おむつ交換で見るべき観察ポイント|尿・便・皮膚から気づく体調変化と申し送り
介護職向け

おむつ交換で見るべき観察ポイント|尿・便・皮膚から気づく体調変化と申し送り

おむつ交換は排泄物と皮膚を毎回観察できる貴重な機会です。尿の色・便の性状(ブリストルスケール)・血便やタール便のサイン・IADの皮膚変化を見分ける基準と、看護師に伝わる申し送りの具体例を介護職向けにまとめました。

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おむつ交換は、排泄物と皮膚の状態を毎回確認できる貴重な観察の機会です。尿の色や濁り、便の性状(ブリストルスケール)、血液の混入、量や回数の変化、皮膚の発赤や浸軟をその都度チェックし、「いつもと違う」を具体的な言葉で看護師に申し送ることで、脱水や感染症、消化管出血、失禁関連皮膚炎(IAD)などの早期発見につながります。

目次

「おむつ交換は排泄物を処理する作業」だと捉えていると、体調変化のサインを見逃してしまいます。おむつを開けた瞬間は、利用者の体の中で何が起きているかを教えてくれる数少ない「窓」です。尿の色や量、便の性状、皮膚の状態は、本人が症状を訴えられない場合でも、介護職が気づける客観的な手がかりになります。

この記事では、交換の手順そのものではなく、そのたびに「何を見て、何に気づき、どう伝えるか」に絞って解説します。尿の観察、便の観察(ブリストルスケール)、量・回数の変化、皮膚の状態(IAD)の4つの軸で観察基準を整理し、最後に看護師へそのまま使える申し送りの具体例をまとめました。

おむつ交換で観察すべき4つの軸

おむつ交換のたびに確認すべき観察対象は、大きく分けて次の4つです。手順を進めながら同時に見る習慣をつけることで、特別な時間を割かなくても体調変化に気づけるようになります。

  • 尿の観察:色、濁り、量、におい、血尿の有無
  • 便の観察:性状(ブリストルスケール)、色、量、血液や未消化物の混入
  • 量・回数の変化:普段との比較で増減を把握する
  • 皮膚の観察:発赤、浸軟、びらんなど失禁関連皮膚炎(IAD)のサイン

いずれも「今日はいつもと違う」という気づきが出発点になります。そのためには、利用者ごとの「普段の状態」を知っておくことが前提になります。新人のうちは判断に迷うことが多いので、迷ったら性状や色をそのまま言葉にして看護師に伝え、判断は看護師や医師に委ねる姿勢が安全です。

尿の色・濁り・においから何がわかるか

尿は腎臓が血液をろ過して作る老廃物であり、体内の水分状態や感染の有無を映す鏡です。おむつを開けたら、色・濁り・においの3点を確認する習慣をつけましょう。

正常な尿の色と量の目安

健康な成人の尿は「薄い黄色〜麦わら色」で、1日の尿量は1,000〜1,500mL、排尿回数は5〜8回が目安とされます。高齢者では10回以上でも異常とは限らず、その方の「いつもの回数・量」との比較が基準になります。

色が濃い=脱水のサイン。ただし高齢者は例外がある

尿の黄色は「ウロビリン」という色素によるもので、体内の水分が少ないほど尿は濃縮されて色が濃くなります。日中の水分摂取が少ない、発熱している、下痢が続いているといった状況で尿の色が濃い場合は脱水を疑うサインです。

注意したいのは、高齢者では脱水が進んでいても尿の色が見た目ほど濃くならないことがある点です。色だけで安心せず、量が減っていないか、皮膚の乾燥や活気の低下がないかも合わせて確認してください。

白く濁った尿は感染症のサイン

排尿直後の尿がやや白く濁って見える場合、尿路に侵入した細菌と戦うための白血球や、細菌そのものが混じっている可能性があります。膀胱炎や腎盂腎炎など尿路感染症の徴候であることが多く、においが強い、頻尿になっている、といった変化を伴う場合は特に注意が必要です。

高齢者の尿路感染症は「発熱しない」ことが珍しくありません。その代わりに、食欲低下、活気の低下、普段と違う言動、失禁の増加といった形で現れることがあり、これらは認知症の進行や単なる老化と誤解されやすい変化です。混濁尿とこうした様子の変化が重なっていないか、あわせて見ておくことが早期発見につながります。

