
老健(介護老人保健施設)はきつい?大変なことと対処法
老健(介護老人保健施設)の仕事がきつい・大変と言われる理由を現場目線で解説。リハビリ支援の負担、医療職との連携ストレス、入退所の多さによる忙しさなど、老健ならではの大変さと具体的な対処法を紹介します。
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目次
「老健の仕事はきつい」「老健で働くのは大変そう」という声を聞いたことがある方も多いでしょう。介護老人保健施設(老健)は、在宅復帰を目指すリハビリ施設という特性上、特養や有料老人ホームとは異なる独特の大変さがあります。
入退所の頻繁なサイクル、医師・看護師・リハビリ職との多職種連携、在宅復帰率へのプレッシャーなど、老健ならではの課題があるのは事実です。一方で、医療的スキルが身につく、給料水準が高い、利用者の回復を見届けられるなど、老健でしか得られないメリットも多くあります。
この記事では、老健の仕事が「きつい」と言われる8つの理由を詳しく解説し、その乗り越え方や向いている人の特徴まで網羅的にお伝えします。老健への転職を検討している方、今まさに老健で働いていてつらさを感じている方は、ぜひ参考にしてください。
介護老人保健施設の施設数データから見るポイント
本サイトが保有する厚生労働省由来の施設データでは、介護老人保健施設は全国に4,089件あります。この記事のテーマは「働き方・現場理解」です。働き方を考えるときは、その施設タイプが全国でどれくらいあり、どの地域に多いかを知ると、求人の探しやすさやキャリアの広げ方を判断しやすくなります。
| 順位 | 都道府県 | 施設数 | 全国比率 |
|---|---|---|---|
| 1 | 大阪府 | 218件 | 5.3% |
| 2 | 神奈川県 | 196件 | 4.8% |
| 3 | 東京都 | 192件 | 4.7% |
| 4 | 愛知県 | 185件 | 4.5% |
| 5 | 北海道 | 181件 | 4.4% |
| 順位 | 市区町村 | 施設数 | 全国比率 |
|---|---|---|---|
| 1 | 群馬県高崎市 | 20件 | 0.5% |
| 2 | 鹿児島県鹿児島市 | 19件 | 0.5% |
| 3 | 大分県大分市 | 18件 | 0.4% |
| 4 | 富山県富山市 | 18件 | 0.4% |
| 5 | 広島県呉市 | 17件 | 0.4% |
老健は、都道府県別では大阪府218件、神奈川県196件、東京都192件に多く、市区町村別では群馬県高崎市20件、鹿児島県鹿児島市19件、大分県大分市18件に集まりやすい傾向があります。求人や施設を比較するときは、全国平均の説明だけでなく「自分が探す地域にどれだけ選択肢があるか」まで見ると、判断の精度が上がります。
出典: 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」オープンデータ(2025年12月末時点)に基づく本サイト集計。施設数は公開データの登録状況により変動します。
老健(介護老人保健施設)とは
老健(介護老人保健施設)は、病院での治療を終えた高齢者が在宅復帰を目指すための中間施設です。リハビリテーションを中心としたサービスを提供し、利用者が自宅や他の施設で生活できるよう支援します。
老健の特徴
- 在宅復帰が目標:特養のような終身利用ではなく、自宅復帰を前提としたケアを行います
- 入所期間は原則3〜6ヶ月:入退所のサイクルが早く、利用者が頻繁に入れ替わります
- 医師・看護師が常駐:医療的ケアが提供でき、急変時にも対応可能です
- リハビリ専門職がいる:理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が配置されています
- 多職種チームでケア:医師、看護師、介護職、リハビリ職、栄養士、相談員などがチームで支援します
老健の種類
老健は在宅復帰率や機能によって5つのタイプに分かれています。
| タイプ | 在宅復帰率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 超強化型 | 50%以上 | 在宅復帰に最も力を入れている。報酬も高い |
| 強化型 | 40%以上 | 在宅復帰率が高く、リハビリ体制が充実 |
| 加算型 | 30%以上 | 在宅復帰に一定の実績がある |
| 基本型 | 要件なし | 標準的な老健 |
| その他型 | 要件なし | 療養型に近い運営 |
超強化型・強化型は在宅復帰に積極的なため、入退所のサイクルが早く、介護職員にとっては忙しい環境になります。一方、その他型は療養中心で入退所が少なく、特養に近い働き方になる場合もあります。
老健で働く職種
老健には以下の職種が配置されています。
- 医師:1名以上(常勤)。利用者の健康管理、治療方針の決定
- 看護師・准看護師:入所者100人あたり9人以上。医療的ケア、バイタル管理
