
夜間対応型訪問介護の廃止が閣議決定|定期巡回・随時対応サービスへ統合・現場への影響【2026年4月】
政府は2026年4月3日、夜間対応型訪問介護の廃止と定期巡回・随時対応サービスへの統合を盛り込んだ介護保険法改正案を閣議決定。背景・現場への影響・経過措置・転職市場への波及を最新情報で詳しく解説します。
この記事のポイント
政府は2026年4月3日、介護保険法改正案を閣議決定し、夜間対応型訪問介護を廃止して定期巡回・随時対応型訪問介護看護へ統合する方針を正式に決定しました。両サービスの機能重複が長年指摘されてきたことを踏まえた決定で、限られた介護人材と地域資源を有効活用し、日中・夜間を通じた切れ目のないケア提供体制を構築する狙いがあります。実施時期は2027年度を予定し、一定の経過措置期間と人員配置・報酬の特例的な類型が設けられる見込みです。詳細は2027年度介護報酬改定の議論で詰められます。(出典:介護ニュースJoint 2026年4月7日)
夜間対応型訪問介護とは|廃止対象となるサービスの概要
夜間対応型訪問介護は、2006年の介護保険法改正で創設された地域密着型サービスの一つで、原則として夜間帯(おおむね18時から翌朝8時まで)にホームヘルパーが利用者宅を訪問してケアを行う仕組みです。要介護1以上の在宅高齢者を主な対象とし、夜間の排せつ介助や体位変換、安否確認、緊急時のオンコール対応などを提供します。市区町村が指定権限を持ち、原則として住所地の事業所しか利用できないという「地域密着型」の特性が大きな特徴です。
サービスは大きく3つの形態で構成されます。第一に、決まった時間に巡回して排せつ介助などを行う「定期巡回サービス」。第二に、利用者がケアコール端末で随時通報したときに対応する「オペレーションセンターサービス」。第三に、通報を受けて駆けつける「随時訪問サービス」です。これら3要素を組み合わせ、家族の介護負担を24時間体制で支える役割が期待されてきました。
しかし、2012年に「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」が新たに創設されたことで、両サービスの機能が大きく重複する事態が生じます。定期巡回・随時対応型は訪問介護に加えて訪問看護まで一体的に提供できるため、医療ニーズの高い重度高齢者にも対応可能で、24時間切れ目のないケアを実現する仕組みとしてより包括的な存在へと進化していきました。結果として、夜間対応型訪問介護は事業所数・利用者数ともに伸び悩み、地域によっては事業所が一桁しか存在しない「希少サービス」となっていきます。実際、note上の現場関係者の試算では、北海道で約8事業所、東京都で約47事業所と、人口規模に比して極めて少ない実態が示されています。今回の閣議決定は、こうした「機能重複・低利用」という構造問題に終止符を打つための制度整理という位置付けです。
2026年4月3日閣議決定の概要|介護保険法改正案のポイント
政府は2026年4月3日、介護保険法等の一部を改正する法律案を閣議決定し、同日付で国会へ提出しました(介護ニュースJoint 2026年4月7日報道)。この改正案には、夜間対応型訪問介護を介護保険サービスから廃止し、定期巡回・随時対応型訪問介護看護に統合することが正式に盛り込まれています。今後、国会審議を経て成立すれば、2027年度施行に向けて具体的な制度設計が進められる見込みです。
改正案の主な内容は次の通りです。第一に、夜間対応型訪問介護を介護保険サービスから削除し、定期巡回・随時対応型訪問介護看護へ統合すること。第二に、統合に伴う激変緩和のため、一定の経過措置期間を設けること。第三に、人員配置基準・介護報酬について「特例的な類型」を設ける方向で2027年度報酬改定で検討すること。これら3点が改正案の柱です。厚生労働省は「限られた人材や地域資源を有効活用し、日中・夜間を通じた切れ目のないサービス提供体制を整備する」という政策目的を明確に打ち出しました。
