デイサービス倒産27件、上半期で過去最多に|訪問介護は5年ぶり減、明暗を分けた「単価ではない理由」=東京商工リサーチ
介護職向け

デイサービス倒産27件、上半期で過去最多に|訪問介護は5年ぶり減、明暗を分けた「単価ではない理由」=東京商工リサーチ

東京商工リサーチが2026年6月12日公表。1-5月のデイサービス倒産は27件で上半期過去最多を更新、9割超が職員10人未満の零細。一方で訪問介護は31件と5年ぶり減。基本報酬の単価ではなく固定費吸収力が明暗を分けた構図を、収支差率データと介護職のキャリア視点から読み解きます。

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東京商工リサーチが2026年6月12日に公表した調査で、2026年1〜5月のデイサービス(通所・短期入所介護事業)の倒産が27件に達し、6月分を残した段階で上半期(1〜6月)の過去最多25件をすでに更新したことが明らかになりました。前年同期16件から68.7%増で、倒れた27件のうち9割超(25件)が職員10人未満の零細事業者でした。一方、これまで増加が続いていた訪問介護の倒産は同期間31件と5年ぶりに減少しています。注目したいのは、2024年度改定で基本報酬が「引き上げられた」通所が増え、「引き下げられた」訪問介護が減ったという、単価と生死のねじれです。働く側にとっては、職場の安定が報酬単価ではなく固定費を吸収できる事業規模や賃上げ原資の配分で決まる時代に入ったことを示すデータといえます。

目次

「介護の倒産が過去最多」という見出しを目にして、自分の働くデイサービスは大丈夫だろうかと不安になった人は少なくないはずです。しかし、2026年6月12日に東京商工リサーチが公表した最新の倒産動向を一段細かく見ると、語られている話はむしろ逆を向いています。

同じ2026年前半に、デイサービス(通所介護)の倒産は上半期として過去最多に膨らんだ一方で、訪問介護の倒産はむしろ5年ぶりに減りました。これは介護業界全体が一斉に沈む「倒産ラッシュ」ではなく、サービス種別ごとに明暗がくっきり割れる「反転」です。そして両者を分けたのは、多くの人が真っ先に思い浮かべる基本報酬の単価ではありませんでした。

この記事では、東京商工リサーチの一次データと厚生労働省の介護事業経営実態調査の収支差率を突き合わせ、なぜデイは沈み訪問介護は浮いたのかを整理します。そのうえで、現場で働く介護職にとって「どんな職場が構造的に安定しているのか」を見分けるための視点を、独自の切り口で提示します。

デイサービス倒産27件、上半期最多を1カ月残して更新

1〜5月で前年の1.7倍、過去最多を早くも突破

東京商工リサーチの集計によると、2026年1〜5月の「デイサービス事業者(通所・短期入所介護事業)」の倒産は27件でした。前年同期の16件から68.7%増という急増ぶりで、6月分をまだ計上していない段階にもかかわらず、上半期(1〜6月)として過去最多を更新しています。この集計が対象とするのは負債1,000万円以上の倒産で、介護保険制度が始まった2000年から調査が続けられてきました。これまでの上半期の最多は2024年と2025年の25件でしたが、今年はそれを1カ月早く塗り替えたことになります。

原因の8割超が「業績悪化」

倒産27件を原因別にみると、売上不振が18件で構成比66.6%、累積した赤字が限界に達した「既往のシワ寄せ」が5件で同18.5%を占めました。両者を合わせると業績悪化が8割を超えます。デイサービス業界は単なる「預かり型」から、機能訓練や重度化防止を打ち出す類型へとコンセプトが多様化し、限られた利用者と職員を奪い合う競争が激しくなっています。厚生労働省の統計でも事業所数は緩やかに減少しており、その分だけ他施設との差別化を迫られ、対応しきれない事業者が淘汰されている構図がうかがえます。

