
小規模多機能型居宅介護(小多機)の利用方法|通い・訪問・宿泊を1事業所で組合せる仕組み・費用
小規模多機能型居宅介護(小多機)の利用方法・費用・登録条件をご家族向けに解説。通い・訪問・宿泊を1事業所で柔軟に組み合わせる地域密着型サービス。月額包括報酬や併用不可サービス、看護小規模多機能との違いも厚労省データで整理。
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この記事のポイント
小規模多機能型居宅介護(小多機)は、1つの事業所と契約すると「通い(デイ)」「訪問(ヘルパー)」「宿泊(ショートステイ)」の3つを、同じスタッフ・同じケアマネで自由に組み合わせて利用できる地域密着型サービスです。月額包括報酬(要支援1で約3,450円〜要介護5で約27,209円・1割負担)で、サービス量にかかわらず定額になります。事業所のある市区町村に住民票がある方が対象で、ケアマネジャーは事業所所属の専属ケアマネに変更する必要があります。
目次
「デイサービスだけでは足りないが、特別養護老人ホームに入るほどではない」「ショートステイの予約が取れずに介護者が倒れそう」。そんな在宅介護のはざまを埋めるために2006年に創設されたのが、小規模多機能型居宅介護(通称:小多機・しょうたき)です。
大きな特徴は、「通い」「訪問」「宿泊」の3サービスを1つの事業所が一体的に提供することです。同じ建物、同じスタッフ、同じケアマネジャーが、本人の体調や家族の都合に合わせて柔軟にケアの組み合わせを変えてくれます。月の利用回数が増減しても料金は要介護度別の定額(包括報酬)で、急な泊まりや訪問にも対応しやすい仕組みです。
一方で、デイサービスや訪問介護、ショートステイなど従来のサービスとの「同時併用」は原則できません。ケアマネジャーを事業所専属に変更する必要があり、登録できるのは住民票のある市区町村の事業所だけという独自ルールもあります。本記事では、ご家族・ご本人がこのサービスを「使う」立場から、対象者・費用・申し込みの流れ・他サービスとの違い・看護小規模多機能型(看多機)との使い分けまでを、厚生労働省の公式データをもとに整理します。
小規模多機能型居宅介護(小多機)とは|地域密着型の3in1サービス
小規模多機能型居宅介護は、介護保険法に基づく地域密着型サービスの一つです。市区町村が事業所を指定・指導し、その市区町村に住民票がある方しか利用できないのが地域密着型の特徴で、住み慣れた地域でなじみの関係を保ちながら在宅生活を続けることを目的としています(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」)。
1事業所で3つのサービスを提供
同じ事業所が次の3つのサービスを一体的に、柔軟に提供します。利用日や利用時間を細かく決めず、本人の状態や家族の都合に合わせて組み合わせを変えられるのが最大の利点です。
通い(デイサービス機能)は、日中に事業所へ通って食事・入浴・機能訓練・レクリエーションを受けるもので、1日あたり概ね15名以下(条件を満たせば18名以下)です。訪問(ヘルパー機能)は、スタッフが自宅を訪ねて身体介護・生活援助・安否確認を行います。短時間(5〜10分の声かけだけ)でも対応でき、深夜・早朝も含めて24時間対応します。宿泊(ショートステイ機能)は事業所に泊まるもので、1日あたり概ね9名以下です。日数の上限は法令上なく、家族の急用や本人の体調変化に応じて柔軟に利用できます。
登録定員は1事業所29名以下
1事業所に登録できる利用者の上限は29名です。これは「顔の見える関係」を維持するための設計で、登録者は必ず事業所専属のケアマネジャー(小規模多機能型居宅介護支援専門員)からケアプランを作成してもらいます。今まで担当だったケアマネジャーは契約時点でいったん解約となり、小多機事業所のケアマネに引き継がれます。
こんな方が対象
要支援1〜2、または要介護1〜5の認定を受けている方で、事業所のある市区町村に住民票がある方が対象です。認知症の進行でデイの曜日が合わない方、家族の急な用事に備えたい方に向いています。
