高齢者の夜間頻尿|夜中に何度もトイレに起きる原因と家庭での対策・受診の目安
ご家族・ご利用者向け

高齢者の夜間頻尿|夜中に何度もトイレに起きる原因と家庭での対策・受診の目安

高齢の親が夜中に何度もトイレに起きる。その原因を夜間多尿・膀胱の蓄尿障害・睡眠障害の3つに分けて解説し、家庭でできる水分やむくみの工夫、夜間の転倒を防ぐ環境づくり、泌尿器科やかかりつけ医に相談する目安まで、ご家族向けにやさしくまとめました。

ポイント

この記事のポイント

高齢の方が夜中に何度もトイレに起きる「夜間頻尿」は、夜寝てから朝起きるまでに1回以上排尿で起きる状態をいい、2回以上になると睡眠の質や日中の生活に影響しやすくなります。原因は大きく「夜間に作られる尿が多い(夜間多尿)」「膀胱にためられる量が少ない(過活動膀胱・前立腺肥大など)」「眠りが浅い(睡眠障害)」の3つで、複数が重なることもよくあります。家庭では夕方以降の水分とカフェイン・お酒を控える、日中に足のむくみを取る、夜の足元を明るく安全にすることが対策になります。夜2回以上で困っている、血尿や排尿時の痛みがある、急に悪化したときは、泌尿器科やかかりつけ医に相談しましょう。年のせいと諦めず、まず排尿の記録をつけて受診の準備をすると改善につながります。

目次

「夜中に何度もトイレに起きるみたい」「そのたびに目が覚めて、転ばないか心配」。高齢のご家族と暮らしていると、夜間のトイレの回数が気になってくることがあります。ご本人も、ぐっすり眠れずに昼間ぼんやりしていたり、夜中の移動に不安を感じていたりするかもしれません。

夜間のトイレが増えるのは「年だから仕方ない」と思われがちですが、夜間頻尿には原因があり、その多くは家庭での工夫や医療機関での治療で軽くできる可能性があります。一方で、放っておくと夜中の転倒や骨折、睡眠不足による体調の悪化につながることもあり、見過ごせない症状でもあります。

この記事では、介護を受けるご本人とご家族に向けて、夜間頻尿がなぜ起こるのかを3つの原因に分けてやさしく解説し、家庭で今日から試せる工夫、夜間の転倒を防ぐ環境づくり、そして泌尿器科・かかりつけ医・地域包括支援センターへ相談する目安までを、公的な資料をもとにまとめます。診断や薬の判断は医師が行うものですので、この記事は「気づいて、記録して、相談につなげる」ための手引きとしてお使いください。

夜間頻尿とは|「夜に何回起きると多いの?」の目安

夜間頻尿とは、夜寝ついてから朝起きるまでの間に、排尿のために1回以上起きなければならない状態のことです(日本泌尿器科学会)。回数が多くなるほど睡眠が妨げられ、生活の質に影響します。実際の医療現場では、夜2回以上の排尿があると「困りごと」として相談・治療の対象になりやすいとされています。

年齢別の「ふつうの範囲」の目安

夜のトイレの回数は加齢とともに増えるのが自然で、すべてが病気というわけではありません。一般的な目安として、60代では夜1回程度、70代では夜2回程度までなら通常の範囲と考えられています。健康長寿ネットでも、寝ている間に2回以上を頻尿の目安としています。

ただし「何回までが正常か」よりも、ご本人が困っているか、生活に支障が出ているかが大切です。回数が少なくても眠りが浅くなって日中つらい、夜中の移動が怖い、という場合は相談する意味があります。

どれくらいの人が悩んでいる?

夜間頻尿は高齢者にとても多い症状です。報告によって幅がありますが、夜間頻尿のある人の割合は若い世代で10〜30%程度、高齢者では40〜80%にのぼるとされ、加齢とともに男女ともに増えていきます。国立長寿医療研究センターの地域調査でも、年齢が高くなるほど夜間の排尿回数が多い人の割合が高くなることが示されています。つまり、夜のトイレで悩むのはご本人だけではなく、ごく一般的なことなのです。

ご家族が知っておきたい視点

夜間頻尿は、ご本人が「年のせい」と思い込んで誰にも相談しないまま我慢していることが少なくありません。だからこそ、一緒に暮らすご家族が「夜のトイレ、増えていないかな」と気づき、後で説明する排尿の記録をさりげなく手伝うことが、改善への第一歩になります。

