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介護福祉士パート合格制度を最大活用|2年で確実に合格する学習戦略

介護福祉士パート合格制度を最大活用|2年で確実に合格する学習戦略

2026年開始の介護福祉士パート合格制度の活用戦略を解説。A/B/Cパートの科目構成と難易度、1年目全合格狙い→2年目パート受験の具体的スケジュール、外国人介護職員向けの活用法まで。

ポイント

この記事のポイント

2026年1月の第38回試験から導入されたパート合格制度では、Aパート(60問・午前)とB・Cパート(65問・午後)に分けて段階的に合格を目指せます。合格済みパートの有効期間は3年。初回は全パート受験が必須で、パート別受験は第39回(2027年1月)から。1年目で全力を尽くしつつ、不合格パートを2年目に集中して対策する「保険付き全力受験」が最も効率的な戦略です。合格率78.3%はしっかり準備すれば1回で受かる水準。介護福祉士取得で年収50〜90万円アップが期待できます。

「働きながら125問を一発で合格するのは大変…」「不合格だったらまた全科目やり直し?」「苦手な医学系科目だけ落としたら、来年もう一度全部受けるの?」——こうした受験者の悩みに応えて、2026年1月の第38回試験からパート合格(合格パートの受験免除)制度がスタートしました。

この制度により、1回の試験で全科目合格しなくても、合格したパートは最大3年間有効。翌年は不合格パートのみに集中して受験できます。従来は「1科目でも基準に達しなければ全科目やり直し」だったため、受験者にとって画期的な変更です。

特に以下の方にとって、パート合格制度は大きなメリットがあります。

  • 働きながら受験する介護職員:勉強時間が限られる中、2年に分けて学習負担を軽減できる
  • 外国人介護職員:日本語力のハードルを段階的にクリアできる。在留資格にも直結する重要な試験
  • 苦手科目がある方:得意科目で確実に合格を確保し、苦手科目に集中する戦略が取れる
  • 試験本番に弱い方:「落ちても翌年がある」という安心感が、緊張を和らげてくれる

ただし、この制度には知っておくべき落とし穴もあります。「初回は全パート受験が必須」「受験料は毎回全額」「有効期間は3年で切れる」など、正しく理解していないと損をする可能性があります。

この記事では、パート合格制度の仕組みだけでなく、「どう活用すれば最も効率的に合格できるか」という戦略面にフォーカスして解説します。3つの合格戦略、パート別の効率的な勉強法、月別学習スケジュール、外国人受験者向けの活用法、介護福祉士取得のメリット、おすすめの教材・アプリまで網羅しています。

パート合格制度の仕組み

パート合格制度の仕組みのイラスト

まずはパート合格制度の仕組みを正確に理解しましょう。「なんとなく知っている」ではなく、ルールを正しく把握することが戦略の第一歩です。

3つのパートの構成

第38回試験から、従来の125問が3つのパートに分割されました。

パート試験時間問題数主な科目群難易度傾向
Aパート午前60問人間の尊厳と自立、人間関係とコミュニケーション、社会の理解、介護の基本、コミュニケーション技術、生活支援技術基礎的。現場経験があれば解きやすい
Bパート午後前半—介護過程、こころとからだのしくみ、発達と老化の理解、認知症の理解、障害の理解医学的知識が必要。暗記が多い
Cパート午後後半—医療的ケア、総合問題応用力が問われる。事例問題が中心

※B・Cパートは合わせて65問(午後に一括実施)。B・Cの境目は試験問題上は区別されていますが、午後の試験時間内に連続して解きます。

各パートの特徴と攻略ポイント

パート合格しやすさ攻略ポイント現場経験の活用度
Aパート★★★★★現場経験がそのまま活きる。過去問を解くだけでも高得点が狙える非常に高い
Bパート★★★☆☆「こころとからだのしくみ」は暗記量が多い。スマホアプリで反復学習が効果的中程度
Cパート★★★☆☆事例問題が中心。暗記より「考え方」が重要。過去問のパターンを掴む高い(総合問題は現場の判断力が問われる)

