夜勤の排泄ケア|夜間頻尿への対応と巡視の両立・睡眠を妨げない工夫
介護職向け

夜勤の排泄ケア|夜間頻尿への対応と巡視の両立・睡眠を妨げない工夫

施設の夜勤で介護職が行う排泄ケアを実務目線で解説。夜間頻尿のある利用者へのポータブルトイレ・尿器の配置、巡視のタイミング設計、睡眠を妨げない照明・声かけ、転倒対策、記録の付け方まで一次資料に基づき整理します。

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夜勤における排泄ケアは、利用者ごとの排尿間隔を把握したうえで巡視のタイミングとトイレ誘導・おむつ交換を重ね合わせ、必要な人だけを起こす設計に組み替えることで、対応回数を増やさずに睡眠の質と転倒リスクの両方を改善できます。ポータブルトイレや尿器の配置、照明と声かけの調整もあわせて行うのが実務上のポイントです。

目次

夜勤の排泄ケアは、単に「トイレに連れて行く」「おむつを替える」という作業ではありません。利用者の睡眠を守りながら、転倒や失禁による皮膚トラブルを防ぎ、限られた人員で巡視と両立させる、夜勤の中でも判断が難しい業務の一つです。

特に夜間頻尿のある利用者が複数いるフロアでは、コールと巡視のタイミングが重なり、対応の順番や声かけの強さひとつで利用者の睡眠の質も、職員の負担も大きく変わります。日本医労連が実施した「2023年介護施設夜勤実態調査」(労働政策研究・研修機構の記事による、124施設179職場が回答)では、特別養護老人ホームで回答職場の57.1%が1人体制(ワンオペ)で夜勤を行っていたことが示されており、限られた人数でいかに効率よく、かつ利用者の尊厳と睡眠を守りながら排泄ケアを行うかは、多くの現場に共通する課題です。

本記事では、夜間頻尿のある利用者への対応、ポータブルトイレ・尿器の配置、巡視との時間設計、照明や声かけの工夫、転倒対策、記録の付け方、日中の水分摂取タイミング調整との連携まで、一次資料に基づいて実務目線で整理します。

夜間頻尿のある利用者に、介護職がまず理解しておきたいこと

夜間頻尿とは、就寝中に排尿のために1回以上起きる状態を指します。日本排尿機能学会・日本泌尿器科学会の「夜間頻尿診療ガイドライン第2版」では、原因を大きく「夜間多尿(夜間の尿量そのものが多い)」「膀胱蓄尿障害(膀胱に尿を溜めておける量が減る)」「睡眠障害(浅い眠りのために尿意で目が覚めやすい)」の3つに整理しています。高齢者では、この3つが重なって起きているケースが多く、単純に「トイレが近い人」として片付けられない背景があります。

夜勤の排泄ケアがなぜ難しいのか

夜間頻尿そのものへの医学的な対応(原因疾患の治療や薬の調整)は医師の領域ですが、介護職が夜勤で向き合うのは「その夜間頻尿を抱えた利用者に、限られた人員でどう安全かつ気持ちよく排泄してもらうか」という実務の部分です。ここには次の3つの難しさが同時に存在します。

  • 睡眠を妨げないこと:必要以上に起こしたり、まぶしい照明を当てたりすると、浅眠や中途覚醒が悪化し、翌日の意欲低下や転倒リスクの上昇につながる可能性があります。
  • 転倒を防ぐこと:夜間は覚醒レベルが低く、暗い中での移動になるため、日中よりも転倒リスクが高い時間帯です。
  • 限られた人員で回すこと:日本医労連の調査が示すように、多くの施設で夜勤は1人体制に近い状態で運用されており、複数の利用者の排泄ニーズが重なると対応が後手に回りやすくなります。

この3つを同時に成立させるには、利用者ごとの排尿パターンを把握したうえで、巡視・コール対応・定時のトイレ誘導やおむつ交換を「一つの動線」として設計する視点が欠かせません。

ポータブルトイレ・尿器の配置と使い方のコツ

夜間のポータブルトイレと尿器の配置イメージイラスト

ポータブルトイレの置き場所

夜間は視界が悪く、日中は自力で廊下のトイレまで歩けている利用者でも、夜だけは転倒リスクが上がることがあります。夜間のみポータブルトイレ(腰掛便座)を併用する運用は多くの施設で行われており、設置のポイントは次のとおりです。