「人手不足」倒産は8件に急増

注目すべきは、27件のうち「人手不足」が引き金となった倒産が8件と、前年同期の1件から急増したことです。内訳は人件費高騰が5件(前年同期1件)、後継者難が2件(同ゼロ)、求人難が1件(同ゼロ)でした。賃金ベースがもともと低い通所の現場から、賃金の高い他産業や、待遇改善が進んだホームヘルパーへと人材が流れ、人材獲得の競争が一段と激しくなっている実態が読み取れます。従業員数別では10人未満が25件と9割を超え、小・零細規模の事業者の「息切れ倒産」が目立ちました。

送迎・入浴を抱えるビジネスモデルの重さ

デイサービスは利用者を自宅から送迎し、入浴や食事を提供するという業務構造上、燃料費・食費・水道光熱費といった固定費の負担がもともと大きいビジネスモデルです。物価高騰が長期化するなかで、これらのコストが利益を直接圧迫してきました。東京商工リサーチは、大手や多様なサービスを提供する大型施設との競争が続くなか、中東情勢が長引けばさらなる物価高を招きかねず、倒産が増勢をたどることを危惧すると指摘しています。

訪問介護は5年ぶり減少|デイとの「明暗反転」をデータで確認

訪問介護の倒産は31件で18.4%減

デイサービスが過去最多を更新する一方で、これまで倒産増が高止まりしていた訪問介護事業者には逆の変化が起きています。2026年1〜5月の訪問介護の倒産は31件で、前年同期比18.4%減と、同期間としては5年ぶりに減少へ転じました。件数の絶対値ではまだ訪問介護のほうが多いものの、増減の方向はデイと正反対を向いています。デイは増え、訪問介護は減る。この「明暗反転」が2026年前半の介護倒産の本質です。介護全体が崖から落ちているのではなく、どの船室に乗っていたかで浸水の度合いが大きく変わった、という捉え方が実態に近いといえます。

淘汰の一巡と賃上げ支援の効果

訪問介護の倒産が落ち着いた背景には、二つの要因が指摘されています。一つは淘汰の一巡です。深刻なホームヘルパー不足や厳しい経営環境そのものが好転したわけではなく、過酷な環境下で零細事業者が次々に市場から退出した結果、倒産件数が一旦落ち着く「小康状態」に入った可能性があります。訪問介護は2024年度改定で基本報酬が引き下げられた直後から倒産が膨らんでおり、その波がひとまず過ぎたタイミングとも重なります。もう一つは政策的な下支えです。待遇改善に向けたヘルパーの賃上げ支援などが一定のセーフティネットとして機能し、破綻を食い止めた側面があるとみられます。固定費の軽い訪問介護では、こうした原資が比較的そのまま現場の人件費に回りやすかったことも見逃せません。

倒れたデイの顔ぶれは「小規模・業績不振」に偏る

倒れたデイサービスの輪郭ははっきりしています。27件のうち9割超の25件が従業員10人未満の小規模事業所であり、倒産原因も売上不振18件・赤字累積5件と業績不振が8割を超えています。つまり「介護が一斉に沈んでいる」のではなく、固定費を吸収できる体力という喫水線の上に残れたかどうかで明暗が割れている、という見方ができます。船が浮くか沈むかを決めるのは、波(外部環境)そのものよりも、その船が抱える固定費の重さと、それを支える売上の余力です。中東情勢の長期化による燃料費・食材費の高止まりは、送迎と給食を抱えるデイの喫水線をさらに押し下げる方向に働きます。

「件数」だけでなく「業態の偏り」を読む

この調査でもう一つ重要なのは、倒産が特定の業態に偏って起きているという点です。短時間の機能訓練特化型のように固定費を抑えた業態と、入浴・送迎・給食をフルセットで抱える従来型では、同じ「デイサービス」でもコスト構造がまったく異なります。倒産件数という一つの数字の裏側で、どの業態が淘汰され、どの業態が生き残っているのかを見分けることが、働く場所を選ぶうえでも、家族として預け先を選ぶうえでも欠かせない視点になっています。

