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📑目次

  1. 01介護職が使える税金控除・給付金の全体像
  2. 02教育訓練給付金|介護資格取得で最大80%が戻る制度
  3. 03特定支出控除|給付金で戻らなかった資格取得費を所得から差し引く
  4. 04医療費控除|腰痛・肩こり治療や通院費も対象になる
  5. 05新NISA|介護職の将来資金を非課税で育てる
  6. 06iDeCo|掛金が全額所得控除になる老後資金づくり
  7. 07ふるさと納税|実質2,000円で返礼品がもらえる住民税の先払い
  8. 08年末調整と確定申告|どちらで申請すればいいかの判断軸
  9. 09扶養控除・配偶者控除|家族を支える介護職の所得税対策
  10. 10よくある質問|介護職の税金控除・給付金
  11. 11参考資料・一次ソース
  12. 12まとめ|控除を知ることは、介護職のキャリア戦略そのもの
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介護職が使える税金控除まとめ|教育訓練給付・特定支出控除・医療費控除で手取りを増やす

介護職が使える税金控除まとめ|教育訓練給付・特定支出控除・医療費控除で手取りを増やす

介護職員が使える税金控除・給付金制度を網羅。教育訓練給付(最大80%)、特定支出控除、医療費控除、ふるさと納税、iDeCo・新NISAの活用法を公的資料ベースで解説。

ポイント

この記事のポイント

介護職員が使える主な税金控除・給付金は、教育訓練給付金(専門実践で最大80%)、特定支出控除(資格取得費)、医療費控除(腰痛治療など年10万円超)、ふるさと納税、iDeCo・新NISAの5つが柱です。介護福祉士取得時に給付金で最大64万円、年末調整と確定申告を組み合わせれば年数万円〜数十万円の還付が期待できます(金額は目安。個々の所得や家族構成で変動)。

📑目次▾
  1. 01介護職が使える税金控除・給付金の全体像
  2. 02教育訓練給付金|介護資格取得で最大80%が戻る制度
  3. 03特定支出控除|給付金で戻らなかった資格取得費を所得から差し引く
  4. 04医療費控除|腰痛・肩こり治療や通院費も対象になる
  5. 05新NISA|介護職の将来資金を非課税で育てる
  6. 06iDeCo|掛金が全額所得控除になる老後資金づくり
  7. 07ふるさと納税|実質2,000円で返礼品がもらえる住民税の先払い
  8. 08年末調整と確定申告|どちらで申請すればいいかの判断軸
  9. 09扶養控除・配偶者控除|家族を支える介護職の所得税対策
  10. 10よくある質問|介護職の税金控除・給付金
  11. 11参考資料・一次ソース
  12. 12まとめ|控除を知ることは、介護職のキャリア戦略そのもの

「介護の仕事は給料が安い」と言われがちですが、実は税制優遇や給付金制度を知っているかどうかで、年間の手取り額は大きく変わります。処遇改善加算で月給の改善が進む一方、税金や社会保険料の負担も同時に増えるため、控除制度を活用して合法的に取り戻すことが重要です。

特に介護職は、資格取得を通じたキャリアアップが給料アップに直結する職種です。初任者研修・実務者研修・介護福祉士・ケアマネジャーと段階的に資格を取る過程で、国からの給付金や税金控除を上手に使えば、自己負担を大幅に軽減できます。また、腰痛や肩こりといった職業病的な健康トラブルの治療費も、医療費控除の対象になるケースがあります。

この記事では、介護職員が実際に使える税金控除と給付金制度を、国税庁・厚生労働省・金融庁・総務省などの公的資料に基づいて整理します。年末調整で済むものと確定申告が必要なものを分けて解説するので、「うっかり申請し忘れて損をしていた」という状態を防げます。

介護職が使える税金控除・給付金の全体像

税金を減らす方法は大きく分けて「所得控除」「税額控除」「給付金」の3種類があります。介護職員にとって押さえておきたい制度を、目的別に整理すると次のようになります。

