
医療的ケア教員講習会2026年3月修了生誕生|喀痰吸引等研修の指導者育成と介護カリキュラム連動の最新動向
2026年3月に医療的ケア教員講習会(厚生労働省指定講習会)の修了生が誕生。喀痰吸引等研修の指導者育成の現状、介護福祉士養成カリキュラムとの連動課題、指導看護師になるための要件を公的出典に基づき解説します。
この記事のポイント
2026年3月18日、東京都内で「医療的ケア教員講習会(喀痰吸引等研修教員講習会)」が開催され、新たな修了生が誕生しました。本講習会は厚生労働省が定めた要件を満たす指定講習会であり、修了者は介護福祉士実務者研修の「医療的ケア」担当講師、および喀痰吸引等研修における指導看護師となる資格を取得できます。本記事では、2026年度の開催状況、指導者育成の最新動向、そして介護職員向けカリキュラムと医療職指導者の教育観のギャップを公的出典に基づいて整理します。
- ニュースの要点:2026年3月18日開催の医療的ケア教員講習会で修了生名簿が厚生労働省へ報告・受理された。
- 制度の背景:2012年の社会福祉士及び介護福祉士法改正により、介護職員等が一定要件下で喀痰吸引等を実施できるようになった。
- 議論の焦点:看護師は「エビデンス教育」、介護職員は「How-To教育」という教育観の違いをどう橋渡しするかが指導者育成の鍵。
- 対象となる資格者:医師、看護師、保健師、助産師が受講対象(参加区分A)。
- 2026年度の日程:3月・4月・5月・6月と継続開催中で、受講ニーズは高水準を維持。
2026年3月、医療的ケア教員講習会の修了生が誕生
2026年3月18日、東京都千代田区神田三崎町の東京学院ビル(JR水道橋駅前)を会場に、一般社団法人知識環境研究会[教育会]が主催する「医療的ケア教員講習会(喀痰吸引等研修教員講習会)」が開催されました。本講習会は厚生労働省が定めた要件を満たす厚生労働省指定講習会であり、修了者の名簿は主催法人を通じて厚生労働省へ報告・受理されます。教育家庭新聞社のニュース報道によれば、同法人では前回開催分(2025年12月実施)についても、修了者全員の名簿が厚生労働省へ報告され受理されたことが2026年1月に公表されており、定期的な指導者供給のパイプラインが機能していることが確認できます。
この講習会の最大の特徴は「1日(9:30〜17:30)で修了する凝縮型」であることです。9:30から10:30までの「制度の概要」に始まり、10:30〜11:30「医療的ケアの基礎」、11:30〜12:30「喀痰吸引」、昼休憩を挟んで13:30〜14:30「経管栄養」、14:30〜17:30の3時間にわたる「演習」という構成で組まれています。受講対象は、参加区分Aとして看護師・医師・保健師・助産師の資格保持者、参加区分Bとして聴講生(上記以外の医療職や既修了者)が設定されており、受講料は1万8,000円(教育家庭新聞社報道時点)となっています。
2026年度(令和8年度)の開催日程は、3月18日・4月12日・4月25日(いずれも受付終了)に続き、5月13日・5月14日・6月18日と受講受付が継続しており、主催団体のWebサイトで最新情報が確認できます。また山形県老人福祉施設協議会でも「令和8年度医療的ケア教員講習会」の受講申込が2026年3月に公示され、申込締切は令和8年4月8日に設定されました。東京のみならず地方でも指導者育成の体制が整備されていることがわかります。
修了者は、介護福祉士実務者研修における「医療的ケア」科目の担当講師、喀痰吸引等研修(第1号・第2号研修)の指導看護師、さらに大学・専門学校・福祉系高校における「医療的ケア」領域の教員資格を得ます。つまり、本講習会は介護職員が喀痰吸引・経管栄養を安全に実施するために不可欠な「指導者層」を再生産する、制度の根幹を支える仕組みなのです。
制度の全体像|喀痰吸引等研修と指導者の位置づけ
医療的ケア教員講習会の重要性を理解するには、喀痰吸引等制度の全体像を押さえる必要があります。東京都福祉局の公表資料によれば、喀痰吸引および経管栄養は医行為に該当し、医師法等により原則として医師・看護師等のみが実施できる行為です。しかし平成23年度(2011年度)までは厚生労働省の通知により、介護職員等によるたんの吸引等は「当面のやむを得ない措置」として、本人の文書同意や適切な医学的管理等を条件に認められる「実質的違法性阻却」の運用が続いていました。