背景には、社会保障審議会・介護保険部会での長期的な議論があります。2025年11月10日の同部会では、夜間対応型訪問介護の廃止と定期巡回への統合が大筋で了承され、その内容が翌2026年通常国会の改正案に反映されました(CBnewsマネジメント 2025年11月11日)。さらに遡れば、2024年度介護報酬改定において、すでに定期巡回・随時対応型訪問介護看護の基本報酬に「夜間対応型」(定期巡回・随時対応型訪問介護看護(Ⅲ))という新区分が設けられており、夜間帯のみのサービス提供にも対応できる仕組みが先行的に整備されていました(スマケア2024年解説)。今回の改正案は、こうした段階的な制度整備の総仕上げとして位置付けられます。施行までのタイムラインは、2026年通常国会で改正案成立→2027年度施行→2027年度介護報酬改定で詳細を確定、という流れが想定されています。
なぜ統合されたのか|廃止に至った3つの構造的理由
夜間対応型訪問介護の廃止という決断の裏には、20年近く解消できなかった3つの構造的課題があります。単なる事業仕分けではなく、「2040年問題」を見据えた介護提供体制再編の一環として理解する必要があります。
理由1:サービス機能の重複。最大の理由は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護との機能重複が制度創設当初から指摘され続けてきた点です。両サービスとも、(1)定期巡回訪問、(2)オペレーターによる随時対応、(3)随時訪問という3要素を共通の柱としており、提供される介護サービスの中身がほぼ同じでした。違いは「夜間限定か、24時間対応か」「訪問看護を含めるか否か」の2点のみで、利用者像も重なる部分が大きいというのが厚労省の認識です。社会保障審議会では「将来的には統合することが夜間対応型の利用者にとって効果的」と明記されており、ケアニュース(2023年)の報道でも、夜間対応型事業所の9割以上がすでに定期巡回サービスを併せて運営している実態が示されていました。
理由2:限られた人材・地域資源の有効活用。介護労働力不足は深刻化の一途をたどっており、特に夜間帯に動ける訪問介護員は全国的に減少しています。2つの似たサービスに人員配置基準を別々に課すよりも、1つに統合して柔軟に運用するほうが、限られた人材を最適配置できるというのが政策側の判断です。包括報酬制である定期巡回・随時対応型に統合すれば、利用者ごとに「日中は通常区分、夜間は夜間区分」といった一体的な運用が可能となり、訪問件数が少ない夜間帯でも事業所の経営を安定させられます。
理由3:日中・夜間を通じた切れ目ないケアの実現。要介護高齢者のニーズは24時間連続的であり、「夜間だけの事業所」「日中だけの事業所」という縦割りは在宅生活の継続を困難にしてきました。とくに在宅看取りや医療依存度の高い利用者では、訪問介護と訪問看護の連携が不可欠です。定期巡回・随時対応型は両者を一体提供できる唯一の仕組みであり、これに集約することで、地域包括ケアシステムを「住まい」を中心に再構築する狙いが明確に見えてきます。今回の統合は、単なる行政効率化ではなく、2040年に向けた介護提供体制全体のグランドデザインの一部なのです。
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介護現場への5つの影響|事業者・職員・転職市場はどう変わるか
夜間対応型訪問介護の廃止は、事業所経営者・現場の介護職員・転職を考える求職者のそれぞれに具体的な影響を及ぼします。当サイトが厚労省資料と業界紙の動きを総合分析した結果、特に重要な影響を5つに整理しました。
影響1:既存事業者は「定期巡回」への移行を迫られる
夜間対応型訪問介護を単独で運営している事業所は、2027年度以降、定期巡回・随時対応型訪問介護看護への業態転換または事業廃止の判断が必要になります。実際にはすでに9割超の夜間対応型事業所が定期巡回も併せて運営しているため、移行のハードルは比較的低いと見られますが、訪問看護師の確保や24時間オペレーション体制の整備は新たな負担となります。一方、包括報酬制の定期巡回に移行すれば、利用者定員を満員に保てれば収益安定性は向上する可能性があります。
