介護のハタラクナカマ

介護職の転職、介護施設探し、介護保険・制度をわかりやすく解説します。

運営:Selfem合同会社

主要ガイド

  • 記事一覧
  • 介護用語集
  • 地域から探す

コンテンツ

  • 介護で働く方へ
  • ご家族・利用者の方へ
  • 介護ニュース
  • 施設を探す

サイト情報

  • サイトについて
  • 会社概要

規約・ポリシー

  • 利用規約
  • プライバシーポリシー

© 2026 Selfem合同会社 All rights reserved.

介護のハタラクナカマ
ご家族向け記事用語集施設を探す介護で働く方はこちらお近くの施設を探す

📑目次

  1. 01介護老人保健施設の施設数データから見るポイント
  2. 02リード文
  3. 03老健の費用の全体像と特養との違い
  4. 04強化型・超強化型など類型別の費用構造
  5. 05個室・多床室・ユニット型ごとの居住費
  6. 06食費・日常生活費・医療連携費
  7. 07老健費用の用語集
  8. 08在宅復帰前提の入所期間と費用負担の見通し
  9. 09リハビリ加算・医療管理加算の費用への影響
  10. 10退所後の費用設計:在宅か施設かの判断
  11. 11参考資料
  12. 12まとめ
施設を探す
老健の費用|月額相場・類型別の負担額・在宅復帰までの費用設計
ご家族・ご利用者向け

老健の費用|月額相場・類型別の負担額・在宅復帰までの費用設計

老健(介護老人保健施設)の月額費用を厚労省データで解説。基本型・在宅強化型・超強化型の単位数差、多床室・ユニット型個室の居住費、食費・日常生活費まで内訳を整理。在宅復帰前提の入所期間とリハビリ加算の影響も。

お近くの介護施設を探す

地域ごとの施設数や施設タイプを確認しながら、候補を絞り込めます。

施設を探す
ポイント

老健費用の要点

老健(介護老人保健施設)の月額費用は、多床室で8〜10万円台、ユニット型個室で13〜15万円台が目安です(要介護3・自己負担1割の場合)。費用は「介護サービス費+居住費+食費+日常生活費」の4本柱で構成され、施設類型(基本型・在宅強化型・超強化型・その他型)によって介護サービス費が変動します。在宅復帰を前提とした原則3〜6ヶ月の入所が想定されており、医療費・薬代は原則施設負担に含まれるため、特養や有料老人ホームとは費用設計の考え方が異なります。

📑目次▾
  1. 01リード文
  2. 02老健の費用の全体像と特養との違い
  3. 03強化型・超強化型など類型別の費用構造
  4. 04個室・多床室・ユニット型ごとの居住費
  5. 05食費・日常生活費・医療連携費
  6. 06老健費用の用語集
  7. 07在宅復帰前提の入所期間と費用負担の見通し
  8. 08リハビリ加算・医療管理加算の費用への影響
  9. 09退所後の費用設計:在宅か施設かの判断
  10. 10参考資料
  11. 11介護老人保健施設の施設数データから見るポイント
  12. 12まとめ

リード文

親が入院から退院するタイミングで「自宅にいきなり戻すのは心配。でも特養は順番待ちで入れない」。そんなときに最も使い勝手がよい中間施設が老健(介護老人保健施設)です。リハビリ専門職と医師・看護師がチームでサポートし、在宅復帰を前提に3〜6ヶ月程度の入所で機能回復を図ります。

ただし「公的施設だから安い」と漠然と理解しているだけだと、ユニット型個室と多床室で月額に5万円以上の差が出ることを見落としがちです。さらに2024年度の介護報酬改定では基本報酬の単位数が引き上げられ、2024年8月からは居住費の基準費用額が1日60円上がりました。2025年8月からは老健「その他型」「療養型」の多床室で月額8,000円相当の室料負担が新設される見通しです。

この記事では、厚生労働省・社保審介護給付費分科会の資料をもとに、老健の費用を「介護サービス費」「居住費」「食費」「日常生活費」の4軸で分解し、施設類型と居室タイプの違いがどう月額に効くのかを家族目線で整理します。在宅復帰までの費用設計と、退所後にどの選択肢にどれだけ予算を回すべきかも併せて解説します。