- 介護職員:入所者100人あたり25人以上。日常生活の介護全般
- 理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST):入所者100人あたり1人以上。リハビリテーションの提供
- 支援相談員:入所者100人あたり1人以上。入退所の調整、家族対応
- 介護支援専門員(ケアマネジャー):1人以上。ケアプランの作成
- 栄養士・管理栄養士:栄養管理、食事の提供
これだけ多くの職種が関わるため、多職種連携が老健の大きな特徴であり、介護職員にとっては連携の難しさがストレスになることもあります。
老健の介護職員の仕事内容
老健で働く介護職員の仕事内容は、特養などの入所施設と共通する部分も多いですが、老健ならではの特徴もあります。
基本的な介護業務
食事介助・食事の準備
配膳から食事介助、服薬確認、下膳まで行います。老健では嚥下機能のリハビリを行っている利用者も多く、食事形態(刻み食、ペースト食など)への対応や、誤嚥防止への注意が特に必要です。言語聴覚士と連携して、嚥下状態の観察を行うこともあります。
入浴介助
一般浴、機械浴、リフト浴など利用者の状態に応じた入浴介助を行います。入浴前のバイタルチェック、入浴後の保湿ケアなども担当します。リハビリの一環として、できるだけ自力で動作してもらう支援を意識する必要があります。
排泄介助
おむつ交換、トイレ誘導、ポータブルトイレの介助などを行います。排泄の自立はADL(日常生活動作)向上の重要なポイントなので、リハビリ職と連携して自立支援を意識したケアを行います。
起床・就寝介助
朝の起床介助(着替え、整容、ベッドから車椅子への移乗など)と、夜の就寝介助(着替え、歯磨き、ベッドへの移乗など)を行います。
移動・移乗介助
車椅子からベッドへの移乗、歩行介助、リハビリ室への移動介助などを行います。老健では「できることは自分でやってもらう」姿勢が重要で、過介助にならないよう注意が必要です。
老健ならではの業務
リハビリ支援
リハビリ専門職が行う訓練とは別に、日常生活の中でADL向上を意識したケア(生活リハビリ)を行います。例えば、食事の際に自分で箸を持ってもらう、着替えで自分でボタンを留めてもらうなど、「できること」を増やすケアです。
多職種カンファレンスへの参加
週1回〜月1回程度、医師・看護師・リハビリ職・相談員・ケアマネが集まるカンファレンスに参加します。日々の介護の中で気づいた利用者の変化を報告し、ケア方針の決定に関わります。
入退所対応
新規入所者のオリエンテーション、生活物品の確認、家族への説明補助などを行います。退所時は荷物の整理や見送りを行います。入退所が多い老健では、この対応が頻繁に発生します。
レクリエーションの企画・実施
体操、ゲーム、季節行事などのレクリエーションを企画・実施します。リハビリの要素を取り入れた内容が求められることもあります。
介護記録の作成
利用者のケア内容、状態変化、食事量、排泄状況などを記録します。多職種が情報共有するため、正確で分かりやすい記録が求められます。
老健の「きつさ」は在宅復帰率のプレッシャーにある
老健特有のきつさは、在宅復帰率の目標達成プレッシャーです。2024年の報酬改定で在宅復帰・在宅療養支援等指標が重視され、「利用者を早く退所させなければ」という圧力が現場に伝わることがあります。一方で、利用者が在宅復帰できた時の喜びは大きなやりがいでもあります。きつさを感じたら、リハビリ職と連携してチームで目標を共有することが対処法です。
老健の仕事がきついと言われる8つの理由
老健で働く介護職員が「きつい」「大変」と感じる主な理由を詳しく解説します。
1. 入退所が多く業務が煩雑
老健は在宅復帰を目指す施設のため、入所期間は原則3〜6ヶ月程度です。特養のように何年も同じ利用者をケアするのではなく、入退所のサイクルが早いのが特徴です。
新しい利用者が入所するたびに、ADL状態の把握、好みや習慣の確認、家族との関係構築などを一からやり直す必要があります。「やっと慣れてきた」と思ったら退所になり、また新しい利用者への対応が始まる。この繰り返しに疲れを感じる人は少なくありません。
超強化型・強化型の老健では在宅復帰率が高いため、入退所の頻度はさらに増えます。入退所対応の業務(オリエンテーション、書類整理、荷物確認など)も多くなり、日常の介護業務に加えてこなす必要があります。
2. 医療職との連携にプレッシャーを感じる
老健には医師・看護師が常駐しています。利用者の体調変化を迅速に報告し、適切な対応を取らなければなりません。「このくらいなら報告しなくていいかな」と思っても、実は重大な症状だったということもあり、報告のタイミングに悩む介護職員は多いです。
また、医療職と介護職では利用者の見方が異なることがあります。介護職は「その人らしい生活」を重視しますが、医療職は「安全・医療管理」を優先することがあり、意見がぶつかることもあります。