費用|要介護度別の月額包括報酬と実費
小多機の最大の特徴は月額包括報酬(月単位定額制)です。月に何回通っても、何泊しても、何回訪問してもらっても、介護保険の自己負担額は要介護度に応じた定額。逆に「先月はほとんど使わなかった」月でも満額請求されます。
1ヶ月あたりの自己負担額(1割負担・概算)
下記は厚生労働省「介護給付費単位数等サービスコード表」(令和6年度報酬改定)に基づく月額単位数を、地域単価10円で換算した目安です。実際は地域区分(1級地〜7級地・その他)で1〜11.4%の上乗せがあります。
| 要介護度 | 月額単位数 | 1割負担(目安) | 2割負担 | 3割負担 |
|---|---|---|---|---|
| 要支援1 | 3,450単位 | 約3,450円 | 約6,900円 | 約10,350円 |
| 要支援2 | 6,972単位 | 約6,972円 | 約13,944円 | 約20,916円 |
| 要介護1 | 10,458単位 | 約10,458円 | 約20,916円 | 約31,374円 |
| 要介護2 | 15,370単位 | 約15,370円 | 約30,740円 | 約46,110円 |
| 要介護3 | 22,359単位 | 約22,359円 | 約44,718円 | 約67,077円 |
| 要介護4 | 24,677単位 | 約24,677円 | 約49,354円 | 約74,031円 |
| 要介護5 | 27,209単位 | 約27,209円 | 約54,418円 | 約81,627円 |
※同一建物(事業所と同じ建物に住む方)は月額が割安に設定されています。
※高額介護サービス費の対象になるため、住民税非課税世帯などは月額自己負担に上限があります(一般世帯で月44,400円)。
介護保険でカバーされない実費
定額制で含まれるのは介護サービス費だけ。下記は別途自己負担になります。
- 食費:通い・宿泊時の食事代。1食500〜800円、1日3食で1,500〜2,400円が目安。
- 宿泊費:泊まりの部屋代。1泊1,000〜3,000円程度(個室か相部屋か、地域によって差あり)。
- おむつ代・日用品費:本人持ち込みか実費購入。
- 娯楽・行事費:イベント参加費など実費。
- 各種加算:認知症加算(800円/月)、訪問体制強化加算(1,000円/月)、看取り連携体制加算等を算定する事業所では別途。
具体例:要介護3で月20日通い・5泊・週2回訪問利用の場合
要介護3の方が、通い20日(朝食・昼食付き)、宿泊5泊(夕食・朝食付き、部屋代2,000円/泊)、訪問週2回を利用したケースを試算します。
- 介護保険1割負担:約22,359円(包括報酬・定額)
- 食費:(通い昼食600円×20日)+(宿泊朝夕食1,200円×5泊)=18,000円
- 宿泊室料:2,000円×5泊=10,000円
- おむつ・日用品:約5,000円
- 合計:約55,000円/月
同じ内容をデイサービス+訪問介護+ショートステイで別々に組むと、自己負担合計はおおむね6〜7万円台になることが多く、利用量が多いほど小多機の定額制が割安になります。逆に月数回しか使わない場合は、個別契約のほうが安いケースもあります。
定額制の難しさは「使わなかった月も満額」という点にあります。月の途中で入院した場合などは、日割りにならないことを理解しておく必要があります。
実費には食費や宿泊費のほか、日常生活費も含まれます。定額部分だけを見ていると、実際の負担を低く見積もってしまいます。
他サービスとの違い・併用ルール|デイサービスとの「独占」関係に注意
小多機を利用するうえで最も誤解されやすいのが「既存のデイサービスやヘルパーと併用できるのか」という点です。原則として、小多機と機能が重なる在宅サービスは併用不可。契約時に従来のサービスをすべて解約することになります。
併用「できない」サービス(同種機能重複)
- 訪問介護(ヘルパー)
- 訪問入浴介護
- 通所介護(デイサービス)
