ブレーデンスケールとは
介護職向け

ブレーデンスケールとは

ブレーデンスケールは褥瘡発生リスクを6項目(知覚の認知・湿潤・活動性・可動性・栄養・摩擦とずれ)で点数化する評価ツール。6〜23点の見方とカットオフ値を解説します。

ポイント

ブレーデンスケールの定義

ブレーデンスケールとは、褥瘡(床ずれ)の発生リスクを予測するための評価ツールです。「知覚の認知」「湿潤」「活動性」「可動性」「栄養状態」「摩擦とずれ」の6項目を点数化し、合計6〜23点で評価します。点数が低いほどリスクが高く、国内では14点以下を要注意の目安(カットオフ値)とします。

目次

ブレーデンスケールの概要

ブレーデンスケールとは何か

ブレーデンスケール(Braden Scale)は、1987年にアメリカの看護師である Barbara Braden 氏と Nancy Bergstrom 氏が開発した、褥瘡(じょくそう・床ずれ)の発生リスクを予測するためのアセスメントツールです。寝たきりや座位が長い高齢者・療養者で、皮膚が圧迫やずれの力を受け続けることで起こる褥瘡を「発生する前に」見つけ出し、予防ケアにつなげることを目的としています。

日本では『褥瘡予防・管理ガイドライン(第4版)』においてリスクアセスメントスケールの一つとして位置づけられ、看護・介護の現場で広く使われています。同ガイドラインでは推奨度Bとされ、エビデンスに基づくスケールとして信頼されています。

褥瘡そのものの状態を測るDESIGN-Rが「すでにできた褥瘡の重症度」を評価するのに対し、ブレーデンスケールは「これから褥瘡ができそうかどうか」という発生前のリスク予測に使う点が大きな違いです。リスクの高い人を早く見つけ、体位変換やスキンケアなどの褥瘡予防を重点的に行うための「ふるい分け」の役割を担います。

ブレーデンスケール6項目と配点

評価する6項目と点数の付け方

ブレーデンスケールは次の6項目を観察し、それぞれを点数化します。多くの項目は「1点(最も悪い)」から「4点(最も良い)」の4段階で、唯一「摩擦とずれ」だけは1〜3点の3段階です。

項目評価する内容配点
知覚の認知圧迫による不快感を感じ、適切に反応できる能力1〜4点
湿潤皮膚が汗・尿・便などで湿っている程度1〜4点
活動性歩行などの身体活動の範囲1〜4点
可動性体位を自分で変えたり整えたりできる能力1〜4点
栄養状態普段の食事摂取の状況1〜4点
摩擦とずれ移動時の摩擦や、ずり落ちによるずれの程度1〜3点

合計点は最小6点〜最大23点の範囲になります。点数が低いほど褥瘡のリスクが高いのがポイントで、各項目で「自力でできないこと」「皮膚に負担がかかる状態」が多いほど点数が下がる仕組みです。

ブレーデンスケールのカットオフ値と判定

カットオフ値(リスクの分かれ目)

合計点が一定の値を下回ると「褥瘡発生リスクが高い」と判断します。この境目をカットオフ値と呼びます。療養環境によって目安が異なります。

  • 病院(施設):14点以下 — 国内ではこの値を高リスクの目安とすることが多い
  • 在宅:17点以下 — 介護力やマンパワーが限られるため、より高めの点数を境目に設定する
  • 海外の基準:16〜18点 — 国外では16〜18点をカットオフ値とする報告がある

カットオフ値を下回った場合は、体圧分散マットレスの導入、体位変換の頻度アップ、栄養状態の改善、スキンケアの強化などの予防介入を重点的に行います。点数そのものよりも「どの項目が低いか」を見て、原因に応じたケアにつなげることが大切です。

ブレーデンスケールと他の褥瘡スケールの違い

OHスケール・DESIGN-Rとの違い

褥瘡関連のスケールは複数あり、それぞれ「目的」が異なります。混同しやすいので整理しておきましょう。

スケール目的使うタイミング
ブレーデンスケール褥瘡の発生リスク予測(6項目)褥瘡ができる前
OHスケール発生リスク予測(4項目、日本人向けに開発)褥瘡ができる前
DESIGN-Rすでにできた褥瘡の重症度・治癒経過の評価褥瘡ができた後

ブレーデンスケールとOHスケールはどちらも「予防のためのリスク評価」ですが、ブレーデンは6項目で詳細に、OHスケールは4項目で簡便に評価できます。一方DESIGN-Rは発生後の創を採点するもので、目的がまったく異なります。施設では「ブレーデンスケールでリスクを把握→予防→もし発生したらDESIGN-Rで経過を追う」という流れで併用されます。

ブレーデンスケールを現場で活かすコツ

現場での活かし方

ブレーデンスケールは「点数を出して終わり」ではなく、ケアプランに結びつけてこそ意味があります。

  • 評価のタイミングを決める:入院・入所時に必ず評価し、その後も状態変化時や定期的に再評価する。施設で評価頻度のルールを統一しておくと一貫した観察ができます。
  • 低い項目に介入する:合計点だけでなく「どの項目が低いか」を確認し、栄養が低ければ栄養士と連携、可動性が低ければ体位変換計画を見直すなど、項目別に対策を立てます。
  • スケールは一つに統一:毎回違うスケールを使うと評価がぶれるため、施設で決めたスケールを継続して使うことが推奨されます。
  • 多職種で共有:看護師・介護職・リハビリ・栄養士でスコアを共有し、チームで予防に取り組むことが褥瘡ゼロへの近道です。

ブレーデンスケールのよくある質問

よくある質問

ブレーデンスケールは何点満点ですか?

最高23点、最低6点です。6項目のうち5項目が1〜4点、「摩擦とずれ」のみ1〜3点で評価するため、合計の範囲は6〜23点になります。

何点以下だと褥瘡リスクが高いと判断しますか?

国内では病院・施設で14点以下、在宅で17点以下を高リスクの目安(カットオフ値)とすることが多いです。海外では16〜18点が用いられます。

ブレーデンスケールとOHスケールはどちらを使えばよいですか?

どちらも発生リスク予測のスケールです。ブレーデンは6項目で詳細、OHスケールは4項目で簡便です。施設で使うスケールを統一し、継続して使うことが推奨されます。

誰が評価するのですか?

主に看護師が評価しますが、介護現場では介護職員が日々の観察結果を共有し、多職種で連携して活用します。評価結果はケアプランや予防介入に反映されます。

ブレーデンスケールの参考資料

ブレーデンスケールのまとめ

まとめ

ブレーデンスケールは、6項目(知覚の認知・湿潤・活動性・可動性・栄養状態・摩擦とずれ)を6〜23点で採点し、褥瘡の発生リスクを「できる前」に予測するツールです。点数が低いほどリスクが高く、病院14点以下・在宅17点以下が高リスクの目安です。点数を出すこと自体ではなく、低い項目に合わせた予防ケアへつなげることが本質。看護師・介護職が共通言語として活用し、チームで褥瘡予防に取り組みましょう。

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執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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