背景にある「事業所過剰」と差別化競争の激化

事業所数は減少局面、それでも残る過当競争

東京商工リサーチが指摘するもう一つの構造要因が、デイサービスの事業所過剰と差別化競争です。介護保険制度の発足以降、デイサービスは参入のしやすさから事業所数が大きく伸び、地域によっては利用者と職員を奪い合う過当競争が常態化してきました。厚生労働省の統計上、事業所数は近年ゆるやかな減少局面に入っていますが、それは需要が縮んだからではなく、競争に敗れた事業所が退出している結果という面が強くあります。減少しているのに競争が緩まないのは、残った利用者をめぐる椅子取りゲームが続いているからです。

「預かり型」から「機能訓練型」への転換圧力

かつてのデイサービスは、日中の見守りと入浴・食事を提供する「預かり型」が主流でした。しかし重度化防止と自立支援を重視する政策の流れのなかで、機能訓練やリハビリを前面に出した類型へとコンセプトが多様化し、利用者は目的に応じて事業所を選ぶようになっています。この転換に乗れた事業所は黒字を確保しやすく、明確な強みを打ち出せないまま「幅広く受け入れる」運営にとどまった事業所は、稼働率が伸び悩んで収支が悪化しやすい。倒産の背後には、この差別化競争に対応しきれなかった事業所の息切れがあります。

加算対応の事務負担が零細を圧迫する

差別化のもう一つの軸が、介護報酬の各種加算です。個別機能訓練加算や科学的介護推進体制加算など、サービスの質を評価する加算は売上を底上げする一方で、算定には計画書・報告書の作成やデータ提出といった事務負担が伴います。人員に余裕のない零細事業所では、この体制整備に手が回らず、本来取れるはずの加算を取りきれないまま売上を補填できない、という悪循環に陥りがちです。加算が手厚くなるほど、それに対応できる事業者とできない事業者の差が開く構造が、淘汰を加速させている面も否めません。

明暗を分けたのは「単価」ではない|収支差率データが示す本当の分岐線

2024年度改定では「デイが有利」だったはず

ここで多くの人がつまずきます。2024年度の介護報酬改定(全体改定率プラス1.59%)では、訪問介護の基本報酬は引き下げられ、通所介護の基本報酬は引き上げられました。単価の上下だけを見れば、本来はデイのほうが有利だったはずです。ところが現実の倒産は、報酬を引き上げられた通所で増え、引き下げられた訪問介護で減りました。単価の上下と事業所の生き死には、すでに一度ねじれているのです。このねじれこそ、今回のデータが投げかける最も重要な論点だと考えます。報酬単価を上げれば事業所は守られる、という素朴な前提が、現場の倒産データによって裏切られているからです。

収支差率を重ねると見える「固定費の壁」

厚生労働省の令和5年度介護事業経営実態調査(令和4年度決算)によると、通所介護の収支差率は1.5%と薄利です。一方で訪問介護は7.8%と、居宅サービスのなかでも比較的高い水準にありました。訪問介護は事業所の物理的な箱や送迎車を持たず、固定費が軽い構造のため、基本報酬が下がっても処遇改善の原資が回れば持ちこたえやすい。逆にデイは、送迎・入浴・食事という重い固定費を抱えるため、報酬単価が上がっても燃料費や人件費の高騰がそれを上回れば、薄い収支差率はあっという間に赤字へ沈みます。明暗の分岐線は、報酬の単価ではなく「固定費を吸収できるかどうか」にあると整理できます。収支差率1.5%という数字は、わずかなコスト増で赤字に転落しうる薄い緩衝材しか持たないことを意味しており、物価高が長引くほどこの緩衝材は削られていきます。

「小規模だから潰れる」という読みは正確ではない

ここで誤解しやすいのが「小規模だから赤字で潰れる」という単純な読みです。これは正確ではありません。同じ小規模でも、地域密着型通所介護の収支差率は3.6%と、通所介護全体の平均を上回る黒字でした。利用者像を絞り込み、機能訓練特化型のように短時間で固定費を抑えた運営をしている事業所は、規模が小さくても黒字を確保できています。分岐線は事業所の大きさそのものではなく、固定費を呑み込める運営設計と、賃上げの原資をどう配るかにあります。倒れた27件の9割が10人未満だったのは、零細であること自体が原因なのではなく、零細ゆえに固定費を分散できる別拠点や別事業を持てなかったからだと読むべきです。

