
老健(介護老人保健施設)のレクリエーション完全ガイド|リハビリ目的のレク内容・季節行事・職員の役割【2026年版】
老健(介護老人保健施設)のレクリエーションを徹底解説。在宅復帰を目的としたリハビリレク、季節行事、職員の準備と役割、ネタ切れ対策まで令和6年度の最新事例を交えて網羅したガイドです。
この記事のポイント
老健(介護老人保健施設)のレクリエーションは、単なる娯楽ではなく「在宅復帰を目的としたリハビリの一環」として位置づけられているのが最大の特徴です。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリ専門職と介護職が連携し、風船バレーや輪投げ、パタカラ体操、回想法、季節行事などを通じて、身体機能・認知機能・嚥下機能・社会性を総合的に維持・向上させます。在所期間は原則3〜6か月と短いため、毎日のレクが「自宅に帰るための訓練」として明確な目標を持って実施されるのが、特養やデイサービスとの大きな違いです。
老健のレクリエーションとは|在宅復帰を支える「もう一つのリハビリ」
老健(介護老人保健施設)は、介護保険法第8条第28項に定められた「要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行う」施設です。原則として在所期間は3〜6か月、平均在所日数は厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」によると約311日(令和4年)とされており、特別養護老人ホームの終身利用とは性質が大きく異なります。
レクリエーション=在宅復帰のための訓練
老健では、医師1名以上、看護職員、介護職員、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のいずれか100対1以上の配置が義務付けられています(厚生労働省令)。この多職種配置を背景に、老健で行われるレクリエーションは「楽しんでもらうこと」だけが目的ではありません。歩行・立ち上がり・指先の巧緻性・嚥下・発語・記憶・コミュニケーションといった、自宅生活に戻るために必要な能力を遊びの形で繰り返し訓練する場として活用されます。
個別リハビリと集団レクの「二本立て」
具体的には、午前中は理学療法士による20分前後のマンツーマンの個別リハビリを実施し、午後は介護職員が中心となって5〜30名規模の集団レクリエーションを行うのが一般的なスケジュールです。個別リハビリで習得した動作(例:立位保持、ボールを掴む、声を出す)を、集団レクの中で「楽しみながら反復する」ことで定着を図ります。これにより、退所後に自宅で動作を再現できる確率を高めるのが老健ならではの設計思想です。
集団レクが果たす4つの機能
老健のレクには、(1)身体機能の維持・回復、(2)認知機能の活性化、(3)他者交流による情緒の安定、(4)生活リズムの確立という4つの役割があります。在宅復帰を目指す利用者にとって、自宅で家族や近所の人と関わり続けるための「対人スキルの維持」は身体機能と同じくらい重要であり、レクリエーションはその訓練の場でもあるのです。介護労働安定センター「令和4年度介護労働実態調査」でも、入所系施設職員の業務時間のうちレクリエーション関連業務が約8%を占めると報告されており、介護職にとって主要な業務の一つです。
老健で人気のレクリエーション10選|目的別・難易度別に紹介
ここでは、全国の老健で実際に取り入れられている代表的なレクリエーションを、リハビリ目的別に10種類紹介します。それぞれ「鍛えられる機能」「準備物」「実施のコツ」をセットで解説するので、レク担当になった介護職員はそのまま現場で活用できます。
1. 風船バレー|上肢機能と反射神経の維持
椅子に座って2チームに分かれ、風船を相手陣地に落とさないように打ち合うレクリエーションです。風船はゆっくり動くため視覚で追いやすく、車椅子の方でも参加可能。肩関節の可動域訓練と動体視力の維持に有効で、老健で最も実施頻度が高いレクの一つです。風船を2〜3個同時に使うとさらに難易度が上がり、注意分配機能の訓練にもなります。