医療用語が飛び交う環境に慣れていないと、申し送りやカンファレンスでついていけないと感じることもあります。「バイタル」「SpO2」「誤嚥性肺炎」など、基本的な医療用語を覚えるまでは苦労するかもしれません。
3. リハビリ職との連携が難しい
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士との連携は、老健で働く介護職員にとって大きな課題の一つです。リハビリ職からは「もっとADL向上を意識したケアを」と言われることがありますが、日常業務の中でそれを実践するのは簡単ではありません。
また、「リハビリでは歩けているのに、なぜ介護のときは車椅子なの?」と言われることもあります。訓練場面と生活場面では利用者の状態が異なることを理解してもらうのに苦労することがあります。
リハビリ職の視点を理解し、日々のケアに生かすには時間と経験が必要です。連携がうまくいかないと、「自分のケアが否定されている」と感じてしまうこともあります。
4. 利用者との関係が短期で終わる
在宅復帰が目標のため、せっかく信頼関係を築いても利用者は退所してしまいます。長期的に一人の利用者に寄り添いたいと考える人にとっては、物足りなさや寂しさを感じることがあります。
「あの人にもっとこうしてあげたかった」「最後まで見届けたかった」という思いを抱えることもあるでしょう。利用者との関係が短期で終わることに慣れるまで、感情面での負担を感じる人もいます。
一方で、退所は「在宅復帰できた」という成功の証でもあります。この見方ができるようになると、短期間の関わりでもやりがいを感じられるようになります。
5. 在宅復帰率へのプレッシャー
老健の介護報酬は、在宅復帰率や在宅ベッド回転率によって大きく変わります。超強化型の報酬は基本型より高いため、施設としては在宅復帰率を上げたいという圧力があります。
「もっと早く退所させられないか」「この人は本当に自宅に帰れるのか」といったプレッシャーを感じることがあります。利用者のペースではなく、施設の都合で退所が決まっているような感覚を持つこともあるかもしれません。
介護職員が直接プレッシャーを受けることは少ないですが、施設全体の雰囲気として「とにかく退所させる」という姿勢が強いと、利用者に寄り添ったケアができないストレスを感じることがあります。
6. 従来型は担当利用者が多い
老健には従来型(多床室中心)とユニット型(個室中心)があります。従来型の場合、1フロアに20〜30人の利用者がいることも珍しくなく、一人ひとりに目が行き届きにくい環境です。
特にナースコール対応や食事介助では、同時に複数の利用者から呼ばれることもあり、「誰を優先すべきか」の判断に悩むことがあります。業務に追われて利用者とゆっくり話す時間が取れないと感じる人も多いです。
7. 夜勤の負担
老健は24時間体制の入所施設のため、夜勤があります。夜間は介護職員2〜3人で数十人の利用者を見ることになり、責任が重くなります。
巡回、おむつ交換、体位変換、ナースコール対応など、夜勤中の業務は多岐にわたります。急変時には看護師に連絡して対応しますが、夜間は看護師の人数も限られているため、緊張感があります。
夜勤明けの体力的な消耗、睡眠リズムの乱れなども、きつさを感じる要因です。
8. 人手不足による業務過多
介護業界全体の課題ですが、老健も人手不足に悩んでいます。人員が足りないと一人あたりの業務量が増え、残業や休日出勤が発生することもあります。
「利用者のためにこうしたい」と思っても、時間や人員の制約でできないことが多いと、やりがいを失ってしまうこともあります。人手不足の施設では職員間のコミュニケーションも不足しがちで、チームワークが悪化することもあります。
老健と特養、どちらがきつい?違いを比較
老健と特養(特別養護老人ホーム)は、どちらもきついと言われる施設ですが、その「きつさ」の種類は異なります。自分の適性に合った施設を選ぶ参考にしてください。
施設の特徴比較
| 項目 | 老健 | 特養 |
|---|---|---|
| 目的 | 在宅復帰 | 終身利用 |
| 入所期間 | 原則3〜6ヶ月 | 終身(数年〜十数年) |
| 医師 | 常勤1名以上 | 非常勤可 |
| 看護師 | 手厚い配置 | 老健より少ない |
| リハビリ職 | PT/OT/STが常勤 | 機能訓練指導員のみ |
| 平均要介護度 | 3.0程度 | 3.8程度 |
| 看取り | 少ない | 多い |
きつさの違い
老健のきつさ
- 入退所が多く、利用者の入れ替わりに対応する負担がある
- 多職種連携のストレス(医師・看護師・リハビリ職との調整)
- 在宅復帰率へのプレッシャー
- ADL向上を意識したケアが求められる
特養のきつさ
- 要介護度が高く、身体介護の負担が大きい(重度の認知症、全介助が多い)
- 看取りケアの精神的負担
- 長期入所により、変化のない日常が続く
- 利用者の死を何度も経験する
どちらを選ぶべき?
