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過疎地の介護維持へ「特定地域」新スキーム閣議決定|人員基準緩和・訪問介護への定額報酬導入【2026年4月】

過疎地の介護維持へ「特定地域」新スキーム閣議決定|人員基準緩和・訪問介護への定額報酬導入【2026年4月】

政府は2026年4月3日、介護保険法改正案で過疎地の介護を維持する新スキーム「特定地域」の創設を閣議決定。人員基準緩和、訪問介護への定額報酬導入の詳細と、転職市場・現場への影響を最新情報で解説します。

ポイント

この記事の結論

この記事の結論(2026年4月時点の最新情報)

2026年4月3日、政府は介護保険法などの改正案を閣議決定し、過疎地の介護体制を維持するための新スキーム「特定地域サービス」の創設を盛り込みました。中山間地域や人口減少地域では、介護ニーズの縮小と担い手不足が同時に進行しており、既存の全国一律ルールでは事業継続が難しくなっていることが背景にあります。今回の改正案の要点は次の3つに整理できます。

  • 人員配置基準の緩和:特定地域に指定された事業所・施設では、管理者の常勤・専従要件、専門職の配置基準、夜勤要件などが例外的に緩和されます。
  • 訪問介護への定額(包括)報酬の導入:現行の出来高払いに加え、月単位で安定収入が見込める包括評価を選択できるようにし、利用頻度の低い過疎地の利用者も受け入れやすくします。
  • 市町村による直接サービス提供:特定地域では市町村自らが訪問介護・通所介護などを実施できる「特定地域居宅サービス等事業」も創設され、民間事業者が撤退した地域でも公的にサービスを維持できる枠組みが整います。

施行は2027年度からで、詳細は2027年度の介護報酬改定で詰められる予定です。転職希望者にとっては、地方の介護職求人の条件や働き方が大きく変わる可能性があり、動向を早めに把握しておくことが重要です。本記事では厚労省・介護ニュースJointなどの一次情報を基に、制度の全体像と現場・転職市場への影響を詳しく解説します。

「特定地域」新スキームとは何か|閣議決定された介護保険法改正案の概要

2026年4月3日、政府は通常国会に提出する介護保険法・老人福祉法などの改正案を閣議決定しました。改正案の柱の一つが、過疎地・中山間地域における介護サービス提供体制を維持するための新スキーム「特定地域サービス」の創設です(介護ニュースJoint 2026年4月6日)。

「特例介護サービス」の新類型として創設

現行の介護保険制度には、基準該当サービスや離島相当サービスといった「特例介護サービス」の枠組みがあり、全国一律ルールの例外として地域の実情に合わせたサービス提供を認めています。今回の改正案では、その特例の中に新たな類型として「特定地域サービス」を位置づけます。国が一定の基準を示しつつ、都道府県が市町村の意向を聞きながら対象となる「特定地域」を指定する仕組みです。

対象となる地域のイメージ

対象として想定されるのは、介護ニーズの縮小と担い手不足が顕著に進む中山間地域・離島・人口減少地域です。これまでも「特別地域加算」「中山間地域等における小規模事業所加算」などで地方の事業所を支援してきましたが、加算だけでは経営維持が難しくなってきており、ルール自体を緩める方向に踏み込むのが今回の特徴です。

市町村が直接サービスを実施できる異例の仕組み

さらに注目すべきは、特定地域に所在する市町村が、自ら訪問介護・訪問入浴介護・通所介護・短期入所生活介護などの居宅サービスを実施できる「特定地域居宅サービス等事業」も新設される点です。民間事業者が撤退した地域でも、市町村が直接の担い手となってサービスを維持できる、介護保険制度の歴史上きわめて異例の仕組みといえます(ケアマネタイムス 2026年4月6日)。

施行は2027年度、詳細は介護報酬改定で

改正案では2027年度からの施行が予定されており、人員基準の緩和幅や定額報酬の水準、対象地域の指定基準などの具体像は、2027年度の介護報酬改定や厚労省通知で明らかにされる見通しです。つまり2026年度中は、厚労省の社会保障審議会・介護給付費分科会での議論を注視する必要があります。

