訪問看護を家族が依頼する流れ|医療保険と介護保険の使い分け・主治医指示書・24時間対応
ご家族・ご利用者向け

訪問看護を家族が依頼する流れ|医療保険と介護保険の使い分け・主治医指示書・24時間対応

訪問看護を家族が依頼する流れを、主治医指示書の取り方・医療保険と介護保険の使い分け・24時間対応体制・費用相場まで一次ソースで解説。要介護度別の自己負担額や緊急時対応も掲載。

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訪問看護とは、看護師や保健師が自宅を訪問し、主治医の指示書にもとづいて療養生活を支える医療サービスです。家族が依頼するときは、(1) 主治医またはケアマネジャーへ相談、(2) 訪問看護指示書の交付依頼、(3) 訪問看護ステーション選定、(4) 契約・初回訪問、の4ステップで進みます。要介護認定を受けている方は介護保険が優先(自己負担1〜3割)、末期がんや厚生労働大臣が定める20疾病等は医療保険が優先されます。24時間対応体制の事業所なら夜間・休日の急変時にも電話相談・緊急訪問が可能です。

目次

退院後の医療的ケアが続く、点滴やインスリン注射が必要、終末期を自宅で迎えたい——こうした場面で家族が頼れるのが「訪問看護」です。しかし、「誰に頼めばいいの?」「主治医からどうやって指示書をもらうの?」「医療保険と介護保険、どちらが使えるの?」と、最初の一歩でつまずく家族は少なくありません。

本記事では、訪問看護を家族が依頼するときの全体の流れを、(1) 主治医・ケアマネジャーへの相談、(2) 訪問看護指示書の取得、(3) 訪問看護ステーションの選び方、(4) 契約・初回訪問、(5) 医療保険と介護保険の使い分け、(6) 要介護度別の費用目安、(7) 24時間対応体制と緊急時の連絡、(8) 訪問介護との役割分担——という順に、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会の一次ソースを参照しながら整理します。これから訪問看護を検討するご家族が、迷わず最短ルートで在宅療養を始められるよう、判断のチェックリストも各セクションに添えました。

訪問看護とは|看護師が自宅を訪問する医療サービス

訪問看護とは、看護師・保健師・准看護師・助産師・理学療法士などが利用者の自宅を訪問し、主治医の指示にもとづいて行う医療的な療養支援サービスです。介護保険法および健康保険法のいずれにも位置付けられた公的サービスで、2024年時点で全国に約16,000か所の訪問看護ステーションがあります(全国訪問看護事業協会調査)。

訪問看護で受けられる主な支援

  • 病状観察:バイタルサイン測定、症状の評価、服薬管理、認知症の進行確認
  • 医療処置:点滴、注射、褥瘡(じょくそう)処置、胃ろう・尿道カテーテル管理、人工呼吸器・在宅酸素管理
  • 清潔ケア・排泄ケア:入浴介助、洗髪、口腔ケア、浣腸、摘便、ストーマ管理
  • リハビリテーション:理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による機能訓練
  • ターミナルケア(看取り):疼痛緩和、家族への精神的サポート、エンゼルケア
  • 家族への介護指導:体位変換、移乗、医療機器の取り扱い説明

訪問介護(ヘルパー)との違い

「訪問看護」と「訪問介護」は名前が似ていますが、提供する内容が大きく異なります。訪問看護は医療職(看護師等)が医療的ケアを行うサービスで、医師の指示書が必須です。一方、訪問介護はホームヘルパー(介護福祉士・初任者研修修了者)が、入浴・排泄・食事などの身体介護と、掃除・洗濯・買い物などの生活援助を行うサービスで、医師の指示書は不要です。両者は併用可能で、たとえば朝はヘルパーが食事介助、午後は看護師が点滴という形で組み合わせるケースが一般的です。

主治医の指示が必須|訪問看護指示書とは

訪問看護は医療行為を含むため、必ず主治医が交付する「訪問看護指示書」がなければサービスを開始できません。指示書には病名、療養上の指示、留意事項、訪問看護の頻度などが記載されます。有効期間は最長6か月で、期限が切れる前に主治医へ再交付を依頼します。なお、急性増悪時には別途「特別訪問看護指示書」が交付され、最大14日間、医療保険で頻回(週4回以上)の訪問が可能になります。