- 通所リハビリ(デイケア)※医師の指示があれば例外的に併用可
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
- 短期入所療養介護(医療型ショート)
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- 夜間対応型訪問介護
- 認知症対応型通所介護
併用「できる」サービス(性質が異なるため)
- 訪問看護(医療系で看護師による医療的ケア)
- 訪問リハビリテーション(医師の指示が必要)
- 居宅療養管理指導(医師・薬剤師・歯科衛生士等の訪問指導)
- 福祉用具貸与・購入(車椅子・介護ベッド等のレンタル)
- 住宅改修(手すり・段差解消などのリフォーム)
看護小規模多機能型居宅介護(看多機)との違い
「看多機(かんたき)」は小多機に訪問看護を組み込んだ上位サービスです。医療的ケア(喀痰吸引、経管栄養、インスリン注射、褥瘡処置、看取り対応など)が必要な方は、看多機を選択肢に入れます。
| 項目 | 小規模多機能型居宅介護(小多機) | 看護小規模多機能型居宅介護(看多機) |
|---|---|---|
| 対象 | 要支援1〜2/要介護1〜5 | 要介護1〜5のみ(要支援は対象外) |
| サービス | 通い・訪問(介護)・宿泊 | 通い・訪問(介護+看護)・宿泊 |
| 医療的ケア | 原則対応不可(看護師配置任意) | 対応可能(看護師常勤配置必須) |
| 月額料金(要介護3・1割) | 約22,359円 | 約25,667円 |
| 事業所数(2024年4月) | 全国約5,700カ所 | 全国約970カ所 |
| こんな方に | 認知症はあるが医療処置は不要 | 医療処置あり・退院直後・終末期 |
デイサービスとの違い(単体サービス比較)
| 項目 | 小多機の「通い」 | 通常のデイサービス |
|---|---|---|
| 利用日の決め方 | 当日・前日でも変更可能 | 原則として曜日固定 |
| 1日の定員 | 15〜18名 | 10〜30名超まで多様 |
| スタッフ | 訪問・宿泊と同じ顔ぶれ | その施設だけのスタッフ |
| 料金体系 | 月額定額(包括) | 1回ごとの加算式 |
| 送迎 | あり(柔軟) | あり(時間固定) |
看護小規模多機能型(看多機)は、小多機に訪問看護を加えたサービスです。医療的ケアが必要な場合は、最初から看多機を検討したほうが話が早くなります。
独占関係は制度上の制約ですが、利用者にとっては「サービスの選択肢が減る」という意味を持ちます。切り替えの前に、いま使っているサービスの終了手続きも確認しておきましょう。
利用開始までの流れ|申し込みから契約まで5ステップ
小多機の利用には「事業所探し→見学→ケアマネ変更→契約→暫定ケアプラン」という独自の流れがあります。デイサービスを単体で増やすときよりも手順が多いため、余裕をもって2〜4週間前から動き始めるのがおすすめです。
STEP 1:要介護認定を受ける(未認定の場合)
市区町村の介護保険課または地域包括支援センターで申請。認定結果が出るまで約30日かかりますが、急ぐ場合は暫定ケアプランでサービスを先行利用できます。
STEP 2:事業所を探す・見学する
担当ケアマネジャー、地域包括支援センター、または介護サービス情報公表システム(厚労省)で住所地の事業所を検索します。登録定員(29名)に空きがあるかが最重要ポイント。空きがなければキャンセル待ちになります。
見学では下記を必ず確認しましょう。
- 登録定員の空き、宿泊室の数(通常2〜9床)と個室・相部屋の割合
- 夜間スタッフの人数(夜勤1名+宿直1名が最低基準)
- 看護師の配置状況(常勤か非常勤か、訪問可能か)
- 送迎エリアと送迎時間帯
- 食事代・宿泊室料・加算の合計目安
- 認知症ケア・看取り対応の方針
STEP 3:ケアマネジャーを事業所専属に変更