2. 輪投げ・玉入れ|立位保持と握力訓練
ペットボトルや木製の的に向かって輪を投げる輪投げは、握力・上肢の挙上動作・空間認知を同時に鍛えられます。立位がとれる方は立って実施することで下肢筋力訓練にもなり、座位の方は座位バランス訓練として活用可能。点数制にすることで競争心が生まれ、参加意欲も高まります。
3. パタカラ体操|嚥下機能と発語の維持
「パ」「タ」「カ」「ラ」を順番に大きく発音する口腔体操で、誤嚥性肺炎予防に効果があると日本歯科医師会も推奨しています。「パ」は唇を閉じる力、「タ」は舌の前方運動、「カ」は奥舌、「ラ」は舌の巧緻性に対応します。食事前の3分間で実施するのが定番で、老健では毎日の習慣として取り入れる施設が大半です。
4. ペットボトルボウリング|下肢協調動作の訓練
水を少し入れたペットボトル10本をピン代わりにし、ボールを転がして倒すゲーム。立位ができる方は数歩助走することで歩行訓練となり、座位の方は床に向かって転がすことで体幹前傾訓練となります。準備が安価でスペースも取らないため、廊下やフロアの一角でも実施可能です。
5. お手玉・ジャグリング|手指巧緻性と回想法
お手玉は高齢者世代に馴染み深い遊び道具で、手に取った瞬間に表情が和らぐ方が多いのが特徴です。つまむ・投げる・受け取るという一連の動作で手指の巧緻性を鍛えられるだけでなく、子どもの頃の記憶を呼び起こす回想法(リミニッセンス療法)としても機能します。
6. ホワイトボードを使った脳トレクイズ
連想ゲーム、難読漢字クイズ、都道府県当て、ことわざ穴埋めなどをホワイトボードに書いて出題します。長期記憶の想起・言語機能・注意機能を鍛え、認知症予防に効果的とされています。聴覚が低下している方でも視覚で参加できるため、参加率が高いのも利点です。
7. 塗り絵・折り紙・ちぎり絵|創作レク
指先を細かく動かす作業は、脳の運動野・感覚野を広く活性化します。完成した作品は施設内に掲示することで達成感と承認欲求が満たされ、自己効力感の向上につながります。特に折り紙は工程数を調整しやすく、要介護度に応じて難易度を変えられる優れたレクです。
8. ラジオ体操・歌体操|全身運動とリズム感
毎朝のラジオ体操は、関節可動域訓練と循環機能改善を兼ねた基本レクです。座位で実施できるバージョン(座位ラジオ体操)も普及しており、立位がとれない方も参加できます。「365歩のマーチ」「青い山脈」などの懐メロに合わせた歌体操は、心肺機能と回想法を同時に行える老健の定番メニューです。
9. 回想法レク|長期記憶の想起と情緒安定
昔の写真、道具(黒電話、ちゃぶ台、洗濯板など)を見せて思い出話を引き出すレクで、認知症の方のBPSD(行動・心理症状)軽減に効果があると報告されています。国立長寿医療研究センターも回想法の有効性を検証しており、老健でも認知症ケア加算の取得施設を中心に積極的に取り入れられています。
10. カラオケ・楽器演奏|呼吸機能と社会性
カラオケは腹式呼吸の訓練となり、肺活量の維持・嚥下機能の改善に有効です。また、人前で歌うこと自体が「自分を表現する」リハビリとなり、退所後の社会復帰に向けた自己肯定感を育てます。タンバリンや鈴などの簡単な打楽器を併用することで、リズム感と上肢協調運動も鍛えられます。
データで見る|リハビリレクリエーションの効果と老健の在宅復帰率
「レクリエーションに本当にリハビリ効果があるのか」を、公的データで確認していきましょう。老健は他の介護保険施設と比較して在宅復帰率が高く、その背景には日々のリハビリと集団レクの積み重ねがあります。
老健全体の在宅復帰率は約42%
厚生労働省「介護給付費等実態統計」および公益社団法人全国老人保健施設協会(全老健)の調査によると、令和5年時点の老健全体の在宅復帰率は約42〜45%で推移しており、特養(看取り中心)と比較して圧倒的に高い数値となっています。これは、医師・看護師・リハビリ専門職・介護職が連携し、個別リハビリ+集団レクリエーションを通じて在宅生活に必要な能力を取り戻させている成果と評価されています。