老健が向いている人は、多職種連携を学びたい人、医療的スキルを身につけたい人、利用者の回復・退所にやりがいを感じる人です。変化のある環境で働きたい人にも向いています。
特養が向いている人は、一人の利用者にじっくり寄り添いたい人、身体介護のスキルを磨きたい人、看取りケアに携わりたい人です。安定した環境で長く利用者と関わりたい人にも向いています。
「どちらがきついか」は一概には言えません。人手不足の施設はどちらも大変ですし、職場環境が良ければどちらでも働きやすいです。施設見学で雰囲気を確認することをおすすめします。
きついだけじゃない!老健で働く6つのメリット
老健には大変な面もありますが、それを上回るメリットも多くあります。老健で働くことで得られるものを紹介します。
1. 給料水準が高い
老健の平均月収は35万2,900円で、介護施設の中で特養に次いで2番目の高さです。医療法人運営が多く経営が安定しているため、賞与も年間3〜4ヶ月分と充実しています。夜勤手当も含めると、年収420万円以上を目指せる施設も少なくありません。
2. 医療的スキルが身につく
医師・看護師が常駐しているため、医療的ケアに触れる機会が多いです。バイタルサインの見方、急変時の対応、医療用語の理解など、他施設では得られにくいスキルが身につきます。将来的に医療系施設(病院、介護医療院など)への転職にも有利になります。
3. リハビリの視点が学べる
PT・OT・STとの協働を通じて、ADL向上のためのケア方法を学べます。「できることを増やす」介護の視点は、どの施設でも活かせる貴重なスキルです。自立支援介護の考え方を身につけたい人には最適な環境です。
4. 利用者の回復を見届けられる
在宅復帰が目標のため、利用者の状態が改善していく過程を見届けられます。「歩けるようになった」「自宅に帰れた」という達成感は、老健で働く大きなやりがいです。看取りより回復を見たいという人には向いています。
5. 経営が安定している
老健は医療法人が運営していることが多く、病院を母体としているため経営基盤が安定しています。倒産リスクが低く、給与の遅延や突然の閉鎖といったリスクが少ないのは安心材料です。福利厚生が整っている施設も多いです。
6. キャリアの幅が広がる
多職種連携の経験は、ケアマネジャーや相談員へのキャリアアップにも役立ちます。医療と介護の両方を知っていることで、転職先の選択肢も広がります。老健での経験は、介護職としての市場価値を高めてくれます。
老健に向いている人・向いていない人
老健の仕事には向き不向きがあります。自分が老健に向いているか、以下のポイントでチェックしてみてください。
老健に向いている人
多職種連携に興味がある人
医師、看護師、リハビリ職、相談員、ケアマネなど、多くの専門職と協力してケアを行うことに興味がある人は老健向きです。チームで一人の利用者を支える働き方にやりがいを感じられる人に向いています。
医療的スキルを身につけたい人
将来的に医療系施設で働きたい人、医療知識を深めたい人には老健は良い学びの場です。日常的に医療職と関わることで、自然と知識が身についていきます。
利用者の回復にやりがいを感じる人
「できることが増えた」「自宅に帰れた」という利用者の変化を見届けることにやりがいを感じる人は老健向きです。看取りより、回復・自立を支援したいという人に向いています。
変化のある環境が好きな人
入退所が多いため、同じことの繰り返しにならず、適度な変化があります。マンネリを避けたい人、新しい利用者との出会いを楽しめる人に向いています。
コミュニケーション能力が高い人
多職種との連携、頻繁に入れ替わる利用者・家族との関係構築など、コミュニケーションが多い職場です。人と話すことが好きな人、調整役が得意な人に向いています。
老健に向いていない人
