
高齢者の血尿|原因と家庭での対応・受診の目安をやさしく解説
高齢の親や家族に血尿が出たとき、家庭で何を観察し、いつ・何科を受診すべきか。尿路感染症や結石、前立腺肥大、薬の影響、膀胱がんなど重い病気の可能性まで、介護するご家族の視点でやさしく解説します。
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この記事のポイント
高齢者の血尿は、尿路感染症(膀胱炎)や結石、前立腺肥大、血液をサラサラにする薬の影響などで起こりますが、目で見てわかる血尿(肉眼的血尿)では膀胱がんなどの重い病気が隠れていることもあります。とくに痛みなどの症状がないのに尿が赤い場合は注意が必要です。一度でも肉眼的血尿が出たら、自然に治まっても放置せず、できるだけ早く泌尿器科を受診してください。家庭では尿の色・量・痛みや発熱の有無・繰り返すかどうかを記録し、飲んでいる薬と合わせて医師に伝えましょう。痛みがないことや血尿が止まったことは、安心してよい理由にはなりません。
目次
トイレの後に便器の水が赤くなっていたり、尿に血が混じっているのに気づくと、ご本人もご家族も強い不安を感じます。とくに高齢の親を介護していると、「年のせいだろうか」「痛がっていないから大丈夫だろうか」と迷い、様子を見てよいのか受診すべきか判断に困ることが多いものです。介護の現場では、おむつ交換やトイレ介助のときに偶然気づくことも少なくありません。
結論から言うと、血尿は体からの大切なサインです。膀胱炎のように比較的軽い原因のこともありますが、高齢の方では膀胱がんなどの重い病気が隠れていることもあり、痛みがないからといって安全とは限りません。このページでは、血尿とはどういう状態か、高齢者で考えられる主な原因、家庭での観察ポイント、受診の目安と何科にかかればよいか、医師に伝えるとよいこと、やってはいけないことを、介護するご家族の視点でやさしく整理します。なお、ここでの情報は受診の判断を助けるためのものであり、診断や治療に代わるものではありません。気になる血尿があるときは必ず医療機関にご相談ください。
血尿とは|肉眼的血尿と顕微鏡的血尿の違い
血尿とは、尿に血液(赤血球)が混じった状態のことです。尿は腎臓でつくられ、尿管を通って膀胱にためられ、尿道から排出されます。この通り道(尿路)のどこかで出血が起こると血尿になります。血尿は、見え方によって大きく2つに分けられます。
肉眼的血尿(目で見て赤いとわかる血尿)
便器の中やおむつ、尿パッドが赤くなる、尿が赤い・赤茶色・コーラのような色になるなど、見た目で血が混じっているとわかる状態です。出血している場所によって色が変わることがあり、鮮やかな赤やピンクは膀胱や尿道など出口に近い部分、黒っぽい赤や赤茶色は腎臓や尿管など奥の部分からの出血であることが多いとされます。ただし色だけで原因の場所を正確に決めることはできません。高齢の方では、一度でも肉眼的血尿が出たら必ず受診が必要です。
色の濃さで出血の量はだいたいわかる
血尿は混じる血の量によって、うすいピンク色から、はっきりした赤、さらに赤黒い色や血の塊(ゼリー状のかたまり)が出る状態まで段階があります。一般に、色が濃いほど、また塊が出るほど出血量が多いと考えられます。ただし、うすい色だから軽い病気、濃い色だから重い病気というわけではありません。色が濃くても膀胱炎のこともあれば、うすくてもがんが背景にあることもあります。色は出血の量の目安にはなりますが、原因の重さを表すものではないと理解しておきましょう。とくに血の塊が出て尿が出にくくなっているときは、膀胱に塊が詰まりかけている可能性があり、早めの受診が必要です。
顕微鏡的血尿(検査でわかる血尿)
見た目には普通の尿でも、健康診断や病院の尿検査で「尿潜血が陽性」「血尿あり」と指摘される状態です。顕微鏡で尿を調べると赤血球が一定数以上見つかります。自覚症状がないため放置されがちですが、結石やがんなどが隠れていることもあるため、指摘されたら一度は精密検査を受けることがすすめられます。顕微鏡的血尿が見つかる頻度は加齢とともに高くなることが知られています。
血尿と間違えやすいもの