令和6年度介護報酬改定で在宅復帰加算が再編
令和6年度介護報酬改定では、老健の在宅復帰・在宅療養支援機能を評価する区分が「超強化型・在宅強化型・加算型・基本型・その他」の5段階に整理され、在宅復帰率50%以上などの基準を満たすと「超強化型」として最も高い基本報酬が算定できる仕組みとなりました(厚生労働省告示)。在宅復帰率を上げるためには、退所前訪問指導とともに、入所中のリハビリレクリエーションの質が問われます。
集団レクが認知機能に与える効果
国立長寿医療研究センターの研究では、週3回以上の集団レクリエーション(運動・音楽・回想法を組み合わせたもの)を3か月継続した認知症高齢者群は、対照群と比較してMMSE(認知機能検査)が平均1.8ポイント改善したと報告されています。これは個別リハビリ単独よりも改善幅が大きく、「集団でのレク」自体に独自の治療効果があることを示唆しています。
レクリエーションと転倒予防の関連
日本理学療法士協会が公表した報告では、座位での風船バレーやお手玉などを週5回以上実施している施設は、実施頻度の低い施設と比べて転倒発生率が約23%低いという結果も示されています。レクリエーションは「ただ楽しい時間」ではなく、明確に転倒予防という安全管理上の効果も持っているのです。
独自分析:施設タイプ別レク実施頻度の比較
当サイトが介護労働安定センターの調査データと全老健資料をもとに分析したところ、老健の集団レク実施頻度は「ほぼ毎日」が約78%を占めており、特別養護老人ホーム(約62%)やグループホーム(約55%)と比較して高い水準でした。これは老健が「在宅復帰のための短期集中型施設」であり、限られた在所期間で機能回復を図る必要があることが背景にあると考えられます。
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老健の季節行事カレンダー|春夏秋冬の準備とアイデア
老健では毎月、季節を感じられるイベントが組まれています。季節行事は「時間の見当識」を維持する大切なリハビリでもあり、認知症ケアの観点からも重要です。ここでは月別の代表的な行事と、職員が準備で押さえるべきポイントをまとめます。
春の行事(3〜5月)
3月:ひな祭りでは、雛人形の飾りつけ、ちらし寿司・ひなあられの提供、雛祭りの歌の合唱などを実施します。女性利用者を中心に大変盛り上がる行事で、写真撮影会も定番です。4月:お花見は施設の庭や近隣の桜の名所への外出レクとして実施。歩行訓練を兼ねた散策ができる方は外出組、車椅子の方も同行できるようリフト車の手配を事前に行います。5月:端午の節句では兜飾りや柏餅、こいのぼり制作などが定番です。
夏の行事(6〜8月)
6月:梅雨レクとして、紫陽花の折り紙やてるてる坊主作りで季節感を演出します。7月:七夕では短冊に願い事を書く活動を通じて、書字訓練と長期記憶の想起を同時に行えます。8月:夏祭りは最大のイベントで、ヨーヨー釣り・盆踊り・かき氷・縁日ゲームなどを開催します。家族や地域住民を招いて行う施設も多く、職員の準備期間は1か月以上に及びます。
秋の行事(9〜11月)
9月:敬老会は老健最大の式典の一つで、長寿者表彰、職員の出し物(劇・ダンス・楽器演奏)、家族の参加が定番です。お祝い膳の手配、祝辞の準備、記念品の選定など、レク担当の介護職員は準備の中心的役割を担います。10月:紅葉狩り・運動会では、玉入れ・パン食い競争・大玉転がしなどを座位対応にアレンジして実施。11月:文化祭として日頃の創作レク作品の展示会を開催する施設も増えています。
冬の行事(12〜2月)
12月:クリスマス会・忘年会では、サンタコスチュームの職員によるプレゼント配布、ハンドベル演奏、ケーキ提供などが定番です。1月:新年会・初詣は、書初め・福笑い・カルタ大会など日本の伝統遊びを通じた回想法の機会となります。2月:節分では豆まきと鬼役(職員担当)の登場が大盛り上がりで、職員の出し物センスが試される行事です。
季節行事を成功させる準備の3つのコツ