一人の利用者にじっくり寄り添いたい人
入所期間が短いため、長期的な関係構築は難しいです。何年もかけて一人の利用者を支えたいと考える人は、特養やグループホームの方が向いているかもしれません。
多職種連携が苦手な人
医師や看護師、リハビリ職との連携にストレスを感じる人は、老健では辛くなることがあります。他職種からの指摘を成長の機会と捉えられないと、働き続けるのは難しいかもしれません。
ルーティンワークを好む人
入退所対応やカンファレンスなど、日常の介護業務以外のタスクも多いです。決まった仕事を黙々とこなしたいタイプの人には、業務の煩雑さがストレスになることがあります。
看取りケアに携わりたい人
老健は在宅復帰が目標のため、看取りは少ないです。利用者の最期に寄り添いたいと考える人は、特養や有料老人ホームの方が希望に合うでしょう。
老健のきつさを乗り越える7つの対処法
老健の仕事がきついと感じたとき、どのように対処すればよいのでしょうか。現場で実践できる具体的な方法を紹介します。
1. 多職種連携のコツを身につける
他職種との連携に苦手意識がある人は、まず相手の視点を理解することから始めましょう。
- リハビリ職は「ADL向上・機能維持」の視点で利用者を見ています。「なぜこの動作練習をしているのか」を理解すると、日常ケアにも活かせます
- 看護師は「医療・安全管理」の視点を持っています。バイタルの変化や体調の異変を報告することで信頼関係が築けます
- わからない用語や指示は、その場で素直に質問しましょう。「教えてください」と言える姿勢が大切です
カンファレンスには積極的に参加し、介護職としての視点を発言することで、チームの一員としての立場を確立できます。
2. 入退所対応を効率化する
入退所が多いことへの対応は、業務の効率化がカギです。
- 入所時の確認事項はチェックリスト化して、抜け漏れを防ぐ
- 利用者情報は共有ファイルやノートにまとめて、誰でもすぐに確認できるようにする
- 退所準備は前日から計画的に進める
「また一から覚え直しか」ではなく、「新しい利用者との出会い」とポジティブに捉えられると、気持ちが楽になります。
3. 記録業務を効率化する
多職種が情報共有する老健では、記録が重要です。効率よく質の高い記録を残すコツを身につけましょう。
- よく使う文章はテンプレート化しておく
- 「事実」と「観察」を分けて書く(例:「食事を3割残した」が事実、「食欲低下か」が観察)
- 記録は後回しにせず、業務の合間にこまめに入力する
4. 上司・先輩に相談する
一人で抱え込まず、悩みは早めに相談しましょう。同じ施設で働く先輩は、同じ課題を乗り越えてきた経験があります。
- 「〇〇さんとの連携がうまくいかない」など具体的に相談する
- 解決策だけでなく、共感してもらえるだけでも気持ちが楽になる
- 定期的な面談の機会があれば、率直に現状を伝える
5. メンタルケアを大切にする
きつい環境で働き続けるには、メンタルケアが欠かせません。
- 退所=成功と捉え、ポジティブに考える習慣をつける
- 休日は仕事から離れてリフレッシュする
- 趣味や運動で気分転換する
- 同僚と悩みを共有して、孤立しないようにする
6. 自分のスキルアップに投資する
「きつい」と感じる原因の一つは、スキル不足による自信のなさです。資格取得や研修参加でスキルアップすると、仕事がスムーズになり、自信もつきます。
- 介護福祉士の資格を取得する
- 喀痰吸引等研修を受講する
- 認知症ケア専門士などの専門資格を目指す
7. 合わないと感じたら転職も選択肢
どうしても老健が合わないと感じたら、転職も選択肢です。無理に続けて心身を壊しては元も子もありません。
- 同じ老健でも、施設によって雰囲気は全く異なる(別の老健への転職も検討)