平成24年度(2012年度)から、社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正により、一定の研修を受けた介護職員等は、医療・看護との連携による安全確保が図られている等の条件下で、喀痰吸引等を法的に実施できるようになりました。東京都の資料は、介護職員等が実施するために必要な3要件として「(1)喀痰吸引等研修の受講、(2)都道府県からの認定特定行為業務従事者認定証の交付、(3)所属事業者の登録特定行為事業者としての登録」を明示しています。
喀痰吸引等研修の3つの課程
厚生労働省の研修課程資料によれば、喀痰吸引等研修は対象者と行為によって以下の3課程に分けられます。
- 第1号研修:不特定多数の者を対象に、5行為すべて(口腔内吸引・鼻腔内吸引・気管カニューレ内部吸引・胃ろう/腸ろう経管栄養・経鼻経管栄養)を実施する類型。基本研修は講義50時間+各行為のシミュレーター演習、加えて実地研修(口腔内吸引10回以上、鼻腔内・気管カニューレ内部・胃ろう/腸ろう・経鼻経管栄養各20回以上)が必要です。
- 第2号研修:不特定多数の者を対象に、口腔内・鼻腔内吸引と胃ろう/腸ろう経管栄養のみを行う類型。気管カニューレ内部吸引と経鼻経管栄養は対象外です。
- 第3号研修:特定の者(在宅の重度障害児・者等)を対象に、必要な行為のみを実施する類型。基本研修は講義及び演習9時間(重度訪問介護従事者養成研修と併せて行う場合は20.5時間)。
指導者に求められる資格要件
厚生労働省発出の「社会福祉士及び介護福祉士法の一部を改正する法律の施行について(喀痰吸引等関係)」(社援基発第1111第1号)では、喀痰吸引等研修の実務科目の講師は医療従事者に限定されることが明記されています。加えて、以下のいずれかの指導者向け研修を修了した医師・保健師・助産師・看護師が講師を行うことが望ましい、とされています。
- 平成22年度老人保健健康増進等事業「介護職員によるたんの吸引等の試行事業の研修のあり方に関する調査研究事業」における指導者講習の修了者。
- 平成23年度「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための研修事業(指導者講習)」(老発0824第1号)による指導者講習の修了者、および都道府県実施の同等講習修了者。
- 平成24年度喀痰吸引等指導者講習(第一号、第二号研修指導者分)(社援基発0518第1号)の修了者。
- 「実務者研修教員講習会及び医療的ケア教員講習会の実施について」(平成23年10月28日社援発1028第3号)に定める医療的ケア教員講習会を修了した医師・保健師・助産師・看護師。
つまり、2026年3月の修了生が新たに取得した資格は、この厚生労働省通知に明確に位置づけられた指導者資格であり、喀痰吸引等研修の登録研修機関における講師要件を満たす公式ルートの一つなのです。なお、准看護師や喀痰吸引等業務経験のある介護福祉士等は、講師の指示下で「講師補助者」として携わることは可能とされていますが、主任講師になることはできません。
介護職員向けカリキュラムと指導教育のギャップ
2026年3月の修了生誕生と並行して、介護現場では「看護師資格を持つ指導者が、介護職員に対してどう教えるか」という教育観のギャップが改めて議論されています。これは単なる技術伝達ではなく、異なる専門性を持つ職種間での「教育方法の翻訳」に関わる本質的な課題です。
介護福祉士養成課程における医療的ケアの位置づけ
厚生労働省が公表する「介護福祉士養成課程 新カリキュラム 教育方法の手引き」では、医療的ケア領域の目的を「医療的ケアが必要な人の安全で安楽な生活を支えるという観点から、医療職との連携のもとで医療的ケアを安全・適切に実施できるよう、必要な知識・技術を習得する」と定義しています。教育内容のねらいとして、(1)医療的ケア実施の基礎、(2)喀痰吸引(基礎的知識・実施手順)、(3)経管栄養(基礎的知識・実施手順)、(4)演習の4項目が設定されており、「人間と社会」「保健医療制度とチーム医療」「安全な療養生活」「清潔保持と感染予防」「健康状態の把握」といった基礎領域から、「呼吸のしくみとはたらき」「喀痰吸引実施上の留意点」「急変・事故発生時の対応と連携」「子どもの喀痰吸引」「家族支援」まで、幅広く想定されています。