これまで居宅介護支援事業所のケアマネが担当していた場合、契約に伴い事業所所属のケアマネに変更します。書類上は前ケアマネとの契約解除届と新ケアマネとの契約締結を同時に行います。担当者が変わるため引き継ぎ書(フェイスシート・サービス利用履歴)を必ず受け取り、新ケアマネに共有しましょう。
STEP 4:契約とアセスメント
事業所と利用契約・重要事項説明書を取り交わし、ケアマネジャーと家族・本人でアセスメント(生活状況の把握)を実施。本人の希望、家族の介護負担状況、医療情報、過去のサービス利用歴を整理して、暫定的なケアプラン(週間スケジュール)を作成します。
STEP 5:暫定ケアプランで利用開始→サービス担当者会議で本プラン確定
利用開始から1〜2週間でサービス担当者会議を開催。主治医、家族、看護師、介護職、ケアマネが集まり、利用状況を踏まえてケアプランを正式に確定します。以降は月1回のモニタリングと、3〜6ヶ月ごとの見直しが基本です。
見学のときは、日中だけでなく夕方の様子も見せてもらうと、夜間の体制がイメージしやすくなります。
利用前に知っておきたい注意点・コツ
1. 住所地特例|住民票が事業所と同じ市区町村にあるか必ず確認
小多機は地域密着型サービスのため、事業所のある市区町村に住民票がある方しか利用できません。同居の家族が別の市町村に引っ越すために本人だけ住民票を移す場合、または病院から退院して別市町村の事業所を希望する場合は要注意。例外として「住所地特例」が適用される一部の入居施設(特定施設入居者生活介護指定の有料老人ホーム等)からは元住所地市町村の事業所を利用できますが、一般の在宅生活では原則として住民票所在地のみです。
2. 同一事業所のケアマネが「囲い込み」になっていないか
小多機ではケアマネジャーが事業所専属のため、構造上「自社サービスに利用を寄せやすい」関係になります。本人にとって本当に小多機が最適か、見学時に他のケアマネ(地域包括支援センター・他事業所)にもセカンドオピニオンを求めることが推奨されます。とくに「医療的ケアが必要なのに看護師がほぼ訪問しない」場合は看多機への切り替えを検討すべきです。
3. 宿泊定員と「予約の取りやすさ」
宿泊定員は9名以下と少なく、人気の事業所では「希望日に泊まれない」ことがあります。契約前に直近3ヶ月の宿泊稼働率を質問するのが安心。また、月の宿泊日数に法令上の上限はないものの、自治体や事業所が「月の半分程度まで」を運営ルールにしているケースもあります。
4. 訪問サービスは「短時間・多頻度」が得意
通常の訪問介護では1回30分以上の枠が基本ですが、小多機の訪問は5分の安否確認・服薬声かけ・10分の排泄介助のような細切れ訪問が可能。「夜中3時にトイレ介助だけ来てほしい」「朝の服薬チェックだけ」というニーズに強いのが特徴です。
5. 30日ルール|宿泊中の訪問診療は事前条件あり
宿泊中に主治医からの訪問診療を受けるには、原則として利用開始前30日以内に在宅で訪問診療を受けていた実績が必要です(令和2年度診療報酬改定)。退院直後の方は例外的にこの条件を免除されますが、終末期や持病管理がある方は事前にケアマネと主治医に確認しましょう。
6. 介護保険外サービスの上乗せも可
「家族不在で平日5日連続で泊まりたい」「定額の範囲を超えて宿泊室にずっと滞在したい」というニーズには、自費のロングステイ・宿泊延長を扱う事業所もあります(1日5,000〜10,000円目安)。包括報酬の範囲を超えるため事業所と費用を確認してください。
複数の事業所を比較するときは、同じ条件で質問するのがコツです。質問項目を紙に書いて持っていくと、比較がぶれません。
小多機は「使いこなす」より「頼りすぎない」ほうが長続きします。定額だからと詰め込みすぎると、本人も家族も疲れてしまいます。
よくある質問(FAQ)
Q. 小規模多機能型居宅介護は何泊まで宿泊できますか?
A. 法令上の上限日数はありません。家族の急用や本人の体調変化に応じて、連続宿泊や月の半分以上の宿泊も可能です。ただし宿泊定員(1日9名以下)の枠内になるため、希望日に泊まれない可能性はあります。事業所によっては運営方針で「月15日まで」など独自ルールを設けているところもあります。
