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要介護認定の申請方法と流れを徹底解説|認定調査から結果通知まで

要介護認定の申請方法と流れを徹底解説|認定調査から結果通知まで

要介護認定の申請方法・必要書類・認定調査74項目・主治医意見書・一次判定と二次判定・要支援1〜要介護5の区分基準・区分変更申請まで、手続きの流れを2026年最新情報で詳しく解説します。

ポイント

この記事のポイント

要介護認定の申請は、市区町村の窓口に「介護保険要介護・要支援認定申請書」と介護保険被保険者証を提出することで開始します。申請後は認定調査員による74項目の訪問調査と主治医意見書の作成が行われ、コンピュータによる一次判定、介護認定審査会による二次判定を経て、申請から原則30日以内に要支援1〜要介護5(または非該当)の認定結果が通知されます。

「親の介護が必要になったけれど、何から始めればいいのか分からない」「要介護認定の申請はどこに行けばいいの?」――介護保険サービスを利用するための第一歩が、要介護認定の申請です。

要介護認定は、介護が必要な方の心身の状態を客観的に評価し、どの程度の介護サービスが必要かを判定する公的な制度です。この認定を受けることで、訪問介護やデイサービス、特別養護老人ホームへの入所など、さまざまな介護保険サービスを原則1〜3割の自己負担で利用できるようになります。

しかし、申請から認定までには複数のステップがあり、認定調査の74項目や主治医意見書、一次判定・二次判定など、聞き慣れない用語も多く出てきます。正しく理解していないと、実際の状態より軽い認定が出てしまうケースもあります。

この記事では、要介護認定の申請方法から認定結果の通知まで、手続きの全体像を2026年最新の情報に基づいて詳しく解説します。認定調査でチェックされる74項目の具体的な内容、要支援1〜要介護5の各区分の基準と受けられるサービス、区分変更申請の方法まで、この1記事で必要な知識がすべて身につきます。介護職として利用者の認定プロセスを理解したい方にも役立つ内容です。

要介護認定とは?制度の基本をわかりやすく解説

要介護認定の目的と仕組み

要介護認定とは、介護保険サービスを利用するために必要な手続きで、申請者がどの程度の介護を必要としているかを客観的に判定する制度です。介護保険法に基づき、全国一律の基準で公平・公正に審査が行われます。

認定結果は「非該当(自立)」「要支援1・2」「要介護1〜5」の8段階に分かれ、認定された区分に応じて利用できる介護サービスの種類や支給限度額が決まります。要支援1・2の方は介護予防サービス、要介護1〜5の方は介護サービスをそれぞれ利用できます。

対象となる方

要介護認定を申請できるのは、以下の方です。

  • 第1号被保険者(65歳以上):原因を問わず、介護が必要な状態であれば申請可能
  • 第2号被保険者(40〜64歳):加齢に伴う16種類の「特定疾病」が原因で介護が必要な場合に限り申請可能

40〜64歳の方が対象となる特定疾病16種

第2号被保険者が要介護認定を受けるには、以下の特定疾病に該当する必要があります(厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」)。

  1. がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したもの)
  2. 関節リウマチ
  3. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  4. 後縦靱帯骨化症
  5. 骨折を伴う骨粗鬆症
  6. 初老期における認知症
  7. 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
  8. 脊髄小脳変性症
  9. 脊柱管狭窄症
  10. 早老症
  11. 多系統萎縮症
  12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
  13. 脳血管疾患
  14. 閉塞性動脈硬化症
  15. 慢性閉塞性肺疾患
  16. 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

申請から認定までの全体像

要介護認定の申請から結果通知までの流れは、大きく以下の6ステップです。

  1. 申請:市区町村の窓口に必要書類を提出
  2. 認定調査:調査員が自宅等を訪問し、74項目の聞き取り調査を実施
  3. 主治医意見書:市区町村から主治医に意見書の作成を依頼
  4. 一次判定:認定調査の結果をコンピュータで分析し、要介護認定等基準時間を算出
  5. 二次判定:介護認定審査会が一次判定結果・特記事項・主治医意見書をもとに審査
  6. 結果通知:申請から原則30日以内に認定結果を郵送で通知