重要ルール — 必ず知っておくべき6つ

  1. 初回受験は全パート必須:「最初からAパートだけ」はできない。全125問を解く
  2. 2回目以降:合格済みパートの免除を選択可能。ただし全パート再受験もOK(新たに合格すれば有効期間リスタート)
  3. 有効期間は3年:合格したパートから3年以内に残りを合格する必要あり
  4. 各パート内の全科目群で得点が必要:1科目群でも0点だと不合格。苦手科目を完全に捨てる戦略は使えない
  5. 受験料は毎回全額(約18,380円):パート受験でも減額なし
  6. 実技試験は廃止済み:筆記試験のみで判定。実技試験は2016年以降、実務者研修の修了に置き換えられている

合格基準の仕組み

パート別受験の場合、合格基準は以下のように設定されます。

  • 全パート受験者の総得点の60%程度を基準に、問題の難易度で補正
  • パート別受験者は、全パート受験者の平均得点比率で按分した点数が基準
  • つまり「パート別だから基準が甘くなる」ということはない
  • 第37回(2025年)の合格基準点は75点/125点(60%)。パート別なら按分されて、Aパートは約36点/60問が目安

3つの合格戦略 — あなたに合ったプランを選ぼう

3つの合格戦略のイラスト

パート合格制度をどう活用するかは、あなたの状況次第。3つの戦略を紹介します。

戦略1:「保険付き全力受験」(最もおすすめ)

対象:大半の受験者(実務経験3年以上・日本語に問題なし)

考え方:1年目で全パート合格を全力で狙う。万が一不合格パートがあっても、合格済みパートは翌年免除される「保険」がある。

時期やることポイント
4〜6月テキスト通読+過去問1年分全体像の把握と苦手分野の特定
7〜9月苦手科目の集中対策Bパート(医学系)を重点的に。暗記はこの時期に
10〜12月過去問3年分×3周+模擬試験本番形式で時間配分を練習。目標正答率75%以上
1月全パート受験合格率78.3%なので十分合格可能
(不合格の場合)翌4〜12月不合格パートのみに集中学習学習範囲が半分以下に。負担激減
(不合格の場合)翌1月不合格パートのみ受験→合格!合格済みパートは免除

メリット:1年で合格できれば最短・最安。落ちても2年目は学習範囲が半減し、精神的にも楽。
デメリット:1年目の学習負担は大きい。ただし合格率78.3%は、しっかり準備すれば十分クリアできる数字。

戦略2:「前半集中型」(苦手科目がはっきりしている方向け)

対象:医学的知識(B・Cパート)が極端に苦手な方、勉強時間が限られる方

考え方:1年目はAパート合格に全力を注ぎ、2年目にB・Cパートに集中する。最初から2年計画。

時期やることポイント
1年目 4〜9月Aパートの科目を完璧に仕上げる介護の基本・生活支援技術は現場経験を活かす
1年目 10〜12月Aパートの過去問を徹底反復+B・Cは基礎のみAパート正答率90%以上を目標
1年目 1月全パート受験→Aパート合格を確実にするB・Cは「できたらラッキー」程度
2年目 4〜12月B・Cパートに全学習時間を集中投下Aパートの勉強が不要なので時間に余裕ができる
2年目 1月B・Cパートのみ受験→合格で介護福祉士取得!集中学習の効果で合格率大幅アップ

メリット:苦手科目に集中できる時間が倍増。精神的にも「Aは受かっている」という安心感がある。
デメリット:受験料が2回分(約3.7万円)かかる。1年目でAパートに落ちると計画が狂う。

戦略3:「3年計画」(外国人介護職員・超多忙な方向け)

対象:日本語に不安がある外国人介護職員、夜勤が多く勉強時間が極端に限られる方

考え方:3年かけて1パートずつ合格していく。焦らず確実に。

年目標学習の重点
1年目全パート受験。Aパート合格を最優先で狙う現場経験で解けるAパートを確実に。日本語力も並行して強化
2年目Bパート関連科目に集中医学用語を母国語との対照表で覚える。暗記に時間をかける
3年目Cパート(医療的ケア・総合問題)に集中→合格!事例問題のパターンを掴む。これで全パート合格

注意:3年の有効期限を超えると合格パートが無効になるため、3年目は必ず合格する必要あり。「4年目まで延びる」ことがないよう、3年目は確実に仕上げましょう。
メリット:1年あたりの学習負担が最小。日本語力の向上と並行して進められる。
デメリット:受験料3回分(約5.5万円)。有効期限切れのリスクがある。