キャリアアップで使える制度

  • 教育訓練給付金(一般・特定一般・専門実践):初任者研修から介護福祉士まで、受講料の20〜80%が戻る
  • 特定支出控除(資格取得費):給付金で賄えなかった資格取得費用を、確定申告で所得から差し引く
  • キャリアアップ助成金(事業主向け):非正規から正社員登用で事業主に支給(職員が直接使う制度ではないが、正社員化の追い風になる)

働く中で使える制度

  • 医療費控除:腰痛・肩こり治療、歯科、出産費用などを確定申告で還付
  • 社会保険料控除:給与天引きの健康保険・厚生年金・雇用保険は年末調整で自動処理
  • 生命保険料控除・地震保険料控除:加入している場合に年末調整で控除

家族を支える人向け

  • 扶養控除:親や子を扶養していれば38万〜63万円の所得控除
  • 配偶者控除・配偶者特別控除:配偶者の所得に応じて控除
  • 障害者控除:本人・家族に障害がある場合、27万〜75万円の所得控除

将来のための節税投資

  • iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金が全額所得控除、運用益非課税
  • 新NISA:運用益が非課税(所得控除ではないが運用益への課税を回避)
  • ふるさと納税:実質2,000円の自己負担で返礼品がもらえる住民税の「前払い」制度

これらの制度は併用できるものが多く、「どの制度をどのタイミングで使うか」を計画的に組み立てることで、手取り額を着実に増やせます。

教育訓練給付金|介護資格取得で最大80%が戻る制度

介護職のキャリアアップにもっとも効果的な公的支援が、厚生労働省所管の教育訓練給付金制度です。対象講座を受講・修了すると、受講料の一定割合がハローワークから支給されます。雇用保険の被保険者であることが基本条件で、給付率によって3種類に分かれます。

3種類の教育訓練給付金

制度名支給率(上限)介護系の対象講座例
一般教育訓練受講料の20%(上限10万円)介護職員初任者研修(一部)
特定一般教育訓練受講料の最大50%(上限25万円)介護職員初任者研修・実務者研修(一部指定講座)
専門実践教育訓練受講料の最大80%(上限年64万円)介護福祉士養成課程、実務者研修+介護福祉士受験講座(一部)

※対象講座かどうかは、厚生労働省「教育訓練給付制度 検索システム」で正式名称ごとに確認が必要です。同じ「実務者研修」でも、スクールや地域によって指定の有無が異なります。

専門実践教育訓練の「三段ロケット型」支給

介護福祉士養成など専門実践教育訓練では、支給が3段階で増えていく仕組みです(厚生労働省資料より)。

  1. 基本給付(50%):受講中6か月ごとに受講料の50%(年間上限40万円)を支給
  2. 資格取得上乗せ(+20%):資格取得+修了から1年以内に雇用保険被保険者として就職・就業で合計70%(年間上限56万円)
  3. 賃金上昇上乗せ(+10%):修了後の賃金が受講前より5%以上上昇した場合、合計80%(年間上限64万円)※令和6年10月以降開講講座対象

たとえば介護福祉士養成の通信講座で総額40万円のコースなら、最終的に最大32万円(80%)が戻る計算になります(目安。実際の支給額は受講期間や勤務状況で変動)。

利用の流れ

  1. ハローワークで「教育訓練給付金支給要件照会」を行い、自分が対象か確認
  2. 専門実践の場合は受講開始1か月前までにキャリアコンサルティングを受け「受給資格確認」を申請
  3. 対象講座を受講・修了
  4. 修了から原則1か月以内(専門実践は6か月ごと)にハローワークへ支給申請

よくある失敗は、「受講開始後にキャリアコンサルティングを受けた」「修了から1か月を過ぎて申請を忘れた」というケースです。専門実践は事前手続きが必須なので、受講を検討した段階でハローワークに相談するのが鉄則です。

特定支出控除|給付金で戻らなかった資格取得費を所得から差し引く

教育訓練給付金で受講料の一部が戻っても、実費で負担した分が残るケースは多いです。テキスト代、模試代、通学交通費、スクール外で買った参考書などは給付金の対象外の場合もあります。こうした自己負担分を確定申告で所得から差し引ける制度が、国税庁が定める給与所得者の特定支出控除です。