データで見る過疎地の介護崩壊リスク|なぜ新スキームが必要になったのか

今回の特定地域スキームは「理念」ではなく「危機対応」として設計されています。地方の介護現場がどの程度追い込まれているのか、公的データを確認してみましょう。

介護事業者の倒産が2年連続で過去最多

東京商工リサーチの調査によると、2025年の介護事業者の倒産件数は176件で、前年の172件を上回り2年連続の過去最多を更新しました(東京商工リサーチ「2025年介護事業者倒産調査」)。特に訪問介護の倒産が突出しており、2024年・2025年と連続で最多業種となっています。さらに、倒産に至らず自主的に事業をたたむ「休廃業・解散」も2025年は653件と過去最多を更新しました(東京商工リサーチ 休廃業・解散調査)。倒産と休廃業を合計すると、年間800件超の介護事業所が地域から姿を消している計算になります。

訪問介護の休止・廃止も前年比で増加

厚生労働省の調査では、2024年6月〜8月の3か月間で、全国の訪問介護事業所のうち166件が休止、397件が廃止となり、前年同期比で約1割増加しました。特に利用者数が月20人以下の小規模事業所ほど廃止率が高い傾向が確認されており、過疎地の担い手不足を裏付けています。

中山間地域の介護人材確保は半数以上が「困難」

厚労省の自治体調査では、中山間地域全域を抱える自治体のうち半数以上が、介護人材を「あまり確保できなかった」「確保できなかった」と回答しています。全国ベースでも2040年には介護職員が約57万人不足する見通し(第9期介護保険事業計画に基づく推計)であり、人口減少が先行する地方ほど先に限界を迎えます。

「介護難民」のリスクが現実化

これらのデータが示すのは、単なる経営問題ではなく「利用者がサービスを受けられなくなる」リスクです。訪問介護事業所が1か所撤退するだけで、半径十数kmの高齢者がケアを失うケースも地方では珍しくありません。全国一律ルールを維持したままでは、過疎地の介護基盤は崩壊寸前というのが、今回の特定地域スキーム創設の出発点です。

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背景|なぜ「特定地域」という枠組みが必要なのか

介護保険制度は2000年の創設以来、原則として「全国一律のルール」で運用されてきました。しかし人口動態の地域差が拡大するにつれ、このモデルが地方で機能しなくなってきています。ここでは新スキームが必要になった構造的な背景を整理します。

1. 全国一律基準と地域実情の乖離

現行の人員配置基準は、一定の利用者数・職員数を前提に設計されています。例えば訪問介護事業所ではサービス提供責任者の配置数や常勤換算要件が定められており、都市部では合理的でも、利用者が月数人しかいない過疎地では「基準を満たすための人件費」が経営を圧迫します。厚労省はこれまで中山間地域等加算や特別地域加算で対応してきましたが、加算の上乗せでは吸収しきれない水準まで採算が悪化しているのが現状です。

2. 介護ニーズの縮小と担い手不足の同時進行

地方では高齢化率は高いものの、総人口の減少によって要介護認定者の実数が頭打ち、もしくは減少に転じる自治体が増えています。一方で現役世代の流出により担い手は急減しており、「利用者が少ないのにスタッフも集まらない」という二重苦が発生しています。こうした地域では、都市部と同じ人員基準を維持することがむしろサービス提供の障壁になります。

3. 出来高払いが過疎地の経営を不安定化させる

訪問介護は原則として提供した回数に応じて報酬が支払われる出来高払いですが、利用者が少ない過疎地では月々の収入が大きく変動し、経営の予見性が立ちにくい構造です。担い手(ヘルパー)を常時雇用することもリスクとなり、結果的に求人を絞らざるを得ず、人材確保がますます難しくなる悪循環に陥っていました。

