
高齢者の下痢|考えられる原因と家庭での対応・脱水の注意・受診の目安
高齢者の下痢は脱水や体力消耗を招きやすく注意が必要です。感染性胃腸炎・薬の副作用・乳糖不耐など主な原因、経口補水や食事・おむつケア・家庭内の感染対策、血便や高熱など危険なサイン、受診の目安と何科かを家族向けにまとめました。
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この記事のポイント
高齢者の下痢は、感染性胃腸炎や薬の副作用、食事の影響などさまざまな原因で起こります。高齢の方は体内の水分量がもともと少なく、のどの渇きも感じにくいため、下痢が続くと短時間で脱水に傾きやすいのが特徴です。家庭では経口補水液などで水分と塩分をこまめに補い、血便・高熱・激しい腹痛・意識がもうろうとするなどのサインがあれば早めの受診を検討します。判断に迷うときは、かかりつけ医や救急安心センター(#7119)に相談しましょう。
目次
「最近、親の下痢が続いている」「水のような便を何度もしていて心配」。在宅で高齢の家族を介護していると、こうした下痢の悩みは珍しくありません。下痢そのものは体に入った悪いものを外へ出そうとする防御反応でもあり、多くは数日でおさまります。ただし高齢者の場合は、若い人なら問題にならない程度の下痢でも、脱水や体力の消耗、持病の悪化につながりやすく、軽く考えられない症状です。
この記事では、ご家族の目線で、高齢者の下痢で知っておきたいポイントを整理します。下痢が高齢者にとってなぜ危険なのか、考えられる主な原因、家庭でできる水分・食事・おむつや皮膚のケア、家庭内での感染を広げないための対策、そして見逃してはいけない危険なサインと受診の目安・相談先までを順番に解説します。なお、ここで紹介する内容は一般的な情報であり、実際の診断や治療は医師の判断が必要です。気になる症状があるときは自己判断で様子を見すぎず、医療機関に相談してください。
高齢者の下痢の特徴とリスク|なぜ脱水・体力消耗に注意が必要か
下痢とは、便に含まれる水分が増え、軟らかい便(軟便)や水のような便(水様便)が出る状態で、排便の回数が増えることも特徴です。一般に、発症から2週間以内でおさまるものを「急性下痢」、4週間以上続くものを「慢性下痢」と呼びます。急性下痢の多くはウイルスや細菌による感染や食事が原因で、慢性下痢では薬の影響や腸の病気などが背景にあることがあります。
高齢者の下痢は「脱水」に特に注意が必要
高齢者の下痢が軽視できない最大の理由は、脱水を起こしやすいことです。加齢とともに体内の水分をためておく筋肉量が減り、体に占める水分の割合が若い人より少なくなります。さらに、のどの渇きを感じる感覚(口渇感)が鈍くなるため、本人は「水分は足りている」と思っていても、いつのまにか水分が不足していることがあります。これは「かくれ脱水」とも呼ばれます。下痢では便と一緒に水分とナトリウムなどの電解質が大量に失われるため、もともと余力の少ない高齢者では、短時間で脱水が進み、重症化しやすいのです。
体力・栄養の消耗と持病の悪化
下痢が続くと、食事から摂った栄養や水分を十分に吸収できないまま体外に出てしまい、体力や栄養状態が急速に低下します。食欲も落ちやすく、動けない、寝てばかりという状態になることもあります。また、糖尿病・心臓病・腎臓病などの持病がある方は、脱水によって持病が悪化したり、薬の効き方が変わったりすることがあります。利尿薬を飲んでいる方では脱水がさらに進みやすく、注意が必要です。下痢は単独の症状ではなく、全身状態に影響する出来事として捉えることが大切です。
高齢者の下痢で考えられる主な原因
高齢者の下痢には、いくつもの原因が考えられます。家庭で「何が原因か」を完全に見分けるのは難しいですが、おおよその見当をつけておくと、受診の判断や医師への説明に役立ちます。主な原因を整理します。
1. 感染性胃腸炎(ノロ・ロタウイルス、細菌など)
もっとも多い原因のひとつが、ウイルスや細菌による感染性胃腸炎です。冬を中心に流行するノロウイルスやロタウイルス、夏に増える細菌(カンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌など)が代表的です。吐き気・嘔吐・発熱・腹痛をともなうことが多く、家庭内や施設内で広がりやすいのが特徴です。ノロウイルスは感染力が非常に強く、ごく少量のウイルスでも感染が成立するとされています。
