カスハラ対策、2026年10月から義務化|全国介護付きホーム協会、厚労省担当者招き無料オンライン研修
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カスハラ対策、2026年10月から義務化|全国介護付きホーム協会、厚労省担当者招き無料オンライン研修

2026年10月のカスタマーハラスメント対策義務化を受け、全国介護付きホーム協会が6月11日に経営者・管理者向け無料オンライン研修を開催。厚労省ハラスメント防止対策室の澤渡室長補佐が登壇し、企業が講じるべき具体的措置を解説する。

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カスタマーハラスメント(カスハラ)対策が2026年10月から事業者の義務となるのを受け、全国介護付きホーム協会(介ホ協)は6月11日に経営者・管理者向けの無料オンライン研修『カスハラ対策義務化対応研修』を開催する。厚生労働省雇用環境・均等局ハラスメント防止対策室の澤渡恭子室長補佐が直接登壇し、法改正の背景から企業が具体的に講じるべき措置まで詳細に解説する。介護現場は利用者・家族からのハラスメントが多い業界として、対策準備が急務だ。

目次

解説動画

2026年10月、改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)の追加措置として、事業者にカスタマーハラスメント(カスハラ)対策が義務化される。利用者・家族・取引先など『顧客』からの著しい迷惑行為に対する組織的な対応が、すべての事業者に求められる。介護業界はカスハラの発生頻度が高い職場として知られ、利用者本人や家族からの暴言・身体的攻撃・性的言動・過剰要求が現場介護職を疲弊させてきた。全国介護付きホーム協会(介ホ協)は法施行に先立ち6月11日、経営者・管理者向けに厚労省担当者を招いた無料オンライン研修を開催する。

2026年10月のカスハラ対策義務化とは

改正労働施策総合推進法の追加措置

2022年4月に全事業所適用となったパワーハラスメント(パワハラ)防止対策に続き、2026年10月からはカスタマーハラスメント対策が義務化される。改正労働施策総合推進法に基づく追加措置で、事業者は『顧客等からの著しい迷惑行為』から労働者を守る組織的対策を講じる必要がある。

事業者が講じるべき具体的措置

厚生労働省の指針では、カスハラ対策として①事業主の方針の明確化と周知・啓発、②労働者の相談(苦情を含む)に応じ適切に対応するための体制整備、③カスハラ被害を受けた労働者への配慮の措置、④カスハラ対応の手順マニュアル作成、⑤研修の実施、などが求められる。介護事業所は他業界よりカスハラ発生率が高いとされ、対策準備の優先度が高い。

違反時のリスク

義務化以降、対策を怠った事業者には行政指導が入る可能性がある。労働基準監督署からの是正勧告や、被害労働者からの民事訴訟で『安全配慮義務違反』を問われるリスクも高まる。介護施設の評価・選別が進む中、カスハラ対策の充実度は職員定着・採用力にも直結する経営課題となる。

介ホ協が6月11日に開催する無料オンライン研修

厚労省担当者が直接登壇

介ホ協は6月11日(水)14:00〜15:00、『カスハラ対策義務化対応研修』を無料オンラインで開催する。講師は厚生労働省雇用環境・均等局ハラスメント防止対策室の澤渡恭子室長補佐。法改正の背景・経緯から、企業が具体的に講じるべき措置まで、制度所管省庁の担当者から直接解説を聞ける貴重な機会だ。

定員100名・参加費無料・公式サイトから申込

定員は100名、参加費は無料。受講希望者は介ホ協の公式サイトから申し込む。締切は6月8日(日)17時まで。介護付き有料老人ホームの経営者・管理者を主な対象としているが、他の介護施設形態の関係者も参加可能とみられる。早めの申込が推奨される。

続編研修も予定

介ホ協は今回の経営者・管理者向け研修だけでなく、現場で働く職員・リーダー層に向けたカスハラ対策研修も別途予定。7月28日に『オンライン実践編』、8月25日に『ロールプレイ編』を開催する予定で、詳細は公式サイトで後日アナウンスされる。経営層から現場層まで段階的に対策を浸透させる狙いだ。

介護現場のカスハラ実態と独自分析

介護現場で起きやすいカスハラの典型

介護現場のカスハラには、①利用者本人からの暴言・身体的攻撃(認知症のBPSDによる場合と意図的な場合がある)、②家族からの過剰要求・クレーム・誹謗中傷、③施設見学者・新規入所相談者からのセクハラ的言動、などがある。日本看護協会・日本介護福祉士会の調査では、介護職の60%以上が何らかのハラスメントを経験したと回答しており、業界全体で深刻な課題となっている。

認知症BPSDとカスハラの線引き

介護現場で難しいのは、認知症のBPSD(行動・心理症状)として現れる暴言・暴力を『カスハラ』として扱うかの判断。厚労省指針では『顧客等からの著しい迷惑行為』を対象としており、認知症の症状を医学的に管理しつつ、対応する職員の安全確保を両立させる必要がある。事業所単位で『どこまでをカスハラ対策の対象とするか』のガイドライン整備が急務だ。

カスハラ対策が職員定着の決定要因に

介護労働安定センター令和5年度実態調査では、離職理由トップは『人間関係』(20.6%)。職員間関係だけでなく、利用者・家族との関係性ストレスも『人間関係』に含まれる。カスハラ対策の充実は職員定着・採用力に直結し、特に新人介護職の早期離職防止に効果が見込まれる。義務化を契機に組織的対応を整備した事業所は、人材確保で優位に立つ。

事業所が今からできる準備3ステップ

ステップ1:相談窓口の整備

義務化までの5か月間で、まず事業所内のカスハラ相談窓口を整備する。既存のパワハラ相談窓口と一体化させる方法、外部EAP(従業員支援プログラム)を導入する方法、産業医・社労士・弁護士と連携する方法がある。事業所規模に応じて選択する。

ステップ2:マニュアル作成・研修実施

カスハラ対応の手順マニュアル(記録の取り方・上司報告ルート・利用者家族への対応文例・契約解除も視野に入れた段階的対応)を作成し、全職員に研修。介ホ協の6月11日経営者・管理者向け研修、7月28日オンライン実践編、8月25日ロールプレイ編の3段階研修を活用すれば、現場まで対策を浸透させやすい。

ステップ3:契約書・重要事項説明書の見直し

利用者・家族との契約書・重要事項説明書に『過度な迷惑行為があった場合の契約解除条項』を明示。入所時・契約更新時に説明し、書面で同意を得る。これにより、カスハラ発生時に契約解除という最終手段が法的にも担保される。弁護士監修の文例を介ホ協などが提供する見通しで、今後の情報収集が重要だ。

参考文献・出典

参考資料

まとめ

2026年10月のカスハラ対策義務化を控え、全国介護付きホーム協会は6月11日に厚労省担当者を招いた無料オンライン研修を開催する。介護現場はカスハラ発生率が高い業界として、相談窓口整備・マニュアル作成・研修実施・契約書見直しの4本柱で組織的対応を進める必要がある。義務化は単なる規制対応にとどまらず、職員定着・採用力という経営指標にも直結する。事業所管理者は早期の準備着手と、認知症BPSDとの線引きを含む独自ガイドラインの整備を急ぐべきだ。

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執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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