特定支出控除の対象になる支出

国税庁によれば、特定支出として認められるのは次の支出で、いずれも職務遂行に直接必要で、給与の支払者(勤務先)またはキャリアコンサルタントの証明を受けたものに限られます。

  1. 通勤費:通勤のための交通費(会社支給を超える分)
  2. 職務上の旅費:転勤や出張のうち自費で負担した分
  3. 転居費:転勤に伴う引越し費用
  4. 研修費:職務に直接必要な技術・知識を得るための研修費
  5. 資格取得費:職務に直接必要な資格を取るための費用(介護福祉士・ケアマネ・初任者研修など)
  6. 帰宅旅費:単身赴任者が自宅に帰るための交通費
  7. 勤務必要経費:図書費・衣服費・交際費(合計65万円まで)

「給与所得控除の2分の1」を超えた分が対象

重要なのは「すべての特定支出がそのまま控除されるわけではない」という点です。国税庁は「特定支出の合計額が、給与所得控除額の2分の1相当額を超える場合に、その超える部分を所得から差し引ける」と定めています。

たとえば年収400万円の介護職員の場合、給与所得控除は約124万円(2024年時点の計算式に基づく目安)なので、その2分の1は約62万円です。つまり年間62万円を超える特定支出があってはじめて控除が使えることになります。

介護職で現実的に使えるケース

介護福祉士養成の専門学校(2年制)に自費で通う場合、年間の学費は100万円を超えるケースも多く、特定支出控除のハードルを超えやすくなります。一方、実務者研修だけ(10〜15万円程度)では単独では基準額に届かないことが一般的です。

実際に使う場合は、勤務先に「職務遂行に直接必要である」との証明書を発行してもらう必要があります。人事部や施設長に相談する段階で、「介護福祉士取得は職務に直接必要」と位置付けてもらうことが前提です。

※控除額・判定額は所得・家族構成によって変動します。具体的な金額は、国税庁の確定申告書等作成コーナーや税務署で確認してください。

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医療費控除|腰痛・肩こり治療や通院費も対象になる

介護職は移乗介助や入浴介助で腰・肩・膝に負担がかかりやすく、整形外科や接骨院に通う方が多い職種です。こうした治療費や通院の交通費は、国税庁が定める医療費控除の対象になる可能性があり、確定申告すれば所得税・住民税が軽減されます。

医療費控除の基本ルール

1年間(1月1日〜12月31日)に本人と生計を一にする家族が支払った医療費の合計が10万円を超えた部分、または総所得金額の5%を超えた部分(どちらか低い方)が所得から控除されます。控除の上限は200万円です。

  • 所得200万円以上の人:医療費が10万円を超えた分が対象
  • 所得200万円未満の人:医療費が「総所得の5%」を超えた分が対象(例:総所得180万円なら9万円が基準)

介護職の場合、年収が高くない層では「総所得の5%」の方が有利になるケースがあり、10万円未満でも控除が使える可能性があります。

対象になる支出・ならない支出

対象になる対象にならない
医師・歯科医師の診療費、治療費美容目的の歯列矯正・整形
治療目的の整体・はり・きゅう(国家資格者)疲労回復目的のマッサージ
通院のための公共交通機関の運賃自家用車のガソリン代・駐車場代
処方薬・市販薬(治療目的)ビタミン剤・健康食品
出産費用、不妊治療費里帰り出産の交通費(原則)
介護保険サービス自己負担分の一部日常生活費・おむつ代(医師の証明がない場合)

セルフメディケーション税制という選択肢

医療費が10万円に満たない場合でも、セルフメディケーション税制を使えることがあります。対象は、健康診断や予防接種を受けている人が、指定された市販薬(OTC医薬品)を年12,000円超購入したケースです。超えた部分(上限8万8,000円)が所得から控除されます。医療費控除との併用はできないので、どちらが得か年末に判断します。

領収書・交通費メモをそろえる

確定申告では「医療費控除の明細書」の提出が必要ですが、領収書そのものは提出不要になっています(5年間の保管義務あり)。通院のバス・電車代は領収書が出ないので、日付・区間・金額を手帳やスマホアプリにメモしておくのが実務的です。健康保険組合から届く「医療費のお知らせ」を明細書の代わりに使う方法もあり、入力の手間が省けます。