賃上げ原資の「配り方」が経営を左右する

訪問介護の倒産が減った決め手の一つが、処遇改善の原資が現場の人件費に回ったことでした。ここから導かれるのは、賃上げの原資をどう配るかが経営の生死を分けるという視点です。同じ加算を受け取っても、それを職員の定着と稼働率の安定に変換できる事業者は人材流出による機会損失を防げます。逆に、加算を取得しても事務負担や派遣依存でコストが膨らみ、賃上げ分が現場に届かない事業者は、人が辞めて利用枠が縮み、売上が落ちるという負の連鎖に入ります。単価という入口の数字よりも、それを現場の安定に変える出口の設計が問われているのです。

賃下げと倒産減が両立した訪問介護が示す逆説

さらにデータをさかのぼると、ねじれは一段深いことがわかります。2024年度改定で訪問介護の基本報酬が実際に引き下げられた幅は所定単位でマイナス2.0%前後、同じく在宅系の定期巡回・随時対応型訪問介護看護はマイナス4.4%でした。本来なら経営を直撃するはずの引き下げを受けてなお、訪問介護の倒産はこの上半期に5年ぶりで減少へ転じています。引き下げの一方で処遇改善加算が一本化・上乗せされ、その原資が人件費へ回ったことが、単価マイナスを相殺したと読むのが自然です。逆に通所介護は、令和5年度実態調査の段階ですでに収入に対する給与費の割合が6割台へ上がり続けており、報酬を引き上げられても賃上げと物価高の二重の重みでその上げ幅が相殺されました。つまり明暗を分けたのは「単価が上がったか下がったか」ではなく、「上げ下げした分が、固定費と人件費の上昇を呑み込めたか」です。実際、令和7年度の介護事業経営概況調査でも訪問介護の収支差率は引き下げ後も二桁前後の水準を保っており、単価よりも構造が効くという今回の読みは後続データでも裏づけられつつあります。ここから働く側が学べるのは、求人票に並ぶ基本報酬の額や処遇改善加算の区分だけを見るのではなく、その原資が実際に自分の手取りへ届いているか、固定費の重い事業をどれだけ別事業で分散できているかという「出口」を確かめる姿勢の大切さです。改定で単価がいくら動いても、それを現場の安定に変換できない事業者では、自分の雇用も賃金も守られにくいからです。なお、令和7年度の介護事業経営概況調査では、基本報酬を引き下げられたはずの訪問介護の収支差率が令和5年度決算で11.1%、令和6年度決算で9.6%と高水準を保ち、定期巡回・随時対応型訪問介護看護も14.6%・13.4%と全サービス平均(いずれも4.7%)を大きく上回りました。引き下げを受けてなお在宅系が利益を確保できている事実は、明暗を分けるのが単価ではなく固定費を吸収する構造だという本記事の見立てを、改定後の最新決算データが追認していることを意味します。

介護職のキャリアにどう効くか|「潰れにくい職場」を見分ける3つの視点

視点1: 固定費を分け合える「複数拠点・複数事業」の事業者か

今回のデータが働く側に突きつけるのは、職場の安定が報酬単価ではなく固定費の吸収力で決まるという現実です。転職先や今の勤務先を見るとき、その事業者が複数の拠点や事業(居宅介護支援、訪問系、住宅型施設など)を持ち、送迎車や事務・労務のコストを分散できているかは、単独・零細のデイ一本足よりも構造的に倒れにくいことを示すサインになります。求人票の給与額そのものより、運営法人の事業ポートフォリオの広がりを確認する価値が増しています。

視点2: 賃上げ原資が現場に「回っている」事業者か

訪問介護の倒産が減った一因が処遇改善の原資が回ったことだったように、賃上げの仕組みが実際に職員へ届いているかは経営の健全性そのものです。面接や見学の際に、処遇改善加算をどの区分まで取得しているか、加算分が基本給や手当として明示的に支給されているかを確認しましょう。加算を算定する体制整備や事務負担に対応しきれない事業者は、売上を補填できずに息切れしやすく、賃金の伸びも鈍りがちです。