4. 市町村の当事者意識の高まり

近年、介護保険者である市町村の中には「民間任せでは地域の介護は守れない」として、自ら事業者を支援・運営する動きが出ています。今回の改正案で市町村が直接サービスを実施できる仕組みが盛り込まれたのは、こうした現場からの要請を制度化した側面もあります。介護ニュースJointも「介護保険は全国一律から地域最適へ」と位置づけ、今回の改正を構造転換の幕開けと評しています(介護ニュースJoint「全国一律から地域最適へ」)。

つまり「特定地域」は、全国一律の介護保険を地域最適型へ再設計する最初のステップとして位置づけられるのです。

人員基準緩和の5つのポイント|特定地域で何が変わるのか

閣議決定された改正案と、先行して議論されてきた厚労省案(介護ニュースJoint 既存特例の拡張)を総合すると、特定地域で認められる人員基準緩和は大きく5つに整理できます。

ポイント1|管理者の「常勤・専従」要件の緩和

現行制度では、訪問介護や通所介護の管理者は原則として常勤・専従であることが求められています。特定地域では、利用者数や事業規模を踏まえて他事業所との兼務や非常勤での管理が認められる方向です。小規模な事業所でも管理コストを抑えて存続できるようになります。

ポイント2|専門職の配置基準の弾力化

看護職員やサービス提供責任者など、専門職の配置基準も弾力化の対象です。例えば訪問介護のサービス提供責任者は利用者40人ごとに1人の配置が原則ですが、特定地域では地域の実情に応じて1人あたりの担当利用者上限を引き上げる、あるいは近隣事業所との兼務を認めるなどの運用が検討されています。

ポイント3|夜勤配置要件の緩和

特別養護老人ホームや短期入所生活介護などの入所系サービスでは夜勤職員配置基準があり、ユニット型では2ユニットにつき1人以上の夜勤職員が必要です。特定地域では、ICT見守り機器や他施設との連携体制を条件に、夜勤配置数の緩和が認められる可能性があります。

ポイント4|複数サービスの一体運営(多機能化)

通所介護・訪問介護・短期入所などを同一の事業所・同一の職員で一体的に提供する「多機能化」が認められます。これまで認知症対応型共同生活介護や小規模多機能型で限定的に認められていた仕組みを、特定地域ではより広範なサービスに拡大するイメージです。1人の職員が複数のサービスを担うことで、担い手不足を吸収します。

ポイント5|市町村による直接実施・委託

最後に、民間事業者が撤退した地域では市町村が自ら「特定地域居宅サービス等事業」として介護サービスを実施できるようになります。市町村は社会福祉協議会やシルバー人材センター、地元NPOなどに委託することも可能で、公的セーフティネットとして機能します。これにより、採算が取れないという理由だけで地域から介護サービスが消えることを防ぎます。

これら5つの緩和は「サービスの質を下げる規制緩和」ではなく、「地域の実情に合わせた最適化」として設計されている点が重要です。厚労省は安全性・ケア品質を担保するため、ICT活用やモニタリング体制の義務づけを並行して検討しています。

現行制度と特定地域スキームの比較|何がどう変わるのか

「現行の中山間地域等加算・特別地域加算と何が違うのか?」という疑問は多く聞かれます。ここでは主要な論点について、現行制度と特定地域スキーム(2027年度施行予定)の違いを整理します。

比較表|制度設計の違い

項目現行制度(〜2026年度)特定地域スキーム(2027年度〜)
対象地域の指定厚労省が定めた過疎地域・離島・豪雪地帯等に自動適用都道府県が市町村の意向を聞いて「特定地域」を個別指定
支援の方向性加算による報酬上乗せ(特別地域加算15%等)人員基準そのものの緩和+定額報酬+市町村直接実施
管理者の常勤・専従原則として常勤・専従が必要兼務・非常勤での管理を容認
訪問介護の報酬体系出来高払いのみ出来高払い/定額(包括)報酬の選択制
サービス一体化小規模多機能など限定的訪問・通所・短期入所の多機能運営を広範に容認
市町村の役割保険者として給付・指導監査直接サービス実施も可能(特定地域居宅サービス等事業)
安全性担保人員配置数による担保ICT・見守り機器・連携体制による担保