以下のセクションでは、各ステップの詳細を順に解説していきます。

要介護認定の申請方法・必要書類・申請できる人

申請する場所

要介護認定の申請は、本人が住民票を置いている市区町村の介護保険担当窓口で行います。窓口の名称は自治体によって異なり、「介護保険課」「高齢者福祉課」「長寿社会課」などさまざまです。事前に市区町村のホームページや代表電話で確認しておきましょう。

また、地域包括支援センターでも申請の相談・代行を受け付けています。「どこに行けばよいか分からない」という場合は、まず最寄りの地域包括支援センターに相談するのがおすすめです。

申請できる人

要介護認定の申請は、以下の方が行うことができます。

  • 本人:介護を必要としている本人
  • 家族:本人の家族(委任状が必要な場合あり)
  • 地域包括支援センター:無料で申請を代行
  • 居宅介護支援事業者(ケアマネジャー):申請の代行が可能
  • 介護保険施設:入所中の施設が代行するケースも

本人が入院中や身体的に窓口に行けない場合でも、家族や専門職による代理申請が認められています。遠方に住む家族が代理申請する際は、郵送申請やマイナポータル(電子申請)に対応している自治体もあります。

申請に必要な書類

申請時に必要な書類は以下の通りです。

書類名説明
介護保険要介護・要支援認定申請書市区町村の窓口またはホームページからダウンロード
介護保険被保険者証65歳以上の方に交付される被保険者証。紛失時は再交付手続きが必要
医療保険被保険者証40〜64歳の第2号被保険者の場合に必要
本人確認書類マイナンバーカード、運転免許証など
マイナンバーが確認できるものマイナンバーカードまたは通知カード
主治医の情報かかりつけ医の氏名、医療機関名、所在地、電話番号

なお、主治医意見書は申請者が用意するものではありません。申請書に主治医の情報を記載すれば、市区町村が主治医に直接意見書の作成を依頼します。意見書作成にかかる費用は申請者の自己負担はありません。

申請書の書き方のポイント

申請書には以下の情報を記入します。

  • 被保険者番号・氏名・生年月日・住所
  • 主治医(かかりつけ医)の情報
  • 第2号被保険者の場合は特定疾病名
  • 申請の種類(新規・更新・区分変更)

特に重要なのは主治医の情報です。主治医がいない場合は、市区町村が指定する医師のもとで診察を受ける必要があります。日頃から本人の状態をよく把握しているかかりつけ医がいると、より正確な主治医意見書が作成され、適切な認定につながります。

申請のタイミング

申請から結果通知まで原則30日かかるため、介護サービスを利用したいと思ったらできるだけ早めに申請するのがポイントです。退院後すぐに介護サービスを利用したい場合は、入院中に申請を済ませておくとスムーズです。

なお、認定結果が出る前でも、暫定的にケアプランを作成して介護サービスを利用することは可能です(認定結果が出た後に、認定された区分に応じた精算が行われます)。

認定調査の74項目を詳しく解説

申請が受理されると、市区町村の認定調査員(または委託を受けたケアマネジャー等)が本人の自宅や入院先を訪問し、心身の状態を調査します。調査時間は30分〜1時間程度で、本人と家族の双方に聞き取りが行われます。

認定調査は全国共通の調査票に基づき、5群62項目+特別な医療12項目の計74項目で構成されています。以下、各群の調査内容を詳しく見ていきましょう(厚生労働省「要介護認定の仕組みと手順」)。

第1群:身体機能・起居動作(13項目)

高齢者の基本的な身体機能や日常の起居動作について評価します。実際に動作を行ってもらい、能力を確認します。

項目番号調査項目確認内容
1-1麻痺等の有無上肢・下肢の麻痺やその他の部位の麻痺があるか
1-2拘縮の有無肩関節・股関節・膝関節やその他の関節に拘縮があるか
1-3寝返り仰臥位(仰向け)から横向きに寝返りができるか
1-4起き上がり仰臥位から上体を起こすことができるか
1-5座位保持座った状態を保つことができるか
1-6両足での立位保持両足で10秒程度立っていられるか
1-7歩行5m程度歩けるか
1-8立ち上がり椅子やベッドから何にもつかまらずに立ち上がれるか
1-9片足での立位片足で1秒間程度立っていられるか
1-10洗身浴室で身体を自分で洗えるか
1-11つめ切り自分でつめを切れるか
1-12視力日常生活に支障がない程度の視力があるか
1-13聴力日常生活に支障がない程度の聴力があるか

第2群:生活機能(12項目)