影響2:夜勤専従ヘルパーの働き方が変わる
これまで「夜間だけ働きたい」というニーズに応えてきた夜間対応型事業所が消滅するため、夜間専従で働くホームヘルパーは、定期巡回事業所内での夜間シフト勤務へ移行することになります。定期巡回は基本的に24時間運営のため、シフトの組み方や夜勤回数、オンコール体制に変化が生じる可能性があります。賃金水準は事業所ごとに異なりますが、包括報酬の事業所では基本給が安定しやすい傾向にあります。
影響3:訪問介護員の専門性がより問われる
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、訪問看護との連携・医療的ケアへの理解が前提となるサービスです。統合後の事業所で働く介護職には、看護師と協働しながらバイタル変化に気づける観察力、医療職とのスムーズなコミュニケーション能力が求められます。これは介護福祉士やケアの専門性を高めたい人にとってキャリアアップのチャンスでもあります。
影響4:転職市場で「定期巡回」求人がさらに増える
制度改正を見越して、定期巡回・随時対応型訪問介護看護を新規開設したり、既存事業所を強化したりする法人が増えると見込まれます。介護労働安定センターの「介護労働実態調査」では、訪問系サービスは慢性的な人手不足が続いており、特に有資格者・経験者の需要は今後さらに高まる見通しです。訪問介護経験のある職員は転職時の選択肢が広がる可能性があります。
影響5:利用者・家族にとってサービス継続の不安
もっとも重大なのは、今夜間対応型訪問介護を利用している高齢者本人と家族への影響です。経過措置期間が設けられるものの、地域によっては定期巡回・随時対応型訪問介護看護の事業所が存在しない、あるいは営業圏外という事例も少なくありません。北海道は定期巡回が約125事業所、東京都は約111事業所と、人口比で見ると都市部のほうが少ない地域もあります(noteの現場関係者試算より)。サービス空白地域をどう埋めるかが2027年度に向けた最大の課題です。
統合前後の比較|夜間対応型と定期巡回・随時対応型の違い
夜間対応型訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護はよく似ていますが、対応時間帯・看護の有無・人員配置・報酬体系などで明確な違いがあります。統合後にどう変わるかを下表で整理しました。
| 項目 | 夜間対応型訪問介護(廃止) | 定期巡回・随時対応型訪問介護看護(統合先) |
|---|---|---|
| 創設年 | 2006年 | 2012年 |
| サービス類型 | 地域密着型サービス | 地域密着型サービス |
| 対応時間帯 | 夜間帯(18時~翌8時)のみ | 原則24時間(夜間区分(Ⅲ)も新設済み) |
| 訪問看護の提供 | なし(介護のみ) | あり(一体型/連携型) |
| 対応職種 | ホームヘルパー、オペレーター | 介護職員+看護師+オペレーター |
| 主な対象者 | 要介護1~5の在宅高齢者 | 要介護1~5、医療ニーズの高い重度者にも対応 |
| サービス内容 | 定期巡回、随時対応、随時訪問(夜間中心) | 定期巡回、随時対応、随時訪問、訪問看護を一体提供 |
| 報酬体系 | 月額包括+一部出来高 | 月額包括報酬 |
| 事業所数(全国) | 少数(地域偏在大) | 増加傾向だが地域差あり |
| 2024年度改定 | 段階的廃止に向けた整理 | 夜間対応型(Ⅲ)区分を新設 |
| 2027年度以降 | 廃止 | 夜間対応型を吸収・統合 |
表からわかる通り、両サービスは「24時間対応か夜間限定か」「訪問看護を含むか否か」という2点を除けば、ほぼ同じ仕組みで運営されてきました。統合後の定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、夜間のみ利用したい高齢者にも対応できるよう、2024年度改定で新設された「定期巡回・随時対応型訪問介護看護(Ⅲ)」(夜間対応型)の枠組みを引き継ぐことになります。スマケアの解説によれば、(Ⅲ)区分は18時~翌8時の夜間帯のみのサービス提供が認められており、利用者負担にも配慮した報酬設定となっています。
