デイサービスのボーナス・賞与は平均いくら?
介護職向け

デイサービスのボーナス・賞与は平均いくら?

デイサービスで働く介護職員のボーナス平均額は年間30〜50万円で、特養より10〜20万円低い傾向にあります。通所介護の報酬単価が低い理由、ボーナスなし施設の特徴と見分け方、夜勤なしでもボーナスを増やすための資格取得や転職のコツを詳しく紹介します。

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目次

「デイサービスで働くとボーナスはどれくらいもらえるの?」「特養や老健と比べて少ないって本当?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。

結論から言うと、デイサービスのボーナスは介護施設の中で低い水準にあります。年間約35〜48万円が平均的な支給額で、特養(約79万円)の半分程度です。また、ボーナス支給がない事業所も約25%存在するのが実情です。

しかし、すべてのデイサービスがボーナスが低いわけではありません。大手法人が運営する施設や、特養併設のデイサービスなど、働く場所を選べば年間60万円以上のボーナスを得ることも可能です。

この記事では、デイサービスのボーナス・賞与の実態から、他施設との比較、ボーナスが低い理由、ボーナスを増やす具体的な方法、転職時の確認ポイント、そして今後の動向まで徹底解説します。デイサービスで働きながらも高収入を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。

介護職の全国給与データから見るポイント

本サイトが保有する都道府県別給与データでは、介護職全体の全国平均は月給26.4万円、年収368万円です。手当・待遇の記事では、平均額だけでなく「地域差」と「施設タイプ差」を分けて見ることが重要です。手当や賞与は事業所ごとの差が大きい領域です。公的統計の平均値を基準線にすると、高い・低いを感覚だけで判断しにくくなります。

県別では上位の東京都が月給31.8万円、下位の長崎県が月給23.6万円で、月給差は約8.2万円あります。

順位都道府県平均月給平均年収
1東京都31.8万円435万円
2神奈川県31.4万円441万円
3奈良県28.6万円388万円
4兵庫県28.6万円385万円
5滋賀県28.5万円390万円

デイサービスの全国平均は月給29.4万円、年収353万円です。施設タイプ別給与は処遇状況等調査系の値で、都道府県別の介護職全体平均とは母集団が異なるため、同じランキングとしては混ぜず「施設タイプを見る目安」として使います。

順位施設タイプ平均月給平均年収
1特別養護老人ホーム36.2万円434万円
2有料老人ホーム36.1万円433万円
3介護老人保健施設35.3万円424万円
4訪問介護35.0万円420万円
5小規模多機能型居宅介護30.5万円366万円
6グループホーム30.2万円362万円
7デイサービス29.4万円353万円

出典: 都道府県別給与は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」系データ、施設タイプ別給与は介護従事者処遇状況等調査系データに基づく本サイト集計。調査の母集団・定義が異なるため、表同士を単純比較せず、給与を見る切り口として分けて掲載しています。

デイサービスの施設数データから見るポイント

本サイトが保有する厚生労働省由来の施設データでは、デイサービスは全国に24,742件あります。この記事のテーマは「給与・待遇」です。給与を見るときは、平均額だけでなく、その施設タイプが多い地域かどうかも重要です。施設数が多い地域ほど比較対象が増え、夜勤手当・資格手当・賞与の差も見つけやすくなります。

順位都道府県施設数全国比率
1大阪府1,563件6.3%
2東京都1,546件6.2%
3福岡県1,405件5.7%
4愛知県1,383件5.6%
5埼玉県1,235件5.0%
順位市区町村施設数全国比率
1大分県大分市164件0.7%
2群馬県前橋市145件0.6%
3愛媛県松山市135件0.5%
4宮崎県宮崎市131件0.5%
5静岡県浜松市中央区128件0.5%

デイサービスは、都道府県別では大阪府1,563件、東京都1,546件、福岡県1,405件に多く、市区町村別では大分県大分市164件、群馬県前橋市145件、愛媛県松山市135件に集まりやすい傾向があります。求人条件を比較するときは、全国平均の説明だけでなく「自分が探す地域にどれだけ選択肢があるか」まで見ると、判断の精度が上がります。

出典: 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」オープンデータ(2025年12月末時点)に基づく本サイト集計。施設数は公開データの登録状況により変動します。