日常生活動作(ADL)における介助の状況を調べます。

項目番号調査項目確認内容
2-1移乗ベッドから車いすへの移動等に介助が必要か
2-2移動日常生活における移動に介助が必要か
2-3嚥下(えんげ)食べ物を飲み込むことに問題がないか
2-4食事摂取食事を自分で食べられるか
2-5排尿排尿の際に介助が必要か
2-6排便排便の際に介助が必要か
2-7口腔清潔歯磨きやうがいが自分でできるか
2-8洗顔洗顔が自分でできるか
2-9整髪髪をとかすなど整髪が自分でできるか
2-10上衣の着脱上着の着脱が自分でできるか
2-11ズボン等の着脱ズボンや下着の着脱が自分でできるか
2-12外出頻度週1回以上外出しているか

第3群:認知機能(9項目)

認知機能の程度について評価します。

項目番号調査項目確認内容
3-1意思の伝達自分の意思を他者に伝えられるか
3-2毎日の日課を理解毎日の日課を理解できているか
3-3生年月日を言う自分の生年月日や年齢を答えられるか
3-4短期記憶面接調査の直前に何をしていたか思い出せるか
3-5自分の名前を言う自分のフルネームを答えられるか
3-6今の季節を理解現在の季節を正しく答えられるか
3-7場所の理解自分がいる場所を理解しているか
3-8徘徊目的なく歩き回る行動があるか
3-9外出すると戻れない一人で外出して自宅に戻れなくなることがあるか

第4群:精神・行動障害(15項目)

認知症などによる行動障害の有無と頻度を調べます。過去1カ月間の状況をもとに評価します。

項目番号調査項目確認内容
4-1物を盗られたなどと被害的になる被害妄想的な言動があるか
4-2作話事実と異なることを言うことがあるか
4-3感情が不安定泣いたり笑ったりが不自然に変わるか
4-4昼夜逆転夜間に起きて日中に寝ていることがあるか
4-5同じ話をする何度も同じ話を繰り返すか
4-6大声を出す周囲に迷惑がかかるほどの大声を出すか
4-7介護に抵抗介護を受けることに抵抗を示すか
4-8落ち着きなし目的なく動き回る、落ち着きのなさがあるか
4-9一人で出たがる一人で外に出たがり目が離せないか
4-10収集癖物を集めて離さない行動があるか
4-11物や衣類を壊す物を壊したり衣類を破ったりするか
4-12ひどい物忘れ日常生活に支障をきたすほどの物忘れがあるか
4-13独り言・独り笑い意味不明の独り言や独り笑いがあるか
4-14自分勝手に行動する自分勝手な行動をするか
4-15話がまとまらない話の内容がまとまらず会話にならないか

第5群:社会生活への適応(6項目)

地域社会で自立した生活を維持するために必要な能力を調べます。

項目番号調査項目確認内容
5-1薬の内服薬の管理・服用が自分でできるか
5-2金銭の管理金銭の管理が自分でできるか
5-3日常の意思決定日常生活における判断ができるか
5-4集団への不適応集団生活になじめないことがあるか
5-5買い物買い物が自分でできるか
5-6簡単な調理簡単な調理が自分でできるか

その他:過去14日間に受けた特別な医療(12項目)

認定調査では、過去14日間に受けた特別な医療処置についても確認されます。

  • 処置内容:点滴の管理、中心静脈栄養、透析、ストーマ(人工肛門)の処置、酸素療法、レスピレーター(人工呼吸器)、気管切開の処置、疼痛の看護、経管栄養
  • 特別な対応:モニター測定(血圧・心拍・酸素飽和度等)、褥瘡(じょくそう)の処置、カテーテル(留置カテーテル等)

概況調査と特記事項

74項目の基本調査に加えて、認定調査員は以下の調査も行います。

  • 概況調査:家族構成、居住環境、現在利用しているサービスの状況など、本人を取り巻く生活環境の概要を調べます
  • 特記事項:基本調査の選択肢だけでは伝えきれない情報を、調査員が自由記述で記録します。この特記事項は二次判定の際に重要な参考資料となります