重要なのは、介護福祉士養成課程の「医療的ケア」は、医療職養成における基礎医学のような体系的学習ではなく、「安全・適切な実施」に焦点を当てた実践志向のカリキュラムになっている点です。そのため、指導者には「医学的根拠を伝える」だけでなく「現場で迷わず行動できる手順を教える」教育力が求められます。
「エビデンス教育」と「How-To教育」の橋渡し
2026年度の医療的ケア教員講習会を修了した看護師らの受講後コメントには、以下のような記述が見られます(主催法人Webサイトより)。
- 「看護はエビデンス教育、介護はHow-To教育という背景を理解し、指導していく事が大切だと思いました」
- 「介護福祉士のカリキュラムなどは詳しく知らなかったので、学ぶことができて良かった」
- 「看護師は手慣れ動作があり、介護職員は、1つ1つの動作、説明をしなくてはいけないことがわかりました」
- 「医療にかかわっていない人に指導するためには1回ずつ完結し、指導することが大切」
- 「一つ一つの動作を区切ることでメリハリをつけ、確認作業になる。手技に集中してしまうと声かけや観察が不十分になりがち」
これらのコメントは、医療職にとっての「当たり前の動作」が、介護職員にとっては必ずしも自明ではないという気づきを示しています。看護師は日常業務の中で「なぜこの手技を行うのか」というエビデンスを踏まえた統合的な判断を無意識に行っていますが、介護職員に指導する場合は、動作を分解し、手順ごとに「止める」「つなぐ」「しまう」といった簡潔な言葉で繰り返し確認する必要があります。
自己流手技の是正という副次効果
受講者コメントからもう一つ浮かび上がるのが、指導者自身の「自己流手技」の是正です。「普段何げなくしているケアが自己流になっていることに気づけた」「自分たちも演習は緊張した」「久しぶりに研修に参加したので、お話すべて興味深く聞けました」といった声は、指導者育成講習会が単に「教え方を学ぶ場」ではなく、「看護師自身が手技を標準化する場」としても機能していることを示唆しています。これは医療安全の観点からも重要で、指導者の手技バラつきは、被指導者である介護職員の手技バラつきに直結するため、標準化された指導者を定期的に輩出する仕組みが、介護現場全体の医療安全を底上げする役割を果たしています。
外国人介護職員への指導という新しい課題
受講者コメントには「外国人介護職員が増えている」「外国の方々も今後増えていくということに実感をもちました」という記述も目立ちます。介護人材の国際化が進むなかで、言語・文化・医療背景の異なる介護職員に対して喀痰吸引等の技術を安全に伝えるには、従来以上にシンプルで視覚的な指導方法が必要です。この点も、今後の医療的ケア教員講習会のカリキュラム改訂で議論されるべき論点の一つといえます。
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喀痰吸引等研修の指導者育成の最新状況
医療的ケア教員講習会の修了生が定期的に輩出される背景には、喀痰吸引等を必要とする利用者の増加と、それに対応する介護職員の研修ニーズ拡大があります。ここでは、指導者育成の供給側・需要側の両面から最新状況を整理します。
指導者講習会を実施する主な団体
厚生労働省の各地方厚生局(東北厚生局、近畿厚生局など)の公表情報によれば、医療的ケア教員講習会は「介護福祉士養成施設、介護福祉士実務者養成施設及び福祉系高等学校等の教員として『医療的ケア』を教育するために必要な技能を修得するための講習会」として位置づけられ、実施団体には実施届出書と修了者名簿の提出が義務づけられています。東北厚生局のページでは、医療的ケア教員講習会のほか、社会福祉士実習演習担当教員講習会、介護教員講習会、実務者研修教員講習会、社会福祉士実習指導者講習会、介護福祉士実習指導者講習会の6種類の講習会が一覧で整理されています。
民間の実施団体としては、以下のような例が確認できます(各団体Webサイトの公開情報より)。
- 一般社団法人知識環境研究会[教育会]:東京・水道橋で月1〜2回の頻度で開催。1日修了型。受講料18,000円。