  • ベッドの真横、起き上がった動線の延長線上に置く:立ち上がってから数歩以内で座れる位置にすることで、途中の失禁や転倒のリスクを減らせます。
  • 手すりや家具の位置を確認する:ベッド柵やサイドテーブルを支えにして移乗できるか、実際の動線で確認しておきます。
  • バケツに事前処理をしておく:バケツの中にトイレットペーパーを数枚敷いておくと、排泄物がバケツに直接付着しにくくなり、片付けの負担が減ります。消臭剤入りの水を張っておくとにおいの軽減にもつながります。
  • 据え置き型か持ち運び型かを利用者に合わせて選ぶ:フロアタイプのポータブルトイレは安定感がある一方で場所を取るため、居室の広さやベッドとの位置関係も含めて検討します。

尿器(ポータブル尿器)の使い方

ベッドから起き上がるのが難しい利用者には、尿器を使用します。男性用と女性用で受け口の形状が異なり、男性は横向き、女性は仰向けで介助するのが一般的です。介助時は下腹部にタオルをかける、カーテンで仕切るなど、プライバシーへの配慮を欠かさないようにします。夜間は照明を落とした状態での介助になるため、あらかじめ受け口の向きや角度を日中のうちに確認しておくと、暗い中でも迷わず対応できます。

排泄予測デバイス(膀胱センサー)という選択肢

近年は、超音波で膀胱内の尿量を計測し、排尿のタイミングをスマートフォン等に通知する排泄予測デバイスも普及が進んでいます。厚生労働省老健局の実証資料でも、こうした機器の活用によって「トイレへの誘導時間を分析できる」「バケツの交換タイミングを把握できる」といった効果が報告されています。ただし機器の操作に職員が慣れるまでの立ち上がり期間や、小柄な利用者・職員には機器のサイズが合わないといった課題も同時に指摘されており、導入すればすぐに負担が減るわけではない点は理解しておく必要があります。介護保険の福祉用具貸与・購入の対象になる機器もあるため、導入を検討する際はケアマネジャーや福祉用具専門相談員と相談しながら進めます。

巡視のタイミングと排泄ケアをどう重ね合わせるか

夜勤の巡視のイメージイラスト

多くの施設では、消灯後の巡視を2〜3時間間隔で行い、あわせて覚醒状況・呼吸・居室の安全確認を行います。夜間頻尿のある利用者が多いフロアでは、この巡視のタイミングとトイレ誘導・おむつ交換のタイミングをできるだけ重ね合わせることが、対応回数を増やさずに済ませる基本設計になります。

「全員一律」ではなく「排尿パターン別」に分ける

排泄ケアの回数を機械的に増やすと、必要のない利用者まで起こしてしまい、かえって睡眠の質を下げます。逆に間隔を空けすぎると、失禁による皮膚トラブルや不快感からの不穏、転倒を招きやすくなります。実務上は、利用者を大きく3つのパターンに分けて考えると動線を組みやすくなります。

  • 自力でコールを押せる・尿意を訴えられる人:定時の巡視では起こさず、コールが鳴った時にだけ対応する。ポータブルトイレを動線上に置き、対応時間を短縮する。
  • 尿意の訴えが曖昧・見当識障害がある人:排尿日誌や記録から本人の排尿間隔を把握し、巡視のタイミングに合わせて先回りでトイレ誘導する。
  • 訴えが難しく、おむつでの対応が中心の人:定時交換の間隔を、記録された排尿パターンに基づいて個別に設定し、全員一律の交換時刻に縛られないようにする。

独自データが示す「回数を減らす」ケアの効果

この考え方を実践レベルまで落とし込んだ取り組みの一つが、ベネッセスタイルケアがユニ・チャーム株式会社との共同研究として行った「夜間ぐっすり排泄ケア」です(2020年度グッドデザイン賞受賞)。2018年6月から2019年2月にかけて評価が完了した549名を対象に、夜間のおむつ(パッド)交換回数を一律の時間ではなく個別の排泄パターンに合わせて見直したところ、3か月後の評価で、睡眠状態の改善傾向が71.2%、意欲の改善傾向が39.7%、日常生活動作(ADL)の改善傾向が23.5%の対象者に見られたことが、第32回日本老年泌尿器科学会学術集会で報告されています。あわせて、おむつ交換への協力の増加、食事量や自食能力の向上、転倒回数の減少も職員から報告されており、「起こす回数を減らす」こと自体が、排泄ケア単体にとどまらず利用者の日中の状態にも波及する可能性を示すデータといえます。