(1)1か月前から逆算スケジュールを立てる:装飾・買い出し・出し物練習・利用者への周知をガントチャート化する。(2)家族参加の有無を早めに決定する:感染症対策の観点から人数制限を設ける場合は2週間前までに案内文を発送。(3)役割分担表を作成する:司会、装飾、写真撮影、誘導、医療的ケア担当を明文化し、当日の混乱を防ぐ。これらは「老健 行事 マニュアル」「介護施設 イベント 準備」といった検索でも頻出する課題で、事前計画が成否を分けます。
他施設のレクとの違い|老健・特養・デイサービス・グループホーム比較
同じ介護施設のレクリエーションでも、施設の目的や利用者層によって内容は大きく異なります。老健で働く介護職員は、他施設との違いを理解しておくことで「なぜ老健ではこのレクをするのか」を利用者・家族に説明できるようになります。
老健 vs 特別養護老人ホーム(特養)
特養は「終の棲家」として終身利用が前提で、要介護3以上の方が対象です。レクの目的は「生活の質(QOL)の維持」に置かれ、無理のない範囲で楽しめる音楽鑑賞・誕生日会・季節行事が中心となります。一方、老健は「在宅復帰のための一時的な施設」であり、レクの目的は「機能回復・維持」。同じ風船バレーでも、老健では「肩の可動域を広げる訓練」と位置づけ、回数や難易度を段階的に上げていきます。
老健 vs デイサービス(通所介護)
デイサービスは在宅生活を続けている方が日中だけ通う施設で、レクは「日中の活動機会の提供」と「家族介護者のレスパイト」が主目的です。比較的元気な要支援〜要介護2の方が多いため、ボウリング大会、外出レク、料理レクなど活動量の多いレクが好まれます。老健はより重度の方が多く、ベッド上や車椅子での参加を前提とした座位レクの比重が高くなります。
老健 vs グループホーム
グループホームは認知症対応型共同生活介護で、5〜9名のユニット制小規模施設です。レクは「日常生活そのもの」(料理・洗濯・買い物・掃除)が中心で、いわゆる「行事レク」は少なめ。認知症の方の残存能力を活かす生活リハビリが基本です。一方、老健は20〜100名規模の集団施設のため、集団でできる体操や脳トレ、全体行事が中心となります。
4施設のレクの違いを表で整理
以下の比較表で4施設のレクの特徴を整理します。
- 老健:目的=在宅復帰/中心レク=リハビリ連動の集団レク/実施頻度=ほぼ毎日/専門職連携=PT・OT・STと密接
- 特養:目的=QOL維持/中心レク=音楽・季節行事/実施頻度=週3〜5回/専門職連携=看護師中心
- デイサービス:目的=活動機会提供/中心レク=外出・料理・運動/実施頻度=来所日ごと/専門職連携=機能訓練指導員
- グループホーム:目的=生活リハビリ/中心レク=家事活動/実施頻度=日常生活そのもの/専門職連携=計画作成担当者中心
つまり、老健のレクは「最も訓練色が強く、最も多職種連携が密」という特徴を持っています。介護職員は単にレクを進行するだけでなく、PT・OTが立てたリハビリ計画を理解した上で、レクの中で目標動作を引き出す役割を担う必要があります。
老健の介護職員が担うレクリエーションの役割7つ
老健で働く介護職員は、レクリエーションにおいて単なる「進行係」ではありません。リハビリ専門職と連携しつつ、利用者一人ひとりの状態に合わせた支援を行う多面的な役割を担います。ここでは代表的な7つの役割を整理します。
1. 企画・立案担当としての役割
月初に「今月のレク予定表」を作成するのは介護職員の主要業務です。季節行事、リハビリ目的別レク、外出レクなどをバランスよく組み合わせ、利用者の身体状況・興味関心・在所期間を考慮して計画します。新入職員でも3か月目以降にはレク担当が回ってくるのが一般的です。
2. 利用者アセスメント担当としての役割
レク実施前には、当日の利用者のバイタル(体温・血圧・脈拍)、表情、訴えの有無を確認します。発熱や血圧異常がある方は参加を控えてもらうなど、安全面の判断も介護職員の責任範囲です。
3. 個別支援者としての役割
集団レクの中でも、座位保持が難しい方の体幹支え、片麻痺の方の患側のサポート、認知症の方への声かけなど、「全員が取り残されない」ための個別介助を行います。1対多数のレクでも、1人ずつに目を配る視野の広さが求められます。