一方で利用者側のメリットは、(1)訪問介護と訪問看護を1事業所で完結できる、(2)24時間切れ目のないケアが受けられる、(3)医療的ケアが必要になっても継続利用しやすい、という3点です。これは在宅看取りや重度要介護高齢者の在宅生活継続にとって大きなプラスとなります。
経過措置と今後のスケジュール|2027年度報酬改定までの動き
厚生労働省は、夜間対応型訪問介護の廃止が現場に過度な混乱をもたらさないよう、複数の段階的な経過措置を講じる方針を示しています。改正案には具体的な経過措置の年限こそ盛り込まれていないものの、社会保障審議会・介護保険部会の議論や規制改革推進会議への厚労省説明資料(2025年12月25日)から、おおむねの方向性が読み取れます。
1.経過措置期間の設定。改正法の成立後、夜間対応型訪問介護の指定を受けている事業所がただちに事業廃止に追い込まれることはなく、一定の期間は現在の指定のまま事業継続できる措置が取られる見込みです。具体的な期間は2027年度報酬改定の議論で確定しますが、過去の介護療養型医療施設の介護医療院への移行(最長6年間)などを参考にすれば、複数年単位での移行期間が想定されます。
2.人員配置基準の特例的類型。現行の定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、看護師の配置や24時間オペレーター体制など、夜間対応型より重い人員基準が設けられています。これをそのまま統合先に課すと、夜間対応型から移行する小規模事業所が運営困難になるため、「夜間特化型」のような特例的な人員配置区分を設ける案が検討されています。これは2024年度改定で先行導入された定期巡回・随時対応型訪問介護看護(Ⅲ)(夜間対応型)の枠組みを発展させる形になる見通しです。
3.介護報酬の特例的類型。報酬面でも、利用者負担が急激に増えないよう、夜間対応型訪問介護の利用者負担に配慮した報酬区分が維持される方向です。2024年度改定で新設された「定期巡回・随時対応型訪問介護看護(Ⅲ)」(夜間対応型)の報酬体系(18時~翌8時の夜間帯のみ提供を想定)が、統合後の主要な選択肢となると考えられます。
4.スケジュールの全体像。今後の流れは以下の通りです。①2026年通常国会で介護保険法改正案を審議・成立、②2026年度内に施行政令・省令の整備、③2027年4月に改正法施行、④2027年度介護報酬改定で具体的な人員基準・報酬類型を確定、⑤経過措置期間中に既存事業所が順次移行――というスケジュールが想定されています。事業者は、まず2026年度中に自治体や所属団体からの情報を収集し、2027年度報酬改定の答申(2027年1月~2月頃)を待って最終的な経営判断を行う必要があるでしょう。介護職員にとっても、自分の働く事業所がどのような形で移行するのかを早めに確認しておくことが重要です。
よくある質問|夜間対応型訪問介護の廃止についてのQ&A
よくある質問|夜間対応型訪問介護の廃止についてのQ&A
Q1. 夜間対応型訪問介護はいつから利用できなくなりますか?
A. 2026年4月3日に閣議決定された介護保険法改正案が国会で成立した場合、2027年度(2027年4月)以降に廃止が施行される見込みです。ただし、一定の経過措置期間が設けられるため、ただちに利用が打ち切られることはありません。具体的な期限は2027年度介護報酬改定の議論で確定する予定です。
Q2. 今、夜間対応型訪問介護を利用している家族はどうすればよいですか?
A. まずは現在ケアプランを担当しているケアマネジャー(介護支援専門員)に相談してください。経過措置期間中は現サービスを継続利用できますが、最終的には定期巡回・随時対応型訪問介護看護への移行か、訪問介護+夜間随時対応の組み合わせなど、別のサービスへ切り替えることになります。地域に定期巡回事業所がない場合は、地域包括支援センターを通じて自治体に相談するのも有効です。
Q3. 夜間対応型訪問介護で働いている介護職員の雇用はどうなりますか?