パート別の効率的な勉強法

Aパート(最も合格しやすい)の勉強法

Aパートは現場経験があれば直感的に解ける問題が多い。「介護の基本」「コミュニケーション技術」「生活支援技術」は日々の業務の延長です。

  • 過去問を3年分×2周:出題パターンを掴むのが最短ルート。正答率80%以上を目指す
  • 「人間の尊厳と自立」「社会の理解」は暗記:法律・制度に関する問題は暗記が必要。介護保険法、障害者総合支援法、生活保護法が頻出。過去問で出たところだけ押さえればOK
  • 生活支援技術は実技のイメージで:ボディメカニクス、食事介助の姿勢、入浴介助の手順、更衣介助の方法など、日常業務を思い浮かべながら解く
  • 「コミュニケーション技術」は常識問題:傾聴、共感、受容など、利用者への適切な対応を問う問題。現場で実践していることがそのまま正解
  • 目標学習時間:約50〜80時間(1日30分×4〜6ヶ月)

Bパート(暗記が勝負)の勉強法

「こころとからだのしくみ」「発達と老化の理解」は医学的知識が必要で暗記量が多い。最も苦労する受験者が多いパートです。ここを制すれば合格は目前。

  • スマホの過去問アプリで通勤時間に反復学習:1日15分×6ヶ月で十分な学習量。「介護福祉士 過去問」で検索すれば無料アプリが見つかる
  • 「こころとからだのしくみ」は図解で覚える:人体の構造(消化器系・循環器系・呼吸器系・神経系・泌尿器系)はテキストの図を見て覚えた方が効率的。文字だけで覚えようとしない
  • 「認知症の理解」は4大認知症を完璧に:アルツハイマー型、レビー小体型、前頭側頭型、血管性の4つの特徴・症状・経過・対応を比較表で整理。これは必ず出題される
  • 「障害の理解」は障害種別ごとに整理:身体障害(肢体不自由・視覚・聴覚)、知的障害、精神障害(統合失調症・うつ病)、発達障害(ASD・ADHD)の特徴と支援方法をまとめる
  • 「介護過程」はケアプランの流れを理解:アセスメント→計画→実施→評価のPDCAサイクルが核心。事例問題も出るため、具体的なケースを想像しながら学習
  • 目標学習時間:約80〜120時間(1日30分×6〜8ヶ月)

Cパート(応用力が問われる)の勉強法

Cパートの総合問題は事例を読んで答える形式。暗記よりも「考える力」が問われます。ただし出題範囲が限定的なので、対策は比較的しやすい。

  • 過去問を繰り返し解く:「問題文のどこに着目すれば正答が導けるか」のパターンを掴む。テキストの丸暗記より過去問演習が圧倒的に効果的
  • 「医療的ケア」は喀痰吸引と経管栄養を集中学習:出題範囲が限定的なので、この2つを完璧にすれば得点源にできる。手順と注意点をイラスト付きで覚える
  • 総合問題は「利用者の気持ち」に寄り添う選択肢を選ぶ:迷ったら「最も利用者本位な選択肢」「自己決定を尊重する選択肢」が正解であることが多い
  • 事例問題は「消去法」が有効:明らかに間違っている選択肢を2つ消し、残り2つから正解を選ぶ。全くわからなくても正答率50%に持ち込める
  • 目標学習時間:約30〜50時間(1日15分×4〜6ヶ月)

働きながら勉強する時間の確保法

時間帯学習内容時間
通勤時間過去問アプリで○×問題15分×往復=30分/日
昼休みテキストの該当ページを読む10〜15分/日
夜勤の仮眠前テキストを30分読む30分/回
休日の午前中過去問を集中して解く2〜3時間/回
入浴中防水スマホで過去問アプリ10〜15分/日

週合計5〜7時間が目安。「毎日少しずつ」が最も効果的な学習法です。一気に10時間やるより、毎日30分を6ヶ月続ける方が記憶に定着します。「やる気が出ない日」でも、過去問アプリで5問だけ解く。それだけで「ゼロの日を作らない」ことが継続のコツです。