夜中に何度もトイレに起きる3つの原因

夜間頻尿の原因は、大きく次の3つに分けて考えると整理しやすくなります(日本排尿機能学会・日本泌尿器科学会の夜間頻尿診療ガイドラインに基づく分類)。実際にはこれらが複数重なっていることが多く、高齢者では「膀胱にためられる量の低下」と「夜間の尿量増加」を同時に抱えている方が6〜7割を占めるという報告もあります。

1. 夜間に作られる尿が多い(夜間多尿)

夜寝ている間に作られる尿の量が多いタイプです。男性の夜間頻尿では、この夜間多尿が原因の大きな割合を占めるといわれます。目安として、65歳以上では1日の尿量のうち夜間の尿量が33%を超えると「夜間多尿」と判断されます(若い人では20%超)。主な背景には次のようなものがあります。

  • 水分のとり過ぎ:夕方以降の飲み過ぎ、寝る前のコップ一杯の水など。夜間頻尿の方の多くで水分のとり過ぎが関係しているとされます。
  • カフェイン・アルコール:コーヒー・お茶・お酒には利尿作用があり、お酒は尿量を抑えるホルモン(抗利尿ホルモン)の働きも妨げます。
  • 足のむくみ:日中に下半身へたまった水分が、横になると血液に戻って尿になります。心臓や腎臓の働きの低下、長時間の座位などが関係します。
  • 抗利尿ホルモンの減少:加齢で夜間の尿を減らすホルモンの分泌が減り、夜の尿量が増えます。
  • 病気・薬の影響:糖尿病、高血圧、心不全、腎機能の低下、睡眠時無呼吸、利尿剤(むくみ・血圧の薬)の服用やそのタイミングなど。

2. 膀胱にためられる量が少ない(蓄尿障害)

膀胱が少ししか尿をためられず、すぐにいっぱいに感じてしまうタイプです。1回の尿量が少ない(おおむね100ml前後やそれ以下)のに回数が多いのが特徴です。主な原因は次のとおりです。

  • 過活動膀胱:膀胱が過敏になり、十分たまっていなくても勝手に収縮して急な強い尿意(尿意切迫感)が起こります。夜2回以上トイレに行く方の一定割合に過活動膀胱が関係するとされます。
  • 前立腺肥大症(男性):前立腺が大きくなって尿の出口が狭くなり、出にくい・残尿が増える・回数が増えるといった症状が出ます。
  • そのほか:膀胱炎などの尿路感染症、間質性膀胱炎、骨盤臓器脱、便秘、骨盤底筋の衰えなど。女性では加齢に伴う女性ホルモンの減少も関係します。

3. 眠りが浅い(睡眠障害)

高齢になると眠りが浅くなり、軽い尿意でも目が覚めてしまいます。さらに「目が覚めたついでにトイレに行く」ことを夜間頻尿と感じている場合もあります。不眠症、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群などが背景にあることもあり、夜間頻尿と不眠はお互いを悪化させる悪循環になりやすいことが知られています。

原因を見分けるカギは「1回の尿量」と「夜の尿の割合」

原因のタイプは、後で説明する排尿の記録(排尿日誌)をつけると見当がつきやすくなります。たとえば、1回ごとの尿量がしっかりあって夜の尿の割合が多ければ「夜間多尿」、1回の量が少ないのに回数が多ければ「蓄尿障害」が疑われます。ご家庭での記録が、医師の診断を大きく助けます。

家庭で今日からできる夜間頻尿の工夫

夜間頻尿は、原因に合わせた家庭での工夫だけでも回数が減ることがあります。運動や生活指導を中心とした取り組みで、約半数の方に改善がみられたという報告もあります。まずは無理のない範囲で、次の工夫を試してみましょう。なお、薬の調整(利尿剤の時間変更など)は自己判断せず必ず医師に相談してください。

1. 水分のとり方を見直す

  • 1日に必要な水分はしっかりとりつつ、夕方から就寝前は控えめにします。とくに寝る前のコップ一杯の習慣的な水は見直しましょう。
  • のどの渇きが強いときは、氷を口に含む・うがいをするなどで和らげます。
  • 水分を減らし過ぎると脱水の心配がありますが、必要量がとれていれば過度に恐れる必要はありません。心配なときは適量を医師に確認しましょう。