老健の費用の全体像と特養との違い

老健の月額費用は、要介護3・多床室・基本型・自己負担1割でおおむね8.4万円、ユニット型個室・在宅強化型では13万円台後半になります。費用の全体像をつかむために、まず「何にお金がかかるのか」と「特養とどう違うのか」を整理しておきましょう。

費用は4つの要素で決まる

老健の入所中にかかる費用は、次の4つに分解できます。

  • 介護サービス費:要介護度・施設類型・居室タイプで決まる介護報酬の1〜3割を負担。最も金額差が大きい変動要素。
  • 居住費(部屋代):多床室・従来型個室・ユニット型個室で大きく変動。2024年8月から基準費用額が1日60円引き上げ。
  • 食費:基準費用額は1日1,445円(月額約43,350円)で全国共通。2024年8月の改定では据え置きとなりました。
  • 日常生活費:理美容代、おむつ代以外の日用品、レクリエーション材料費、電話代などの実費。月5,000〜2万円が目安。

これらに加えて、ショートステイ的に短期入所する場合や、所得に応じた負担限度額認定証の有無で実際の支払額は変わります。

特養との決定的な違いは「在宅復帰」と「医療費」

特別養護老人ホーム(特養)は終の棲家として長期入所を前提とする施設ですが、老健は原則3〜6ヶ月の入所でリハビリを行い在宅へ戻す中間施設です。この目的の違いが費用構造にも直結します。

具体的には、老健は人員配置に医師(常勤1名以上)、看護師、リハビリ専門職(PT・OT・ST)が手厚く配置されており、その分介護サービス費の単位数は特養よりやや高めに設定されています。一方で入所中に処方される薬や医師の診察費用は施設負担に包括されるため、外部医療機関の受診を伴わない範囲では医療費の自己負担はほぼ発生しません。慢性疾患の薬代が月1〜2万円かかっている方なら、この「医療費包括」の経済メリットはかなり大きく感じられるはずです。

有料老人ホームとの違いは「入居金ゼロ」

民間の介護付き有料老人ホームは初期費用として入居金が数十万円〜数百万円必要なケースが多いのに対し、老健は公的施設のため入居金は0円です。退院から在宅復帰までの3〜6ヶ月だけ集中的に使う、と割り切れば費用効率は極めて高い選択肢になります。

強化型・超強化型など類型別の費用構造

同じ老健でも、施設が「どれだけ在宅復帰に力を入れているか」によって基本報酬の単位数が変わります。2018年の介護保険法改正で老健は「超強化型」「在宅強化型」「加算型」「基本型」「その他型」の5類型に整理され、在宅復帰・在宅療養支援等指標のポイント合計で区分されます。

5類型の判定基準と指標の考え方

区分は、在宅復帰率・ベッド回転率・退所時指導・リハビリテーションマネジメント・地域貢献活動・充実したリハビリなど10項目のポイント合計で決まります。

  • 超強化型:指標合計70点以上+すべての算定要件を満たす(在宅復帰率の上位施設)
  • 在宅強化型:指標合計60点以上、在宅復帰率50%以上、ベッド回転率10%以上
  • 加算型:指標合計40点以上
  • 基本型:指標合計20点以上
  • その他型:上記いずれも満たさない(実質的に長期入所中心の運営)

類型別の基本報酬(多床室・要介護3の例)

2024年度介護報酬改定後の単位数を、多床室・要介護3で比較すると次のようになります。

  • 基本型:908単位/日
  • 在宅強化型:1,014単位/日
  • 超強化型は基本型から+34単位/日、在宅強化型は+46単位/日の上乗せ加算が乗ります(在宅復帰・在宅療養支援機能加算)

単純に1日あたり100単位の差は、30日入所で3,000単位(自己負担1割で約3,000円)の月額差を生みます。さらに在宅復帰支援機能加算が乗ると差はさらに広がります。

「強化型ほど高い」は本当か

確かに介護サービス費そのものは強化型・超強化型のほうが高いですが、これは「在宅復帰の実績がある施設は短期間で帰せる」ことを意味します。半年・1年と入所が長引く可能性のある基本型・その他型と、3ヶ月で帰れる超強化型では、累計の自己負担はむしろ後者のほうが少なく済むこともあります。「単価」ではなく「在宅復帰までの累計支払額」で見るのが家族の選び方のコツです。