※実際の還付額は所得税率と住民税率(合計15〜45%程度)によって変動します。目安として、医療費が20万円かかった所得税率10%の人なら、約1万円の所得税還付+住民税1万円の軽減、合計2万円程度が返ってくるイメージです。

新NISA|介護職の将来資金を非課税で育てる

2024年からスタートした新NISA(少額投資非課税制度)は、金融庁が所管する長期資産形成のための制度です。通常、投資の利益には約20.315%の税金がかかりますが、NISA口座内の運用益は非課税になります。所得控除ではないため年末調整や確定申告の手続きは不要で、口座開設さえすれば自動的に非課税のメリットが得られます。

新NISAの基本設計(金融庁)

項目つみたて投資枠成長投資枠
年間投資上限120万円240万円
非課税保有期間無期限無期限
対象商品金融庁指定の長期・分散向け投資信託上場株式・投資信託など(一部除外)
併用同一年に併用可能(合計最大360万円/年)

生涯投資枠は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)で、売却した枠は翌年以降に再利用できるのが旧NISAとの大きな違いです。

介護職におすすめの使い方

夜勤手当を含めても手取りに余裕を持ちにくい介護職では、「つみたて投資枠で月1〜3万円をコツコツ積み立てる」のが現実的な第一歩です。給料日直後に自動引き落としで積立設定をすると、使い切る前に貯蓄+投資が進む仕組みになります。

  • 月1万円×20年×年利4%想定 → 約370万円(元本240万円)
  • 月2万円×20年×年利4%想定 → 約740万円(元本480万円)
  • 月3万円×20年×年利4%想定 → 約1,100万円(元本720万円)

※運用成果は相場変動で変わる目安であり、元本保証ではありません。金融庁の「資産運用シミュレーション」で自分の条件で試算できます。

iDeCoとの使い分け

NISAはいつでも引き出せるのが強みで、転職・結婚・マイホームなどライフイベントにも対応しやすい制度です。一方、後述するiDeCoは原則60歳まで引き出せない代わりに、掛金が全額所得控除になる節税メリットがあります。「短〜中期の資金=NISA、老後資金=iDeCo」と役割を分けるのが基本戦略です。

口座開設時の注意

NISA口座は1人1口座しか持てません。金融機関は1年に1回変更できますが、取引履歴の移管はできないため、手数料の安いネット証券などを最初に選ぶのがおすすめです。

iDeCo|掛金が全額所得控除になる老後資金づくり

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を積み立て、自分で運用し、60歳以降に年金または一時金で受け取る私的年金制度です。厚生労働省・国民年金基金連合会が所管しており、税制メリットが3段階にわたって効くのが最大の特徴です。

iDeCoの3つの税制メリット

  1. 掛金が全額所得控除:所得税+住民税が軽くなる(年末調整または確定申告で還付)
  2. 運用益が非課税:通常20.315%かかる運用益への税金がゼロ
  3. 受取時の控除:年金受取なら「公的年金等控除」、一時金なら「退職所得控除」を使える

掛金の上限(職業別)

加入区分月額上限年額換算
会社員(企業年金なし)23,000円276,000円
会社員(企業型DCのみ加入)20,000円240,000円
会社員(DB等に加入)12,000円144,000円
自営業・フリーランス68,000円816,000円
専業主婦(夫)23,000円276,000円

介護施設の多くは企業年金を持たないため、月23,000円(年276,000円)まで拠出できるケースが一般的です(詳細は勤務先の就業規則や人事部で確認)。

節税インパクトの目安

年収400万円・所得税率10%・住民税10%の介護職員が月2.3万円をiDeCoに拠出すると、年間拠出額は27.6万円。所得税+住民税で合計約55,200円(約20%)が戻ってくるイメージです。30年続ければ、節税だけで累計165万円前後になります(税率・所得により変動する目安)。

注意点:60歳まで引き出せない

iDeCoは老後資金専用の制度なので、原則60歳になるまで引き出せません。急な出費には使えない資金になることを理解したうえで、生活防衛資金(生活費6か月分程度)を別に確保してから始めるのが安全です。