血尿・赤色〜オレンジ色の尿

尿が赤色やピンク色の場合は血尿の可能性があり、尿路の炎症、結石、まれに腫瘍などが背景にあることがあります。目に見えて赤い「肉眼的血尿」は、トマトジュースのような濃い赤や、赤ワインのような色として現れることもあります。オレンジ色〜茶褐色の場合は、ビタミン剤の影響で心配ないケースもありますが、内服していないのに色が変わった場合は肝臓や腎臓の異常が疑われることがあります。

いずれも介護職が診断する必要はありません。「いつもと違う色」に気づいた時点で、色の系統(赤系・茶系・白濁)とだいたいの濃さを覚えておき、看護師に伝えることが役割です。

においの変化も見逃さない

正常な尿は排出直後、強い刺激臭はしません。アンモニア臭が強くなっている場合は、濃縮された尿が長時間おむつの中にとどまっていたことを示すことが多く、交換間隔の見直しのきっかけになります。一方で、甘酸っぱいにおいがする場合は、血中のケトン体が増えている可能性があり、糖尿病の血糖コントロール不良や、水分・食事が十分に摂れていない状態を反映していることがあります。においだけで判断はできませんが、「今日はいつもよりにおいが強い・違う」という気づきも、色や量とあわせて伝える価値のある情報です。

また、水分摂取の状況もあわせて把握しておくと、尿の変化を解釈しやすくなります。飲水量が少ない日に尿が濃くなるのは自然な反応ですが、十分に飲めているはずなのに濃い状態が続く場合は、脱水以外の体調変化を疑う材料になります。

便の性状・色・量から読み取る体調変化(ブリストルスケール)

便の観察では「硬い・普通・柔らかい」という主観的な表現ではなく、世界共通の基準である「ブリストル便性状スケール」を使うと、誰が見ても同じ基準で判断でき、看護師への申し送りも正確になります。1997年に英ブリストル大学で開発されたこのスケールは、日本でも慢性便秘症診療ガイドラインに採用されている臨床ツールです。

ブリストルスケール7段階の見分け方

  • タイプ1(コロコロ便):硬くてコロコロした木の実状。腸内の停滞時間が長く、便秘状態
  • タイプ2(硬い便):ソーセージ状だが硬い。便秘傾向
  • タイプ3(やや硬い便):表面にひび割れのあるソーセージ状。正常範囲の下限
  • タイプ4(普通便):表面がなめらかなソーセージ状。理想的な便
  • タイプ5(やや軟らかい便):はっきりとしたしわのある柔らかい半固形状。正常範囲
  • タイプ6(泥状便):境界がほぐれた不定形の小片。軟便〜下痢の入り口
  • タイプ7(水様便):水様で固形物を含まない液体状。下痢

タイプ3〜5が正常範囲の目安で、タイプ1〜2は便秘、タイプ6〜7は下痢と判断します。申し送りの際に「軟便でした」と伝えるより、「ブリストル6、泥状便でした」と伝える方が、看護師にとって重症度が一目でわかります。

便の色が示すサイン

正常な便は胆汁の色素(ビリルビン)に由来する黄褐色です。色の変化には次のような意味があります。

  • 黒色でタール状(タール便):胃や十二指腸など上部消化管からの出血が疑われます。血液が胃酸にさらされて酸化し、独特の粘り気とにおいを伴う黒色になります。ただし鉄剤の内服や、イカ墨・海苔などの食品でも便が黒っぽくなることがあるため、服薬状況や食事内容も確認材料になります
  • 赤い血が付着・混入(血便):大腸や肛門に近い部位からの出血が疑われます。痔による少量の鮮血から、大腸の病変による出血までさまざまです
  • 白色〜灰白色の便:胆汁がうまく分泌されていない可能性があり、肝臓や胆道の異常が疑われます

タール便と血便はどちらも「様子を見る」対象ではなく、気づいた時点で速やかに看護師へ報告すべき変化です。

量・回数の変化も体調のサイン

排便は1日1〜2回が目安とされますが、2〜3日に1回でも本人が苦しそうでなければ問題ないこともあり、平均値よりも「その方のいつも」との比較が重要です。逆に、普段は規則的だった排便が急に止まった、あるいは1日に何度も泥状便が続くといった変化は、便秘の悪化や感染性の下痢を示している可能性があります。