2025年8月から「その他型」「療養型」で室料負担が発生

2025年8月以降、老健の「その他型」「療養型」の多床室入所者には月額8,000円相当の室料負担が新設される予定です。社会保障審議会・介護給付費分科会で議論され、2024年に武見厚労相と鈴木財務相の合意で決定されました。長期入所の傾向が強い類型に絞った負担増ですが、入所が長引きそうな家庭は事前に試算しておきましょう。

個室・多床室・ユニット型ごとの居住費

居住費は、月額費用に最も大きな差をつける要素です。同じ要介護度・同じ施設類型でも、居室タイプが多床室かユニット型個室かで月額5〜6万円の差が生まれます。家族会議で最初に決めるべきは「どの部屋タイプにするか」と言ってもよいくらいです。

4つの居室タイプと基準費用額(2024年8月改定後)

厚労省が定める基準費用額(1日あたり)は次のとおりです。2024年8月から1日60円引き上げられました。

  • 多床室(4人部屋など):437円/日(月額約13,110円)
  • 従来型個室:1,728円/日(月額約51,840円)
  • ユニット型個室的多床室:1,728円/日(月額約51,840円)
  • ユニット型個室:2,066円/日(月額約61,980円)

多床室とユニット型個室の差は月額約4.9万円。介護サービス費の自己負担差より大きく、ここが「老健の月額は8万円から15万円」と幅広く語られる最大の理由です。

ユニット型個室の特徴

ユニット型個室は1ユニット10人程度の少人数グループで、専用の共用リビングを囲むように個室が配置される設計です。プライバシーが守られ生活感のある空間でリハビリ後の生活に近い感覚を保てるため、在宅復帰後の生活訓練という意味では理に適っています。費用は高いものの、認知症の方や生活リズムを崩したくない方には有力な選択肢です。

多床室の特徴と「室料負担」の今後

多床室は4人部屋が標準で、カーテンや間仕切りで区切られた病室に近い構造です。費用が抑えられる代わりにプライバシーは限定的です。前述のとおり、2025年8月から老健「その他型」「療養型」の多床室には月額8,000円相当の室料負担が新たに加わるため、実質的な選択肢は強化型・超強化型・基本型の多床室に集中していくと予想されます。

負担限度額認定で居住費は大幅減額できる

市町村民税非課税世帯の方は「介護保険負担限度額認定証」を申請することで、居住費・食費を大きく抑えられます。多床室の場合、第1段階(生活保護受給者など)は0円、第2段階・第3段階でも基準費用額より大幅に低い金額で利用できます。住所地の市町村の介護保険担当窓口で申請でき、預貯金額の要件(単身で第2段階は650万円以下など)を満たせば認定されます。

お近くの介護施設を探す

地域ごとの施設数や施設タイプを確認しながら、候補を絞り込めます。

施設を探す

食費・日常生活費・医療連携費

介護サービス費と居住費に比べて見落とされがちな「食費」「日常生活費」「医療連携費」も、月額に1〜3万円のインパクトを与えます。在宅復帰までの累計支出を試算するときに必ず織り込んでおきましょう。

食費は1日1,445円が基準(2024年改定で据え置き)

食費の基準費用額は1日1,445円・月額約43,350円で全国共通です。2024年8月の改定では「介護経営実態調査で食材費の大幅な増加が見られなかった」との理由で据え置きとなりました。負担限度額認定証の対象者であれば、第1段階300円/日、第2段階390円/日、第3段階①650円/日、第3段階②1,360円/日まで減額されます。

日常生活費の中身を知っておく

日常生活費は施設ごとに項目と単価が決まっており、入所契約時に重要事項説明書で確認できます。代表的な項目は次のとおりです。

  • 理美容代:月2,000〜4,000円(業者による出張理美容)
  • おむつ以外の日用品:歯ブラシ、洗剤、ティッシュなど月1,000〜3,000円
  • レクリエーション材料費:月500〜1,500円
  • 嗜好品・新聞代:希望者のみ実費
  • クリーニング・特別な被服代:月数千円程度

合計で月5,000〜2万円程度を見込んでおくと安全です。なおおむつ代は介護保険で給付対象のため、原則として自己負担は発生しません(在宅介護では自費なので、ここは老健の費用メリットです)。