デイサービスの介護職員のボーナス平均額

デイサービスで働く介護職員のイラスト

介護労働安定センターの「令和5年度介護労働実態調査」によると、デイサービス(通所介護)で働く介護職員の年間ボーナス平均額は約35〜48万円です。これは介護施設の中で最も低い水準となっています。

デイサービスのボーナス基本データ

項目金額・数値
年間ボーナス平均約35〜48万円
1回あたり(年2回の場合)約17万5,000〜24万円
月給換算約1.5〜2.0ヶ月分
賞与支給率約75%
ボーナスなしの割合約25%

デイサービスの賞与支給率は約75%で、約4分の1の事業所ではボーナスが支給されていないのが実情です。これは入所型施設(特養・老健)の支給率90%以上と比較すると低い数値となっています。

ボーナスの支給時期と回数

デイサービスのボーナス支給時期は、一般企業と同様に年2回(夏・冬)が主流です。

  • 夏のボーナス:6月〜7月ごろ(査定期間:前年10月〜3月)
  • 冬のボーナス:12月ごろ(査定期間:4月〜9月)

ただし、施設によっては年1回のみの支給や、決算賞与として3月に支給するケースもあります。また、業績連動型の場合は支給額が年によって変動することもあるため、求人票だけでなく過去の支給実績を確認することが重要です。

ボーナスの査定基準

デイサービスのボーナスは、主に以下の要素で決定されます。

  • 基本給:ボーナスは「基本給×○ヶ月分」で計算されることが多い
  • 勤務実績:出勤率、残業時間、査定期間中の勤務日数
  • 人事評価:上司からの評価、目標達成度
  • 事業所の業績:利用者数、稼働率、経営状況
  • 資格・役職:介護福祉士、管理者などの手当が加算される場合も

特に注意したいのは、各種手当は基本給に含まれないことが多い点です。夜勤手当や資格手当が充実していても、基本給が低ければボーナス計算のベースも低くなります。

正社員とパートのボーナス差

デイサービスで働くパート・アルバイト職員のボーナス支給状況は、正社員と大きく異なります。

雇用形態支給率年間平均額
正社員(無期雇用)約75%約35〜48万円
パート(有期雇用)約40%約5〜15万円

パート職員へのボーナス支給は事業所の判断によるため、支給されない職場も多いのが実情です。ただし、2020年に施行された「同一労働同一賃金」の原則により、正社員と同等の業務を行うパート職員への不合理な待遇差は違法となる可能性があります。

経験年数・資格別のボーナス詳細データ

デイサービスのボーナスは、経験年数や保有資格によって大きく異なります。ここでは、より詳細なデータを見ていきましょう。

経験年数別のボーナス平均額

介護業界全体のデータをもとに、デイサービスでの経験年数別ボーナス目安を算出しました。

経験年数年間ボーナス目安月給換算
1年未満約15〜25万円約0.5〜1.0ヶ月分
1〜4年約30〜40万円約1.0〜1.5ヶ月分
5〜9年約40〜55万円約1.5〜2.0ヶ月分
10〜14年約50〜65万円約2.0〜2.5ヶ月分
15年以上約55〜75万円約2.5〜3.0ヶ月分

経験年数が長くなるほどボーナス額は増加しますが、デイサービスでは10年以上勤務しても年間60万円前後が上限となるケースが多いです。これは特養(10年以上で約90万円)と比較すると、依然として差があります。

保有資格別のボーナス平均額

保有資格によってもボーナス額に差が出ます。資格手当が基本給に加算される場合、ボーナス計算のベースも上がります。

保有資格年間ボーナス目安無資格との差
無資格約25〜35万円
初任者研修(旧ヘルパー2級)約30〜40万円+約5万円
実務者研修約35〜45万円+約10万円
介護福祉士約45〜60万円+約20万円
ケアマネジャー約55〜70万円+約30万円

介護福祉士を取得すると、無資格者と比べて年間約20万円以上ボーナスが増える可能性があります。デイサービスで長く働く予定なら、資格取得は収入アップの有効な手段です。