このデータが示す実務上の示唆は明確です。夜間の排泄ケアの目的は「失禁を防ぐために頻繁に対応すること」ではなく、「その人にとって必要な時にだけ、必要な対応をすること」に置き換える必要があるということです。

睡眠を妨げない照明・声かけの工夫

夜間の排泄ケアでは「起こさなければならない場面」と「なるべく起こしたくない場面」が混在します。以下は、覚醒レベルを必要以上に上げずに対応するための実務上のポイントです。

  • 照明はフットライトや懐中電灯を基本にする:天井の主照明を点けると覚醒度が一気に上がり、その後の入眠が難しくなります。手元の確認や安全確認は、局所的な明かりで済ませられないか先に検討します。
  • 声かけは名前を呼ぶ程度の小さな声から始める:いきなり大きな声で話しかけるのではなく、まず小さな声・軽い接触で反応を見て、必要な分だけ声量を上げます。
  • 浅い睡眠のタイミングを見極める:体動やまぶたの動きなど、覚醒に近いサインが見られたタイミングで声をかけると、深い睡眠を無理に破らずに済みます。巡視の観察記録はこの判断材料になります。
  • 本人の反応が薄い時は無理に起こさない選択も検討する:認知症ケアの事例では、声かけをしても反応が乏しい利用者について、無理に起こして排泄介助をするより、交換間隔を伸ばして睡眠を優先する判断が現場で行われることがあります。ただしこれは皮膚トラブルのリスクとの兼ね合いになるため、個別の状態に応じたチーム内での方針共有が前提です。
  • 会話は最小限に、必要な情報だけを伝える:夜間は「今からズボンを下ろします」等、次の動作を一言添えるだけにとどめ、雑談や長い説明は避けます。

夜間トイレ移動の転倒リスクへの対応

夜間頻尿は転倒リスクと関連することが複数のコホート研究で示されています。夜間に排尿のために起きる回数が増えるほど、暗い環境での移動、覚醒レベルの低さ、起立性の血圧変化などが重なり、転倒の危険性が高まりやすいと考えられています。夜勤の排泄ケアでは、この転倒リスクを前提とした環境調整が欠かせません。

環境面での対策

  • ベッドから目的地(トイレまたはポータブルトイレ)までの動線に物を置かない
  • 足元灯・センサーライトで、起き上がった瞬間に周囲が見える状態にする
  • 手すりやベッド柵の位置を、実際に利用者が使う向きに合わせて調整する
  • 離床センサー・ベッドセンサーを併用し、起き上がりの動きを早期に把握する

個別評価での対策

  • 過去の転倒歴・ふらつきの有無をアセスメントし、見守りが必要な人を巡視の優先順位に反映する
  • 起立性低血圧のリスクがある利用者は、急に立ち上がらせず、ベッドの端に座らせて数秒待ってから移乗する
  • 移乗介助が必要な人には、ポータブルトイレや尿器を優先的に検討し、歩行そのものを減らす選択肢も持っておく

転倒対策は排泄ケア単体で完結するものではなく、厚生労働省老健局が2025年11月に公表した「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン」でも、転倒は代表的な事故類型として個別のリスクアセスメントと原因分析の重要性が示されています。夜間の排泄介助は、この転倒対策と切り離さずに設計する必要があります。

ヒヤリ・ハットの記録を排泄ケアの見直しに使う

夜間に転倒には至らなかったものの「ふらついた」「支えが必要だった」といったヒヤリ・ハットの記録は、その利用者の排泄ケアの動線を見直す重要な材料になります。同じ場面が繰り返し記録されている場合は、ポータブルトイレの位置、照明の明るさ、声かけのタイミングのどこかに改善余地がある可能性が高く、個別の対応を検討するきっかけにします。委員会やチームでの共有を通じて、特定の職員だけの経験にとどめない仕組みづくりも重要です。