- 在宅復帰型ではなく療養型の老健なら、入退所が少ない
- 特養、有料老人ホーム、デイサービスなど、他施設への転職も選択肢
老健の「きつさ」に関するよくある質問
老健の仕事について、よく寄せられる質問にお答えします。
Q. 老健と特養、どちらがきついですか?
A. きつさの種類が異なるため、一概には言えません。老健は入退所の多さや多職種連携のストレスがあり、特養は要介護度が高く身体介護の負担や看取りの精神的負担があります。どちらが合うかは個人の適性によります。多職種連携を学びたい人は老健、一人の利用者に長く寄り添いたい人は特養が向いています。
Q. 老健は未経験でも働けますか?
A. 働けます。ただし、医療職との連携が求められるため、介護職員初任者研修の取得や、教育体制の整った施設を選ぶことをおすすめします。入職後は医療用語を覚えたり、リハビリの視点を学んだりする必要がありますが、先輩職員のサポートがあれば未経験からでも成長できます。
Q. 老健の夜勤は特養と比べてきついですか?
A. 老健の利用者は特養より平均要介護度が低いため、身体介護の負担は軽い傾向があります。ただし、老健には医師・看護師が常駐しているため、急変時の報告や医療的対応への緊張感があります。どちらがきついかは、身体的負担と精神的プレッシャーのどちらをより大変と感じるかによります。
Q. リハビリ職との連携が苦手です。どうすればいいですか?
A. まずはリハビリ職の視点を理解することが大切です。PT・OT・STは「利用者のADL向上・機能維持」を目標にしています。カンファレンスに積極的に参加し、わからないことは素直に質問しましょう。日々のケアで気づいた利用者の変化を報告すると、リハビリ職からも信頼されるようになります。
Q. 老健で働くと医療的スキルは身につきますか?
A. はい、身につきます。バイタルサインの見方、急変時の対応、医療用語の理解など、日常的に医療職と関わる中で自然と知識が増えていきます。喀痰吸引等研修を受講すれば、たんの吸引や経管栄養も実施できるようになります。将来的に病院や介護医療院への転職にも有利です。
Q. 入退所の多さにどう対応すればいいですか?
A. 業務の効率化と気持ちの切り替えがポイントです。入所時の確認事項はチェックリスト化し、利用者情報は共有しやすい形でまとめておきましょう。また、「退所=在宅復帰の成功」とポジティブに捉えることで、寂しさが達成感に変わります。新しい利用者との出会いを楽しむ姿勢が大切です。
Q. 老健の人間関係は大変ですか?
A. 多職種が働いているため、人間関係が複雑になりやすい面はあります。職種間の考え方の違いから衝突が起きることもあります。ただし、チームワークを大切にする施設では、多職種連携がスムーズで働きやすい環境が整っています。施設見学で雰囲気を確認することをおすすめします。
Quick Diagnosis
全6問・動画ガイド付き
性格から、合う働き方をみつける。
介護の仕事を嫌いになる前に。施設タイプや転職サービスの選び方を、6つの質問と45秒の動画で整理できます。
まとめ
老健の仕事が「きつい」と言われる理由と、その乗り越え方を解説しました。
老健がきついと言われる主な理由
- 入退所が多く、利用者の入れ替わりへの対応が大変
- 医師・看護師・リハビリ職との多職種連携にストレスを感じる
- 在宅復帰率へのプレッシャーがある
- 利用者との関係が短期で終わる
- 夜勤の負担、人手不足による業務過多
老健で働くメリット
- 給料水準が高い(平均月収35.2万円)
- 医療的スキル、リハビリの視点が身につく
- 利用者の回復を見届けられる達成感
- 経営が安定しており、キャリアの幅が広がる
きつさを乗り越えるポイント
- 他職種の視点を理解し、連携のコツを身につける
- 入退所対応や記録を効率化する
- 一人で抱え込まず、上司・先輩に相談する
- 資格取得でスキルアップし、自信をつける
- 合わないと感じたら転職も選択肢
老健には大変な面がありますが、医療的スキルが身につき、給料も高く、利用者の回復を見届けられるやりがいのある職場です。多職種連携のコツを身につけ、チームで支え合いながら働くことで、きつさは乗り越えられます。この記事を参考に、自分に合った働き方を見つけてください。
参考文献・出典
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- [5]
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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