訪問看護を家族が依頼する流れ(5ステップ)

STEP1:主治医またはケアマネジャーへ相談

まず、家族が訪問看護を検討したら、相談窓口は2つあります。

  • 主治医(入院中なら病院の地域連携室):退院後の医療的ケアが必要な場合、病院の地域連携室(医療相談室)が訪問看護ステーションとの橋渡しを行います。退院前カンファレンス(多職種で在宅療養を準備する会議)で訪問看護師も同席するケースが一般的です。
  • 担当ケアマネジャー:すでに介護保険を利用している場合は、ケアマネジャーがケアプランに訪問看護を組み込みます。要介護認定をまだ受けていない場合は、市区町村の介護保険課または地域包括支援センターに相談して認定申請から始めます。

このタイミングで、本人と家族の希望(どのような医療処置が必要か、何時頃の訪問が望ましいか、夜間対応の希望はあるか)を整理して伝えると、その後のステーション選びがスムーズです。

STEP2:主治医に「訪問看護指示書」の交付を依頼

訪問看護を始めるには、主治医が交付する「訪問看護指示書」が必須です。指示書の依頼は、原則として訪問看護ステーション側が主治医に対して行います。家族が直接書類をやり取りする必要はありませんが、以下を主治医に伝えるとスムーズです。

  • 訪問看護を利用したいという意向
  • 利用したい訪問看護ステーション名(決まっていれば)
  • 希望する訪問頻度・時間帯

主治医の指示書交付料は医療保険から支払われ(300点=3,000円)、家族の負担は1〜3割の自己負担分のみです。指示書の交付には数日〜2週間程度かかる場合があるため、退院日が決まっている場合は早めに依頼しましょう。

STEP3:訪問看護ステーションを選定

居住地域の訪問看護ステーションは、ケアマネジャーや病院の地域連携室から複数提案されます。家族が選ぶときのチェックポイントは次の通りです。

  • 対応疾患・処置の範囲:人工呼吸器、在宅酸素、点滴管理、終末期ケアなど、必要な医療処置に対応できるか
  • 24時間対応体制の有無:夜間・休日の急変時に電話相談・緊急訪問が可能か
  • 所在地・移動時間:自宅から30分圏内が望ましい(緊急訪問の到着時間に影響)
  • リハビリ職の在籍:理学療法士・作業療法士による訪問が必要な場合
  • ターミナルケアの実績:在宅看取りを希望する場合
  • 同じ事業所が訪問介護も提供しているか:医療と介護をワンストップで連携できる

STEP4:契約・重要事項説明

選んだ訪問看護ステーションの管理者または担当看護師が自宅を訪問し、重要事項説明書・契約書を交わします。説明される内容は、サービス内容、料金、緊急時連絡先、個人情報の取り扱い、苦情窓口など。本人と家族で内容を確認し、不明点はその場で質問しましょう。介護保険利用の場合はケアマネジャーが作成したケアプランの内容も合わせて確認します。

STEP5:初回訪問・アセスメント

契約後、初回訪問では担当看護師が病歴・服薬状況・生活環境・家族構成・ADL(日常生活動作)などを詳細に把握し、訪問看護計画書を作成します。本人と家族の希望、主治医の指示、ケアプランを統合して、週何回・何時に訪問するか、どのような処置を行うかが決まります。計画書は家族にも交付され、内容に同意したうえでサービスが正式開始となります。

医療保険と介護保険の使い分け|優先順位フローチャート

訪問看護は医療保険・介護保険どちらの制度でも利用できる、珍しいサービスです。家族が知っておくべき判断ポイントは「年齢・要介護認定の有無・対象疾病」の3つで、原則として介護保険が優先されますが、特定の条件下では医療保険が優先されます。

適用条件のフローチャート

判定ステップ該当する場合の保険
① 40歳未満である医療保険
② 40〜64歳で介護保険の特定疾病(16疾病)の認定なし医療保険
③ 40〜64歳で特定疾病に該当し要介護・要支援認定あり介護保険(優先)
④ 65歳以上で要介護・要支援認定なし医療保険
⑤ 65歳以上で要介護・要支援認定あり介護保険(優先)
⑥ 上記④⑤でも「厚生労働大臣が定める疾病等(別表第7)」に該当医療保険(介護保険より優先)
⑦ 主治医が「特別訪問看護指示書」を交付(急性増悪・退院直後・終末期)14日間限定で医療保険