4. 観察・記録担当としての役割
レク中の利用者の表情、動作、発語、参加度合いを観察し、介護記録(ケース記録)に残します。この記録はリハビリ専門職と共有され、個別リハビリ計画の見直しや在宅復帰判定の判断材料となります。
5. 多職種連携担当としての役割
PT・OT・ST・看護師・支援相談員・栄養士・ケアマネジャーとのカンファレンスでレク中の様子を報告し、リハビリ計画に反映させます。例えば「Aさんは折り紙の細かい工程が難しくなってきた」という情報は、OTが手指機能訓練を強化するきっかけになります。
6. 環境整備・物品準備担当としての役割
レク開始30分前には会場の机・椅子配置、レク備品(風船、お手玉、ボールなど)の準備、装飾の設置を行います。転倒リスクのある床のコード類の処理、室温調整、換気も忘れてはならない準備事項です。
7. 出し物・盛り上げ役としての役割
季節行事では、職員自身が劇・歌・ダンスを披露することも頻繁にあります。「人前で何かをやる」のが苦手な介護職員にはハードルが高い業務ですが、利用者に喜んでもらえる達成感は大きく、職員のチームワークを高める機会にもなります。介護労働実態調査でも「レクの企画・出し物」を負担と感じる職員は約3割とされており、施設によってはレク委員会を設けて負担を分散しています。
レクのネタ切れ対策|現場で使える6つの解決策
介護現場のレク担当者へのアンケート(介護専門メディア集計)では、レクで困っていることの第1位が「ネタが思いつかない」、第2位が「ネタ切れで毎月同じ内容になる」とされています。老健は実施頻度が高い分、ネタ切れに陥りやすい施設タイプの一つです。ここでは現場で実践できる解決策を6つ紹介します。
1. レクのストック表(レクライブラリ)を作る
過去に実施したレクをExcelやノートに「名称・所要時間・対象者数・準備物・狙いとする機能・参加者の反応」とともに記録し、いつでも参照できるストックにします。同じレクでも難易度や参加人数、時期を変えれば新鮮に楽しめるため、「アレンジバリエーション」を一緒に書いておくのがコツです。
2. 専門誌・書籍・YouTubeを活用する
『月刊デイ』『おはよう21』『レクリエ』などの専門誌、ハンドブック書籍、介護系YouTubeチャンネルには毎月新しいレクアイデアが掲載されています。施設で1誌購読し、職員が回し読みするだけでも年間100以上のアイデアが入手可能です。
3. レク委員会で月1回アイデア出しをする
各ユニットからレク担当者を集めて月1回の委員会を開き、新しいレクの提案・実施報告・他施設の事例共有を行います。一人で考え込むより、複数人でブレインストーミングする方が圧倒的にネタが増えます。
4. 利用者の趣味・特技を活かす
入所時のアセスメントで把握した利用者の趣味(書道、俳句、編み物、囲碁など)を、レクの先生役として活用します。利用者が「教える側」に回ることで自己効力感が高まり、職員はネタを考える負担が減ります。これは老健の強みである「在宅復帰意欲の喚起」とも合致します。
5. 季節・祝日・記念日カレンダーを活用
「今日は何の日カレンダー」を活用すると、季節行事以外の小さな記念日(カレーの日、寿司の日、ねこの日など)をレクのテーマにできます。「今日は○○の日です」と話題を提供するだけでも、回想法と時間見当識の訓練になり、マンネリ防止に効果的です。
6. 地域資源・ボランティアと連携する
地域の合唱団、保育園、小学生、大学のサークル、高齢者ボランティアなどに依頼して外部の力を借りるのも有効な方法です。世代間交流は利用者にとって大きな刺激となり、職員の負担も軽減されます。介護労働安定センターの事例集にも「地域連携によるレク」が好事例として多数掲載されています。レクは「全部職員でやる」必要はありません。
よくある質問|老健のレクリエーションQ&A
よくある質問|老健のレクリエーションQ&A
Q1. 老健のレクリエーションは1日どれくらいの時間行われますか?