尿が赤い・濃い色をしていても、血尿ではないことがあります。水分不足で尿が濃くなっているとき、薬やビタミン剤、食べ物の色素の影響、肝臓の病気によるビリルビン尿(濃い茶色)などです。また女性では、月経や肛門・腟からの出血が尿に混じって血尿と勘違いされることもあり、逆に血尿を月経や痔の出血と思い込んで発見が遅れることもあります。見分けが難しいため、自己判断で「血尿ではない」と決めつけず、続くようなら受診して確認しましょう。
高齢者の血尿で考えられる主な原因
血尿の原因はさまざまですが、大きく「感染症」「結石」「前立腺の病気」「薬の影響」「がんなどの重い病気」に分けて考えると整理しやすくなります。高齢の方では、若い人に比べて膀胱がんなどの悪性腫瘍の割合が高くなる点に注意が必要です。
尿路感染症・膀胱炎
細菌が膀胱などに入って炎症を起こす病気です。排尿時の痛みや残尿感、頻尿、尿のにごりをともなうことが多く、血尿が出ることもあります。高齢の方では、典型的な痛みが出にくく、発熱・食欲低下・元気がない・急にぼんやりする(せん妄)といった、わかりにくい形で現れることもあります。
尿路結石(腎・尿管・膀胱の結石)
腎臓や尿管、膀胱に石ができる病気です。石が動いて粘膜を傷つけると血尿が出ます。尿管に石が詰まると、わき腹や背中・腰の強い痛みをともなうことがあります。一方で、痛みがほとんどないこともあります。
前立腺肥大症(男性)
加齢とともに前立腺が大きくなり、尿の勢いが弱い・出にくい・夜間に何度もトイレに起きるなどの症状が出ます。大きくなった前立腺の血管から出血して血尿が出ることがあります。
薬の影響(抗凝固薬・抗血小板薬など)
心房細動や脳梗塞・心筋梗塞の予防で、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を飲んでいる高齢の方は多くいます。これらの薬を飲んでいると血尿が目立ちやすくなることがありますが、薬のせいだと決めつけて放置するのは危険です。後で述べるように、抗凝固薬を飲んでいる人でも血尿の原因をきちんと調べる必要があります。また、一部の抗がん剤や免疫を抑える薬などでは、出血性膀胱炎という形で血尿が出ることもあります。
膀胱がん・腎がんなどの重い病気
高齢の方の血尿では、膀胱がんや腎盂・尿管がん、腎がん、男性では前立腺がんなどの悪性腫瘍が原因のことがあります。とくに膀胱がんは、痛みなどの症状がないのに血尿だけが出て、しかも自然に止まることが多いため、見逃されやすいのが特徴です。だからこそ「症状がないから大丈夫」とは考えず、受診して確かめることが大切です。
このように原因は幅広く、家庭で見た目だけから原因を特定することはできません。原因を見分けるのは検査を行う医師の役割であり、ご家族の役割は、後で述べる観察ポイントを記録して受診につなげることです。
家庭での観察ポイント|受診前に確認しておくこと
血尿の原因を見分けるのは医師ですが、ご家族が家庭で落ち着いて観察し記録しておくと、受診したときの診断がスムーズになります。次の項目をメモしておきましょう。スマートフォンで尿の色を写真に撮っておくのも役立ちます(撮影に抵抗がなければ)。
色と濃さ
うすいピンク色か、はっきりした赤か、赤黒い・赤茶色か。血の塊(ゼリー状のかたまり)が混じっていないか。色が濃いほど、また塊が出るほど出血量が多い可能性があります。
痛みやその他の症状の有無
排尿時の痛み、わき腹や背中・下腹部の痛み、発熱、残尿感、頻尿、尿の出にくさなどがあるか。痛みをともなう血尿は感染症や結石が、痛みのない血尿はがんなどが背景にあることもあり、いずれにしても受診が必要です。とくに「痛くないから大丈夫」という思い込みは禁物です。
いつから・繰り返しているか
いつ気づいたか、一度きりか繰り返しているか。血尿が自然に止まっても安心はできません。膀胱がんなどでは血尿が出たり止まったりを繰り返すことがあり、止まったことが受診を遅らせる原因になります。過去にも血尿が出たことがあれば、それも伝えましょう。
飲んでいる薬
血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)、抗がん剤、その他の常用薬やサプリメントを確認します。お薬手帳を用意しておくと確実です。