医療保険が優先される疾病(別表第7/20疾病)

厚生労働大臣が定める以下の疾病等に該当する方は、要介護認定を受けていても訪問看護は医療保険適用になります(介護保険適用外)。

  • 末期の悪性腫瘍
  • 多発性硬化症、重症筋無力症
  • スモン、筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  • 脊髄小脳変性症、ハンチントン病
  • 進行性筋ジストロフィー症
  • パーキンソン病関連疾患(ホーエン・ヤール重症度分類ステージ3以上かつ生活機能障害度II度・III度)
  • 多系統萎縮症
  • プリオン病、亜急性硬化性全脳炎、ライソゾーム病
  • 副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症
  • 球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎
  • 後天性免疫不全症候群
  • 頸髄損傷
  • 人工呼吸器を使用している状態

医療保険と介護保険の主な違い

項目医療保険介護保険
対象40歳未満/要介護認定なしの65歳以上/別表第7該当者要介護・要支援認定を受けた65歳以上、または特定疾病に該当する40〜64歳
訪問回数原則週3回まで(別表第7該当・特別指示書交付時は週4回以上可)ケアプラン内であれば回数制限なし
1回の訪問時間30〜90分が一般的20〜90分の4区分から選択
事業所数の上限原則1か所(特定疾病等は3か所まで可)原則1か所だが複数併用可能
自己負担1〜3割(年齢・所得による)1〜3割(所得による)
負担上限高額療養費制度区分支給限度基準額・高額介護サービス費

両保険の併用は原則できませんが、「介護保険でリハビリ訪問+医療保険で別表第7該当の看護訪問」のような切り分けは可能です。詳細はケアマネジャーまたは訪問看護ステーションに相談してください。

訪問看護の費用目安|要介護度別・夜間/休日加算

訪問看護の自己負担額は、利用する保険・訪問時間・要介護度・地域区分・各種加算によって変動します。ここでは厚生労働省の介護報酬告示(2024年度改定)にもとづき、家族が把握しておきたい費用目安を整理します。

介護保険適用の費用(1割負担・1単位10円換算)

訪問看護ステーションからの訪問の場合(看護師等が訪問する基本料金):

訪問時間単位数1割負担額(円)
20分未満314単位約314円
30分未満471単位約471円
30分以上60分未満823単位約823円
60分以上90分未満1,128単位約1,128円
理学療法士等による訪問(20分)294単位約294円

※2割負担なら約2倍、3割負担なら約3倍。地域区分により単価が若干変動します。

要介護度別の区分支給限度基準額(月額・1割負担分)

要介護度支給限度額(単位)1割負担上限(円)
要支援15,032単位約5,032円
要支援210,531単位約10,531円
要介護116,765単位約16,765円
要介護219,705単位約19,705円
要介護327,048単位約27,048円
要介護430,938単位約30,938円
要介護536,217単位約36,217円

※この限度額には訪問看護以外の介護保険サービス(訪問介護・デイサービス・福祉用具レンタル等)も含まれます。限度額を超えた分は全額自己負担です。

主な加算(介護保険)

加算名単位数条件
夜間(18〜22時)加算所定単位の25%夜間に訪問した場合
早朝(6〜8時)加算所定単位の25%早朝に訪問した場合
深夜(22〜6時)加算所定単位の50%深夜に訪問した場合
緊急時訪問看護加算(Ⅰ)600単位/月24時間連絡体制+業務負担軽減体制
緊急時訪問看護加算(Ⅱ)574単位/月24時間連絡体制のみ
特別管理加算(Ⅰ)500単位/月人工呼吸器・気管切開・経管栄養等
特別管理加算(Ⅱ)250単位/月褥瘡・点滴管理等
ターミナルケア加算2,000単位死亡日および死亡日前14日以内の在宅看取り

医療保険適用の費用(基本療養費)