役職別のボーナス平均額

デイサービスには管理者、生活相談員、介護リーダーなどの役職があり、役職手当がボーナスに反映されることがあります。

役職年間ボーナス目安一般職との差
一般介護職員約35〜48万円
介護リーダー約45〜55万円+約10万円
生活相談員約50〜65万円+約15万円
管理者約60〜80万円+約25万円

管理者は施設全体のマネジメントを担うため、一般職員より高いボーナスが期待できます。ただし、小規模なデイサービスでは管理者が介護業務も兼任するケースが多く、業務負担と収入のバランスを考慮する必要があります。

年齢別のボーナス傾向

年齢によるボーナスの傾向も確認しておきましょう。

  • 20代:約25〜35万円(経験が浅いため低め)
  • 30代:約35〜50万円(中堅として査定が上がる)
  • 40代:約45〜60万円(役職に就く人も増加)
  • 50代以上:約40〜55万円(役職によって差が出る)

介護業界では40代がボーナスのピークとなる傾向があります。これは管理職に就く割合が高まることと、長年の経験が評価されるためです。

デイサービスでボーナスを増やす現実的な方法

デイサービスは夜勤がないため月給が低めで、ボーナスも特養より少ない傾向です。しかし対策次第で収入アップは可能です。

デイサービスでボーナスを増やす4つの方法

  1. 大手法人のデイを選ぶ:社会福祉法人や大手企業運営のデイは、ボーナス基本給3〜4ヶ月分の実績があるところも
  2. 管理者・生活相談員を目指す:役職手当で月給が上がり、ボーナス基準額もアップ
  3. お泊りデイで夜勤手当を得る:夜勤のあるお泊りデイなら月収が2〜4万円増。ボーナスにも好影響
  4. 送迎ドライバーを兼務する:送迎手当で月5,000〜10,000円の上乗せ

求人を比較する際は、ボーナスの「支給実績」を必ず確認。「賞与あり」とだけ書いてある求人は、実際には寸志(数万円)の場合もあります。

他施設との比較|特養・老健との差

デイサービスと特養・老健の比較イラスト

デイサービスと他の介護施設のボーナスを詳しく比較してみましょう。施設形態によってボーナス額に大きな差があることがわかります。

施設形態別ボーナス比較表

施設形態年間ボーナス平均デイとの差額特徴
特別養護老人ホーム(特養)約79万5,000円+44万5,000円社会福祉法人運営が多く安定
介護老人保健施設(老健)約73万8,000円+38万8,000円医療法人運営で待遇良好
介護医療院約73万円+38万円医療機関併設で高待遇
有料老人ホーム約55万円+20万円大手企業運営は高め
グループホーム約41万円+6万円小規模で差がある
デイサービス約35〜48万円中小事業所が多い
訪問介護約30万円−5万円登録ヘルパーは低め

なぜこれほど差があるのか

施設形態によるボーナス差の主な理由は以下の通りです。

1. 運営母体の違い

  • 特養:社会福祉法人が運営。公的な補助金もあり経営が安定
  • 老健:医療法人が運営。病院と同じ給与体系が適用されることも
  • デイサービス:株式会社や個人事業主の参入が多く、経営規模にばらつき

2. 夜勤の有無

入所型施設(特養・老健)は24時間ケアで夜勤があり、業務負担が大きい分、待遇も良くなります。デイサービスは日勤のみで夜勤がないため、その分ボーナスも低い傾向にあります。

3. 介護報酬の違い

介護報酬は要介護度や提供サービスによって異なります。入所型施設は要介護度が高い利用者が多く、介護報酬も高額です。デイサービスは要支援〜要介護2程度の利用者が中心で、1人あたりの介護報酬は低めです。

5年間の収入差シミュレーション

特養とデイサービスで5年間働いた場合の収入差を計算してみましょう。

項目特養デイサービス差額
年間ボーナス約79万円約40万円約39万円
5年間合計約395万円約200万円約195万円

5年間で約195万円の差が生じます。10年間では約390万円もの差になる計算です。ボーナスを重視するなら、施設選びは慎重に行う必要があります。

同じデイサービスでも差がある

デイサービスの中でも、運営母体や規模によってボーナス額に差があります。

  • 特養併設のデイサービス:母体の給与体系が適用され、年間50〜60万円も
  • 大手法人運営のデイサービス:安定した経営でボーナスも高め
  • 小規模な独立系デイサービス:経営状況に左右され、支給なしの場合も