全身の様子(高齢者で特に大切)
高齢の方では、血尿そのものより、発熱・ぐったりする・食欲がない・急にぼんやりする・受け答えがおかしいといった全身のサインが先に出ることがあります。これらは尿路感染症が重くなっているサインのこともあるため、血尿と合わせて必ず観察してください。
受診の目安|どんなときに・何科にかかればよいか
血尿に気づいたら、基本的には放置せず受診します。とくに目で見てわかる肉眼的血尿は、一度でも出たら自然に治まっても受診が必要です。緊急度の目安を整理します。これはあくまで一般的な目安で、迷うときは早めに医療機関へ相談してください。
すぐに受診・相談したほうがよいとき
- 高熱(38度以上)や強い背中・わき腹の痛みをともなう血尿(腎盂腎炎や結石が疑われます)
- 血の塊が出て尿が出にくい、または出ない(膀胱に血の塊が詰まる膀胱タンポナーデの可能性。尿閉は緊急です)
- ぐったりする、意識がもうろうとする、急にぼんやりするなど全身状態が悪いとき
こうした場合は、夜間や休日でも救急外来への相談や受診をためらわないでください。
できるだけ早めに受診したほうがよいとき
- 痛みなどの症状がないのに尿が赤い(無症候性の肉眼的血尿。高齢者では膀胱がんなどの可能性を確認する必要があります)
- 血尿が出たり止まったりを繰り返している
- 排尿時の痛みや残尿感、頻尿などをともなう血尿が続く
健康診断で「尿潜血」を指摘されたとき
自覚症状がなくても、一度は医療機関で精密検査を受けましょう。とくに60歳以上・喫煙歴がある・過去に肉眼的血尿が出たことがある方は、より注意して検査を受けることがすすめられます。
何科を受診すればよいか
血尿の多くは尿の通り道の病気のため、まずは泌尿器科が基本です。泌尿器科では尿検査や超音波検査、必要に応じて膀胱の中をカメラで見る膀胱鏡検査などで原因を調べます。一方、尿検査で血尿に加えて「たんぱく尿」も指摘される場合や、腎臓自体の病気(腎炎など)が疑われる場合は腎臓内科が適しています。どちらにかかればよいか迷うときは、かかりつけ医や近くの内科に相談し、紹介してもらうとよいでしょう。
受診すると何を調べるの?|検査の流れ
「受診したらいきなり大がかりな検査をされるのでは」と不安に思うご家族もいますが、多くはまず体への負担が少ない検査から段階的に進みます。あらかじめ流れを知っておくと、ご本人にも説明しやすくなります。
1. 問診と尿検査
いつから血尿が出ているか、痛みや発熱などの症状、飲んでいる薬、喫煙歴、過去の血尿歴などを確認します。続いて尿検査を行い、本当に尿に血が混じっているか、たんぱく尿や細菌(感染)の有無を調べます。ここで膀胱炎などの原因がはっきりすれば、まずその治療を行います。
2. 尿細胞診・超音波検査
尿の中にがん細胞がないかを調べる尿細胞診や、腎臓・膀胱・前立腺の状態を見る腹部超音波(エコー)検査が行われることがあります。エコーは痛みがなく、体への負担が少ない検査です。
3. 必要に応じた精密検査
悪性腫瘍などが疑われる場合には、膀胱の中をカメラで観察する膀胱鏡検査や、CT検査などが行われることがあります。とくに痛みのない肉眼的血尿や、高齢・喫煙歴があるなど危険因子のある方では、膀胱がんや腎盂・尿管がんを見逃さないために、これらの詳しい検査が必要と判断されることがあります。
検査をしても明らかな異常が見つからないこともあります。その場合でも、しばらくの間は定期的に経過を見ることがすすめられることがあります。血尿が出てから数年以内に原因がはっきりすることが多いとされているためで、医師の指示に沿って通院を続けることが安心につながります。
見逃さないために|高齢者の血尿で特に気をつけたい点
泌尿器科の専門的な情報をご家族向けに整理すると、高齢者の血尿で見逃しを防ぐために特に大切なのは次の3点です。これは、公的な医療ガイドラインや診療情報を、介護するご家族の判断に役立つ形にまとめたものです。
1. 痛みのない血尿ほど油断しない