おすすめの教材・アプリ

  • 過去問アプリ(無料):「介護福祉士 過去問」で検索。通勤中のスキマ学習に最適。○×形式で手軽に復習できる
  • 中央法規『介護福祉士国家試験過去問解説集』:過去3年分の問題を詳細解説。最も定番のテキスト。毎年6月頃に最新版が発売
  • 中央法規『介護福祉士国家試験受験ワークブック』:科目別に要点をまとめたテキスト。通読用に最適
  • ユーキャンの介護福祉士講座:通信講座で自宅学習が可能。模擬試験付き。費用は約5万円だが、教育訓練給付金で20%還付
  • YouTube学習動画:「介護福祉士 試験対策」で検索。無料で視覚的に学べる。「こころとからだのしくみ」は動画解説が特に効果的

月別学習スケジュール — 4月スタートの合格ロードマップ

「いつ何を勉強すればいいの?」という方のために、4月スタートの9ヶ月合格スケジュールを紹介します。戦略1「保険付き全力受験」を前提に、1日30分〜1時間、週5〜7時間の学習を想定しています。このスケジュール通りに進めれば、合格率78.3%の試験は十分に突破できます。

Phase 1:基礎固め(4〜6月)— 全体像を掴む

月学習内容目標1日の学習時間
4月テキスト通読(全13科目の概要把握)「こんな科目があるんだ」と全体像を理解30分
5月過去問1年分を解く(時間を計らず)出題傾向と自分の苦手分野を特定する30〜40分
6月苦手分野の洗い出し+基礎知識の補強各科目の正答率を記録。50%未満の科目をリストアップ30〜40分

この時期のポイント:完璧を目指さない。「全体を1回なぞる」感覚でOK。ここで挫折する人が多いので、「1日30分だけ」を習慣化することが最も重要。

Phase 2:弱点克服(7〜9月)— 苦手をつぶす

月学習内容目標1日の学習時間
7月Bパート科目「こころとからだのしくみ」集中人体の構造・機能を図解で暗記40〜60分
8月Bパート科目「認知症・障害の理解」集中4大認知症の比較表を自作。障害種別を整理40〜60分
9月過去問2年目を解く+弱点の再確認全科目で正答率60%以上を確認40〜60分

この時期のポイント:「こころとからだのしくみ」は最も暗記量が多い科目。ここを乗り越えれば合格がグッと近づく。スマホの過去問アプリで通勤時間も活用しましょう。

Phase 3:実戦演習(10〜12月)— 本番力をつける

月学習内容目標1日の学習時間
10月過去問3年目+模擬試験1回目本番と同じ時間配分で解く。目標正答率70%60分
11月間違えた問題の徹底復習+Cパート対策事例問題のパターン把握。目標正答率75%60分
12月模擬試験2回目+最終確認全科目で正答率75%以上。0点科目がないことを確認60分

この時期のポイント:新しいテキストに手を出さない。過去問の反復が最も効果的。間違えた問題をノートにまとめて「弱点ノート」を作ると直前期に役立つ。

Phase 4:直前対策(1月)— 仕上げ

  • 試験2週間前:新しい問題には手を出さず、間違えた問題の復習に集中。「弱点ノート」を繰り返し読む
  • 試験1週間前:過去問の頻出テーマを最終確認。体調管理を最優先。睡眠を十分に取る
  • 試験前日:早めに就寝。持ち物(受験票・筆記用具・時計・昼食)を確認。会場までのルートを再確認
  • 試験当日:余裕を持って会場に到着。Aパート(午前)→昼食→B・Cパート(午後)の流れ

学習時間の目安

受験者タイプ総学習時間1日あたり期間
実務経験3年以上+基礎知識あり150〜200時間30〜40分6ヶ月
実務経験3年以上+基礎知識なし200〜300時間40〜60分8ヶ月
外国人受験者(日本語N3〜N2)300〜400時間60〜90分9〜12ヶ月

「1日30分で本当に受かるの?」と思うかもしれませんが、6ヶ月×30分=約90時間。これに休日の学習を加えれば150〜200時間に到達します。合格率78.3%の試験は、コツコツ続ければ確実に合格できます。大切なのは「ゼロの日を作らない」こと。やる気が出ない日でも、過去問アプリで5問だけ解く——それが合格への最短ルートです。

外国人介護職員のためのパート合格活用法

パート合格制度は、外国人介護職員にとって特にメリットが大きい制度です。日本語の読解力が必要な125問を一度に突破するハードルを、段階的にクリアできるようになりました。