訪問看護ステーションからの訪問では、訪問看護基本療養費(Ⅰ)として週3日まで1日5,550円(同一建物外)、週4日目以降は6,550円が基本料金です。家族の自己負担は70歳未満は3割(約1,665円〜1,965円)、70〜74歳は2割(約1,110円〜1,310円)、75歳以上は1割(約555円〜655円)。月の合計が高額療養費制度の自己負担限度額を超えた場合は払い戻しが受けられます。

24時間対応体制加算(医療保険)

2024年度診療報酬改定で、医療保険の「24時間対応体制加算」は2区分になりました。

  • イ(看護業務負担軽減の取組あり):6,800円/月(自己負担1割なら680円)
  • ロ(取組なし):6,520円/月(自己負担1割なら652円)

家族にとっては月数百円程度の追加負担で、24時間365日の電話相談・緊急訪問体制が確保できる費用対効果の高い加算です。

24時間対応体制と訪問介護との役割分担

24時間対応体制とは|深夜の急変にも電話・訪問で対応

多くの訪問看護ステーションは「24時間対応体制」を整えており、利用者・家族が日中・夜間・休日を問わず電話で看護相談ができ、必要に応じて緊急訪問してもらえます。利用するには事前に「24時間対応体制加算(医療保険)」または「緊急時訪問看護加算(介護保険)」の契約を結ぶ必要があり、月数百円程度の自己負担で365日の安心が得られます。

緊急時連絡の流れ

  1. 家族または本人が、契約時に伝えられた専用電話番号へ連絡する
  2. 当番の看護師が状況を聞き取り、口頭で対処法を指示
  3. 電話対応で解決しない場合は緊急訪問(深夜帯も含む)
  4. 訪問看護師が必要と判断した場合は主治医や救急要請の手配

連絡時に伝えるべき情報は、(1) 利用者の名前、(2) 現在の症状(バイタル・意識レベル・痛みなど)、(3) 服薬状況、(4) かかりつけ医名——の4点。あらかじめメモにまとめて電話の近くに貼っておくと、慌てた時にもスムーズに伝えられます。

訪問看護と訪問介護の役割分担

在宅療養では訪問看護と訪問介護を併用するケースが多く、両者の役割をしっかり区別しておくと家族のストレスが減ります。

場面訪問看護(医療職)訪問介護(ヘルパー)
入浴循環器疾患・褥瘡がある人の入浴介助体調が安定している人の入浴介助
食事胃ろう・経管栄養の管理、嚥下評価食事介助、調理
排泄浣腸、摘便、ストーマ管理おむつ交換、トイレ誘導
服薬処方薬の確認、注射、点滴服薬促し(薬の取り出しまで)
身体観察バイタル測定、症状評価変化の気づきを看護師へ報告
家事援助不可(医療行為以外は範囲外)掃除、洗濯、買い物、調理

家族が在宅療養を続けるためのコツ

  • 記録ノートを共有する:訪問看護師・訪問介護員・家族が共通で書き込めるノートを置き、症状の変化や食事量を残しておく。看護師が次回訪問時に状況を把握しやすくなります。
  • レスパイト先を事前に確保する:ショートステイや小規模多機能型居宅介護を、緊急時の家族の休息(レスパイト)先としてケアマネジャーに相談しておく。
  • 家族カンファレンスを年1回:主治医・訪問看護師・ケアマネジャー・家族で集まり、療養方針や延命治療の希望(ACP:人生会議)を話し合う場を設けると、急変時の判断が楽になります。
  • 家族の体調も看護師に話す:訪問看護師は本人だけでなく、介護する家族の心身の状態にも目を配ってくれます。介護疲れや不眠を遠慮なく相談しましょう。

よくある質問(訪問看護の依頼)

Q. 訪問看護は誰が利用できますか?

主治医が訪問看護の必要があると認め、訪問看護指示書を交付した方が対象です。乳幼児から高齢者まで年齢を問わず利用でき、要介護認定の有無も問いません。具体的には、退院後も医療的ケアが必要な方、難病・がん末期の方、人工呼吸器・在宅酸素を使用している方、認知症で服薬管理が難しい方などが該当します。