認定調査で正確な認定を受けるためのポイント

認定調査は1回の訪問で行われるため、当日の体調や対応によって結果が左右されることがあります。以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 家族が同席する:本人は調査員の前で普段よりしっかりした姿を見せがちです(いわゆる「よそ行きモード」)。家族が日頃の様子を補足説明することが大切です
  • 普段の様子をメモしておく:「夜中に何回トイレに起きる」「週に何回転倒した」など、具体的なエピソードを事前にメモしておくと正確に伝えやすくなります
  • 困っていることを正直に伝える:「できないことは恥ずかしい」と感じる方もいますが、正確な認定を受けるためには日頃の困りごとを正直に伝えることが重要です
  • 主治医にも状況を伝えておく:認定調査と並行して作成される主治医意見書の内容も認定に影響します。日頃の生活の困りごとを主治医にも伝えておきましょう

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主治医意見書の役割と内容

主治医意見書は、要介護認定の審査判定において認定調査と並ぶ重要な資料です。申請者の主治医(かかりつけ医)が、医学的な観点から心身の状態や介護の必要性について意見を記載します(厚生労働省「主治医意見書様式」)。

主治医意見書の作成の流れ

  1. 申請者が申請書に主治医の情報を記入して提出
  2. 市区町村が主治医に意見書の作成を依頼
  3. 主治医が診察をもとに意見書を作成し、市区町村に提出
  4. 意見書は一次判定・二次判定の両方で使用される

意見書の作成費用は市区町村が負担するため、申請者の自己負担はありません。主治医がいない場合は、市区町村が指定する医師の診察を受ける必要があります。

主治医意見書に記載される内容

主治医意見書は全国統一の様式で、以下の項目が記載されます。

1. 傷病に関する意見

  • 診断名(最大3つ)と発症年月日
  • 症状としての安定性(安定・不安定・不明)
  • 生活機能低下の直接原因となっている傷病の経過と治療内容

2. 特別な医療(過去14日間)

  • 処置内容:点滴、中心静脈栄養、透析、ストーマ処置、酸素療法、人工呼吸器、気管切開処置、疼痛の看護、経管栄養
  • 特別な対応:モニター測定、褥瘡の処置、カテーテル

3. 心身の状態に関する意見

  • 障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度):自立〜C2の9段階
  • 認知症高齢者の日常生活自立度:自立〜Mの8段階
  • 認知症の中核症状(短期記憶、意思決定能力、意思伝達能力)
  • 認知症の行動・心理症状(BPSD):幻視・幻聴、妄想、徘徊、暴言・暴行など
  • 身体の状態:利き腕、身長・体重、四肢欠損、麻痺、筋力低下の有無

4. 生活機能とサービスに関する意見

  • 移動、栄養・食生活の状況
  • 現在あるか今後発生の可能性が高い状態(尿失禁、転倒・骨折、褥瘡等)
  • サービス利用による生活機能の維持・改善の見通し
  • 医学的管理の必要性
  • サービス提供時の医学的観点からの留意事項
  • 感染症の有無

5. 特記すべき事項

上記の項目では表現しきれない、個別の介護の手間や状態の変化の見通しなどを自由記述で記載する欄です。この欄の記載内容は、二次判定(介護認定審査会)で一次判定結果を変更する根拠として重視されます。

主治医意見書が認定に与える影響

主治医意見書は、一次判定と二次判定の両方で活用されます。特に二次判定では、一次判定のコンピュータ処理では把握しきれない個別の状況を、主治医意見書の記載内容から読み取って判断します。

介護認定審査会が主治医意見書の内容から「認定調査の結果が実態と合っていない」と判断した場合、認定調査結果を修正して一次判定からやり直すこともあります。それだけ主治医意見書の影響力は大きいのです。

そのため、申請前に主治医に日頃の生活の困りごとや介護の状況をしっかり伝えておくことが、適切な認定を受けるための重要なポイントとなります。

一次判定・二次判定の仕組み

認定調査と主治医意見書が揃うと、いよいよ審査判定に進みます。要介護認定の審査は一次判定と二次判定の2段階で行われます(厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」)。

一次判定:コンピュータによる自動判定

一次判定では、認定調査の74項目の結果と主治医意見書の一部の項目をコンピュータに入力し、全国一律の判定ソフトで自動的に要介護度を算出します。

具体的には、調査結果から「要介護認定等基準時間」を推計します。これは、介護にかかる手間を時間に換算したもので、以下の5分野の合計時間で算出されます。

  • 直接生活介助(入浴、排せつ、食事等の介護)
  • 間接生活介助(洗濯、掃除等の家事援助)
  • 問題行動関連行為(徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末等)
  • 機能訓練関連行為(歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練)
  • 医療関連行為(輸液の管理、褥瘡の処置等の診療の補助)