デイサービスで働く場合でも、運営母体をしっかり確認することでボーナス額を大きく変えられる可能性があります。

デイサービスでボーナスを増やす7つの方法

デイサービスで働きながらもボーナスをしっかりもらいたい方へ、具体的な方法を7つ紹介します。

方法1:大手法人・社会福祉法人のデイに転職する

最も確実な方法は、ボーナス制度がしっかりした施設に転職することです。特に以下のような施設はボーナスが高い傾向があります。

  • 特養併設のデイサービス:法人全体の給与体系が適用され、年間50〜60万円も期待できる
  • 大手介護企業のデイサービス:ニチイ、ベネッセ、SOMPOケアなど、待遇が統一されている
  • 医療法人運営のデイサービス:病院併設で経営が安定している

求人情報で「賞与年2回」「賞与○ヶ月分」と明記されている職場を選びましょう。

方法2:介護福祉士の資格を取得する

介護福祉士の資格を取得すると、基本給・資格手当が上がり、ボーナス計算のベースも増えます

  • 資格手当:月額5,000〜15,000円が基本給に加算
  • ボーナスへの影響:年間約10〜20万円アップの可能性
  • 処遇改善加算:介護福祉士がいる事業所は加算が取りやすい

実務経験3年以上で受験資格が得られるため、デイサービスで働きながら資格取得を目指すのは現実的な選択肢です。

方法3:管理者・生活相談員を目指す

デイサービスには管理者や生活相談員というポジションがあり、役職手当がボーナスに反映されます

  • 介護リーダー:月額5,000〜10,000円の役職手当
  • 生活相談員:月額10,000〜20,000円の役職手当(社会福祉士または介護福祉士が必要)
  • 管理者:月額20,000〜50,000円の役職手当

管理者になると年間ボーナスは60〜80万円も期待できます。キャリアアップを意識して働くことで、長期的な収入アップにつながります。

方法4:処遇改善加算の取得状況を確認する

介護職員等処遇改善加算を取得している事業所を選びましょう。加算には複数の区分があり、上位の加算を取得している事業所ほど賃金への還元が大きいです。

加算区分加算率(デイサービス)職員への影響
処遇改善加算Ⅰ約5.9%年間約10〜20万円増
処遇改善加算Ⅱ約4.3%年間約8〜15万円増
処遇改善加算Ⅲ約2.3%年間約5〜10万円増

求人票や面接時に「処遇改善加算Ⅰを取得しているか」を確認しましょう。

方法5:勤続年数を重ねる

多くの事業所では勤続年数に応じて基本給が上がる定期昇給制度があります。長く勤めることでボーナスのベースとなる基本給も上昇します。

  • 1年ごとの昇給額:月額2,000〜5,000円程度が一般的
  • 5年勤続で月額10,000〜25,000円アップ
  • ボーナスへの影響:年間約4〜10万円増