Q. 申し込みから訪問開始まで何日かかりますか?

ケースにもよりますが、最短で3〜5日、平均で1〜2週間程度です。入院中の方が退院日に合わせて訪問看護を開始する場合は、退院日の2週間前から準備を始めるとスムーズです。退院前カンファレンスに訪問看護師が同席して引き継ぎを行うことが多く、退院当日から訪問が始まるケースもあります。

Q. 訪問看護指示書がもらえない場合はどうしたら?

主治医が訪問看護の必要性を判断するため、医学的に必要が認められないと指示書は交付されません。判断に疑問がある場合は、(1) セカンドオピニオン外来で別の医師に相談、(2) 病院の地域連携室や医療相談員に状況を相談、(3) かかりつけの主治医を変更する——という選択肢があります。なお、主治医が訪問診療を行っていない一般病院・診療所であっても、指示書の交付は可能です。

Q. 同じ訪問看護ステーションをずっと使わないといけない?

原則としていつでも変更可能です。担当看護師との相性が合わない、必要な医療処置に対応できない、夜間対応がないなどの不満があれば、ケアマネジャーまたは主治医に相談して他のステーションに切り替えられます。複数のステーション併用は原則1か所までですが、別表第7該当者・特別指示書交付時は最大3か所までの利用が認められています。

Q. 訪問看護に家族は同席する必要がありますか?

必須ではありません。日中、本人が一人でも、玄関の鍵を開けられれば訪問看護師がケアを行ってくれます。鍵の管理が難しい場合はキーボックスの利用も可能で、契約時に取り決めます。ただし、初回訪問・契約時、本人の意思確認が必要な場面、家族指導が必要な医療処置の説明時には、できるだけ家族が同席することをおすすめします。

Q. 在宅看取り(自宅で亡くなること)も訪問看護でできますか?

可能です。訪問看護では緩和ケア・疼痛管理・家族支援を含むターミナルケアを提供しており、死亡日および死亡日前14日以内の在宅看取りには「ターミナルケア加算」(2,000単位)が算定されます。主治医・訪問看護師・訪問介護員と連携し、ACP(人生会議)で本人の意思を共有しておくことが重要です。在宅看取りには事前準備として、主治医による死亡診断書の交付体制、24時間連絡可能な訪問看護ステーションとの契約、家族の覚悟と理解が必要です。

Q. 訪問看護を断りたい・中止したい時は?

契約は本人・家族の意思でいつでも中止できます。中止する場合は担当ステーションに連絡し、書面で解約手続きを行います。違約金などは原則ありません。一時的に休止して再開することも可能で、その場合は主治医の指示書の再交付が必要です。

参考文献・出典

まとめ|訪問看護で家族の在宅療養を支えるために

訪問看護は、家族が在宅で療養生活を続けるための心強い味方です。最後にこの記事の要点を整理します。

  • 依頼の入口は2つ:主治医(病院の地域連携室)または担当ケアマネジャー。介護保険の認定がなければ市区町村の介護保険課・地域包括支援センターから始める。
  • 主治医の「訪問看護指示書」が必須:訪問看護ステーション側が主治医に依頼してくれる。家族の手続きは原則不要。
  • 医療保険か介護保険か:要介護認定があれば原則介護保険、別表第7該当疾病・特別指示書の14日間は医療保険が優先。両保険の併用は原則不可だが切り分け運用は可能。
  • 費用は要介護度別に上限あり:訪問看護単独だと1回数百円〜千円程度(1割負担)。月の介護保険サービス合計は要介護5で約36,000円が上限。
  • 24時間対応体制で安心:月数百円の加算で夜間・休日の電話相談と緊急訪問が可能。終末期や人工呼吸器管理のある方は必ず確認する。
  • 訪問介護と役割分担:医療的ケアは訪問看護、生活援助は訪問介護。両者を組み合わせて在宅療養を持続可能にする。

訪問看護は、家族の介護負担を医療職とともに分かち合える制度です。まずは主治医・ケアマネジャー・地域包括支援センターに相談することから始めましょう。在宅介護の他のサービスや、家族が知っておきたい制度については、関連記事もあわせてご覧ください。

監修者

介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム

医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)

看護師介護福祉士ケアマネジャー

訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護保険、施設選び、在宅介護など、介護を受ける方・ご家族が判断に迷いやすいテーマを、公的情報と実務上の確認ポイントに沿って解説しています。

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