医療費はほぼ施設負担、ただし例外あり

老健では医師・看護師が常駐し、入所中の医療管理・服薬・処置は基本的に介護報酬に包括されています。慢性疾患の薬代、定期的な医師の診察、簡単な処置などは追加費用が発生しません。

ただし、以下は自己負担となります。

  • 施設の医師が認めない希望医療(保険適用外の治療など)
  • 歯科治療(多くの老健で歯科は別契約)
  • 外部医療機関への入院・専門外来受診(健康保険で自己負担分)
  • 2026年6月から例外拡大されたJAK阻害薬・生物学的製剤など特殊な院外処方

厚生労働省は2026年6月から、老健入所者でも一部の高額薬剤は院外処方を可能とする見直しを行いました(厚労省Vol.1486)。該当薬剤を服用している方は、入所前に施設へ確認しておくと安心です。

📖

関連する主な介護用語

介護老人保健施設多床室有料老人ホーム介護報酬改定介護給付費分科会介護報酬特別養護老人ホーム介護保険法

▶ 介護用語集トップへ

在宅復帰前提の入所期間と費用負担の見通し

老健の費用設計は、「月額」ではなく「在宅復帰までの累計」で考える視点が欠かせません。厚生労働省の調査では、老健の平均入所期間は約299日〜310日(10ヶ月前後)。一方で施設によって79日〜288日と大きなばらつきがあります。

カンファレンスの周期と退所判断

老健では3〜6ヶ月ごとに、本人・家族・ケアマネ・施設職員・医師が集まる「サービス担当者会議(カンファレンス)」が開かれ、リハビリの進捗と在宅復帰の可否が話し合われます。改善が見られ自宅環境が整えば退所を促されますし、逆に状態が安定しなければ次のカンファレンスまで継続入所となります。

典型的な費用シミュレーション

パターンA:超強化型・多床室・要介護3・3ヶ月で在宅復帰

  • 介護サービス費(1割):約3.2万円/月 × 3ヶ月 = 9.6万円
  • 居住費:1.3万円/月 × 3ヶ月 = 3.9万円
  • 食費:4.3万円/月 × 3ヶ月 = 12.9万円
  • 日常生活費:1万円/月 × 3ヶ月 = 3万円
  • 累計:約29.4万円+退所後の住宅改修・福祉用具費用

パターンB:基本型・ユニット型個室・要介護3・6ヶ月で在宅復帰

  • 介護サービス費(1割):約2.8万円/月 × 6ヶ月 = 16.8万円
  • 居住費:6.2万円/月 × 6ヶ月 = 37.2万円
  • 食費:4.3万円/月 × 6ヶ月 = 25.8万円
  • 日常生活費:1.5万円/月 × 6ヶ月 = 9万円
  • 累計:約88.8万円

同じ要介護3でも、居室タイプと入所期間で累計支出は3倍以上の差になります。家計予算と相談しながら、最初の入所時に「目標退所月」を家族・施設と共有しておくのがおすすめです。

退所できないときの選択肢

3〜6ヶ月の延長を重ねても在宅復帰が難しい場合、特養への申込みを並行して進めるのが現実的です。特養は要介護3以上が原則で、入所までの待機期間が地域によって数ヶ月〜数年に及ぶため、老健入所中に申込みを済ませておくことが家族の負担を減らします。

リハビリ加算・医療管理加算の費用への影響

老健の介護サービス費は「基本報酬+加算」で決まります。在宅復帰を目指す施設ほど多様な加算を取得しており、その分月額が上がる構造になっています。家族としては「加算が多い=悪い」ではなく、どんなサービスを受けているかの証明として理解しましょう。

主要なリハビリ系加算

  • 短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ):258単位/日(入所3ヶ月以内、認知症がない方など)
  • 短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ):200単位/日(同上、認知症がある方)
  • 認知症短期集中リハビリテーション実施加算:認知症の方の集中リハビリに対する加算
  • リハビリテーションマネジメント計画書情報加算:リハビリ計画を多職種共有することで取得

短期集中リハ加算(Ⅰ)の258単位を例にとると、自己負担1割で1日あたり約258円、月額では約7,740円(30日)の上乗せです。ただしこの加算がついている期間は、PT・OT・STが週5日以上の個別リハビリを実施するため、在宅復帰につながる費用対効果は高いといえます。