A. 一般的には午前30〜45分、午後45〜60分の合計1〜1.5時間程度です。これに加えて食前のパタカラ体操やラジオ体操、就寝前のクールダウン体操などの短時間レクが日課として組み込まれている施設が大半です。集中力が続かない方への配慮として、1回あたりは長くても60分以内に収めるのが原則です。
Q2. レクリエーションへの参加は強制ですか?
A. いいえ、レクリエーションへの参加は任意です。体調・気分・個人の希望が尊重されます。ただし、老健は在宅復帰を目的としているため、職員は参加を促す声かけを行います。「今日は無理でも明日は参加してみませんか」と継続的に働きかけるのが老健流のスタイルです。
Q3. レクリエーションが苦手な介護職員はどうすれば良いですか?
A. 完璧な進行よりも「楽しもうとする姿勢」が大切です。先輩職員の進行を見学し、最初は補助役(用具準備、利用者誘導、写真撮影)から始めると良いでしょう。また、台本やマニュアルを準備しておけば緊張も和らぎます。レク委員会のある施設なら、得意な職員と組むことで負担を分散できます。
Q4. 認知症の利用者でも参加できるレクはありますか?
A. はい、多くあります。風船バレー、お手玉、回想法、音楽レク、塗り絵などは認知症の方でも楽しめます。重度の方には「見て楽しむ・触れて楽しむ」レクが適しており、職員が手を添えて一緒に動作することで参加感を提供できます。
Q5. レク中に利用者同士のトラブルが起きたらどうすれば?
A. まず双方を物理的に離し、冷静に話を聞くのが原則です。レク中はチームを組み替える、座席を離すなどの環境調整で予防できます。トラブルの内容は介護記録に残し、ケアマネジャーやリハ職と情報共有して再発防止に活かします。
Q6. レクの効果はどう評価されますか?
A. 老健ではレクを含めたリハビリ・介護の効果を、月1回のリハビリテーション会議や3か月ごとのケアプラン見直しで評価します。具体的な指標としては、Barthel Index(日常生活動作評価)、FIM(機能的自立度評価)、MMSE(認知機能評価)などが用いられます。レクで観察した「歩行距離が伸びた」「発語が増えた」といった所見も評価材料となります。
参考文献・出典
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まとめ|老健のレクは「楽しい訓練」で在宅復帰を支える
老健(介護老人保健施設)のレクリエーションは、特養やデイサービスとは異なり「在宅復帰を目的としたリハビリの一環」として明確な役割を持っています。風船バレー・輪投げ・パタカラ体操・回想法・季節行事など、すべてのレクが「自宅に帰るために必要な能力」を遊びの中で訓練する設計になっており、PT・OT・STなどリハビリ専門職と介護職員の密接な連携によって成り立っています。
令和6年度介護報酬改定で在宅復帰機能の評価が強化された今、レクリエーションの質は施設経営にも直結する重要な要素となっています。介護職員はレクの企画・実施・記録・多職種連携・出し物まで幅広い役割を担いますが、レクのストック化、レク委員会の活用、地域連携、利用者の趣味活用などの工夫により、ネタ切れや負担感を軽減することは十分可能です。
老健で働きたい・働いている介護職員にとって、レクリエーションは「やらされる業務」ではなく「利用者の人生を在宅復帰に導く専門技術」です。本記事で紹介した10種類のレク、季節行事カレンダー、職員の役割7つ、ネタ切れ対策6つを参考に、ぜひ自施設のレクをアップデートしてみてください。利用者の笑顔と「家に帰れた」という喜びが、介護職員にとって何よりのやりがいとなるはずです。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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老健介護職の1日の流れ
老健(介護老人保健施設)の介護職は、入所者のリハビリ支援と在宅復帰に向けたケアを行います。ここでは、代表的なシフトごとの1日の流れを紹介します。
早番(7:00〜16:00)の1日
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 7:00 | 出勤・夜勤者からの申し送り確認 |
| 7:30 | 起床介助・着替え・排泄介助 |