2. カフェイン・アルコールを夜は控える

コーヒー・緑茶・紅茶・お酒は夕方以降は避け、利尿作用の少ない飲み物(麦茶・水など)に切り替えます。お酒は寝つきを良くするように感じても、夜間の尿量を増やし眠りを浅くします。

3. 日中に足のむくみを取る

夜間多尿には足のむくみが関係します。日中にたまった水分を夜になる前に戻しておくと、夜の尿量を減らせる可能性があります。

  • 夕方に15〜20分ほど、足を心臓よりやや高くして横になる(クッションなどで持ち上げる)。
  • 日中に軽く歩く、足首を動かす、ふくらはぎをさする。
  • 医師に相談のうえ弾性ストッキングを使う、入浴で血行を促す。

※心臓・腎臓の病気がある方、立ちくらみがある方は無理をせず、気分が悪くなったら中止し、主治医に相談してください。

4. 塩分を控える

塩分のとり過ぎはのどの渇き・飲水量・尿量の増加につながります。減塩を意識すると、めぐりめぐって夜間の尿量を減らす助けになります。

5. 膀胱を鍛える・尿意を上手にやり過ごす

  • 骨盤底筋トレーニング:肛門を「キュッ」と締めて5秒、ゆるめて5秒を10回ほど、1日数セット。男女ともに有効です。
  • 膀胱訓練:強い尿意が来ても、まず深呼吸して数秒やり過ごし、落ち着いてからトイレへ。少しずつトイレの間隔をのばします。

6. 睡眠の質を整える

日中に体を動かして生活リズムを整えると、夜の眠りが深くなり「軽い尿意で目覚める」ことが減ります。昼寝は短めに、朝は決まった時間に起きるのが基本です。

夜間頻尿と転倒|夜のトイレを安全にする環境づくり

夜間頻尿で見逃せないのが、夜中の移動による転倒です。暗く、寝起きで頭がぼんやりした状態でトイレに向かうため、つまずきや転びやすさが高まります。高齢者にとって転倒は骨折や寝たきりのきっかけになり得るため、回数を減らす工夫と同時に「起きてしまったときに安全に動ける環境」を整えることが、介護のうえでとても重要です。

東北大学の研究チームが70歳以上の高齢者を追跡した調査では、夜中に2回以上トイレに起きる人は、それ以下の人に比べて骨折や死亡のリスクが高いことが報告されています(補正後で骨折リスクの目安が約2倍)。夜間頻尿を「眠りの質の問題」だけでなく「転倒・骨折を防ぐ」という視点でとらえることが大切です。

寝室からトイレまでを安全にする

  • 足元灯(フットライト)・人感センサーライトを廊下やトイレまでの動線に設置し、夜でも明るく見えるようにする。
  • 通路の段差・コード・マット・新聞や荷物など、つまずきの原因を片づける。
  • 滑りやすいスリッパは避け、かかとのある履き慣れた室内履きにする。
  • 立ち上がりや方向転換の場所に手すりをつける(介護保険の住宅改修が使えることがあります)。

トイレまでの距離を短くする

  • 夜だけポータブルトイレをベッドの近くに置く。移動距離が短くなり、転倒リスクと負担が減ります。
  • 立ち上がりや歩行が不安な方にはポータブル尿器(手元で使える尿器)も選択肢になります。
  • 寝る場所を1階・トイレに近い部屋へ変えることも検討する。

起きたときにあわてない工夫

  • ベッドの縁にしばらく腰かけ、立ちくらみがないか確かめてから歩き出す。
  • 急がず、手すりや家具につかまりながらゆっくり移動する。
  • ご家族は「夜中に呼んでくれていい」と伝え、必要なら見守りや付き添いをする。

これらの環境づくりは、原因そのものを治すものではありませんが、夜間頻尿が続いている間の事故を防ぐ「守りの対策」として欠かせません。福祉用具や住宅改修については、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談すると、介護保険での貸与・購入・改修の対象になるか教えてもらえます。

家族が手伝う排尿日誌|受診前にこれを記録しておく

夜間頻尿の原因をつきとめ、適切な治療につなげるために、医療機関では「排尿日誌(排尿記録)」がとても重視されます。これは、いつ・どれくらいの量の排尿があったかなどを記録するものです。ご本人だけでは負担が大きいこともあるため、ご家族がさりげなく手伝うと続けやすくなります。受診の前に2〜3日分つけておくと、診察がスムーズになり、医師が原因のタイプを判断しやすくなります。