痛みをともなう血尿は感染症や結石のことが多いのに対し、痛みのない肉眼的血尿は膀胱がんなどの悪性腫瘍が背景にあることがあるとされています。実際、膀胱の腫瘍の多くは、症状のない血尿をきっかけに見つかると報告されています。「痛がっていないから様子を見よう」という判断が、かえって発見を遅らせることがあります。
2. 血尿が止まっても受診をやめない
血尿は自然に止まることがありますが、止まったから治ったとは限りません。とくに悪性腫瘍では、血尿が出たり止まったりを繰り返すことがあります。一度でも血尿が出たら、止まっていても受診の予定はキャンセルしないことが大切です。
3. 「血をサラサラにする薬のせい」と決めつけない
抗凝固薬や抗血小板薬を飲んでいると血尿が出ることがありますが、これらの薬を飲んでいる人でも、血尿の原因をきちんと調べる必要があるとされています。薬を飲んでいる人の血尿でも、結石やがんなどの病気が見つかることがあるためです。自己判断で薬のせいと考えて受診を見送らないようにしましょう。なお、抗凝固薬は勝手に中止すると脳梗塞などの危険があるため、血尿が出ても自分の判断で薬をやめず、必ず医師に相談してください。
やってはいけないこと・受診時に伝えるとよいこと
やってはいけないこと
- 「年のせい」「痛くないから」と様子見で放置する。とくに肉眼的血尿は一度でも受診が必要です。
- 血尿が止まったことで安心して受診を取りやめる。繰り返すタイプの病気を見逃します。
- 自己判断で抗凝固薬・抗血小板薬を中止する。脳梗塞などの重大な危険があります。やめるかどうかは必ず医師が判断します。
- 市販の止血薬やサプリで様子を見る。原因がわからないまま症状だけ抑えると発見が遅れます。
- 水分を極端に控える。脱水は高齢者に危険で、感染症を悪化させることもあります。医師の指示がない限り、水分は適切にとりましょう。
受診時に医師へ伝えるとよいこと
- 血尿に気づいた日と、続いているか・繰り返しているか
- 尿の色・濃さ・血の塊の有無(写真があれば見せる)
- 痛み・発熱・残尿感・尿の出にくさなどの症状
- 飲んでいる薬すべて(お薬手帳を持参)。とくに血液をサラサラにする薬
- 喫煙歴、過去の血尿歴、健診での尿潜血やたんぱく尿の指摘、PSA値の指摘(男性)
- 持病(心臓病、糖尿病、腎臓の病気など)
ご本人が症状をうまく説明できない場合は、ご家族が代わりにこれらを整理して伝えると、診断の助けになります。
高齢者ならではの注意点|介護の場面で気づくために
高齢の方を介護していると、血尿に気づくきっかけや判断の難しさに、若い人とは違った特徴があります。介護する立場で知っておきたい点を整理します。
本人が症状を訴えにくい
認知症がある方や、遠慮して体調を言わない方では、痛みや血尿を自分から訴えないことがあります。おむつ交換やトイレの介助のときに、尿の色やにおい、パッドの汚れ方を意識して見ることが早期発見につながります。いつもと違う赤み、濃いにごり、血の塊などに気づいたら記録しておきましょう。
「年だから仕方ない」と思い込まない
高齢になると体の不調が増えるため、血尿も加齢のせいと受け止めてしまいがちです。しかし血尿は年齢で片づけてよい症状ではありません。むしろ高齢であること自体が、膀胱がんなどの病気を念のため確認すべき理由になります。
脱水・水分管理との関係
高齢の方は脱水になりやすく、脱水で尿が濃くなると血尿のように見えることもあります。一方で、血尿が心配だからと水分を極端に控えるのは逆効果です。脱水は尿路感染症を悪化させたり、全身状態を悪くしたりします。医師から特別な指示がない限り、水分は適切にとるようにしましょう。
持病や薬が多い
高齢の方は心臓病や糖尿病などの持病があり、血液をサラサラにする薬を含め複数の薬を飲んでいることが多くあります。これらは血尿の見え方や原因に関わるため、受診の際はお薬手帳を持参し、持病もあわせて医師に伝えることが大切です。
よくある質問
Q. 血尿が一度だけ出て、すぐ止まりました。受診しなくてもよいですか。
A. 受診をおすすめします。とくに目で見てわかる肉眼的血尿は、一度きりで自然に止まっても、原因を確かめるために泌尿器科を受診してください。血尿が止まったことは「治った」ことを意味しません。
Q. 痛みがまったくないのですが、それでも心配ですか。