在宅復帰・在宅療養支援機能加算

超強化型・在宅強化型に区分された施設は、基本報酬とは別に在宅復帰・在宅療養支援機能加算を取得します。基本型に対して+34〜46単位/日の上乗せがあり、月額では1,000〜1,500円程度の負担増ですが、これは「在宅復帰のためのカンファレンス・退所前訪問指導・退所後フォロー」までセットになった料金です。

医療系加算とその費用感

  • 所定疾患施設療養費:肺炎・尿路感染症などで医療管理が必要な期間(連続10日以内)の加算
  • 緊急時施設療養費:急変時の医療対応に対する加算
  • ターミナルケア加算:看取り期のケアに対する加算(在宅復帰が叶わず老健で看取る場合)
  • 経口維持加算:食事を口から摂る支援(Ⅰ)400単位/月、(Ⅱ)100単位/日
  • 退所時情報連携加算:在宅復帰先の医療機関への情報引き継ぎ

加算で月額が上がる仕組みを理解する

パンフレットの「月額○万円から」という表記は、多くの場合基本報酬と居住費・食費のみで計算されており、実際は加算で月数千〜1万円上乗せになるのが一般的です。重要事項説明書で「現在取得している加算」を必ず確認し、リハビリの質と費用のバランスを家族で納得したうえで契約に進みましょう。

退所後の費用設計:在宅か施設かの判断

老健の費用を考えるうえで欠かせないのが、退所後にかかる費用です。在宅復帰を選ぶか、特養や有料老人ホームへ移るかで、月額数万円〜十数万円の差が出ます。老健入所中の3〜6ヶ月で、家族の家計と本人の状態を踏まえて意思決定を進めましょう。

在宅復帰を選ぶ場合の費用

自宅に戻るには、本人の状態に合わせた住環境整備と介護サービスの組み合わせが必要です。

  • 住宅改修費:手すり設置・段差解消・トイレ改修など。介護保険から上限20万円までの9割給付(自己負担1〜3割)
  • 福祉用具レンタル:車いす・特殊寝台・歩行器など月数千〜1万円
  • 福祉用具購入:入浴補助具・腰掛便座など年間10万円までの9割給付
  • 訪問介護・通所介護:要介護3で支給限度額の範囲内なら自己負担月1〜3万円
  • 家族の介護休業給付金:雇用保険から賃金の67%を最大93日まで支給

在宅介護は支給限度額内に収めれば月2〜5万円程度で運用可能です。ただし家族の時間的負担が大きいため、家族の働き方・介護休業制度の活用とセットで検討しましょう。

特養に移る場合の費用

要介護3以上で特養への入所が認められれば、月額費用は多床室で7〜10万円、ユニット型個室で12〜15万円程度と老健と大差ありません。むしろ介護サービス費は特養のほうが低めなので、終の棲家としての安心感とコストを両立できます。ただし入所までの待機期間が長いことが最大の課題です。

有料老人ホーム・サ高住に移る場合の費用

民間の介護付き有料老人ホームは入居一時金が0〜数百万円、月額20〜40万円が中心レンジです。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は月額12〜25万円程度ですが、介護サービスは外付けのため別途介護保険サービスを使う前提です。本人の貯蓄と年金で月額をまかなえるかを必ず試算してから選びましょう。

判断の軸は「介護期間の見込み」と「家族の役割分担」

余命が長く比較的安定した状態なら、特養を待ちながら在宅介護でつなぐのが経済合理的です。一方で医療依存度が高い、または家族が遠方居住で在宅介護が現実的でない場合は、有料老人ホーム・サ高住・特養の組み合わせを考えます。老健の支援相談員(ソーシャルワーカー)は地域の施設情報に詳しいので、入所早期から相談しておくと選択肢の幅が広がります。

参考資料

  • [1]
    多床室の室料負担、基準費用額(居住費)について(報告)
  • [2]
    介護老人保健施設の報酬・基準について(社保審-介護給付費分科会 第194回 資料3)
  • [3]
    介護老人保健施設 2024年度介護報酬改定単価
  • [4]
    介護保険最新情報 Vol.1280(負担限度額認定証関連)
  • [5]
    II型の介護医療院、療養型・その他型の老健施設で2025年8月から月額8000円程度の室料負担
  • [6]
    介護サービス情報公表システム 介護老人保健施設(老健)
  • [7]
    全国老人保健施設協会 特集記事