認知症のある利用者への夜間排泄ケアの配慮

見当識障害や記憶障害のある利用者は、夜間頻尿とは別に、時間や場所の感覚が曖昧になることで「トイレに行ったことを忘れて何度も訴える」「不安から落ち着かず動き回る」といった行動が見られることがあります。これは純粋な排尿の問題というより、認知機能の影響が大きい部分であり、対応の考え方も変わってきます。

不安からくる訴えと、身体的な尿意を見分ける

認知症のある利用者では、尿意そのものよりも「不安」「孤独感」「見当識の混乱」がトイレへの訴えとして表れることがあります。対応としては、まず実際にトイレに誘導して排尿の有無を確認し、出なかった場合は不安への対応(そばに少しいる、安心する言葉をかける)に切り替えるという判断が必要になります。すべてを「排泄ケア」として画一的に扱うのではなく、その都度の状態を見て対応を変える視点が求められます。

トイレの場所がわかるような環境の工夫

夜間、寝ぼけた状態や見当識が低下した状態でトイレの場所がわからず、失禁や転倒につながることがあります。トイレのドアに目印をつける、ポータブルトイレを普段から見える位置に置いておき本人に事前に認識してもらうなど、日中のうちからの環境調整も夜間の対応をスムーズにする一因になります。

拒否がある場合の対応

認知症のある利用者の中には、夜間の排泄介助自体を拒否するケースもあります。無理に介助を進めようとすると、本人の不安や不穏を強め、かえって時間がかかることも少なくありません。声かけのタイミングを変える、担当者を変える、時間を置いてから再度声をかけるなど、複数の選択肢を持っておくことが実務上は有効です。

記録の付け方|夜間の排泄パターンをどう可視化するか

夜間の排泄ケアを個別最適化するには、記録が土台になります。回数・量・性状・失禁の有無を毎回記録するだけでも、数日〜1週間分たまれば利用者ごとの排尿パターンが見えてきます。

記録に残す項目

  • 排尿・排便があった時刻
  • 量(多い・普通・少ない等の目安でも可)
  • 性状(色、におい、便の場合は形状)
  • 失禁の有無、失禁があった場合の状況(コール前か後か、体位、覚醒度)
  • 本人の反応(すぐ入眠したか、しばらく覚醒していたか)

記録を次の夜勤・日中ケアに活かす

夜勤の記録は、翌朝の申し送りや日中のケアプラン検討に直結する情報です。「眠っていた」「異常なし」とだけ書くのではなく、排泄のタイミングと量を数日分並べて見ることで、その利用者に合った巡視間隔やトイレ誘導のタイミングを検討する材料になります。排尿日誌(排尿時刻・尿量・水分摂取時刻を記録する方法)は医療機関でも夜間頻尿の原因評価に使われる手法で、施設内の記録をこの形に近づけておくと、受診時に医師へ伝える情報としても活用できます。

複数職員間での記録の統一

夜勤は交代制であるため、同じ利用者を別の職員が担当する夜もあります。記録の書き方が職員によってばらつくと、パターンの把握が難しくなります。回数・量・失禁の有無をチェック方式で統一しておくと、担当者が変わっても情報が途切れず蓄積されます。介護記録ソフトを導入している施設では、排泄記録の項目をあらかじめ定型化しておくことで、入力の手間を減らしながら情報の一貫性を保てます。

排泄予測デバイスとの併用

排泄予測デバイスを導入している施設では、着座時間や排泄量がアプリ上で自動的に時系列表示されるため、手書き記録と組み合わせることで、個別のパターン把握にかかる負担を減らせます。1時間ごとの平均排泄量や着座時間を把握できれば、その利用者に適したトイレ誘導のタイミングを分析する材料にもなります。

日中の水分摂取タイミング調整との連携

夜間の排泄ケアは、夜勤帯だけで完結する話ではありません。夜間頻尿の原因の多くは「夜間多尿」であり、水分摂取のタイミングを日中側で調整することが、夜間の排泄ケアの負担そのものを減らすことにつながります。