「加算型支援」から「ルール緩和型支援」へ

最大の違いは支援の考え方です。現行の中山間地域等における小規模事業所加算や特別地域加算は、ルールは全国一律のまま、お金を上乗せして支える発想でした。一方、特定地域スキームはルールそのものを地域仕様に作り変える発想への転換です。これにより、加算があっても人が集まらない・管理者を置けないといった構造問題に直接対処できるようになります。

民間中心から「民間+公的」の二層構造へ

もう一つの転換点は、介護サービスの担い手構造です。介護保険制度は民間事業者の参入を前提に設計されてきましたが、過疎地ではその前提が崩れつつあります。特定地域スキームでは、民間が担える地域は民間が、担えない地域は市町村が直接担う二層構造が明確になります。これは介護保険25年の歴史で初めての大きな構造変更といえ、今後の制度議論の出発点になる可能性があります。

訪問介護への定額報酬導入の仕組み|「月単位の包括評価」で何が変わる

特定地域スキームのもう一つの柱が、訪問介護への定額(包括)報酬の導入です。この仕組みは現場・転職市場双方に大きな影響を与える可能性があるため、詳しく解説します。

現行の出来高払いの課題

訪問介護は現在、身体介護・生活援助の区分ごとに、提供した回数・時間に応じて報酬が支払われる出来高払い方式です。この方式は「働いた分だけ報酬が入る」というメリットがある一方で、利用者が少ない過疎地では月々の収入が極端に変動します。例えば、常連利用者が入院しただけで売上が半減するケースもあり、ヘルパーを常時雇用する余力が持てない事業所が増えていました。

定額(包括)報酬の導入イメージ

厚労省が検討する包括評価は、訪問回数ではなく担当する利用者数や地域の登録者数を基準に、月単位で定額の報酬を事業所に支払う仕組みです(日本経済新聞 2025年11月11日)。出来高払いと選択制となる見込みで、事業所が自らの経営環境に応じて有利な方式を選べます。月単位で安定収入が見込めるため、常勤ヘルパーの雇用・シフト設計・計画的な人材育成がしやすくなります。

「利用頻度の低い利用者」も受け入れやすくなる

出来高払いでは、週1回しか利用しない利用者を受け入れるほど1訪問あたりの移動コストが重くのしかかります。定額報酬ではこの心配が薄れるため、事業所は利用頻度の低い高齢者も積極的に受け入れられるようになります。実質的に「担当制」「エリア制」に近い運用が可能になり、過疎地で取り残されがちな独居高齢者のケアが充実することが期待されます。

ヘルパーの働き方・求人への影響

定額報酬の導入は、ヘルパーの働き方にも波及します。出来高払いを前提とした登録ヘルパー中心の雇用から、月給制の常勤ヘルパーへのシフトが進む可能性があります。転職希望者にとっては、地方でも月給制・社会保険完備の求人が増えるメリットが期待できる一方、一人当たりの担当エリアが広がることで移動負担が増すリスクもあります。今後の介護報酬改定で、定額報酬の単価水準や移動時間の評価方法がどう設計されるかが、地方の介護職の労働条件を大きく左右します。

包括ケア時代の「地域担当制」への布石

定額報酬は単なる経営安定策ではなく、国が長く目指してきた地域包括ケア・地域担当制への実務的な布石とも言えます。訪問介護をエリア単位で評価する仕組みが整えば、医療・介護・生活支援の一体提供と相性が良く、中長期的には都市部の訪問介護のあり方にも影響を及ぼす可能性があります。

過疎地「特定地域」スキームに関するよくある質問

過疎地「特定地域」スキームに関するよくある質問

Q1. 「特定地域」はどの自治体が対象になりますか?

2026年4月時点では具体的な指定基準は公表されていません。改正案によれば、国が一定の基準(人口減少率、高齢化率、要介護認定者数、事業所撤退状況など)を示したうえで、都道府県が市町村の意向を聞いて指定する仕組みです。中山間地域・離島・豪雪地帯などを抱える自治体が中心となる見通しで、具体的な指定リストは2027年度の施行時期までに厚労省が公表する予定です。

Q2. 人員基準が緩和されると、ケアの質は下がりませんか?

