
送り出し機関とは
送り出し機関とは、外国人材を日本へ送り出すために現地で募集・選抜・事前教育を行う機関です。日本は複数国と特定技能の二国間取決め(MOC)を結び、悪質な仲介の排除を図っています。手数料を借金で賄う人材が一定数いる点も、受け入れ側が知っておくべき論点です。
この記事のポイント
送り出し機関とは、外国人材を日本へ送り出すために、現地で募集・選抜・事前教育などを行う機関です。技能実習では送出機関として制度上の位置づけがありますが、特定技能では制度上の必須機関ではなく、海外から採用する場合に実務上関わることになります。日本は送出国との間で特定技能に関する二国間の協力覚書(MOC)を作成し、悪質な仲介者の排除と円滑な送出し・受入れの確保を図っています。国によっては認定送出機関の制度や、在留諸申請時に独自の提出書類が必要になります。
目次
送り出し機関の役割と制度上の位置づけ
送り出し機関の業務は、現地での求職者の募集、選抜、日本語や職種の事前教育、渡航手続きの支援などです。日本側の受け入れ機関や人材紹介会社と提携し、マッチングを行います。
技能実習と特定技能で位置づけが異なる
| 技能実習・育成就労 | 特定技能 | |
|---|---|---|
| 送り出し機関 | 送出機関として制度上位置づけられ、認定を受けた機関を通す | 制度上の必須機関ではない。海外採用時に実務上関わる |
| 日本側の窓口 | 監理団体(2027年4月からは監理支援機関) | 受け入れ機関が直接、または人材紹介会社・登録支援機関を経由 |
| 国内在住者の採用 | 該当しない | 送り出し機関を介さず直接採用できる |
特定技能では国内在住の外国人(留学生、技能実習修了者、他社からの転職者)を採用する場合、送り出し機関は関与しません。海外から新規に採用する場合にのみ関わります。
二国間の協力覚書(MOC)
出入国在留管理庁は、特定技能外国人の円滑かつ適正な送出し・受入れの確保等のために、送出国との間で協力覚書を作成しています。フィリピン、カンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル、スリランカ、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、ウズベキスタン、パキスタン、タイなどが対象で、その後も追加されています。
MOCは悪質な仲介者を排除し、両国政府間で情報共有や問題の是正を図る枠組みです。国によっては認定送出機関の一覧が公表されており、在留諸申請の際に独自の提出書類が必要になる場合もあります。たとえばベトナムでは推薦者表(特定技能外国人表)の提出が求められます。
受け入れ施設が知っておくべき論点
手数料の負担が本人の借金になっていることがある
出入国在留管理庁の意識調査(令和4年7月)では、特定技能の求職において仲介者(国内外を問わない)を利用していた外国人の割合は95%で、そのうち仲介者へ支払う手数料を借金で賄っている人の割合は約18%でした。
来日時点で本人が借入を抱えている場合、生活に余裕がなく、より高い賃金を求めて転職する動機になり得ます。特定技能は本人の意思による転職が制度上可能であるため、この点は定着に関わります。採用の経路と、本人がどの程度の費用を負担したかを把握しておくことには意味があります。
介護分野で主力となる国は限られる
介護分野の特定技能1号を国籍別に見ると、インドネシアとミャンマーで6割を占めます。ネパールは来日者の約半数が介護分野で働いており、介護への特化度が高い国です。一方でベトナムは特定技能全体では最大の送り出し国ですが、介護分野に限ると3位で、介護特化度は1割を下回ります。「外国人材といえばベトナム」という前提で提携先を選ぶと、介護の人材プールとずれます。国籍別の詳細は都道府県別の浸透度ランキングで扱っています。
国ごとに手続きが異なる
在留諸申請の際に独自の提出書類がある国があります。カンボジアは登録証明書、タイは駐日タイ王国大使館労働担当官事務所の認証を受けた雇用契約書、ベトナムは推薦者表などです。海外採用を進める前に、対象国の手続きを出入国在留管理庁のページで確認してください。
送り出し機関に関するよくある質問
Q. 特定技能でも送り出し機関を通す必要がありますか
制度上の必須要件ではありません。国内在住の外国人を採用する場合は関与しません。海外から新規に採用する場合に実務上関わることになりますが、国によっては認定送出機関を通す運用や独自の手続きが定められています。
Q. 監理団体や登録支援機関とは何が違いますか
送り出し機関は現地(送出国側)の機関です。監理団体(技能実習・育成就労)や登録支援機関(特定技能)は日本側の機関で、役割が異なります。
Q. 手数料の上限はありますか
送出国側の規制によります。日本側で一律の上限を定めているものではありません。MOCは悪質な仲介者の排除を目的の1つとしていますが、金額そのものを日本の法令で規制する仕組みではありません。
Q. どの国の機関と提携すべきですか
介護分野ではインドネシア、ミャンマー、ネパールの比率が高くなっています。ただし国籍構成は年によって変動しており、直近1年でもインドネシアとミャンマーが7割前後の伸びを示す一方、ベトナムは鈍化しています。数年前の情報で判断しないことが重要です。
送り出し機関に関する参考資料
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送り出し機関のまとめ
送り出し機関は現地で外国人材の募集・選抜・事前教育を行う機関です。技能実習・育成就労では制度上の位置づけがありますが、特定技能では必須機関ではなく、海外から採用する場合に実務上関わります。国内在住者を採用する場合は関与しません。
日本は送出国との間で二国間の協力覚書(MOC)を作成し、悪質な仲介者の排除を図っています。ただし手数料の金額そのものを日本の法令で規制する仕組みではなく、来日時点で借入を抱えている人が一定数いる実態があります。介護分野の主力送り出し国はインドネシア・ミャンマー・ネパールで、特定技能全体の構成とは異なる点にも注意が必要です。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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