  • 水分摂取は日中に前倒しする:1日に必要な水分量を減らすのではなく、夕方以降の摂取量を控えめにし、日中にしっかり摂ってもらう配分に変えることが基本の考え方です。就寝前の水分摂取が直接夜間の尿量を増やすため、就寝前1〜2時間は摂取量を控えめにする配慮が有効とされています。
  • 夕食時の水分(汁物・飲み物)を把握する:気づかないうちに水分摂取量が増えている場合があるため、食事介助を担当する日勤・遅番の職員と情報共有しておくと、夜勤での対応回数の傾向をあらかじめ予測しやすくなります。
  • 利尿作用のある飲料の摂取タイミングに注意する:カフェインを含む飲料などは、摂取するタイミング次第で夜間の排尿回数に影響することがあるため、提供時間帯への配慮も選択肢になります。
  • 水分制限のしすぎには注意する:熱中症や脱水のリスクもあるため、水分摂取を一律に減らすのではなく、日中と夜間の配分を変えるという考え方を、看護職員やケアマネジャーと共有しておくことが望ましい対応です。

日中の水分摂取タイミング調整は看護職員や医師との連携が前提になりますが、夜勤者が「その利用者が何時に何を飲んでいたか」を把握し、日中チームにフィードバックすることが、夜間の排泄ケアの回数そのものを減らす出発点になります。

よくある質問

Q. 1人夜勤で複数の利用者の排泄ニーズが重なった場合、どう優先順位をつければよいですか?

転倒リスクが高い利用者、自力での対応が難しい利用者を優先し、コールを押せる・待てる利用者は少し待ってもらう判断が必要になります。事前に利用者ごとのリスクと排尿パターンを記録・共有しておくことで、その場での判断がしやすくなります。

Q. 夜間頻尿を訴える利用者に、水分を控えるよう伝えてもよいですか?

水分摂取量そのものを一律に減らす判断は、脱水や熱中症のリスクがあるため介護職の判断だけで行うべきではありません。摂取するタイミング(夕方以降を控えめにする等)の調整にとどめ、看護職員や医師、ケアマネジャーと連携して方針を決めることが基本です。

Q. ポータブルトイレと尿器、どちらを使うべきか迷います。

座位が安定して保てるか、移乗の介助量がどの程度かで判断します。座位保持が可能で移乗の負担が少ない場合はポータブルトイレ、起き上がりや座位保持が難しい場合は尿器を検討するのが一般的な考え方です。迷う場合は看護職員やリハビリ職と情報共有し、個別に判断します。

Q. 記録をつける時間が夜勤中に確保できません。どうすればよいですか?

すべてを文章で残そうとせず、時刻・量・失禁の有無だけをチェック式で残す運用に変えるだけでも、パターン把握には十分な情報になります。排泄予測デバイスを導入している場合は、アプリ上の自動記録と手書きメモを組み合わせることで時間短縮が可能です。

Q. 新人職員が夜勤の排泄ケアに慣れるまで、何を優先して覚えればよいですか?

まずは担当フロアの利用者ごとの「自立度」「排尿パターン」「転倒リスクの有無」の3点を頭に入れることが優先です。すべての手順を完璧にこなそうとするより、誰にどの程度の見守りが必要かを把握しているだけで、その場での判断のスピードと安全性が大きく変わります。先輩職員が記録した排泄パターンの記録を事前に読んでおくことも、初めての夜勤での不安を減らす助けになります。

参考文献・出典

まとめ

夜勤の排泄ケアは、巡視・コール対応・限られた人員という制約の中で、利用者の睡眠と安全をどう両立させるかという判断の連続です。ポータブルトイレや尿器の配置、照明と声かけの調整といった個別の工夫はもちろん重要ですが、根本的に効くのは「利用者ごとの排尿パターンを記録から把握し、巡視のタイミングと重ね合わせて、必要な人だけに必要な対応をする」という設計の転換です。

ベネッセスタイルケアの実践データが示すように、排泄ケアの回数を機械的に増やすのではなく、個別のパターンに合わせて見直すことは、睡眠の質だけでなく日中の意欲やADL、転倒回数にも良い影響を与える可能性があります。日中の水分摂取タイミング調整も含め、夜勤単体で抱え込まず、チーム全体で情報を共有しながら取り組んでいくことが、利用者にとっても職員にとっても負担の少ない夜間ケアにつながります。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

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