年末調整で忘れず控除申請

iDeCoの掛金は、10〜11月頃に国民年金基金連合会から送られてくる「小規模企業共済等掛金払込証明書」を、年末調整の書類(保険料控除申告書)に貼り付けて提出します。提出を忘れると控除が受けられないので、封筒を必ず保管してください。年末調整に間に合わなかった場合も、確定申告で同額の還付を受けられます。

ふるさと納税|実質2,000円で返礼品がもらえる住民税の先払い

ふるさと納税は、自分が選んだ自治体に寄付をすると、寄付額から2,000円を差し引いた全額が、翌年の住民税・所得税から控除される制度(総務省所管)です。寄付の返礼品として米・肉・魚・日用品などを受け取れるため、「実質2,000円で返礼品がもらえる」と言われます。

控除の仕組み

ふるさと納税は厳密には「寄附金控除」の一種で、寄付額から2,000円を差し引いた金額が、所得税(還付)と住民税(翌年の減額)に分かれて控除されます。

  • 所得税分:(寄付額−2,000円)× 所得税率
  • 住民税基本分:(寄付額−2,000円)× 10%
  • 住民税特例分:(寄付額−2,000円)×(90%−所得税率)

寄付上限額の目安

控除の上限は総所得(課税所得)の概ね40%とされており、年収・家族構成によって大きく変わります。総務省「ふるさと納税ポータルサイト」の控除上限額シミュレーションで、自分の年収・家族構成を入力すれば概算できます。

年収(目安)独身または共働き夫婦(配偶者控除あり)
300万円約28,000円約19,000円
400万円約42,000円約33,000円
500万円約61,000円約49,000円
600万円約77,000円約69,000円

※総務省公表の目安表に基づく概算。住宅ローン控除・医療費控除など他の控除を使っている場合は上限が下がることがあります。

ワンストップ特例で確定申告不要に

本来、ふるさと納税で控除を受けるには確定申告が必要ですが、以下の条件を満たせば確定申告なしで住民税から自動控除される「ワンストップ特例制度」が使えます。

  1. もともと確定申告が不要な給与所得者(年末調整で完結している人)
  2. 1年間のふるさと納税先が5自治体以内
  3. 寄付ごとに、寄付先自治体へ「ワンストップ特例申請書」を翌年1月10日までに郵送・電子申請

6自治体以上に寄付した場合や、医療費控除などで確定申告が必要になった場合は、ワンストップ特例は無効になり、ふるさと納税も含めて確定申告し直す必要があります。介護職で「医療費控除も使いたい」という人は、最初から確定申告にまとめるのがシンプルです。

注意:節税ではなく「先払い」

ふるさと納税は、住民税を来年先払いしているだけで、税額自体が減るわけではありません。ただし2,000円の自己負担で返礼品がもらえる仕組みのため、日用品や食料品を選べば家計の節約に直結します。処遇改善で賞与が増える年など、課税所得が増える年に活用するとメリットが大きくなります。

年末調整と確定申告|どちらで申請すればいいかの判断軸

介護職で税金の手続きが必要になるのは、ほとんどが年末調整と確定申告の2つです。両者の違いを押さえておくと、申請漏れを防げます。

年末調整で済む控除

年末調整は、勤務先が従業員に代わって年間の所得税を精算する仕組みです。毎年10〜11月頃に配られる「給与所得者の扶養控除等申告書」「基礎控除・配偶者控除等・所得金額調整控除申告書」「保険料控除申告書」に必要事項を記入して提出すれば、次の控除が自動的に適用されます。

  • 基礎控除、配偶者控除、扶養控除、障害者控除、ひとり親控除、勤労学生控除
  • 社会保険料控除(給与天引き分は自動)
  • 生命保険料控除、地震保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除(iDeCo、小規模企業共済)
  • 住宅ローン控除(2年目以降)

確定申告が必要な控除

次の控除は年末調整では処理できないため、自分で確定申告する必要があります。

  • 医療費控除(セルフメディケーション税制を含む)
  • ふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合、または6自治体以上)
  • 特定支出控除(資格取得費など)
  • 雑損控除(災害・盗難で被害を受けた場合)
  • 住宅ローン控除の初年度
  • 副業・副収入が年20万円超(派遣の掛け持ち、講師料など)