2. 食あたり(食中毒)
傷んだ食品や加熱不十分な食品を食べたことによる食中毒も、急な下痢の原因になります。高齢者は胃酸の分泌や免疫の力が低下していることがあり、同じものを食べても症状が出やすく、重くなりやすい傾向があります。
3. 薬の副作用・抗生物質(抗菌薬)の影響
意外と見落とされやすいのが、薬による下痢です。多くの薬で副作用として下痢が起こりえますが、特に注意したいのが抗生物質(抗菌薬)です。抗菌薬は腸内の細菌のバランスを乱すことがあり、その結果として下痢が起こることがあります。なかでも、抗菌薬の使用後に起こる「偽膜性大腸炎(クロストリジオイデス・ディフィシル感染症)」は、高齢者や入院中の方で起こりやすく、頻回の水様便・発熱・腹痛をともなうことがあり、重症化することもある病気です。抗生物質を飲み始めてから、あるいは飲み終わってしばらくしてから下痢が続く場合は、自己判断で対応せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。
4. 下剤(便秘薬)の効きすぎ・便秘との関係
便秘がちな高齢者では、下剤(便秘薬)の量が体に合わず、効きすぎて下痢になることがあります。また、便秘が強いと、硬い便のすき間から水様便がもれ出る「溢流性(いつりゅうせい)下痢」が起こることがあります。一見すると下痢ですが、実際は便がたまっている状態で、下痢止めを使うとかえって悪化します。便秘と下痢を繰り返す場合は、この可能性も含めて医師に相談しましょう。
5. 乳糖不耐(牛乳・乳製品でおなかがゆるくなる)
牛乳や乳製品に含まれる乳糖をうまく消化できず、下痢や腹部の張りを起こすことを乳糖不耐といいます。加齢とともに乳糖を分解する力が落ちることがあり、牛乳を飲んだあとに決まっておなかがゆるくなる場合は、この可能性があります。栄養補給のために牛乳を増やしたタイミングと下痢が重なる、ということもあります。
6. 過敏性腸症候群(IBS)など機能的な原因
検査をしても腸に明らかな異常が見つからないのに、腹痛をともなう下痢や便秘を繰り返す状態を過敏性腸症候群(IBS)といいます。ストレスや生活リズムの乱れが影響することがあり、慢性的な下痢の原因になります。
7. 見逃したくない重大な病気
頻度は高くありませんが、下痢の背景に注意すべき病気が隠れていることもあります。腸への血流が悪くなって起こる虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、大腸がん、甲状腺の病気などです。血便をともなう、体重が減っていく、慢性的に下痢が続く、夜間も下痢で目が覚めるといった場合は、原因をはっきりさせるために医療機関での検査が必要です。
家庭での対応|水分補給・食事・おむつと皮膚のケア
下痢のときの家庭でのケアは、失われた水分と塩分を補いながら、おなかを休め、体力の消耗を防ぐことが基本です。あわせて、おしりの皮膚を守るケアと、家庭内に感染を広げない対策も大切になります。
水分補給は「経口補水液」を少量ずつこまめに
下痢では水分だけでなく塩分(電解質)も失われます。そのため、水やお茶だけを大量に飲むよりも、水分と塩分・糖分をバランスよく補える経口補水液(市販のORSなど)が適しています。一度にたくさん飲むと、かえって吐いたり下痢が増えたりすることがあるため、スプーン1〜2杯(5〜10mL)程度から始め、数分おきに少しずつ、回数を分けて飲むのがコツです。落ち着いてきたら少しずつ量を増やします。経口補水液が手元にないときは、スポーツドリンクを薄めたものや、みそ汁の上澄み、お湯で薄めたお茶に少量の塩を加えたものでも代用できます。うまく飲み込めない方には、ゼリータイプの経口補水液も選択肢になります。
心臓病や腎臓病があり水分・塩分の制限を受けている方は、補給の量について必ずかかりつけ医の指示に従ってください。急に大量の水分をとると心臓に負担がかかることもあるため、ゆっくり補給します。
避けたい飲み物
牛乳・濃いジュース・コーヒーや濃いお茶(カフェイン)・アルコール・炭酸飲料は、下痢を長引かせたり刺激になったりすることがあるため、症状が強い時期は控えめにします。