外国人受験者の現状と課題

  • EPA(経済連携協定)候補者の介護福祉士合格率は約50〜60%(全体の78.3%より低い)
  • 最大の壁は日本語力。問題文の読解に時間がかかり、時間切れになるケースが多い
  • 特にBパート(医学用語が多い)とCパート(長文の事例問題)が困難
  • 在留資格の期限があり、「この回で絶対に受からないと帰国」というプレッシャーも

外国人向け3年合格戦略

年目標学習の重点日本語学習
1年目Aパート合格を最優先介護の基本・生活支援技術は現場経験で対応N3→N2を目指す。介護用語を重点的に
2年目Bパート合格医学用語を母国語と対照表で覚えるN2レベルの読解力を強化
3年目Cパート合格→資格取得!総合問題の事例を繰り返し読む練習長文読解のスピードを上げる

外国人受験者におすすめの学習ツール

  • 多言語対応の過去問アプリ:ベトナム語・インドネシア語・英語・中国語に対応したアプリがある。問題文は日本語、解説は母国語で表示
  • 漢字にふりがな付きのテキスト:中央法規の外国人向けテキストがおすすめ。全漢字にふりがなが振ってある
  • 施設内の学習サポート:外国人介護職員を雇用している施設では、日本人スタッフが勉強を教えてくれるケースも。「教えてもらう」と「教える」で双方にメリット
  • EPA候補者向けの学習支援事業:国際厚生事業団(JICWELS)が無料の学習支援・模擬試験を実施。積極的に活用を
  • 介護の日本語テキスト:「にほんご これだけ!」シリーズなど、介護現場で使う日本語に特化した教材

在留資格との関係 — なぜ介護福祉士が重要か

介護福祉士の取得は、在留資格にも大きく影響します。外国人にとって、介護福祉士は「日本で永く働き続けるためのパスポート」です。

在留資格介護福祉士取得前介護福祉士取得後
特定技能1号在留期間5年(更新不可)在留資格「介護」に変更可能。更新制限なし
技能実習在留期間最大5年特定技能→在留資格「介護」へのルートが開ける
EPA候補者在留期間最大4年在留資格「介護」に変更。家族の帯同も可能に

パート合格制度は、外国人介護職員が段階的に確実に介護福祉士を取得するための強力なツールです。施設の管理者は、外国人スタッフの受験サポートにぜひ活用してください。学習時間の確保(シフト調整)、日本人スタッフによる勉強会の開催、受験料の施設負担など、環境整備が合格率向上の鍵です。

介護福祉士を取得するメリット — 年収・キャリアへの影響

「そもそも介護福祉士を取る意味あるの?」という方のために、取得後のメリットをデータで解説します。結論から言うと、介護職で長く働くなら介護福祉士は必須の資格です。取得するかしないかで、生涯年収に数百万円の差がつきます。

年収への影響

項目無資格初任者研修介護福祉士差額(vs無資格)
平均月給(常勤)約27万円約30万円約34万円+7万円
資格手当なし0〜5,000円1〜2万円+1〜2万円/月
年収(推定)約340万円約380万円約430万円+90万円
生涯年収(20年間)約6,800万円約7,600万円約8,600万円+1,800万円

介護福祉士を取得するだけで、年収が50〜90万円アップ。20年間の生涯年収で見ると、無資格との差は約1,800万円にもなります。2026年の処遇改善臨時改定では介護福祉士の手当がさらに拡充される見込みです。

キャリアへの影響

  • 転職市場での価値が格段に上がる:介護福祉士があれば、求人の選択肢が大幅に広がる。「介護福祉士限定」の高待遇求人に応募できる
  • 管理職への道が開ける:リーダー→主任→介護長→施設長と昇進するには、介護福祉士が事実上の必須条件。管理職になれば年収500〜600万円も現実的
  • ケアマネジャーの受験資格が得られる:介護福祉士取得後5年でケアマネ受験可能。デスクワーク中心で体力的に楽。2026年からケアマネにも処遇改善が適用され、さらに魅力的なキャリアに
  • 処遇改善加算の恩恵を受けやすい:介護福祉士が多い施設は上位の加算を取得しやすく、結果として給与に還元される
  • 専門性の証明になる:国家資格を持っていることで、利用者やご家族からの信頼が高まる。「介護福祉士さんに見てもらえて安心」という声は多い