- 山形県老人福祉施設協議会:令和8年度分を2026年3月に公示、申込締切4月8日。地方での開催事例。
- 土屋ケアカレッジ:指導看護師養成を目的とした1日講習として案内。
- しかくの学校ホットライン:オンライン型の案内を含む複数コース展開。
需要側の状況|介護職員の研修参加
介護職員の喀痰吸引等研修を提供する事業者側では、三幸福祉カレッジの案内によれば、第1号研修の受講料は215,000円(税込236,500円)、第2号研修は168,000円(税込184,800円)、第3号研修は36,800円(税込40,480円〜)と設定されており、介護職員個人にとっては相応の投資が必要です。それにもかかわらず、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、障害者福祉施設、訪問介護事業所などでの需要は根強く、加算取得を目指す法人からの受講申込も続いています。
この需要の裏返しとして、全国の登録研修機関では指導看護師の確保が慢性的な課題となっており、医療的ケア教員講習会の修了生は「即戦力の指導者候補」として歓迎される環境にあります。2026年3月の修了生誕生は、単なる資格取得者の増加ではなく、介護現場の安全性向上に直接寄与する人材供給の一コマなのです。
カリキュラム連動の課題
一方で、介護職員向けカリキュラム(喀痰吸引等研修)と指導者向けカリキュラム(医療的ケア教員講習会)の連動には、以下のような課題が指摘されています。
- 時間配分のアンバランス:介護職員の基本研修が講義50時間+実地研修20回以上であるのに対し、指導者講習会は1日(約8時間)で修了する凝縮型。指導者が「教える内容」の総量に対して、「教え方」を学ぶ時間が相対的に短い。
- 演習機材の世代差:現場で使われる吸引器や経管栄養ポンプは進化を続けており、指導者講習会で扱う機材と現場機材との差異が教育効果に影響する可能性。
- フォローアップの不足:1日で修了した後、指導者として現場で困ったときの再学習機会が制度的に確保されていない。
- 第3号研修(特定の者対象)の特殊性:在宅重度障害児・者を対象とする第3号研修は、個別性が極めて高く、標準的な指導マニュアルになじまない領域が多い。指導者はALS患者や気管切開児への対応など、個別事例ごとに臨床判断を伝える必要がある。
これらの課題に対し、厚生労働省が2025年1月31日に近畿厚生局ページで更新した「介護福祉士養成施設等における医療的ケアの教育及び実務者研修について」等の関係通知を含め、制度運用面での継続的な改善が図られています。
介護転職を考える看護師へ|指導者資格の活かし方
医療的ケア教員講習会の修了資格は、病院勤務の看護師が介護分野へキャリアを広げる際の強力な武器になります。ここでは、転職・キャリアチェンジの視点から、この資格の活用方法を整理します。
活躍できる職場の広がり
修了者が指導者・教員として活躍できる場は、以下のように多岐にわたります(厚生労働省通知および登録研修機関公表情報より)。
- 介護福祉士実務者養成施設:医療的ケア科目の担当講師として、法定カリキュラムの授業を受け持つ。
- 介護福祉士養成施設(専門学校・短大等):医療的ケア領域の教員。
- 福祉系高等学校:医療的ケア科目の教員。
- 喀痰吸引等研修の登録研修機関:第1号・第2号研修の指導看護師として、講義と演習を担当。
- 介護事業所の内部研修:特別養護老人ホーム、訪問介護事業所等で、所属職員への継続教育を担う。
看護師キャリアへの還元
指導者資格の取得は、教員としての道だけでなく、病院や介護施設でのリーダー看護師としての役割にも還元されます。主催法人のWebサイトに掲載された修了生コメントには「講習会で磨いた指導力は、リーダーとして後進の指導にも役立ちます」「指導者としての役割を重点的に教えてもらったが、それ以上に介護現場の需要のスピードに医療職が追いついていない、もしくは追いつかないと感じた」といった声があり、指導力強化と介護現場理解の両面でのキャリア価値が認識されています。
受講を検討する際のチェックポイント
医療的ケア教員講習会は全国で複数団体が実施していますが、受講前に確認すべきポイントがあります。