方法6:上司・経営者に相談する

現在の職場でボーナスに不満がある場合、直接相談してみるのも一つの方法です。

  • 自分の貢献(利用者からの評価、業務改善など)を具体的にアピール
  • 他施設の相場を調べて根拠を示す
  • 資格取得や役職昇進の意欲を伝える

特に人手不足の事業所では、優秀な職員を引き止めるために待遇改善に応じてくれることもあります。

方法7:ボーナスの高い時期に転職する

転職のタイミングも重要です。ボーナス支給後(7月・12月)に転職活動を始めると、現職のボーナスをもらってから新しい職場に移れます。

また、新しい職場での査定期間を考慮し、次のボーナスに間に合うよう入社時期を調整するのもポイントです。

デイサービスで働くメリット・デメリット

ボーナスは低めですが、デイサービスには他施設にはないメリットも多くあります。ボーナス以外の要素も含めて、総合的に判断しましょう。

メリット

1. 日勤のみで働ける

デイサービスは夜勤がないため、規則正しい生活リズムを維持できます。体調管理がしやすく、長く働き続けやすい環境です。

2. 身体的負担が比較的少ない

利用者の要介護度が低い傾向にあるため、重度の身体介護が少なく、腰痛などのリスクも軽減されます。入浴介助も機械浴ではなく一般浴が中心です。

3. 土日休みの施設も多い

日曜・祝日が定休日の事業所も多く、家族との時間を確保しやすいです。子どもの学校行事にも参加しやすく、子育て中の方に人気があります。

4. レクリエーションが楽しい

デイサービスでは毎日レクリエーションを行います。利用者と一緒に季節行事やゲームを楽しめるのは、デイサービスならではの魅力です。

5. コミュニケーションが多い

利用者との会話が多く、人と接することが好きな方にはやりがいのある職場です。認知症ケアのスキルも身につきます。

デメリット

1. ボーナスが少ない

本記事で解説した通り、入所型施設と比べてボーナスは大幅に低いです。年間で40万円以上の差が出ることもあります。

2. 夜勤手当がない

夜勤がない分、夜勤手当による収入アップができません。月収ベースでも入所型施設より2〜5万円低くなる傾向があります。

3. 送迎業務がある

多くのデイサービスでは送迎業務があり、運転が苦手な方には精神的な負担になることがあります。送迎中の事故リスクも考慮が必要です。

4. レクリエーションの企画が必要

毎日のレクリエーションを考える必要があり、創意工夫が求められます。人前で話すことや盛り上げることが苦手な方にはストレスになることも。

5. キャリアアップの機会が限られる

小規模事業所では管理者ポストが1つしかなく、昇進の機会が限られることがあります。

こんな人にはデイサービスがおすすめ

  • プライベートを大切にしたい人
  • 夜勤が難しい人(子育て中、体力面で不安など)
  • 体力に自信がない人
  • レクリエーションが好きな人
  • 人と話すことが好きな人
  • 規則正しい生活を送りたい人

こんな人には向いていない

  • ボーナスで稼ぎたい人
  • 夜勤手当で収入を増やしたい人
  • レクリエーションが苦手な人
  • 運転が苦手な人
  • 急速なキャリアアップを目指す人

なぜデイサービスのボーナスは低いのか?5つの理由

デイサービスのボーナスが他施設より低い背景には、業界構造的な理由があります。ここでは5つの主な理由を解説します。

理由1:中小事業所が多い

デイサービスは開業のハードルが比較的低く、株式会社や個人事業主による参入が多いのが特徴です。厚生労働省のデータによると、デイサービス事業所の約6割が定員18名以下の小規模事業所です。

小規模事業所は経営基盤が不安定になりやすく、ボーナスの原資を確保しにくい傾向があります。特に開業から日が浅い事業所では、ボーナス制度自体がないケースも珍しくありません。

理由2:夜勤がないため基本給が低い

デイサービスは日勤のみの勤務で夜勤がありません。働きやすさというメリットがある一方、夜勤手当がない分、月収・基本給が低くなりがちです。

ボーナスは「基本給×○ヶ月分」で計算されることが多いため、基本給が低いとボーナスも自動的に低くなります。

理由3:要介護度が低く介護報酬が少ない

デイサービスの利用者は、要支援1〜要介護2程度の比較的軽度な方が中心です。介護報酬は要介護度に応じて設定されているため、軽度の利用者が多い事業所は収入が限られます

収入が限られれば、職員への還元(ボーナス)も少なくなるという構造です。

理由4:利用者数の変動リスク

デイサービスは通所型サービスのため、利用者が他施設に移ったり、入院・入所したりすると収入が減少します。入所型施設と比べて利用者数が安定しにくいのがデメリットです。

経営が不安定になると、ボーナスが減額されたり、支給されなくなったりするリスクがあります。

理由5:競争が激しい

デイサービスは全国に約2万4,000事業所以上あり、介護サービスの中で最も数が多い施設形態です。事業所同士の競争が激しく、価格競争や差別化のために経費がかかることも、ボーナス原資を圧迫する要因となっています。

ボーナスが低い事業所を避けるには

これらの理由を踏まえると、デイサービスでもボーナスが高い職場を選ぶポイントが見えてきます。

  • 社会福祉法人や大手法人が運営している
  • 特養・老健に併設されている
  • 定員30名以上の中〜大規模事業所
  • 開業から5年以上経過し経営が安定している
  • 処遇改善加算を取得している