要介護認定等基準時間と要介護度の関係

一次判定で算出された要介護認定等基準時間をもとに、以下の区分に振り分けられます。

要介護度要介護認定等基準時間
非該当(自立)25分未満
要支援125分以上32分未満
要支援2・要介護132分以上50分未満
要介護250分以上70分未満
要介護370分以上90分未満
要介護490分以上110分未満
要介護5110分以上

なお、要介護認定等基準時間が32分以上50分未満の場合、「要支援2」と「要介護1」のどちらに該当するかは、状態の安定性と認知症の有無によって判断されます。心身の状態が安定していて、認知機能の低下が見られない場合は「要支援2」に、状態が不安定な場合や認知症がある場合は「要介護1」に判定されます。

二次判定:介護認定審査会による審査

二次判定は、保健・医療・福祉の学識経験者で構成される介護認定審査会が行います。5名程度の委員で構成される合議体で、以下の資料をもとに審査します。

  • 一次判定の結果
  • 認定調査の特記事項
  • 主治医意見書

介護認定審査会では、以下の判断を行います。

  1. 一次判定結果の妥当性の確認:特記事項や主治医意見書の内容から、一次判定結果が適切かどうかを判断
  2. 要介護度の変更:一次判定結果が実態と合わないと判断した場合は、要介護度を変更できる
  3. 要支援2と要介護1の振り分け:状態の維持・改善可能性を評価
  4. 認定有効期間の設定:申請者の状態に応じて認定の有効期間を設定

このように、二次判定では一次判定のコンピュータ処理だけでは捉えきれない個別の介護の手間や状態を、専門家が総合的に判断します。一次判定と二次判定の結果が異なるケースも珍しくありません。

要支援1〜要介護5の区分と基準

要介護認定の結果は、「非該当(自立)」を含む8段階に分かれます。認定された区分に応じて、利用できるサービスの種類と1カ月あたりの支給限度額が異なります(厚生労働省「サービス利用までの流れ」)。

各区分の状態像と支給限度額

区分状態の目安支給限度額(月額)利用できるサービス
非該当(自立)日常生活を自分で送ることができるなし地域支援事業(総合事業)
要支援1基本的な日常生活はほぼ自分で行えるが、入浴や掃除などで一部支援が必要。適切な支援で状態の維持・改善が見込める約50,320円介護予防サービス
要支援2要支援1より立ち上がりや歩行が不安定。日常生活の一部に支援が必要だが、改善の可能性がある約105,310円介護予防サービス
要介護1立ち上がりや歩行が不安定。排泄や入浴などに一部介助が必要。認知機能の低下がみられることもある約167,650円介護サービス
要介護2自力での立ち上がりや歩行が困難。排泄や入浴に介助が必要。認知症の症状がみられることもある約197,050円介護サービス
要介護3立ち上がりや歩行が自力ではほぼ不可能。排泄・入浴・衣服の着脱など全面的な介助が必要。特別養護老人ホームの入所基準約270,480円介護サービス+施設入所
要介護4日常生活のほぼ全般に介助が必要。自力での移動が困難で、認知症の症状が進行していることも多い約309,380円介護サービス+施設入所
要介護5最も重度な状態。寝たきりで意思疎通が困難。食事・排泄・着替えなどあらゆる場面で全面的な介護が必要約362,170円介護サービス+施設入所

※支給限度額は2024年度(令和6年度)改定後の金額です。自己負担は所得に応じて1〜3割です。

要支援と要介護の違い

要支援(1・2)と要介護(1〜5)では、利用できるサービスの体系が異なります。

項目要支援1・2要介護1〜5
サービス体系介護予防サービス(予防給付)介護サービス(介護給付)
ケアプラン作成地域包括支援センター居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)
施設入所原則不可要介護3以上で特養入所可
目的状態の維持・改善(自立支援)介護の負担軽減・生活の質の維持

非該当でも受けられるサービス

要介護認定で「非該当(自立)」と判定された場合でも、市区町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)のサービスを利用できる場合があります。具体的には、訪問型サービス(掃除・洗濯等の生活支援)や通所型サービス(体操教室・交流サロン等)が利用可能です。詳しくはお住まいの地域包括支援センターにご相談ください。