取得にかかるコストと回収期間

項目費用備考
実務者研修8〜15万円施設が全額負担するケースも多い。ハローワークの教育訓練給付金(20%還付)も利用可能
受験料約18,380円毎年受験する場合は毎回必要
テキスト・問題集5,000〜10,000円過去問アプリは無料のものもある
合計約10〜17万円施設負担なら約2〜3万円で済む

取得コスト10〜17万円に対して、年収アップ50〜90万円。最短2〜4ヶ月で元が取れる投資です。「いつか取ろう」と先延ばしにするほど、生涯年収で損をします。パート合格制度という「保険」もできた今、受験しない理由はありません。

パート合格制度の5つの落とし穴

パート合格制度は便利ですが、知っておくべき落とし穴があります。事前に理解していないと、思わぬ失敗をする可能性があります。

1. 初回は全パート受験が必須

「最初からAパートだけ受験」はできません。第38回(2026年1月)は全受験者が125問すべてを解きます。パート別の受験免除が使えるのは第39回(2027年1月)以降です。つまり、パート合格の恩恵を受けるのは「1年目に不合格パートがあった場合」の2年目以降。1年目は全力で全科目に取り組む必要があります。

2. 有効期間は3年で切れる

合格したパートの有効期間は3年間。例えば2026年にAパートに合格した場合、2029年1月の試験(第40回)までにB・Cパートを合格しないとAパートの合格が無効になります。

  • 「いつかやろう」と先延ばしすると期限切れのリスク
  • 3年目の試験に落ちたら、全パート最初からやり直し
  • 計画的に「2年以内に全パート合格」を目標にするのが安全

3. 受験料は毎回全額

パート別受験でも受験料は約18,380円(全額)。「1パートだけだから安くなる」ということはありません。

計画受験回数受験料合計
1年で全パート合格1回約18,380円
2年計画2回約36,760円
3年計画3回約55,140円

受験料だけでなく、テキスト代や模擬試験代も考慮すると、1回での合格が最もコスパが良いのは明らかです。

4. 各パート内の全科目群で得点が必要

パートごとの合格基準は、問題の総得点の60%程度を基準としつつ、各パートを構成する科目群すべてで得点が必要。1科目群でも0点があると、他の科目が満点でも不合格です。

  • 苦手科目を完全に捨てる戦略は使えない
  • 全科目で最低1問は正解する必要がある
  • 特に「人間の尊厳と自立」(2問)や「人間関係とコミュニケーション」(2問)は問題数が少ないため、1問のミスが命取り

5. パート合格に甘えると逆効果

「2年かけて取ればいいや」と最初から油断すると、勉強のモチベーションが下がりがち。パート合格制度の最大のリスクは「制度があるから大丈夫」という油断です。

  • 1年目で全力を出さないと、2年目の学習モチベーションはさらに下がる
  • 「今年はAだけ受かればいい」と思うと、Aすら危うくなる
  • 合格率78.3%は、しっかり勉強すれば1回で受かる数字
  • パート合格はあくまで「保険」。メインプランは1回での全科目合格

よくある質問

Q. パート合格を利用すると合格基準が変わりますか?

A. パート別受験の場合、合格基準は「全パート受験者の平均得点比率で按分した点数」になります。つまり、全パート受験者と同じ水準の得点率が求められます。「パート別だから簡単になる」ということはありません。各パート内の科目群すべてで得点が必要な点も同じです。

Q. 2年目に全パート受験し直すこともできますか?

A. はい。2年目に全パート受験を選択することも可能です。その場合、新たに合格したパートから有効期間3年がリスタートします。「1年目でAパートは合格したけど、2年目は調子が良いから全パート受け直す」という戦略もアリ。全パート合格すれば、その回で介護福祉士取得です。

Q. パート合格制度は第38回(2026年1月)からですよね?

A. はい。第38回は全受験者が全パートを受験します(初回は全パート必須のため)。パート別受験(不合格パートのみ受験)が可能になるのは第39回(2027年1月)からです。第38回で合格したパートの有効期間は2029年1月の試験(第40回)まで。

Q. 介護福祉士の合格率はどのくらいですか?

A. 第37回(2025年)の合格率は78.3%。受験者75,387人中58,992人が合格。過去5年の合格率は70〜85%で安定しています。しっかり準備すれば1回で合格できる試験です。パート合格はあくまで「保険」として活用しましょう。不合格になる約20%の多くは「勉強不足」が原因です。