転職時にボーナスを確認する5つのポイント

デイサービスへの転職を考えている方は、ボーナスについて以下の5つのポイントを必ず確認しましょう。「賞与あり」の記載だけでは不十分です。

ポイント1:過去の支給実績を確認する

求人票に「賞与あり」と書いてあっても、実際にいくら支給されたかは別問題です。面接時に以下を質問しましょう。

  • 「昨年の賞与実績は何ヶ月分でしたか?」
  • 「ここ3年間のボーナス支給実績を教えてください」
  • 「業績連動型ですか?それとも固定ですか?」

「寸志程度」「数万円程度」という回答であれば、期待したボーナスは得られない可能性があります。

ポイント2:基本給とボーナスの計算方法を確認する

ボーナスは「基本給×○ヶ月分」で計算されるのが一般的です。しかし、基本給が低く設定されている場合、ボーナスも少なくなります

  • 月給25万円でも基本給が15万円なら、2ヶ月分のボーナスは30万円
  • 月給23万円でも基本給が20万円なら、2ヶ月分のボーナスは40万円

「月給」ではなく「基本給」を確認することが重要です。

ポイント3:入社1年目のボーナス支給条件を確認する

多くの事業所では、入社1年目は査定期間が満たないためボーナスが減額または不支給となります。

  • 「入社何ヶ月目からボーナス対象ですか?」
  • 「1年目のボーナスは満額ですか?それとも按分ですか?」

入社時期によってはボーナスを1年近くもらえないこともあるため、事前確認が必須です。

ポイント4:処遇改善加算の取得状況を確認する

処遇改善加算を取得している事業所は、その分を職員の賃金・ボーナスに還元しています。

  • 「処遇改善加算は取得していますか?」
  • 「加算はどのように職員に還元されていますか?」(給与への上乗せ、ボーナスへの加算、手当として支給など)

ポイント5:求人票と実態の差をチェックする

求人票の情報と実態が異なるケースもあります。以下の方法で事前確認しましょう。

  • 口コミサイトで実際の支給額を調べる
  • 転職エージェントに内部情報を聞く
  • 施設見学で職場の雰囲気を確認する
  • 可能であれば現職員に話を聞く

特に「業績連動型」のボーナスは、事業所の経営状況によって大きく変動するため、安定性を重視するなら「固定型」の事業所を選ぶのがおすすめです。

今後のボーナス事情|処遇改善加算の影響

介護業界のボーナス事情は、国の政策によって変化しています。デイサービスで働く方にも影響がある最新動向を解説します。

処遇改善加算の拡充

2024年の介護報酬改定で、介護職員等処遇改善加算が一本化・拡充されました。これにより、デイサービスでも職員への賃金還元が進むことが期待されています。

  • 加算率の引き上げ:デイサービスの処遇改善加算は最大約6%に
  • ベースアップ加算の統合:月額賃金への上乗せが進む
  • 取得要件の見直し:より多くの事業所が上位加算を取得しやすく

処遇改善加算を取得している事業所で働くことで、ボーナスだけでなく月給もアップする可能性があります。

黒字事業所のボーナス減額禁止ルール

2022年より、黒字経営の事業所が処遇改善加算を取得しながらボーナスを減額することが禁止されました。

このルールにより、経営が安定している事業所では、以前よりもボーナスが維持・増額されやすくなっています。求人を選ぶ際には、事業所の経営状況(黒字かどうか)も判断材料になります。

介護人材確保に向けた待遇改善

介護業界全体で深刻な人手不足が続いているため、人材確保のために待遇改善に取り組む事業所が増加しています。

  • ボーナス制度の新設・拡充
  • 資格取得支援制度の充実
  • 定期昇給の導入
  • 福利厚生の強化

特にデイサービスは競争が激しいため、良い人材を確保するために他施設との差別化として待遇を改善する動きが見られます。

今後の見通し

政府は2025年までに介護職員の平均賃金を月額約9,000円引き上げる方針を示しています。これにより、ボーナスを含めた年収ベースで約10〜15万円の増加が期待できます。

ただし、処遇改善加算を取得していない事業所では恩恵を受けられないため、転職・就職の際は加算の取得状況を必ず確認しましょう。

デイサービスのボーナスに関するよくある質問

デイサービスのボーナスについて、よくある質問にお答えします。

Q1. デイサービスの1年目でもボーナスはもらえますか?