特に、ふだん失禁のない方が急に尿失禁・便失禁を起こした場合は、脳血管障害など神経系のトラブルが隠れていることもあるため、速やかに看護職へ相談する対象になります。

皮膚の観察:IAD(失禁関連皮膚炎)と褥瘡の違い

おむつ交換は、排泄物の観察と同時に皮膚状態を確認できる機会でもあります。特に注意したいのが「IAD(失禁関連皮膚炎、Incontinence-Associated Dermatitis)」です。褥瘡(じょくそう)と混同されやすいものの、発生の仕組みが異なります。

IADと褥瘡は「ダメージの方向」が逆

褥瘡は体重による圧迫やずれの力によって皮膚の内側(皮下組織)から損傷が始まる「ボトムアップ型」の障害です。一方IADは、尿や便に含まれる水分や消化酵素が皮膚表面に接触し続けることで、皮膚の表面からふやけ(浸軟)が進む「トップダウン型」の障害です。高齢者の皮膚はもともと薄く乾燥しやすいため、尿や便の水分にさらされるとより浸軟しやすく、そこにわずかな摩擦が加わるだけで発赤やびらんに進行します。

ただし、失禁のある方は褥瘡もIADも起こしやすく、同じ仙骨部や臀部に両方が同時に生じることもあります。介護職が厳密に鑑別する必要はありませんが、「圧がかかりやすい骨突出部の赤み」なのか「排泄物が触れる範囲に沿った赤み・ただれ」なのかを見分けて伝えると、看護師の判断材料になります。

観察のチェックポイント

  • 浸軟(ふやけ):皮膚が白っぽくふやけていないか。特に鼠径部や臀裂部は蒸れやすく浸軟が起きやすい部位
  • 発赤:仙骨部などの骨が突出している部位に赤みがないか。押しても白くならない赤みは要注意
  • びらん・水疱:皮膚の表面が欠損していないか、小さな水ぶくれができていないか
  • においや分泌物:真菌感染(カンジダ症など)を疑わせる独特のにおいや、じくじくした分泌物がないか

IAD予防のためにできること

IADの予防は、洗浄・保湿・保護の3ステップが基本です。排泄物が付着したらこすらずに優しく拭き取り、1日1回は洗浄剤を使った陰部・臀部洗浄を行い、しわの間まで丁寧に水分を拭き取ります。乾燥している場合は保湿を行い、必要に応じて撥水性のある保護クリームを使用します。尿とりパッドの重ね付けは通気性を悪化させ、蒸れを助長するため避けるべきとされています。

量・回数の変化が示す体調変化の目安

単発の観察だけでなく、「普段と比べてどう変化したか」を捉えることも重要です。排泄日誌やケア記録に排尿・排便の回数やおおよその量を残しておくと、変化に気づきやすくなります。

変化のパターン考えられる背景介護職の対応
排尿回数・量が急に減った水分摂取不足、脱水、腎機能の変化水分摂取量とあわせて看護師に報告
排尿回数が急に増えた(多尿・頻尿)糖尿病の血糖コントロール不良、利尿薬の影響、尿路感染症随伴症状(発熱・元気のなさ)の有無とあわせて報告
排便が数日ない便秘、便塞栓、腸閉塞の可能性腹部の張りや食欲不振の有無を確認し報告
下痢が数日続く感染性胃腸炎、食事内容の変化、下剤の効きすぎ水分摂取と脱水徴候を確認し報告、他利用者への感染対策も検討

「量が多い・少ない」は主観に左右されやすいため、パッドの重さを量る、排泄日誌にチェックを付けるなど、できる範囲で数値化しておくと、看護師や医師が判断する際の材料になります。

「すぐ報告」か「経過観察」かの判断基準

介護職に診断は求められませんが、緊急性の高いサインとそうでないサインを大まかに区別しておくと、報告のタイミングに迷いにくくなります。

すぐに看護師へ報告すべきサイン

  • 便が黒くタール状(タール便)である
  • 便に赤い血がはっきり混じっている、または鮮血の付着がある
  • 尿が赤色・ピンク色・コーラ色である(血尿の疑い)
  • 普段は失禁のない方が突然、尿・便の失禁を起こした
  • 発熱はないが、急に元気がない、反応が鈍い、普段と言動が違う(高齢者の尿路感染症は発熱を伴わないことが多いため、これらが唯一のサインの場合がある)
  • 仙骨部や臀部に、押しても消えない発赤や、びらん・水疱がある
  • 便や尿の量が急激に減った、またはまったく出ていない状態が続いている