厚生労働省は「サービスの質を下げる規制緩和ではなく、地域の実情に合わせた最適化」と位置づけています。ICT見守り機器・介護ロボット・他事業所との連携体制などで安全性を担保する条件付きで緩和を認める設計のため、無条件の引き下げではありません。むしろ、現行ルールでは「人を集められず事業継続不能」となっていた地域でサービスを維持できる効果のほうが大きいとされています。

Q3. 訪問介護の定額報酬は全国で導入されますか?

当面は特定地域に限定して試験的に導入される見込みです。出来高払いとの選択制で、事業所が経営環境に応じて選べる仕組みになります。導入効果が確認されれば、将来的には地域包括ケアと連動した全国展開の議論につながる可能性もありますが、2027年度時点では特定地域のみの適用となる見通しです。

Q4. 市町村が直接介護サービスを提供することは可能なのですか?

はい、改正案では特定地域に限り、市町村が「特定地域居宅サービス等事業」として訪問介護・通所介護・短期入所などを直接実施できる仕組みが盛り込まれました。これは介護保険制度創設以来初めての構造的な変更で、民間事業者が撤退した地域でも公的にサービスを維持できるセーフティネット機能を担います。市町村は社会福祉協議会・シルバー人材センター・地元NPOへの委託も可能です。

Q5. 都市部の介護転職市場には影響しますか?

短期的な直接影響は限定的ですが、中長期的には都市部にも波及する可能性があります。定額報酬や多機能化は地域包括ケアの実務的な布石となっており、訪問介護の評価方法・働き方・雇用形態の変化が将来的に都市部にも広がるシナリオが考えられます。地方の介護職を目指す人にとっては、月給制・社会保険完備の常勤求人が増える追い風となる可能性があります。

Q6. 介護職の働き方はどう変わりますか?

定額報酬と多機能化が進めば、登録ヘルパー中心の働き方から常勤・月給制・地域担当制への移行が進む見通しです。1人の職員が訪問・通所・短期入所など複数サービスを担う「マルチプレーヤー型」の働き方が増え、研修・スキル習得の機会も拡大します。一方で担当エリアが広がることによる移動負担増もあり、報酬改定での移動時間評価が労働条件を左右する重要な論点になります。

まとめ|「特定地域」スキームは介護保険25年の構造転換の出発点

2026年4月3日に閣議決定された介護保険法改正案で創設される「特定地域」スキームは、過疎地・中山間地域・離島で介護崩壊リスクが現実化するなかで、全国一律ルールから地域最適型ルールへと介護保険制度を再設計する歴史的な転換点です。人員基準の緩和、訪問介護への定額報酬導入、市町村による直接サービス実施という3本柱は、これまでの加算による上乗せ支援とは根本的に発想が異なります。

背景には、2025年に介護事業者の倒産が176件と2年連続で過去最多を更新し、休廃業・解散も653件に達したという深刻な実態があります(東京商工リサーチ)。中山間地域全域を抱える自治体の半数以上が介護人材を「確保できなかった」と回答しており、ルールを緩めない限り地方の介護基盤は維持できないところまで追い込まれていました。

転職希望者にとっては、定額報酬制への移行で地方でも常勤・月給制・社会保険完備のヘルパー求人が増える可能性があり、追い風となる側面があります。一方で1人当たりの担当エリアが広がることによる移動負担増、多機能化による業務範囲の拡大などのリスクもあるため、2027年度の介護報酬改定で具体的な単価設計や移動時間評価がどう決まるかを注視する必要があります。

施行は2027年度からで、詳細は社会保障審議会・介護給付費分科会で議論が続きます。地方の介護現場で働く人、地方移住を視野に入れて介護転職を考える人は、厚生労働省の通知や介護ニュースJointなど一次情報に継続的にアクセスし、自分の働き方にどう影響するかを早めに把握することをおすすめします。本サイトでも続報を随時更新していきます。

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公開日: 2026年4月9日最終更新: 2026年4月9日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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