- 厚生労働省指定講習会であること:「実務者研修教員講習会及び医療的ケア教員講習会の実施について」(平成23年10月28日社援発1028第3号)に定める要件を満たす団体かを確認。
- 修了者名簿が厚生労働省へ報告されること:修了後、正式な指導者資格として扱われるためには名簿報告が必須です。
- 演習時間の確保:喀痰吸引・経管栄養の演習は、指導視点での再学習が中心のため、演習時間が3時間程度確保されているかを確認。
- 受講対象の区分:多くの講習会は看護師・医師・保健師・助産師を対象としていますが、聴講枠(参加区分B)が設定されている場合もあるので、有資格外の場合は問い合わせを。
キャリアとしての展望
介護職員が行える医療的ケアの範囲は、制度発足以降、運用改善が続けられてきました。東京都福祉局の資料によれば、平成25年3月12日改正の「社会福祉士及び介護福祉士法の一部を改正する法律の施行について(喀痰吸引関係)」(社援発1111第1号)などにより、制度の細部が継続的に調整されています。今後、介護人材不足の深刻化と医療依存度の高い利用者の増加が同時進行する中で、指導者層の充実は国家的課題であり続けます。医療的ケア教員講習会の修了者が果たす役割は、今後ますます重要性を増すと考えられます。
まとめ|制度の根幹を支える指導者育成の意義
2026年3月18日の医療的ケア教員講習会修了生誕生は、単発のニュースではなく、2012年の社会福祉士及び介護福祉士法改正以降、14年にわたって積み重ねられてきた喀痰吸引等制度の「指導者供給パイプライン」が今も機能していることの証しです。本記事の要点を以下に整理します。
- 2026年3月18日、東京・水道橋にて1日修了型の医療的ケア教員講習会が開催され、修了生名簿は厚生労働省へ報告される運用となっている。
- 修了者は、介護福祉士実務者研修「医療的ケア」担当講師、喀痰吸引等研修の指導看護師、介護福祉士養成施設や福祉系高校の教員資格を得る。
- 喀痰吸引等研修は第1号・第2号・第3号の3課程に区分され、指導者要件は厚生労働省通知(社援基発第1111第1号ほか)で明確に規定されている。
- 介護福祉士養成新カリキュラムは「安全・適切な実施」に焦点を当てており、看護師出身の指導者には「エビデンス教育」と「How-To教育」の橋渡しが求められる。
- 指導者講習会の凝縮性、演習機材の世代差、フォローアップ不足、第3号研修の特殊性など、カリキュラム連動の課題が継続的に議論されている。
- 看護師にとって指導者資格の取得は、介護分野への転職・キャリア拡張のみならず、自身の手技標準化や病院リーダー業務にも波及する価値を持つ。
介護現場が医療依存度の高い利用者を安全に支え続けるためには、現場で手を動かす介護職員と、その背後で教育・安全確保の専門性を担保する指導者層、そして両者をつなぐカリキュラムの三位一体が欠かせません。2026年以降も、医療的ケア教員講習会の動向と関連通知の更新を注視していく必要があります。
主な出典
- 厚生労働省「喀痰吸引等研修|研修課程」(PDF:4-1-1-1.pdf)
- 厚生労働省「介護福祉士養成課程 新カリキュラム 教育方法の手引き」(000525760.pdf)
- 厚生労働省「喀痰吸引等研修の講師」(001599111.pdf/社援基発第1111第1号関係)
- 厚生労働省「喀痰吸引等制度について」「喀痰吸引等研修」各公式ページ
- 厚生労働省 東北厚生局「社会福祉士・介護福祉士養成に関する各種講習会の届出について」(2024年12月23日更新)
- 厚生労働省 近畿厚生局「介護福祉士養成施設等における医療的ケアの教育及び実務者研修について」(2025年1月31日更新)
- 東京都福祉局「喀痰吸引等(たんの吸引等)の制度について」
- 教育家庭新聞社「知識環境研究会、厚生労働省指定講習会『医療的ケア教員講習会』を実施 次回は2/25に」(2026年1月)
- 一般社団法人山形県老人福祉施設協議会「令和8年度医療的ケア教員講習会 受講申込について」(2026年3月5日)
- 一般社団法人知識環境研究会[教育会]「医療的ケア教員講習会(喀痰吸引等研修教員講習会)」開催案内
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