経過を見ながら記録・共有すればよいサイン

  • 尿の色がいつもよりやや濃い(水分摂取量とあわせて様子を見る)
  • 便がブリストル2〜3でやや硬め、またはブリストル5〜6でやや軟らかめ(数日続く場合は共有)
  • 皮膚がやや浸軟している程度で、発赤やびらんはない
  • 排便回数がいつもより1日程度前後している

尿の混濁だけで「感染症」と決めつけない

おむつ交換で尿が濁って見えると、つい「感染症では」と心配になるが、高齢者は治療の必要がない無症候性細菌尿(症状のない状態で尿に細菌が検出されること)の頻度が高く、尿の色や濁りだけで感染症と判断するのは早計とされる。海外の高齢者ケア指針でも、発熱や排尿時痛などの症状を伴わない尿の変化だけで抗菌薬治療を急ぐべきではないと整理されている。介護職の役割は「感染症かどうかを診断すること」ではなく、いつもと違う変化を具体的に記録し、症状の有無とあわせて看護師に伝えることにある。

迷った場合は「様子を見る」より先に一声かけることが基本です。介護職が気づいた小さな変化の積み重ねが、看護師によるアセスメントや受診判断の材料になります。

看護師に伝わる申し送りの言葉に変換する

「なんとなく変」「いつもと違う」という感覚は介護職としてとても重要な気づきですが、そのままでは看護師が緊急度を判断しづらい情報になってしまいます。あいまいな表現を、観察した事実に基づく具体的な言葉に変換して伝えることを意識しましょう。

申し送りの基本の型

「いつ/何を観察したか(事実)/普段との違い/随伴する様子」の順で伝えると、聞き手が状況を再現しやすくなります。

変換の具体例

  • △「便がゆるかった」→○「ブリストル6〜7の泥状便が本日3回、いずれも多量」:性状の段階・回数・量をセットで伝える
  • △「尿の色が変だった」→○「尿がオレンジがかった濃い黄色で、量もいつもの半分程度だった」:色の系統と量の両方を伝える
  • △「お尻が赤かった」→○「仙骨部に3cm大の発赤があり、押しても白くならなかった」:部位・大きさ・圧迫時の変化を伝える
  • △「便に血が混じっていた気がする」→○「便の表面に赤い血液が付着していた。量は少量で、本人に痛みの訴えはなし」:色・量・随伴症状(痛みの有無)を伝える
  • △「元気がなかった」→○「普段は声かけに笑顔で応じるが、本日は反応が鈍く、食事も半分程度しか摂れなかった。排尿回数もいつもより少ない」:普段との比較と、他の観察項目(食事・排尿)を組み合わせて伝える

「大丈夫だと思います」のような介護職自身の医学的判断は含めず、見たまま・感じたままを伝え、判断は看護師や医師に委ねます。介護記録にも同様に、色・性状(ブリストル番号)・量の目安・回数・随伴する様子(表情、活気、食欲)をセットで記載すると、後から読んだ看護師や他の介護職員にも状況が正確に伝わります。

排泄日誌をつけると観察の精度が上がる

毎回の交換で得られる観察情報は、その場限りで終わらせず「排泄日誌(排尿日誌・排便日誌)」として記録すると、体調変化への気づきの精度が大きく上がります。

日誌をつけるメリット

  • その方個人の「いつもの排尿回数・量・便の性状」という基準値がわかり、平均値との比較ではなく個別の変化で異常に気づける
  • 2〜3日分の記録をつけるだけで、排尿・排便のパターンが見えてきて、トイレ誘導のタイミングやおむつ・パッドの吸収量選びの見直しにも活用できる
  • 尿量や便の性状の推移を時系列で振り返れるため、「今日だけの変化」か「数日前から続く傾向」かを区別しやすい

記録時の注意点

日誌には、排尿・排便があった時刻、量の目安(尿はmL、便はg、または「バナナ1本分」など施設内で統一した表現)、性状(ブリストル番号)、失禁の有無、水分摂取量、本人の様子(尿意・便意の訴え、機嫌、気づいた点)を記載します。感覚的な「多い・少ない」ではなく、施設内で共通の基準を決めておくことで、担当者が変わっても同じ精度で記録が続けられます。

排泄日誌は、看護師が体調変化を評価する際の一次資料にもなります。介護職が交換のたびに記録した小さな情報の蓄積が、脱水や感染症の早期発見、あるいは自立支援に向けたトイレ誘導計画の見直しにつながっていきます。