認定結果の通知・有効期間・更新手続き

認定結果の通知

介護認定審査会の判定結果に基づき、市区町村が要介護認定を行い、申請者に結果を通知します。通知は原則として申請日から30日以内に、認定結果通知書と認定結果が記載された介護保険被保険者証が郵送で届きます。

ただし、認定調査や主治医意見書の作成に時間がかかる場合は、30日を超えることもあります。その場合は、遅延理由と見込み期間が記載された延期通知が届きます。地域によっては申請から結果通知まで1〜2カ月かかるケースもあるため、早めの申請が重要です。

認定の有効期間

要介護認定には有効期間が定められており、期間満了後も介護サービスを利用するには更新申請が必要です。

申請の種類有効期間(原則)設定可能な範囲
新規申請6カ月3〜12カ月
区分変更申請6カ月3〜12カ月
更新申請12カ月3〜48カ月

有効期間は介護認定審査会が申請者の状態に応じて個別に設定します。状態が安定している方は長めの有効期間が設定されることもあり、更新申請では最長48カ月(4年)まで認められるケースもあります。

更新申請の手続き

認定の有効期間が近づくと、市区町村から更新のお知らせが届きます。更新申請は有効期間満了日の60日前から行うことができます。

更新申請の流れは新規申請と同じで、認定調査と主治医意見書の作成、一次判定・二次判定が行われます。更新を忘れると認定が失効し、介護サービスを利用できなくなるため注意が必要です。

更新申請のポイントは以下の通りです。

  • 有効期間の満了日を必ず確認しておく(被保険者証に記載)
  • 市区町村からの通知が届いたら速やかに手続きする
  • 担当のケアマネジャーがいる場合は、更新時期の管理を依頼しておくと安心
  • 更新申請中は、有効期間が満了しても以前の認定区分でサービスを暫定的に利用可能

認定の効力発生日

要介護認定の効力は、認定結果が通知された日ではなく、申請日に遡って発生します。つまり、申請した日から認定結果が届くまでの間に暫定的に利用した介護サービスも、認定結果に基づいて保険給付の対象となります。これは新規申請・更新申請・区分変更申請のいずれの場合も同様です。

区分変更申請と不服申し立て

認定結果に納得がいかない場合や、認定後に状態が変化した場合には、「区分変更申請」と「不服申し立て(審査請求)」の2つの手段があります。

区分変更申請

区分変更申請は、現在の認定の有効期間中に心身の状態が変化した場合に、次回の更新を待たずに要介護度の見直しを求める手続きです。状態が悪化した場合だけでなく、改善した場合にも申請できます。

区分変更申請の手続き

  1. 市区町村の窓口に「区分変更申請書」を提出
  2. 新規申請と同様に認定調査・主治医意見書の作成が行われる
  3. 一次判定・二次判定を経て、新しい要介護度が決定
  4. 結果通知まで約1カ月程度

区分変更申請が必要なケース

  • 転倒・骨折で急に状態が悪化した
  • 認知症の症状が進行し、より多くの介護が必要になった
  • 脳卒中の後遺症で身体機能が大幅に低下した
  • リハビリの効果で状態が改善し、介護度の引き下げが適切な場合
  • 前回の認定調査で実態より軽い認定が出たと感じる場合

不服申し立て(審査請求)

認定結果そのものに不服がある場合は、都道府県に設置されている「介護保険審査会」に審査請求(不服申し立て)を行うことができます。

不服申し立ての手続き

  1. 認定結果通知を受け取ってから3カ月以内に審査請求書を提出
  2. 介護保険審査会が審査を実施
  3. 認定が不適切と判断された場合は、市区町村に認定のやり直しを命じる

区分変更申請と不服申し立ての比較

項目区分変更申請不服申し立て(審査請求)
申請先市区町村の窓口都道府県の介護保険審査会
申請期限有効期間中いつでも結果通知から3カ月以内
結果が出るまでの期間約1カ月数カ月以上
再度の認定調査ありなし(書面審査)
認定の効力発生日区分変更申請日元の認定のやり直し
向いているケース状態が変化した・早く結果が欲しい認定手続き自体に問題があった

実務的には、区分変更申請の方が結果が早く出るため、「認定結果が軽すぎる」と感じた場合でも区分変更申請を選ぶケースが多いです。不服申し立ては、認定手続きのプロセスに問題があった場合(認定調査が適切に行われなかったなど)に適しています。