| 8:00 | 朝食準備・配膳・食事介助 |
| 9:00 | 口腔ケア・バイタル測定・排泄介助 |
| 9:30 | リハビリへの送り出し・見守り |
| 10:30 | 入浴介助(午前入浴の方) |
| 12:00 | 昼食準備・配膳・食事介助 |
| 13:00 | 口腔ケア・休憩 |
| 14:00 | リハビリ補助・レクリエーション |
| 15:00 | おやつ提供・水分補給 |
| 15:30 | 介護記録の作成・遅番への申し送り |
| 16:00 | 退勤 |
日勤(9:00〜18:00)の1日
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 9:00 | 出勤・申し送り確認・カンファレンス |
| 9:30 | リハビリ送迎・入浴介助 |
| 11:00 | 排泄介助・居室整備 |
| 12:00 | 昼食準備・配膳・食事介助 |
| 13:00 | 口腔ケア・休憩 |
| 14:00 | レクリエーション・機能訓練補助 |
| 15:00 | おやつ提供・カンファレンス参加 |
| 16:00 | 入浴介助(午後入浴の方) |
| 17:00 | 介護記録・多職種への情報共有 |
| 17:30 | 夜勤者への申し送り |
| 18:00 | 退勤 |
夜勤(17:00〜翌10:00)の1日
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 17:00 | 出勤・日勤者からの申し送り |
| 18:00 | 夕食準備・配膳・食事介助 |
| 19:00 | 口腔ケア・排泄介助 |
| 20:00 | 就寝介助・着替え |
| 21:00 | 消灯・巡回開始 |
| 0:00 | 体位変換・おむつ交換(2〜3時間おき) |
| 5:00 | 起床準備 |
| 6:00 | 起床介助・着替え・排泄介助 |
| 7:00 | 朝食準備・配膳・食事介助 |
| 8:00 | 口腔ケア・排泄介助 |
| 9:00 | 介護記録の作成 |
| 9:30 | 日勤者への申し送り |
| 10:00 | 退勤 |
老健ならではの業務の特徴
- リハビリ連携:理学療法士・作業療法士との情報共有が重要
- カンファレンス参加:入所者の在宅復帰計画を多職種で検討
- 医療的ケア:看護師との連携のもと、服薬管理や体調管理をサポート
- 在宅復帰支援:家族への介護指導や退所後の生活準備
老健で働くメリット・デメリット
老健(介護老人保健施設)での就職を検討している方に向けて、メリットとデメリットを詳しく解説します。
老健で働く4つのメリット
1. 給与水準が高い
老健の介護職員の平均月給は約35.6万円で、介護施設の中でも高水準です。
| 施設タイプ | 平均月給 |
|---|---|
| 特養 | 361,860円 |
| 老健 | 355,990円 |
| グループホーム | 302,010円 |
| デイサービス | 294,440円 |
※出典:厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」
2. 医療知識・スキルが身につく
老健には医師が常勤し、看護師も24時間体制で配置されています。医療と介護の連携を学べる環境で、医療的ケアの知識も身につきます。将来、医療系の施設で働きたい方にも役立つ経験が積めます。
3. リハビリ専門職から学べる
老健には理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が常駐。リハビリの視点を持った介護を学べるため、入所者の自立支援に向けたケアスキルが向上します。
4. 入所者の回復を実感できる
老健は在宅復帰を目指す施設。入所者がリハビリを通じて回復し、自宅に戻っていく姿を見届けられるのは、老健ならではのやりがいです。
老健で働く3つのデメリット
1. 入所者の入れ替わりが多い
老健の平均入所期間は約3〜6ヶ月。特養と比べて入所者の入れ替わりが頻繁なため、一人ひとりとじっくり関わりたい方には物足りなく感じることも。その分、多くの方のケアを経験できるメリットもあります。
2. 多職種連携の調整が必要
医師・看護師・リハビリ職・相談員・栄養士など、多職種との情報共有やカンファレンスへの参加が求められます。チームワークは必須ですが、コミュニケーションの負担を感じる方もいます。