Q. 外国人介護職員にとってパート合格は有利ですか?

A. 非常に有利です。日本語の読解力が求められる125問を1回で突破するのは、外国人にとってハードルが高い。パート合格制度を使えば、1年目にAパート(現場に近い内容で比較的解きやすい)の合格を確保し、2〜3年目でB・Cパートに集中できます。日本語学習と並行して段階的に取得できるのが最大のメリット。EPA候補者は在留期間の制約があるため、計画的な活用が特に重要です。

Q. 実務者研修を受けていなくても受験できますか?

A. 受験には「3年以上の実務経験+実務者研修の修了」が必要です。実務者研修を受けていない場合は、まず研修を修了してから受験申し込みをしましょう。実務者研修は通信+スクーリングで約6ヶ月。費用は8〜15万円ですが、施設が負担してくれるケースも多いです。ハローワークの教育訓練給付金を使えば、費用の20%(最大10万円)が還付されます。

Q. パート合格の合格証明書はもらえますか?

A. パート合格の場合、「パート合格通知書」が発行されます。最終的にすべてのパートに合格した時点で「介護福祉士合格証書」が発行され、登録手続き(登録免許税9,000円+登録手数料3,320円)を行うことで資格取得となります。パート合格の段階では資格は取得できませんが、履歴書に「介護福祉士試験Aパート合格」と書くことは可能です。

Q. 試験当日のタイムスケジュールは?

A. 午前がAパート(60問・約110分)、昼休み、午後がB・Cパート(65問・約110分)です。パート別受験の場合は、該当パートの時間帯のみ受験します。会場には余裕を持って到着しましょう。試験会場は全国の主要都市に設置されます。

参考文献・出典

  • [1]
    介護福祉士国家試験におけるパート合格の導入について- 厚生労働省

    A/B/Cパートの構成、有効期間3年、合格基準

  • [2]
    第37回介護福祉士国家試験の合格発表- 社会福祉振興・試験センター

    合格率78.3%、受験者75,387人、合格者58,992人

介護福祉士を取得すれば資格手当で月1〜2万円アップ、管理職への昇進にも有利です。まずは働き方診断で、資格取得支援制度が充実している施設を見つけましょう。研修費用を施設が負担してくれれば、自己負担はほぼゼロで介護福祉士の資格取得を目指せます。パート合格制度を味方につけて、キャリアアップの第一歩を踏み出してください。

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まとめ

パート合格制度について、この記事のポイントをまとめます。

  • 2026年1月(第38回)からパート合格制度がスタート。A(60問・午前)・B・C(65問・午後)の3パート構成
  • 合格パートは3年間有効。翌年は不合格パートのみに集中して受験可能
  • 初回は全パート受験が必須。パート別受験は第39回(2027年1月)から
  • 最もおすすめは「保険付き全力受験」戦略。1年目で全力を出し、落ちても2年目は学習範囲が半減
  • Aパートは現場経験で解ける(最も合格しやすい)。Bパートは暗記勝負。Cパートは応用力
  • 働きながらの学習は週5〜7時間が目安。過去問アプリ+通勤時間の活用が鍵。1日30分×6ヶ月で十分合格可能
  • 外国人介護職員には特にメリット大。3年かけて段階的に合格可能。在留資格「介護」への変更にも直結
  • 受験料は毎回全額(約18,380円)。1回で合格するのが最もコスパ良い
  • 介護福祉士取得で年収50〜90万円アップ。生涯年収で約1,800万円の差。取得コスト10〜17万円は最短2〜4ヶ月で回収
  • 合格率78.3%はしっかり準備すれば1回で受かる数字。パート合格は「保険」として活用を

パート合格制度の導入で、介護福祉士試験の「精神的なハードル」は確実に下がりました。「落ちたらどうしよう」という不安が「落ちても翌年がある」という安心感に変わるだけで、本番のパフォーマンスは大きく変わります。

介護福祉士を取得すれば、資格手当で月1〜2万円アップ、管理職への昇進、ケアマネへのステップアップなど、キャリアの選択肢が一気に広がります。パート合格制度を味方につけて、確実に資格を手にしてください。今すぐ始められることは「過去問アプリをスマホにインストールすること」。それが合格への第一歩です。

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公開日: 2026年3月20日最終更新: 2026年3月21日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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