認定結果の情報開示

認定結果に疑問がある場合は、まず市区町村の窓口に相談しましょう。認定調査票のデータや一次判定の結果、主治医意見書などの認定に関する情報を閲覧・開示請求することができます。なぜその結果になったのかを把握した上で、対応を検討することが大切です。

介護職が知っておくべき要介護認定のポイント

要介護認定の仕組みを理解しておくことは、介護職にとっても重要です。利用者やその家族から相談を受けた際に適切なアドバイスができるだけでなく、日々のケアの質にも直結します。

認定調査への立ち会い・情報提供

施設やサービス事業所の介護職は、認定調査の場面に関わることがあります。特に、入所施設では認定調査に立ち会い、日頃の様子を調査員に伝える役割を担うこともあります。

  • 日頃の記録が重要:「夜間帯にナースコールが何回あった」「食事に何分かかる」「トイレ介助の頻度」など、具体的な数字を含む記録が認定調査の際に役立ちます
  • 「いつもと違う」を伝える:認定調査の場では普段より頑張ってしまう利用者が多いため、「普段はもっと介助が必要」という情報を適切に伝えることが大切です
  • 特記事項に反映してもらう:調査員に伝えた情報は特記事項に記載され、二次判定で考慮されます

要介護度と介護報酬・人員配置の関係

介護職が働く事業所の経営面でも、要介護認定は重要な意味を持ちます。

  • 介護報酬:多くの介護サービスで、利用者の要介護度が高いほど介護報酬(事業所の収入)が高くなります。適切な認定は事業所の安定経営にもつながります
  • 人員配置基準:特別養護老人ホームなどでは、利用者の要介護度の構成に応じた人員配置が求められます
  • サービス計画への影響:認定された区分に応じて利用できるサービスの量が決まるため、ケアマネジャーがケアプランを作成する際の基盤となります

2026年の制度動向:介護情報基盤の運用開始

2026年4月からは「介護情報基盤」の本格運用が開始されます。これはマイナンバーカードを活用した介護情報のデジタル連携基盤で、以下の変化が見込まれます。

  • 要介護認定情報のデジタル共有:認定結果や主治医意見書の情報が、関係する事業者間でスムーズに共有されるようになります
  • 申請手続きの電子化:マイナポータル経由での申請がさらに拡充される見込みです
  • 書類作成の効率化:紙ベースの書類のやりとりが減少し、介護現場の事務負担軽減が期待されます

ただし、認定調査の74項目や判定の基本的な仕組み自体は変わりません。介護情報基盤は手続きの効率化とデータ連携が主目的であり、認定基準の変更を伴うものではありません。

独自分析:認定調査の課題と介護職への影響

厚生労働省の「要介護認定の見直しに関する検討資料」によると、要介護認定の申請から結果通知までの平均日数は全国平均で約38.5日であり、法定の30日を超過している自治体が多数存在します。自治体間のばらつきも大きく、認定調査員の確保が課題となっている地域もあります。

介護職の立場から見ると、認定の遅れは暫定ケアプランでのサービス提供期間が長引くことを意味し、利用者にとっても事業所にとっても不安定な状況が続きます。認定申請を早めに促すことや、認定調査への正確な情報提供を心がけることが、介護職にできる現場レベルでの対応策です。

要介護認定に関するよくある質問

要介護認定に関するよくある質問

Q. 要介護認定の申請に費用はかかりますか?

A. 申請自体に費用はかかりません。認定調査や主治医意見書の作成費用も市区町村が負担するため、申請者の自己負担は発生しません。

Q. 申請してから結果が届くまでどのくらいかかりますか?

A. 原則として申請日から30日以内に結果が通知されます。ただし、地域によっては認定調査や主治医意見書の作成に時間がかかり、1〜2カ月かかるケースもあります。遅れる場合は延期通知が届きます。

Q. 認定結果が出る前に介護サービスを利用できますか?

A. はい、可能です。申請後、認定結果が出る前でも暫定的なケアプランを作成してサービスを利用できます。認定結果が出た後に、認定区分に応じた精算が行われます。ただし、結果が「非該当」となった場合は全額自己負担になるリスクがあるため、ケアマネジャーと相談の上で利用を検討してください。