A. 多くの夜間対応型事業所はすでに定期巡回・随時対応型訪問介護看護を併設しているため、所属事業所内で配属換えの形で雇用が継続されるケースが大半と見られます。一方、夜間対応型単独の事業所では、業態転換に伴うシフト変更や勤務時間帯の見直しが行われる可能性があります。労働条件の変更が生じる場合は、書面による説明と同意が必要です。
Q4. 統合後、利用者の自己負担額は変わりますか?
A. 厚生労働省は、利用者負担への急激な影響を避けるため、夜間対応型訪問介護の利用者負担に配慮した報酬区分を統合先に維持する方針です。2024年度改定で新設された定期巡回・随時対応型訪問介護看護(Ⅲ)(夜間対応型)が、その役割を担う見込みです。最終的な単価は2027年度報酬改定で確定します。
Q5. 訪問介護員(ホームヘルパー)の転職市場への影響は?
A. 統合に伴い、定期巡回・随時対応型訪問介護看護を新規開設・強化する事業所が増えると見込まれ、訪問介護経験者の求人ニーズはむしろ拡大する可能性が高いと考えられます。介護労働安定センターの調査でも訪問系サービスは慢性的な人材不足が続いており、夜勤対応が可能な経験者は引き続き貴重な存在です。
Q6. 訪問看護師の需要はどう変わりますか?
A. 統合先の定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、訪問介護と訪問看護を一体的に提供することが特徴です。統合により定期巡回事業所が増えれば、これに従事する訪問看護師の需要も比例して高まるでしょう。医療と介護の連携経験を持つ看護師は、特に重宝される傾向にあります。
Q7. 地方や過疎地で定期巡回の事業所がない場合は?
A. これは今回の改正における最大の課題の一つです。改正案と同時期の議論では、過疎地域における人員配置基準の緩和や、訪問介護への定額報酬導入など、別途「特定地域」向けの新スキームも検討されています。地域によってはこうした特例措置と組み合わせてサービスを維持する形になると考えられます。
参考文献・出典
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まとめ|統合は介護提供体制再編の第一歩
2026年4月3日に閣議決定された介護保険法改正案は、2006年から続いてきた夜間対応型訪問介護に終止符を打ち、定期巡回・随時対応型訪問介護看護への統合という大きな制度再編を正式に動かしました。背景には、20年近く指摘されてきた両サービスの機能重複、深刻化する介護人材不足、24時間切れ目のない在宅ケアへのニーズの高まりがあります。今回の決定は、単なる事業仕分けではなく、2040年に向けた地域包括ケアシステム再構築の第一歩と位置付けられます。
事業者にとっては、定期巡回・随時対応型訪問介護看護への業態転換、訪問看護師の確保、24時間オペレーション体制の整備など、経営戦略の見直しが急務となります。介護職員にとっては、看護職と協働する場面が増え、医療的ケアへの理解や観察力といった専門性がより問われる時代に入っていくでしょう。一方で、定期巡回事業所が増えることで訪問介護経験者の転職市場は活性化が見込まれ、夜勤対応が可能な経験者は引き続き貴重な戦力として求められ続けます。
もっとも重要なのは、現在サービスを利用している高齢者と家族が安心して移行できる体制を整えることです。経過措置期間、特例的な人員配置・報酬区分、地域ごとのサービス提供体制の整備――これらが2027年度介護報酬改定までの議論で具体化されていきます。利用者・家族はケアマネジャーや地域包括支援センターを通じた情報収集を、事業者は厚労省・自治体・業界団体からの最新情報を、介護職員は自分が働く事業所の方針を早めに確認しておくことが大切です。
kaigonewsでは、今後も2027年度介護報酬改定に向けた議論や、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の現場動向、訪問介護の転職市場の変化について継続的にお伝えしていきます。介護業界で長く働きたい方、訪問介護でキャリアを積みたい方は、制度改正の流れを正しく理解し、自分のキャリア戦略に活かしていきましょう。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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