観察を習慣化するための実践のコツ

  • 「いつもの状態」を知っておく:利用者ごとに普段の尿の色や排便の頻度・性状を大まかに把握しておくと、「いつもと違う」の判断がしやすくなります。申し送りノートやケア記録に簡単なメモを残しておくと、担当が変わっても引き継げます。
  • 数字と共通言語で記録する:「多い・少ない」「硬め・柔らかめ」ではなく、ブリストルスケールの番号やパッドの重さなど、誰が見ても同じ意味に取れる表現を使います。
  • 迷ったら見たままを伝える:色や性状の判断に自信がなくても、「〇〇のような色だった」「〇〇のような感触だった」と見たままを伝えれば十分です。医学的な診断は看護師・医師の役割であり、介護職が正確な病名を言い当てる必要はありません。
  • 写真記録が可能な施設ではケア記録システムを活用する:皮膚の発赤や便の性状は、言葉だけでは伝わりにくいことがあります。施設のルールで許可されている場合は、記録用の写真を残すと申し送りの精度が上がります。
  • 新人のうちは4項目だけを見る癖をつける:色・量・におい・皮膚の発赤という基本の4項目だけでも、毎回目を通す習慣がつけば十分な観察力になります。慣れてきたら性状の細かい違いにも意識を広げていきましょう。
  • 1人で抱え込まない:「気のせいかもしれない」と判断に迷うときほど、早めに他のスタッフや看護師に相談する習慣をつけましょう。小さな気づきの積み重ねが、重篤化する前の早期発見につながります。

よくある質問

Q. 便に少し血が付いているだけでも報告した方がいいですか?

A. はい。量の多少にかかわらず、血液の混入自体が消化管のどこかで出血が起きているサインです。痔による少量の鮮血であることも多いですが、自己判断で「痔だろう」と済ませず、色(鮮やかな赤か、黒っぽいか)と量、本人の痛みの訴えの有無を添えて看護師に伝えましょう。

Q. 尿の色が濃いだけで、他に変わった様子がない場合も報告すべきですか?

A. 一時的に濃い程度であれば、まず水分摂取を促し、次回の交換時に色の変化を見るという対応でよいことが多いです。ただし、濃い状態が続く、量が明らかに減っている、活気の低下や食欲不振を伴う場合は、様子を見ずに伝えてください。高齢者は脱水が進んでいても尿の色に出にくいことがあるため、色だけで安心しないことが大切です。

Q. ブリストルスケールを利用者やご家族に説明する必要はありますか?

A. ブリストルスケールは介護職・看護職間で使う観察の共通言語であり、利用者やご家族への説明で使う必要はありません。ご本人には「お通じの具合を見せてくださいね」など、尊厳に配慮した言葉で声をかけながら観察を行い、記録や申し送りの場面でスケールを活用するのが基本です。

Q. 毎回すべての項目を細かく確認する時間がありません。優先順位はありますか?

A. 忙しい中でも、色(尿・便)、量、皮膚の発赤の3点は毎回必ず目を通す習慣にすることをおすすめします。においや性状の詳細な確認は、いつもと違うと感じた時にだけ深掘りすれば十分です。日々の「いつも通りかどうか」の比較ができていれば、変化には自然と気づけるようになります。

Q. IADと褥瘡の違いがわかりません。見分け方はありますか?

A. IADは排泄物が触れる会陰部や臀部などに、褥瘡は骨が突出して圧迫を受けやすい仙骨部やかかとなどに起こりやすいという発生部位の傾向があります。ただし判断が難しいケースも多いため、赤みやただれを見つけたら部位・広がり・湿り気の有無を看護師に伝え、判断を仰ぎます。

参考文献・出典

まとめ|おむつ交換は「観察」の積み重ねで気づきの精度が上がる

おむつ交換は、排泄物処理の作業であると同時に、利用者の体調変化に気づける貴重な機会です。尿の色や濁り、便の性状(ブリストルスケール)、血液の混入、量・回数の変化、皮膚の発赤や浸軟という4つの軸を毎回意識するだけで、脱水や感染症、消化管出血、失禁関連皮膚炎(IAD)といった変化に早く気づけるようになります。

大切なのは、観察した内容を自分の判断で終わらせず、事実として具体的な言葉で看護師に伝えることです。「濃い黄色の尿だった」「ブリストルスケールでタイプ6だった」「肛門周囲に5円玉大の赤みがあった」といった具体的な表現の積み重ねが、利用者の安全を守る土台になります。最初から完璧に判断できなくても構いません。見たままを言葉にする習慣から始めてみてください。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

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