに解説します。
研修費用の目安
| 研修 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 第1号研修 | 15〜20万円 | 全行為を実施可能 |
| 第2号研修 | 10〜15万円 | 気管カニューレ・経鼻を除く |
| 第3号研修 | 3〜5万円 | 特定の利用者のみ |
| 実地研修のみ(介護福祉士) | 3〜8万円 | 基本研修免除者向け |
費用の内訳
- 受講料:講義・演習の費用
- テキスト代:研修で使用する教材(受講料に含まれる場合が多い)
- 実地研修費:実地研修にかかる費用(別途の場合あり)
研修期間の目安
| 研修 | 基本研修 | 実地研修 | 合計期間 |
|---|---|---|---|
| 第1号研修 | 8〜10日間 | 1〜3ヶ月 | 約2〜4ヶ月 |
| 第2号研修 | 8〜10日間 | 1〜2ヶ月 | 約1〜3ヶ月 |
| 第3号研修 | 1〜2日間 | 数日〜2週間 | 約1〜2週間 |
研修機関の選び方
喀痰吸引等研修は、都道府県が登録した研修機関で受講します。
主な研修機関の種類
- 民間スクール:三幸福祉カレッジ、未来ケアカレッジなど
- 社会福祉協議会:都道府県・市区町村の社協
- 医療法人・社会福祉法人:病院や施設が主催
- 職能団体:介護福祉士会など
選ぶポイント
- 開催日程:仕事と両立できるスケジュールか
- 開催場所:通いやすい場所か
- 費用:予算内に収まるか
- 実地研修のサポート:実地研修先を紹介してくれるか
事業所負担のケース
勤務先の介護事業所が研修費用を全額または一部負担してくれるケースもあります。医療的ケアができる職員が増えることは事業所にとってもメリットがあるため、受講前に勤務先に相談してみましょう。
合格率・難易度
喀痰吸引等研修の合格率と難易度について解説します。
筆記試験の合格基準
基本研修の最後に筆記試験が行われます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題形式 | 選択式(四肢択一) |
| 問題数 | 30〜50問程度 |
| 合格基準 | 総得点の90%以上 |
| 不合格時 | 再試験あり |
合格基準は「90%以上」と高めに設定されていますが、これは医療行為を安全に行うために必要な知識を確実に習得してもらうためです。
合格率
公式な合格率は公表されていませんが、ほとんどの受講者が合格しています。
- 講習内容をしっかり受講していれば合格可能
- 不合格の場合も再試験を受けられる
- 再試験でほぼ全員が合格
難易度
喀痰吸引等研修の難易度は「やや易しい〜普通」程度です。
| 資格 | 難易度 |
|---|---|
| 介護職員初任者研修 | ★☆☆☆☆ |
| 喀痰吸引等研修 | ★★☆☆☆ |
| 介護福祉士 | ★★★☆☆ |
| ケアマネジャー | ★★★★☆ |
合格のポイント
- 講義に集中する:試験は講義内容から出題される
- テキストを復習する:重要ポイントを確認
- 医療用語を覚える:専門用語の意味を理解する
- 手順を正確に覚える:喀痰吸引・経管栄養の手順
実地研修の評価
実地研修では、指導看護師等から「安全に実施できる」と評価されることが修了条件です。
- 規定回数以上の実施が必要
- 手技だけでなく、観察力・判断力も評価される
- 不十分な場合は追加の練習を行う
認定証取得の流れ
喀痰吸引等研修を修了した後、実際に医療的ケアを行うためには「認定特定行為業務従事者認定証」の取得が必要です。ここでは、研修修了から認定証取得までの流れを詳しく解説します。
研修修了証明書の受領
研修を修了すると、研修実施機関から「研修修了証明書」が交付されます。この証明書には、修了した研修の種類(第1号・第2号・第3号)と、実地研修で習得した行為の種類が記載されています。
都道府県への認定申請
研修修了証明書を受け取ったら、勤務先の都道府県に「認定特定行為業務従事者」の認定申請を行います。