関連する公的データ(本文の補足)

介護老人保健施設の施設数データから見るポイント

本サイトが保有する厚生労働省由来の施設データでは、介護老人保健施設は全国に4,089件あります。この記事のテーマは「家族・施設選び」です。家族が施設やサービスを選ぶ場合は、数が多い地域ほど見学先を比較しやすくなります。反対に候補が少ない地域では、サービス種別や通える範囲を早めに広げることが大切です。

順位都道府県施設数全国比率
1大阪府218件5.3%
2神奈川県196件4.8%
3東京都192件4.7%
4愛知県185件4.5%
5北海道181件4.4%
順位市区町村施設数全国比率
1群馬県高崎市20件0.5%
2鹿児島県鹿児島市19件0.5%
3大分県大分市18件0.4%
4富山県富山市18件0.4%
5広島県呉市17件0.4%

老健は、都道府県別では大阪府218件、神奈川県196件、東京都192件に多く、市区町村別では群馬県高崎市20件、鹿児島県鹿児島市19件、大分県大分市18件に集まりやすい傾向があります。施設やサービスを比較するときは、全国平均の説明だけでなく「自分が探す地域にどれだけ選択肢があるか」まで見ると、判断の精度が上がります。

出典: 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」オープンデータ(2025年12月末時点)に基づく本サイト集計。施設数は公開データの登録状況により変動します。

まとめ

老健の費用は、要介護3・多床室・基本型で月額8万円台、ユニット型個室・在宅強化型で14万円前後が目安です。「介護サービス費+居住費+食費+日常生活費」の4本柱で構成され、最も差が大きいのは居室タイプ(多床室とユニット型個室で月額5万円超)、次いで施設類型(基本型と超強化型で1日100単位前後)です。

2024年8月の改定で居住費基準費用額が引き上げられ、2025年8月からは老健「その他型」「療養型」の多床室で月額8,000円相当の室料負担が加わります。低所得世帯は「介護保険負担限度額認定証」の申請で居住費・食費を大幅に軽減できるので、市町村窓口での手続きを忘れずに。

そして老健最大の特徴は、3〜6ヶ月の在宅復帰を前提とした中間施設であること。月額ではなく「在宅復帰までの累計支払額」で考え、退所後の在宅復帰・特養・有料老人ホームのどれにつなぐかを入所時から設計しておくと、家族・本人双方にとって納得感のある介護の流れになります。支援相談員と密に連携し、3ヶ月ごとのカンファレンスを使って意思決定を進めていきましょう。

医療・健康情報に関する免責事項

本記事は、介護現場で働く方および介護職への転職を検討される方に向けた一般的な情報提供を目的としており、 個別の症状に対する医学的な診断・治療を行うものではありません。

ご本人・ご家族の症状やケア方法について判断が必要な場合は、必ず医師・看護師・薬剤師・言語聴覚士・理学療法士・作業療法士等の有資格者にご相談ください。 介護保険サービスの利用判断についてはケアマネジャー、行政手続きについては各市区町村の窓口にお問い合わせください。

掲載情報は公開時点の各種公的資料・業界資料に基づき作成していますが、最新の制度・診療ガイドライン等と異なる場合があります。

公開日: 2026年5月13日最終更新: 2026年6月3日

監修者

介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム

医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)

看護師介護福祉士ケアマネジャー

訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護保険、施設選び、在宅介護など、介護を受ける方・ご家族が判断に迷いやすいテーマを、公的情報と実務上の確認ポイントに沿って解説しています。

💡

続けて読む

親の介護にかかるお金の総額はいくら?在宅・施設別の月額と総額シミュレーション【2026年版】

2026/6/14

親の介護にかかるお金の総額はいくら?在宅・施設別の月額と総額シミュレーション【2026年版】

親の介護費用は総額いくら?生命保険文化センター調査をもとに、一時費用+月額×平均介護期間で在宅・施設別の総額を独自試算。準備すべき金額の考え方と自己負担を抑える4つの制度を家族向けに整理します。