確定申告の期限と方法

確定申告は、原則として翌年2月16日〜3月15日に行います。ただし、還付申告(税金が戻ってくる申告)は、対象年の翌年1月1日から5年間いつでも提出できます。「去年医療費がかさんだのに申告し忘れた」という場合も、さかのぼって還付を受けられる可能性があります。

申告方法は次の3つから選べます。

  1. e-Tax(オンライン):マイナンバーカード+スマホで完結。国税庁「確定申告書等作成コーナー」で入力
  2. 郵送:作成した申告書を管轄税務署に郵送
  3. 税務署窓口:2〜3月は混雑するので整理券制のことも

必要書類チェックリスト

  • 源泉徴収票(勤務先から12月〜1月に交付)
  • 医療費の領収書・医療費のお知らせ・通院交通費のメモ
  • ふるさと納税の寄付金受領証明書またはXML(ポータルサイトから発行可能)
  • iDeCo・生命保険料の控除証明書(年末調整で使わなかった分)
  • 特定支出控除を使う場合は、勤務先発行の証明書
  • マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)

扶養控除・配偶者控除|家族を支える介護職の所得税対策

介護職員のなかには、親を扶養している方や、配偶者がパート勤務の家庭も多くいます。国税庁が定める扶養控除・配偶者控除は、家族の所得状況に応じて所得税・住民税が軽くなる制度で、年末調整で申告します。

扶養控除(扶養親族)

生計を一にする親・子・兄弟姉妹などの合計所得金額が48万円以下(給与収入のみなら103万円以下)の場合、扶養控除が使えます。控除額は扶養親族の年齢によって変わります。

区分年齢控除額(所得税)
一般の控除対象扶養親族16歳以上38万円
特定扶養親族19〜22歳63万円
老人扶養親族(同居老親等以外)70歳以上48万円
老人扶養親族(同居老親等)70歳以上・同居58万円

介護職員が親を扶養しているケースは多く、同居の70歳以上の親を扶養する場合は58万円の控除が使えます。別居でも仕送りを定期的にしていれば「生計を一にする」と認められることがあります(源泉徴収票の控除対象扶養親族欄を要確認)。

配偶者控除・配偶者特別控除

本人の合計所得が1,000万円(給与収入1,195万円)以下で、配偶者の所得が次の範囲に収まれば控除が使えます。

  • 配偶者控除:配偶者の合計所得48万円以下(給与収入103万円以下)→ 最大38万円控除
  • 配偶者特別控除:配偶者の合計所得48万円超133万円以下(給与収入約201万円以下)→ 配偶者の所得に応じて最大38万円〜3万円の段階的控除

障害者控除もあわせて確認

本人・配偶者・扶養親族のいずれかが税法上の障害者に該当する場合、障害者控除(一般27万円、特別40万円、同居特別障害者75万円)が追加で使えます。要介護認定を受けていても自動的に「障害者」扱いにはなりませんが、自治体によっては「障害者控除対象者認定書」を発行しているケースがあり、認定を受ければ税法上の障害者として控除の対象になります。親を扶養している介護職員は、自治体窓口(福祉課など)で認定書の発行が受けられないか確認すると還付額が大きく増えることがあります。

年末調整の書類で正しく申告

扶養控除・配偶者控除は、勤務先に提出する「給与所得者の扶養控除等申告書」に家族の氏名・続柄・マイナンバー・所得見込額を記入することで適用されます。記入漏れが多いのは、別居の親・大学生の子・年度途中で家族が増減したケースです。年末になったら家族の所得を改めて確認し、必要に応じて再提出するのがおすすめです。

よくある質問|介護職の税金控除・給付金

よくある質問|介護職の税金控除・給付金

Q1. 介護福祉士の受験料や模試代も特定支出控除に入りますか?

A. 国税庁の定める「資格取得費」には、受験料・模試代・受験参考書代など、資格取得に直接必要な費用が含まれ得ます。ただし特定支出控除が成立するには、年間の特定支出合計が「給与所得控除額の2分の1」を超える必要があり、単独ではハードルが高めです。勤務先の証明書が必須である点とあわせて、所轄税務署で事前確認するのが安全です。

Q2. 教育訓練給付金とキャリアアップ助成金は併用できますか?