Q. 入院中でも申請できますか?

A. はい、入院中でも申請可能です。認定調査は病室で実施してもらえます。退院後すぐに介護サービスを利用したい場合は、入院中に申請を済ませておくことをおすすめします。

Q. 主治医(かかりつけ医)がいない場合はどうすればいいですか?

A. 主治医がいない場合は、市区町村が指定する医師の診察を受ける必要があります。ただし、日頃の状態を把握していない医師による意見書は不十分な内容になりやすいため、できるだけ早めにかかりつけ医を決めておくことが理想的です。

Q. 認定結果に納得がいかない場合はどうすればいいですか?

A. 2つの手段があります。1つは市区町村に「区分変更申請」を行う方法で、約1カ月で新しい結果が出ます。もう1つは都道府県の介護保険審査会に「不服申し立て(審査請求)」を行う方法ですが、結果まで数カ月かかります。早く結果が欲しい場合は区分変更申請がおすすめです。

Q. 要支援2と要介護1はどう違うのですか?

A. 要介護認定等基準時間はどちらも32〜50分の範囲ですが、心身の状態が安定していて認知機能の低下がなければ「要支援2」、状態が不安定だったり認知症がある場合は「要介護1」に判定されます。利用できるサービス体系も異なり、要支援2は介護予防サービス、要介護1は介護サービスとなります。

Q. 更新申請を忘れたらどうなりますか?

A. 有効期間が満了すると認定が失効し、介護保険サービスを利用できなくなります。ただし、満了後に改めて新規申請を行うことは可能です。更新手続きは有効期間満了日の60日前から可能ですので、余裕を持って手続きしましょう。担当ケアマネジャーに更新時期の管理を依頼しておくと安心です。

Q. 家族が遠方に住んでいる場合、代理申請はどうすればいいですか?

A. 家族による代理申請は認められています。窓口に行けない場合は郵送やマイナポータル(電子申請)での申請に対応している自治体もあります。また、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に申請の代行を依頼することも可能です。

参考文献・出典

  • [1]
    サービス利用までの流れ|介護事業所検索 介護サービス情報公表システム- 厚生労働省

    要介護認定の申請からサービス利用開始までの公式フロー解説

  • [2]
    要介護認定はどのように行われるか- 厚生労働省

    一次判定・二次判定の仕組みと要介護認定等基準時間の解説

  • [3]
    特定疾病の選定基準の考え方- 厚生労働省

    第2号被保険者の特定疾病16種類の一覧と選定基準

  • [4]
    主治医意見書(様式)- 厚生労働省

    主治医意見書の全国統一様式と記載項目

  • [5]
    要介護認定における認定調査票記入の手引き・主治医意見書記入の手引き- 厚生労働省

    認定調査員テキストおよび主治医意見書記入の手引き(令和6年4月改訂版)

  • [6]
    介護保険の認定調査とは- 公益財団法人長寿科学振興財団(健康長寿ネット)

    認定調査の手続きの流れと74項目の基本調査の概要

まとめ

要介護認定は、介護保険サービスを利用するために不可欠な手続きです。この記事のポイントを整理します。

  • 申請先:市区町村の介護保険担当窓口に、申請書と介護保険被保険者証を提出
  • 認定調査:調査員が自宅等を訪問し、5群62項目+特別な医療12項目の計74項目で心身の状態を調査
  • 主治医意見書:市区町村から主治医に作成を依頼。申請者の自己負担なし
  • 判定:コンピュータによる一次判定(要介護認定等基準時間の算出)と、介護認定審査会による二次判定の2段階で実施
  • 認定区分:非該当(自立)、要支援1・2、要介護1〜5の8段階。区分に応じて利用できるサービスと支給限度額が決まる
  • 結果通知:申請日から原則30日以内に郵送で届く
  • 有効期間:新規は原則6カ月、更新は原則12カ月。更新申請は満了日の60日前から可能
  • 見直し:状態変化時は区分変更申請、認定に不服がある場合は審査請求が可能

要介護認定で適切な結果を得るためには、認定調査の場で日頃の状態を正直に伝えることと、主治医にも生活の困りごとを事前に伝えておくことが重要です。介護職として働く方は、利用者の認定プロセスを理解し、認定調査への正確な情報提供を心がけましょう。

介護サービスの利用を検討されている方は、まずはお住まいの地域包括支援センターに相談することから始めてみてください。

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公開日: 2026年4月12日最終更新: 2026年4月12日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

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