記録するとよい項目

  • 排尿の時刻(昼も夜も。夜間に起きた回数がわかる)
  • 1回ごとの尿量(計量カップで測る。難しければ「多め・ふつう・少なめ」でも可)
  • 就寝・起床の時刻
  • 飲んだ水分の時刻と量(お茶・お酒・コーヒーも分けて)
  • 尿もれの有無、強い尿意で間に合わなかったか
  • 気づいたこと(足のむくみ、夜中に何回起きたか、転びそうになったか など)

記録からわかること(家庭での目安)

  • 1回の尿量がしっかりあって、夜の尿量が1日の3分の1以上を占める → 夜間多尿の可能性。水分・むくみ・薬の見直しが中心に。
  • 1回の尿量が少ない(100ml前後やそれ以下)のに回数が多い → 蓄尿障害(過活動膀胱・前立腺肥大など)の可能性。膀胱の治療が中心に。
  • 尿意で目覚めるのではなく、目が覚めるとついでにトイレに行っている → 睡眠の問題が大きいかも。

これらはあくまで家庭での見当づけです。最終的な診断は、記録をもとに医師が問診・検査(尿検査・超音波での残尿測定など)を行って判断します。記録は「医師に正確に伝えるためのメモ」と考え、気負わずに続けることが大切です。

独自分析|在宅の夜間頻尿ケアは「治す対策」と「守る対策」をセットで

当サイトでは、夜間頻尿を在宅介護の現場で考えるとき、対策を2つの軸で整理することをおすすめしています。多くの解説は「原因をどう治すか」に重点が置かれますが、ご家族にとっては、改善するまでの間に夜の事故をどう防ぐかも同じくらい切実だからです。

軸1:原因に働きかける「治す対策」

水分・カフェイン・むくみの見直し、骨盤底筋トレーニング、睡眠リズムの調整、そして医療機関での治療です。これらは時間をかけて回数そのものを減らしていく取り組みで、効果が出るまで数週間以上かかることもあります。

軸2:起きてしまう前提で備える「守る対策」

足元灯・手すり・通路の片づけ・ポータブルトイレなど、夜中に動いても転ばない環境づくりです。原因が解決していなくても、今夜からすぐに事故リスクを下げられます。

公的データを重ね合わせると、この「守る対策」の重要性がよくわかります。夜2回以上の夜間頻尿で骨折・死亡リスクが高まるという東北大学の追跡調査、そして国立長寿医療研究センターの調査が示す「年齢が上がるほど夜間の排尿回数が増える」という事実を合わせて考えると、高齢になるほど夜間頻尿は避けにくく、同時に転倒の代償は大きくなるという構図が見えてきます。だからこそ、原因の治療を待つだけでなく、環境面の備えを並行して進めることが合理的です。

「守る対策」は公的な支援とつなげられる

うれしいことに、軸2で挙げた道具や住まいの工夫の多くは、介護保険の制度と接続できます。たとえば手すりの設置は住宅改修(上限20万円の給付枠)、ポータブルトイレや一部の排泄関連用品は特定福祉用具販売の対象になることがあります。当サイトでは、こうした用品選びや住宅改修の手順をご家族向けに別記事でまとめています(下のリンク集をご覧ください)。「夜間頻尿そのものの治療は泌尿器科・かかりつけ医へ、夜の安全と用品は介護保険の窓口へ」と相談先を整理しておくと、ご家族の負担が減り、対策が前に進みやすくなります。

受診の目安と「すぐ相談すべき」危険サイン

夜間頻尿は様子を見てよいものから、早めの受診が必要なものまでさまざまです。ご家族が判断に迷ったときの目安を整理します。

早めに相談したほうがよいケース

  • 夜2回以上トイレに起き、睡眠不足や日中のだるさなど生活に支障が出ている。
  • 夜中の移動でふらつく・転びそうになる、すでに転んだことがある。
  • 家庭での工夫を2〜4週間ほど続けても、回数が減らない。
  • 尿もれが増えた、急に強い尿意が来て間に合わないことがある。
  • 尿の出が悪い、残った感じがする(とくに男性)。

これらは泌尿器科が専門ですが、どの科に行くか迷うときや持病・服用薬との関係が気になるときは、まずかかりつけ医に相談すると整理してもらえます。

できるだけ早く受診すべき「危険サイン」

  • 血尿が出た(がんや尿路結石などの可能性)。
  • 排尿時の痛み・下腹部の痛み・発熱を伴う(膀胱炎・前立腺炎など感染症の可能性)。
  • 急に尿がほとんど出なくなった(尿閉のおそれ。早急な対応が必要)。
  • 足のむくみや息切れが強まり、夜間の尿が急に増えた(心臓の働きの低下が隠れていることがある)。