親の銀行口座と認知症|口座凍結を防ぐ生前対策・成年後見・家族信託の使い分け

2026/5/13

親の銀行口座と認知症|口座凍結を防ぐ生前対策・成年後見・家族信託の使い分け

認知症で親の銀行口座が凍結される仕組みと、代理人カード・任意後見・家族信託・成年後見の使い分けを、全国銀行協会と法務省の一次資料に基づき整理。介護費用と口座管理を両立する実践ガイド。

介護にかかった医療費控除の使い方|対象範囲・10万円ボーダー・確定申告書の書き方

2026/5/13

介護にかかった医療費控除の使い方|対象範囲・10万円ボーダー・確定申告書の書き方

介護費用も医療費控除の対象になる場合があります。国税庁の一次資料をもとに、訪問看護・通所リハ・特養などの対象範囲、10万円ボーダーの計算、おむつ代の手続き、確定申告書の書き方、5年遡及還付申告までを実例で解説します。

📖

このテーマを深掘り

関連トピック

親の介護にかかるお金の総額はいくら?在宅・施設別の月額と総額シミュレーション【2026年版】

親の介護にかかるお金の総額はいくら?在宅・施設別の月額と総額シミュレーション【2026年版】

親の銀行口座と認知症|口座凍結を防ぐ生前対策・成年後見・家族信託の使い分け

親の銀行口座と認知症|口座凍結を防ぐ生前対策・成年後見・家族信託の使い分け

介護にかかった医療費控除の使い方|対象範囲・10万円ボーダー・確定申告書の書き方

介護にかかった医療費控除の使い方|対象範囲・10万円ボーダー・確定申告書の書き方

老人ホーム・介護施設の費用相場|7類型を月額・初期費用・自己負担で完全比較【2026年版】

老人ホーム・介護施設の費用相場|7類型を月額・初期費用・自己負担で完全比較【2026年版】

年金だけで入れる老人ホームはある?お金がないときの選択肢|生活保護・負担限度額認定・特養の使い方

年金だけで入れる老人ホームはある?お金がないときの選択肢|生活保護・負担限度額認定・特養の使い方

介護医療院の費用は月額いくら?医療と介護を一体で受ける施設の自己負担と所得別の軽減策【2026年版】

介護医療院の費用は月額いくら?医療と介護を一体で受ける施設の自己負担と所得別の軽減策【2026年版】

住宅型有料老人ホームの費用|介護保険サービス外付け型の費用構造と上乗せリスク

住宅型有料老人ホームの費用|介護保険サービス外付け型の費用構造と上乗せリスク

介護付き有料老人ホームの費用|入居一時金・月額・返還金まで2026年最新ガイド

介護付き有料老人ホームの費用|入居一時金・月額・返還金まで2026年最新ガイド

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の費用|家賃・共益費・介護サービス費の三層構造を完全解説

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の費用|家賃・共益費・介護サービス費の三層構造を完全解説

グループホームの費用|認知症対応型共同生活介護の月額・入居一時金・地域差をわかりやすく解説

グループホームの費用|認知症対応型共同生活介護の月額・入居一時金・地域差をわかりやすく解説

特養(特別養護老人ホーム)の費用|月額・所得別負担限度額・追加費用の内訳

特養(特別養護老人ホーム)の費用|月額・所得別負担限度額・追加費用の内訳

介護の現場・介護職の視点

同じテーマを介護の現場で働く方の視点から書いた記事。専門家の見方も知っておきたい時に。

施設タイプ別に介護職の給料を比較|特養・老健・デイ・訪問の差と構造【2024年調査】

特養・老健・有料・訪問介護・グループホーム・デイサービスの給料を2024年調査の全国データで比較。月6.8万円差を生む夜勤手当・要介護度・処遇改善加算の3要因と、当サイト9.1万件の施設DBによる市場規模分析も掲載。

在宅介護のお金、家族が知っておく制度と節約のコツ|費用・控除・相続まで

在宅で親を介護する家族向けに、介護保険の自己負担、医療費控除、障害者控除、高額介護サービス費、世帯分離、介護離職、成年後見人報酬、相続対策まで、お金の問題をまとめて解説。2026年制度対応。

老健(介護老人保健施設)の費用|在宅復帰前提のリハビリ施設の月額相場と内訳
  1. ホーム
  2. 介護を受ける方・ご家族
  3. ご家族向け記事
  4. 老健(介護老人保健施設)の費用|在宅復帰前提のリハビリ施設の月額相場と内訳