申請に必要な書類:
- 認定特定行為業務従事者認定証交付申請書
- 研修修了証明書の写し
- 住民票の写し(本籍地記載のもの)
- 欠格事由に該当しないことの誓約書
- 証明写真(縦4cm×横3cm)
- 手数料(都道府県により異なる、1,000〜3,000円程度)
認定証の交付
申請書類に不備がなければ、通常2〜4週間程度で認定証が交付されます。認定証には、認定番号、氏名、認定を受けた行為の種類が記載されています。
登録喀痰吸引等事業者への登録
認定証を取得しただけでは、まだ医療的ケアを実施することはできません。実際に行為を行うためには、勤務先の事業所が「登録喀痰吸引等事業者」として都道府県に登録されている必要があります。
事業者登録の要件:
- 医療関係者との連携体制が確保されていること
- 安全確保措置(マニュアル整備、感染症対策等)が講じられていること
- 認定特定行為業務従事者が配置されていること
認定証の更新・変更届出
認定証自体に有効期限はありませんが、以下の場合は届出が必要です。
- 氏名・住所の変更:変更届を提出(30日以内)
- 認定証の紛失・破損:再交付申請
- 新たな行為の追加:追加研修修了後に変更届を提出
認定取消しとなるケース
以下に該当する場合、認定が取り消されることがあります。
- 虚偽の申請により認定を受けた場合
- 欠格事由に該当することとなった場合
- 業務に関して不正行為があった場合
喀痰吸引等研修を取得するメリット
喀痰吸引等研修を修了することで、介護職としてのキャリアに多くのメリットがあります。資格取得を検討している方に向けて、具体的なメリットを詳しく解説します。
提供できるケアの幅が広がる
最大のメリットは、医療的ケアが必要な利用者に対応できるようになることです。喀痰吸引や経管栄養は、要介護度の高い方や難病の方には欠かせないケアであり、これらを提供できる介護職は非常に重宝されます。
対応可能になるケース:
- ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの難病患者
- 重度の嚥下障害がある高齢者
- 気管切開を行っている方
- 胃ろう・腸ろうを造設している方
就職・転職で有利になる
医療的ケアができる介護職は需要が高く、就職・転職において大きなアドバンテージとなります。特に以下の職場では、喀痰吸引等研修修了者を優遇して採用する傾向があります。
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 訪問介護事業所
- 障害者支援施設
- 重度訪問介護
給与・待遇の向上が期待できる
喀痰吸引等研修の修了者には、資格手当や特殊業務手当を支給する事業所が増えています。
手当の相場:
- 資格手当:月額3,000〜10,000円
- 特殊業務手当:1回あたり100〜500円
- 基本給への反映:経験・能力評価で優遇
年間で計算すると、3〜15万円程度の収入増加が期待できます。
介護福祉士の実務者研修と連動
介護福祉士国家試験を受験するために必要な「実務者研修」には、医療的ケアの科目が含まれています。喀痰吸引等研修と実務者研修の医療的ケア科目は内容が重複しており、すでにどちらかを修了していれば、もう一方の科目が免除される場合があります。
利用者・家族からの信頼が高まる
医療的ケアが必要な利用者やその家族にとって、安心してケアを任せられる介護職の存在は心強いものです。専門的なスキルを持つことで、利用者・家族との信頼関係がより深まります。
チーム医療・介護への貢献
医療的ケアの知識を持つことで、看護師や医師との連携がスムーズになります。医療用語や手技の基礎知識があることで、チームの一員として質の高いケアを提供できます。
今後ますます需要が高まる
高齢化の進行に伴い、医療的ケアが必要な高齢者は増加の一途をたどっています。喀痰吸引等研修の修了者は、今後ますます需要が高まると予想されており、長期的なキャリア形成においても有利です。