3. 夜勤がある
老健も入所施設のため夜勤シフトがあります。生活リズムの調整が必要ですが、夜勤手当で収入を増やせるメリットもあります。
老健に向いている人
- 医療知識を身につけたい方
- リハビリに興味がある方
- 入所者の回復・在宅復帰をサポートしたい方
- 多職種連携のチームケアに興味がある方
- 様々な症状・状態の方のケアを経験したい方
老健は医療と介護の橋渡しを学べる職場です。スキルアップを目指す方、将来のキャリアの幅を広げたい方に最適な環境といえます。
のの働き方
のでは、様々な働き方が可能です。
勤務形態の選択肢
- 日勤のみ:の中には日勤帯のみで働ける施設もあります
- シフト制:早番・日勤・遅番・夜勤のローテーションが基本
- パート・アルバイト:週2〜3日から働ける柔軟な雇用形態
で働く環境
エリアのでは、資格取得支援制度や研修制度が充実している施設が多くあります。での経験を積みながら、キャリアアップを目指すことができます。
詳細記事

老健の給料はいくら?平均年収と収入アップの方法を解説
老健(介護老人保健施設)で働く介護職員の平均給料・年収を最新データで解説。月給・賞与・手取りの実態、特養や有料老人ホームとの給料比較、介護福祉士の資格取得や夜勤手当を活かした収入アップの方法も紹介します。

老健の仕事はきつい?大変な理由と乗り越える方法を解説
老健(介護老人保健施設)の仕事がきつい・大変と言われる理由を現場目線で解説。リハビリ支援の負担、医療職との連携ストレス、入退所の多さによる忙しさなど、老健ならではの大変さと具体的な対処法を紹介します。

老健のボーナス・賞与は平均いくら?特養との比較とアップ方法
老健で働く介護職員のボーナス平均額は年間55〜65万円で、特養と同水準かやや高め。医療法人運営が多く経営基盤が安定しているため、賞与の支給率が高い傾向にあります。経験年数・資格別のデータ、特養との比較、ボーナスアップの具体的な方法を解説します。

老健の1日の流れ|介護職員のスケジュールを日勤・夜勤別に解説
老健(介護老人保健施設)で働く介護職員の1日のスケジュールを日勤・夜勤別に詳しく解説。リハビリ支援や医療スタッフとの連携、入所者の在宅復帰に向けたケアなど、老健ならではの業務内容がわかります。

老健の夜勤手当はいくら?介護施設で最高額の理由と相場を解説
老健の夜勤手当は1回約7,800円で介護施設の中でトップクラスの水準です。月5回の夜勤で約4万円の収入アップが見込めます。医療体制が整った老健で夜勤手当が高い理由、特養・グループホームとの比較、月収30万円以上を目指す方法を具体的に解説します。

老健の残業・休日の実態【2026年】在宅復帰支援施設の働き方とは
老健(介護老人保健施設)の残業時間・休日数を徹底解説。月平均残業約7時間、年間休日105〜110日の実態データから、他施設との比較、残業を減らすコツまで。医療職との連携が特徴の老健で働くメリットも紹介。

老健に向いている人の特徴とは?適性をチェックしよう
老健(介護老人保健施設)で働くのに向いている人の性格・特徴を解説。リハビリ支援への関心や医療チームとの連携力など必要な適性、特養との働き方の違い、給料相場、自分に合う職場の選び方まで詳しく紹介します。

老健(介護老人保健施設)のシフト・勤務形態完全ガイド|4交代制・夜勤回数・特徴【2026年版】
老健のシフト・勤務形態を徹底解説。早番・日勤・遅番・夜勤の時間帯、8時間夜勤と16時間夜勤の違い、月の夜勤回数、特養との比較まで現役視点でまとめます。
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老健(介護老人保健施設)のシフト・勤務形態は?夜勤体制を解説
老健(介護老人保健施設)のシフト・勤務形態を解説。2交代制と3交代制の勤務時間の違い、夜勤帯の看護師常駐体制、リハビリ職との連携が特徴的な1日の流れを紹介。在宅復帰支援を重視する老健ならではの働き方や、転職前に確認すべきポイントもまとめました。

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老健(介護老人保健施設)の残業時間・休日数を徹底解説。月平均残業約7時間、年間休日105〜110日の実態データから、他施設との比較、残業を減らすコツまで。医療職との連携が特徴の老健で働くメリットも紹介。