A. 事業所によって異なりますが、多くの場合は減額または一部支給となります。

ボーナスには「査定期間」があり、その期間に在籍していた分が支給対象となります。例えば、夏のボーナス(6月支給)の査定期間が10月〜3月の場合、4月入社の方は査定期間が満たないため、満額支給されないことが一般的です。

ただし、入社1年目から満額支給する事業所もあるため、入社前に確認しておきましょう。

Q2. パートのデイサービス職員でもボーナスはもらえますか?

A. パート職員へのボーナス支給率は約40%で、支給されない事業所も多いです。

パートの場合、正社員と同額ではなく、勤務時間に応じた按分支給となることが一般的です。例えば、週20時間勤務なら正社員の半分程度となります。

2020年に施行された「同一労働同一賃金」により、パートへの不合理な待遇差は違法となりますが、勤務時間や責任範囲の違いによる差は認められています。

Q3. ボーナスなしのデイサービスは違法ですか?

A. 違法ではありません。ボーナスの支給は法律上の義務ではなく、事業所の判断によります。

労働基準法ではボーナス(賞与)の支給を義務付けていません。ただし、就業規則や雇用契約書に「賞与を支給する」と明記されている場合は、その通りに支給しなければ契約違反となります。

Q4. デイサービスで年収400万円以上は可能ですか?

A. 管理者や生活相談員になれば可能です。一般の介護職員では難しいケースが多いです。

デイサービスの一般介護職員の年収は約300〜350万円が相場です。管理者になれば年収400〜450万円も可能ですが、ポストは限られています。年収を重視するなら、特養や老健への転職も選択肢です。

Q5. ボーナスが高いデイサービスの見分け方は?

A. 運営母体、施設規模、処遇改善加算の取得状況をチェックしましょう。

  • 社会福祉法人・大手法人運営:経営が安定しボーナスも高い傾向
  • 特養・老健併設:本体の給与体系が適用されることが多い
  • 処遇改善加算Ⅰ取得:職員への還元が大きい
  • 定員30名以上:経営に余裕がある

Q6. ボーナスと年収、どちらを重視すべきですか?

A. 年収ベースで比較することをおすすめします。

ボーナスが高くても月給が低ければ、年収は変わらないことがあります。また、ボーナスは業績によって変動するリスクがあるため、安定した月給+適度なボーナスのバランスが理想的です。

まとめ

デイサービスのボーナスは年間約35〜48万円で、介護施設の中では低い水準です。特養(約79万円)と比べると年間約40万円もの差があり、5年間で約200万円の収入差が生じます。

ボーナスが低い主な理由は、中小事業所が多いこと、夜勤がないこと、介護報酬が低いことなど、業界構造的な要因があります。ただし、すべてのデイサービスがボーナスが低いわけではありません。

この記事のポイント

  • デイサービスのボーナス平均は年間約35〜48万円
  • 特養との差は年間約40万円(5年で約200万円の差)
  • ボーナスなしの事業所も約25%存在
  • 経験年数・資格・役職でボーナス額は大きく変わる
  • 大手法人・特養併設のデイなら高ボーナスの可能性
  • 処遇改善加算を取得している事業所を選ぶことが重要
  • 転職時は過去の支給実績を必ず確認
  • 日勤のみ・体力負担少などのメリットと収入のバランスを検討

ボーナスを重視するなら

デイサービスで高ボーナスを得るには、以下のポイントを押さえましょう。

  1. 社会福祉法人・大手法人運営の施設を選ぶ
  2. 特養・老健併設のデイサービスを検討する
  3. 介護福祉士の資格を取得する
  4. 管理者・生活相談員を目指す
  5. 処遇改善加算Ⅰを取得している事業所を選ぶ

働きやすさを重視するなら

デイサービスは夜勤がなく、規則正しい生活を送れるのが最大のメリットです。ボーナスは低めでも、ワークライフバランスを重視する方には最適な職場と言えます。

ボーナス額だけでなく、働きやすさやライフスタイルとの相性も含めて総合的に判断し、自分に合った職場を選びましょう。

参考文献・出典

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

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