A. 教育訓練給付金は個人向け、キャリアアップ助成金は事業主向けの制度で、対象者が異なるため併用される事例があります。ただし、同じ講座に対して複数の公的助成を重ねて受けることはできないルールがある場合もあるので、受講前にハローワーク・都道府県労働局に確認してください。

Q3. 処遇改善加算で給料が上がった分、税金も増えますか?

A. はい。処遇改善加算は給与の一部(手当や一時金)として支給されるため、所得税・住民税・社会保険料の課税対象になります。ただし控除制度を活用すれば、増えた税負担のかなりの部分を取り戻せます。iDeCoやふるさと納税、医療費控除を組み合わせるのが現実的です。

Q4. 夜勤専従のパートでも確定申告は必要ですか?

A. 1か所の勤務先で年末調整が済んでいれば、原則として確定申告は不要です。ただし、2か所以上から給与を受け取っている・副業が年20万円を超える・医療費控除やふるさと納税を使う場合は確定申告が必要になります。夜勤専従の掛け持ちをしている方は要注意です。

Q5. iDeCoとNISAは両方やった方がいいですか?

A. 資金に余裕があれば両方の併用が基本戦略です。iDeCoは節税効果が高いが60歳まで引き出せない、NISAはいつでも引き出せるが所得控除はない、という違いがあります。生活防衛資金を確保したうえで、「老後資金=iDeCo、中期資金=NISA」と使い分けるのが定番です。

Q6. ふるさと納税の寄付上限額を超えるとどうなりますか?

A. 上限を超えた分は控除されずに自己負担になります。年末に賞与が予想より多く支給されて上限が上がるケースもあるため、上限額の8割程度までに抑えると安全です。総務省や各ポータルサイトのシミュレーターで、12月の最終給与明細が出た段階で再計算するのがおすすめです。

Q7. 親を介護している場合、税金で優遇されますか?

A. 同居の70歳以上の親を扶養していれば老人扶養親族(同居老親等)控除58万円が使えます。さらに自治体が「障害者控除対象者認定書」を発行している場合、要介護認定の状況に応じて障害者控除(27万〜75万円)も追加で使える可能性があります。医療費控除と組み合わせると、介護にかかる費用負担をかなり軽減できます。

まとめ|控除を知ることは、介護職のキャリア戦略そのもの

介護職員が使える税金控除・給付金は、単なる節税テクニックではなく、「資格取得→昇給→手取り最大化」というキャリア戦略の一部です。要点を改めて整理します。

  • キャリアアップには教育訓練給付金:介護福祉士取得なら最大80%(年64万円)が戻る
  • 自己負担は特定支出控除でカバー:給与所得控除の1/2超の資格取得費が所得控除に
  • 働く中のケガ・体調不良は医療費控除:年10万円超、または総所得5%超が対象
  • 長期資産は新NISA、老後資金はiDeCo:非課税と所得控除を使い分ける
  • ふるさと納税は実質2,000円で返礼品:ワンストップ特例は5自治体まで
  • 扶養控除・配偶者控除は年末調整で確実に:同居親70歳以上なら58万円控除

税金の話は複雑に見えますが、「年末調整で済むもの」と「確定申告が必要なもの」を分けて押さえるだけで、申請漏れのリスクは大きく減らせます。医療費・ふるさと納税・資格取得費は、領収書や証明書を年間を通じて1つのフォルダ(または家計簿アプリ)にまとめておくと、確定申告の手間が劇的に減ります。

そして最も大きな手取りアップにつながるのは、自分に合った職場で正しい評価と処遇を受けることです。処遇改善加算の取得状況、夜勤手当、資格手当、住宅手当、昇給ペースは施設によって大きく異なり、同じ介護福祉士でも年収が100万円以上変わるケースもあります。控除と給付金で手取りを増やしつつ、ベースとなる年収を引き上げる転職を組み合わせれば、介護職としての生活は大きく安定します。

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公開日: 2026年4月18日最終更新: 2026年4月18日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

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