Q. 今のデイサービスや訪問介護を続けながら、小多機も併用できますか?
A. 原則できません。小多機を契約すると、訪問介護・デイサービス・ショートステイなど機能が重なる在宅サービスはすべて解約となります。一方で、訪問看護・訪問リハビリ・福祉用具レンタル・住宅改修は併用可能です。
Q. ケアマネジャーは必ず変えないといけませんか?
A. はい、必須です。小多機を利用する間は、事業所所属の介護支援専門員(ケアマネ)が担当します。これまでの居宅介護支援事業所のケアマネとは契約終了になります。引き継ぎをスムーズにするため、書類の引き渡しは依頼しましょう。
Q. 月の利用回数が少ない月でも、月額料金は満額払うのですか?
A. はい、月額包括報酬のため定額です。月初に契約があれば、月途中で入退院などで利用がなくても満額請求されます。ただし入院などで連続して数日以上利用できなかった場合、日割り精算する事業所もあるので契約時に確認しましょう。
Q. 認知症があっても利用できますか?
A. 利用できます。むしろ認知症の方に対応するために設計された側面が強く、「顔なじみのスタッフ・場所・スケジュール」を保ちやすいのが特徴です。BPSD(行動・心理症状)が強い方や、夜間徘徊・帰宅願望のある方の在宅生活継続を支える役割を担っています。認知症加算(800円/月)を算定する事業所が大半です。
Q. 住んでいる市町村に事業所がない場合は?
A. 残念ながら利用できません。事業所がある市町村に住民票がある方しか登録できないルールのためです(介護サービス情報公表システムで検索可能)。事業所がない地域では、近隣市町村との連携協定や、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、看多機などの代替サービスを検討してください。
Q. 看護小規模多機能型居宅介護(看多機)とどちらを選べばいいですか?
A. 医療的ケア(喀痰吸引・経管栄養・インスリン注射・人工肛門管理・褥瘡処置・終末期看取り等)が必要なら看多機、認知症はあるが医療処置は不要なら小多機が目安です。要介護2以下で日中だけ短時間の見守りが欲しい程度であれば、デイサービス+訪問介護の組み合わせのほうが安く済むこともあります。
よくある質問は、制度の細部に踏み込むものが多くなっています。判断に迷ったときは、自己判断で決めずにケアマネジャーに確認するのが確実です。
料金の計算は複雑に見えますが、要介護度と負担割合が決まれば一律です。最初に自分の月額を把握しておくと、家計の見通しが立てやすくなります。
参考文献・出典
- [1]
- [2]厚生労働省 介護分野の政策・制度情報(ポータル)- 厚生労働省
- [3]
- [4]福祉医療機構(WAM)- 福祉医療機構
- [5]厚生労働省 介護分野の政策・制度情報(ポータル)- 厚生労働省
まとめ|小多機は「在宅介護の限界」を伸ばす切り札
小規模多機能型居宅介護は、「通い」「訪問」「宿泊」をひとつの事業所で、顔なじみの関係を保ったまま組み合わせる地域密着型サービスです。月額包括報酬で、本人の体調や家族の都合に応じて利用量を柔軟に変えられる仕組みは、とくに次のようなご家族に有効です。
認知症が進み、デイの曜日が決まっていると環境変化に対応しきれない方。家族(介護者)が共倒れ寸前で、急な泊まりに対応してほしいご家族。退院直後で在宅生活に不安があり、24時間相談できる窓口がほしい方。ショートステイの予約が取れずに介護休業ギリギリのご家族です。
一方で、デイサービスや訪問介護を続けながら併用することはできず、ケアマネジャーも事業所専属に変更する必要があります。住民票が事業所と同じ市区町村にあること、医療的ケアが必要なら看多機を検討すべきこと、宿泊定員9名以下で「希望日に泊まれない」可能性があること。これらの独自ルールを理解したうえで選ぶのが大切です。
利用検討の最初のステップは、担当ケアマネジャーまたは地域包括支援センターへの相談です。事業所見学では空き状況・夜間体制・看護師配置・送迎エリアを必ず確認し、複数事業所を比較したうえで契約に進みましょう。在宅介護を続けるご家族にとって、小多機は「特養に入るまでの数年間」を支える強い味方になります。
小多機が向くかどうかは、家族の介護体制と本人の状態変化のスピードで決まります。変化が速い家庭ほど、柔軟に組み替えられる仕組みが効きます。
まずは担当ケアマネジャーに「小多機を検討したい」と伝えるところから始めてください。制度の細部は、その後の相談で詰めていけます。
監修者
介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム
医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)
訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。
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