視点3: 利用者像と稼働率が安定しているか

黒字のデイに共通するのは、利用者像を絞り込み、稼働率を安定させている点でした。逆に「誰でも幅広く受け入れる」が、結果として特徴を打ち出せず稼働が伸び悩む事業所は収支が厳しくなりがちです。働く立場では、見学時に平均稼働率や定員に対する利用者数、機能訓練など差別化の柱があるかを尋ねるとよいでしょう。これらは自分の雇用の安定と、賃上げ余力の双方に直結します。なお、地域の通所基盤が細れば、利用者・家族にとっても通える場所の選択肢が狭まる問題でもあり、零細デイの退出は地域全体の課題でもあります。

「給与費割合」の上昇カーブを職場選びの物差しにする

もう一つ、働く側が押さえておきたいのが「給与費割合(収入に対する人件費の比率)」という指標です。介護は人が人を支える労働集約型の産業のため、賃金が上がれば収入に占める人件費の比重がそのまま高まり、薄い収支差率を直撃します。令和5年度介護事業経営実態調査では、地域密着型通所介護の給与費割合が令和3年度の62.4%から令和4年度には64.1%へと上昇し、介護老人福祉施設でも64.3%から65.2%へと上がりました。収入の6割超が人件費という水準では、賃上げと物価高がわずかに重なるだけで収支差率の薄い緩衝材が削られ、赤字に転落します。これは裏を返せば、賃上げを続けながらも黒字を保てている事業者は、稼働率や加算で収入そのものを伸ばす力を持っている、ということでもあります。職場を選ぶ際には、給与の額面だけでなく「賃上げを続けても利益が残る収入構造か」という視点で見ると、潰れにくさと将来の昇給余力の両方を一度に測れます。実際、基本報酬を引き下げられた訪問介護が令和7年度の概況調査でも二桁前後の収支差率を保ったのは、固定費の軽さゆえに高まる人件費を収入で吸収できたからにほかなりません。求人票の数字の奥にある、この収入とコストのバランスを読む習慣が、長く安心して働ける職場を見分ける確かな物差しになります。

2027年度改定で零細デイは救われるのか

残る望みとして、2027年度の介護報酬改定で基本報酬が底上げされれば薄利のデイも息を吹き返すのではないか、という期待が語られています。ただ、ここまで見てきた「単価と生死のねじれ」を踏まえると、底上げだけで零細・単独デイの退出が止まるとは考えにくいというのが妥当な見立てです。効くのは単価そのものよりも、固定費を吸収する体力と、賃上げ原資の配り方です。基本報酬を引き下げられても倒産が減った訪問介護と、引き上げられても倒産が増えた通所の対比が、その答え合わせを先取りしています。働く側としては、改定の発表を待つより、いま自分の職場の喫水線(固定費に対する売上の余力)がどこにあるかを測ることが、現実的な備えになります。

参考文献・出典

まとめ

2026年1〜5月のデイサービス倒産27件は、6月を待たずに上半期の過去最多を更新しました。倒れた事業所の9割超が職員10人未満で、原因の8割超が業績悪化という偏りは、零細事業者が固定費の重さに耐えきれなくなっている現実を映しています。一方で訪問介護の倒産は5年ぶりに減少しており、2026年前半の介護倒産は業界全体のラッシュではなく、サービス種別ごとの明暗反転だったと整理できます。

そして明暗を分けたのは、基本報酬の単価ではありませんでした。引き上げられた通所が増え、引き下げられた訪問介護が減ったねじれは、生死を決めるのが固定費の吸収力と賃上げ原資の配り方であることを示しています。働く側にとってこのデータは、給与額そのものだけでなく、運営法人の事業の広がり・処遇改善の実態・稼働の安定という「潰れにくさ」の条件で職場を見極める重要性を教えてくれます。あなたが今いる職場、あるいは次に選ぼうとしている職場は、固定費の波に耐えられる喫水線を持っているでしょうか。自分に合った、長く働ける環境を一度立ち止まって見つめ直してみてください。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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