よくある質問
Q. 研修を受けるのに介護福祉士の資格は必要ですか?
A. いいえ、介護福祉士の資格は必須ではありません。介護職員初任者研修や実務者研修の修了者、あるいは無資格の方でも受講可能です。ただし、介護職として働いている(または働く予定がある)ことが条件となる場合が多いです。
Q. 第1号・第2号・第3号のどれを受ければよいですか?
A. 勤務先や対象となる利用者によって異なります。施設で幅広い利用者に対応したい場合は第1号または第2号、特定の利用者のみを担当する場合は第3号が適しています。迷った場合は、勤務先の事業所に相談することをおすすめします。
Q. 研修期間はどのくらいですか?
A. 研修の種類によって異なります。第1号・第2号研修は基本研修(50時間)+実地研修で、通常2〜3ヶ月程度かかります。第3号研修は8〜9時間程度で、最短1日で修了できます。
Q. 働きながら受講できますか?
A. はい、可能です。多くの研修機関では、土日や夜間に開講したり、eラーニングで基本研修を受講できるコースを設けています。勤務先によっては、研修費用の補助や勤務調整を行ってくれる場合もあります。
Q. 研修費用は自己負担ですか?
A. 自己負担となるケースが多いですが、勤務先が費用を負担してくれる場合もあります。また、都道府県や市区町村によっては、受講費用の助成制度を設けているところもあります。ハローワークの教育訓練給付金の対象となる場合もあるため、事前に確認することをおすすめします。
Q. 実地研修はどこで行いますか?
A. 通常、勤務先の施設・事業所で行います。勤務先がない場合や、勤務先で実地研修を行えない場合は、研修機関が指定する協力施設で行います。実地研修では、指導看護師の監督のもとで実際の利用者にケアを行います。
Q. 研修修了後、すぐに医療的ケアを行えますか?
A. 研修修了後、都道府県に申請して「認定特定行為業務従事者認定証」を取得する必要があります。また、勤務先の事業所が「登録喀痰吸引等事業者」として登録されていることも条件となります。これらの条件を満たして初めて、医療的ケアを行うことができます。
Q. 認定証に有効期限はありますか?
A. 認定証自体には有効期限はありません。ただし、氏名や住所が変わった場合は変更届を提出する必要があります。また、長期間実施していない行為については、技術の維持・向上のためのフォローアップ研修を受けることが推奨されています。
Q. 医療的ケア中に事故が起きた場合、責任はどうなりますか?
A. 適切な手順に従って行った上での事故であれば、通常は事業所の責任となります。そのため、事業所には賠償責任保険への加入や、ヒヤリハット報告制度の整備が求められています。個人として責任を問われないよう、日頃から手順の遵守と記録の徹底が重要です。
まとめ
喀痰吸引等研修は、介護職員が喀痰吸引と経管栄養という医療的ケアを行うための必須資格です。2012年の法改正により制度化され、医療的ケアが必要な高齢者・障害者へのケア体制の充実に大きく貢献しています。
この記事のポイント:
- 喀痰吸引等研修には第1号・第2号・第3号の3種類があり、対象となる行為と利用者の範囲が異なる
- 第1号・第2号研修は基本研修50時間+実地研修、第3号研修は8〜9時間で修了可能
- 受講費用は5〜20万円程度で、働きながらでも受講しやすい体制が整っている
- 研修修了後は都道府県への申請により「認定特定行為業務従事者認定証」を取得
- 医療的ケアができる介護職は需要が高く、就職・転職や給与面で有利
高齢化が進む日本において、医療的ケアが必要な方は今後も増加していくことが予想されます。喀痰吸引等研修を修了することで、介護職としてのスキルアップはもちろん、より多くの方に質の高いケアを提供できるようになります。
受講を検討されている方は、まずは勤務先や研修機関に相談し、自分に合った研修の種類と受講スケジュールを確認することから始めてみてはいかがでしょうか。
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