これらのサインがあるときは、年齢のせいと考えず、できるだけ早く医療機関を受診してください。受診の際は、つけておいた排尿の記録と、現在飲んでいる薬(お薬手帳)を持参するとスムーズです。

よくある質問(夜間頻尿とご家族の対応)

Q. 夜のトイレは何回からが「受診した方がよい」目安ですか?

A. 一般に夜2回以上で生活に支障が出ているなら相談の目安です。ただし回数より「ご本人が困っているか・眠れているか・夜中に転びそうか」が大切です。1回でもつらい場合は相談して構いません。

Q. 水分を控えると脱水が心配です。減らしてよいのでしょうか?

A. 1日に必要な水分はとったうえで、夕方以降を控えめにするのが基本です。必要量がとれていれば過度に脱水を恐れる必要はありませんが、心臓・腎臓の病気がある方や適量に迷う場合は、自己判断せず主治医に相談してください。

Q. 市販の「頻尿の薬」を飲ませても大丈夫ですか?

A. 自己判断での服用はおすすめできません。夜間頻尿は原因によって必要な対処が異なり、ほかの薬との飲み合わせや持病の影響もあります。まずは原因を調べるため、泌尿器科やかかりつけ医に相談しましょう。

Q. 認知症があり、夜中に何度も起きてトイレに行こうとします。どうすれば?

A. 夜間頻尿に加え、睡眠リズムの乱れ(昼夜逆転)が重なっていることがあります。足元の安全確保とポータブルトイレの活用に加え、睡眠や生活リズムの調整が役立つことがあります。負担が大きいときはケアマネジャーや主治医に相談してください。

Q. すぐ病院に行った方がよい危険なサインはありますか?

A. 血尿がある、排尿時や下腹部に痛みがある、急に回数が増えた・尿が出にくくなった、発熱を伴う、といった場合は早めに泌尿器科を受診してください。これらは感染症や尿路結石、腫瘍などの可能性があります。

Q. 福祉用具や手すりの相談はどこにすればよいですか?

A. 担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに相談してください。介護保険での福祉用具の貸与・購入、住宅改修の対象になるか確認してもらえます。

参考文献・出典

まとめ|「年のせい」と諦めず、まず記録して相談を

高齢の方が夜中に何度もトイレに起きる夜間頻尿は、加齢に伴ってとても多くなる症状ですが、「年だから仕方ない」と諦める必要はありません。原因は夜間多尿・膀胱の蓄尿障害・睡眠障害の3つに整理でき、家庭での水分やむくみの工夫、生活リズムの調整、そして医療機関での治療によって、回数を減らせる可能性があります。同時に、夜間の転倒を防ぐ環境づくり(足元灯・手すり・ポータブルトイレなど)は、改善を待つ間の事故を防ぐ大切な「守りの対策」です。

まずはご家族が一緒に排尿の記録を2〜3日つけて、状況を整理しておきましょう。そのうえで、症状や心配ごとに合わせて、次の窓口に相談してください。

  • 泌尿器科:夜のトイレの回数・尿の出にくさ・尿もれ・尿意切迫感など、排尿そのものの悩み。血尿・排尿時の痛みなど気になるサインがあるときも。
  • かかりつけ医:糖尿病・高血圧・心臓や腎臓の病気、服用中の薬(利尿剤など)との関係が気になるとき。どの科に行けばよいか迷うときの最初の相談先にも。
  • 地域包括支援センター・ケアマネジャー:手すりの設置やポータブルトイレなど福祉用具・住宅改修、夜間の見守りや介護サービスの相談。介護保険が使えるか確認したいとき。

夜のトイレの悩みは口に出しにくく、ご本人が一人で抱え込みがちです。ご家族が早めに気づき、記録を手伝い、適切な相談先につなげることが、ぐっすり眠れる夜と安全な毎日への一番の近道です。気になる症状があれば、遠慮なく専門家に相談してください。

監修者

介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム

医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)

看護師介護福祉士ケアマネジャー

訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護保険、施設選び、在宅介護など、介護を受ける方・ご家族が判断に迷いやすいテーマを、公的情報と実務上の確認ポイントに沿って解説しています。

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