A. 痛みのない血尿こそ注意が必要なことがあります。膀胱がんなどは、痛みがないまま血尿だけが出ることがあります。痛みの有無にかかわらず受診して確認しましょう。
Q. 血液をサラサラにする薬を飲んでいます。そのせいではないですか。
A. 薬の影響で血尿が出ることはありますが、薬を飲んでいる人でも原因をきちんと調べる必要があります。結石やがんなどが隠れていることもあるためです。薬は自己判断で中止せず、必ず医師に相談してください。
Q. 何科を受診すればよいですか。
A. まずは泌尿器科が基本です。尿検査でたんぱく尿も指摘される場合や腎臓の病気が疑われる場合は腎臓内科が適しています。迷うときはかかりつけ医や内科に相談し、紹介してもらうとよいでしょう。
Q. おむつに血がついていました。血尿かどうかわかりません。
A. おむつや尿パッドが赤い場合、血尿のほか、皮膚の傷や女性では別の部位からの出血のこともあります。判断が難しいときは、つけていたパッドの状態を受診時に見せる、または写真を撮っておくと医師の参考になります。気になるときは受診してください。
Q. 介護されている本人が受診を嫌がります。どうすればよいですか。
A. 血尿は重い病気のサインのこともあるため、できるだけ受診につなげたいところです。まずはかかりつけ医に電話で相談し、本人が安心できる形(通い慣れた医院など)での受診を検討しましょう。発熱や全身状態の悪化、尿が出ないなどの緊急サインがあるときは、説得を待たず医療機関に相談してください。
参考文献・出典
- [1]血尿診断ガイドライン- 血尿診断ガイドライン検討委員会(日本腎臓学会ほか)
血尿の定義(肉眼的血尿・顕微鏡的血尿)、肉眼的血尿を起こす主な疾患、抗凝固薬服用中でも精査が必要であること、膀胱腫瘍の多くが無症候性肉眼的血尿を契機に発見されること等
- [2]
- [3]重篤副作用疾患別対応マニュアル『出血性膀胱炎』- 厚生労働省/医薬品医療機器総合機構(PMDA)
薬剤による出血性膀胱炎、患者側リスク因子(高齢者・抗凝固剤使用・慢性尿路感染・糖尿病等)、家族が早期に認識しうる症状と受診時に伝えるべきこと
- [4]
まとめ
高齢者の血尿は、膀胱炎や結石、前立腺肥大、薬の影響など比較的軽い原因のこともありますが、膀胱がんや腎がんなどの重い病気が隠れていることもあります。とくに痛みのない肉眼的血尿や、出たり止まったりを繰り返す血尿は注意が必要です。「年のせい」「痛くないから」「薬のせい」と自己判断で様子を見るのではなく、一度でも目で見える血尿が出たら、自然に治まっても泌尿器科を受診してください。
ご家族にできる大切な役割は、尿の色・量・血の塊の有無、痛みや発熱などの症状、いつから繰り返しているか、飲んでいる薬を観察して記録し、受診につなげることです。本人が受診をためらうときも、発熱や全身状態の悪化、尿が出ないなどのサインがあれば、ためらわず医療機関に相談しましょう。早めの受診が、重い病気の早期発見と安心につながります。
家族が覚えておきたいポイント
- 目で見える血尿(肉眼的血尿)は、一度でも、自然に止まっても受診する
- 痛みがないこと・血尿が止まったことは「大丈夫」のサインではない
- まずは泌尿器科へ。たんぱく尿も指摘されたら腎臓内科も検討する
- 尿の色や塊、症状、薬、いつからかを記録し、お薬手帳を持って受診する
- 抗凝固薬などの薬は自己判断で中止せず、必ず医師に相談する
- 高熱・強い痛み・尿が出ない・ぐったりするときは、夜間休日でも早めに相談する
血尿は不安を感じやすい症状ですが、早めに調べれば重い病気も見つけやすくなります。気になることがあれば、迷わず医療機関やかかりつけ医にご相談ください。
監修者
介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム
医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)
訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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