食事はおなかにやさしいものを少しずつ
無理に食べる必要はありませんが、水分がとれて吐き気が落ち着いてきたら、消化のよいものから少量ずつ再開します。おかゆ、やわらかく煮たうどん、すりおろしたりんご、つぶしたじゃがいも、バナナ、白身魚の煮物などが向いています。一方、脂っこいもの、香辛料などの刺激物、食物繊維の多いもの、生もの、乳製品は、症状が強い時期は避けます。少量から始め、おなかの様子を見ながら普段の食事に戻していきます。
おむつ・皮膚のケア(おしりのただれを防ぐ)
下痢便は皮膚への刺激が強く、おむつを使っている方では、おしりや股のまわりが赤くなったり、ただれたりしやすくなります(おむつかぶれ・失禁関連皮膚炎)。汚れたおむつはこまめに交換し、ぬるま湯で洗い流すか、やわらかい布でこすらずにやさしく押さえるように拭き取ります。乾いたら、必要に応じて保護クリームなどで皮膚を守ります。すでに皮膚が赤くただれている、痛がる、ジュクジュクしているときは、訪問看護師やかかりつけ医、薬剤師に相談しましょう。
下痢止め薬は自己判断で使わない
感染性の下痢では、原因となるウイルスや細菌を体の外へ出そうとして下痢が起きています。市販の下痢止めで無理に止めると、かえって回復が遅れたり症状が長引いたりすることがあります。特に発熱や血便をともなう場合は、下痢止めを使う前に医師や薬剤師に相談してください。
脱水のサインの見分け方|家族が気づきたい変化
下痢が続くときにいちばん気をつけたいのが脱水です。高齢者は脱水が進んでも本人の自覚が乏しく、「のどが渇いた」と訴えないことも多いため、ご家族が見た目や行動の変化から気づくことが重要になります。次のようなサインが見られたら、脱水が進んでいる可能性があります。
- 口の中や唇、舌が乾いている。皮膚にうるおいがなくカサカサしている
- わきの下が乾いている(通常は少し湿っている)
- 手の甲の皮膚をつまむと、なかなか元に戻らない
- 尿の回数や量が減る、色が濃い(おむつ交換時に尿がほとんど出ていない)
- 立ち上がるとふらつく、めまいがする
- ぼんやりして反応が鈍い、うとうとしている時間が増える、会話が減る
- 手足の先が冷たい、なんとなく元気がない、ぐったりしている
これらは健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)などでも、高齢者の脱水を見分ける目安として挙げられているサインです。特に「いつもと違う」「なんとなく元気がない」という普段との変化は、家族だからこそ気づける大切なサインです。普段の食事量と、食事以外の飲水量をなんとなくでも把握しておくと、変化に気づきやすくなります。意識がはっきりしない、呼びかけへの反応が鈍い、水分を全く受けつけないといった場合は、家庭での対応にこだわらず、すぐに医療機関へ連絡してください。
記録をつけておくと変化に気づきやすく、受診の際の説明にも役立ちます。下痢の回数とおおよその量、水分をどれくらい飲めたか、食事の量、尿の回数、熱の有無を、簡単にメモしておきましょう。スマートフォンのメモでも十分です。「昨日より飲めていない」「半日トイレに行っていない」といった変化が、受診すべきかどうかを判断する手がかりになります。
家庭内で感染を広げないための対策|介護する人も守る
ノロウイルスをはじめとする感染性胃腸炎は、感染した方の便や嘔吐物を介して、家庭内で次々にうつることがあります。介護しているご家族自身が感染すると、ケアの担い手がいなくなってしまいます。ここでは、厚生労働省・食品安全委員会や自治体が示している家庭での感染対策のポイントを、家庭で実践しやすい形でまとめます。これは当サイトが、家族介護で見落とされがちな「介護する人を守る視点」から整理した独自のまとめです。
手洗いが最も基本で効果的
ノロウイルスなどには、アルコール消毒だけでは効果が不十分なことがあります。おむつ交換や排泄物・嘔吐物の処理のあと、調理や食事の前、トイレのあとには、石けんと流水でていねいに手を洗うことが最も効果的です。介護する人と本人の両方で、こまめな手洗いを習慣にします。
嘔吐物・便の処理は「使い捨て+次亜塩素酸ナトリウム」で
嘔吐物や下痢便を処理するときは、ウイルスを飛び散らせない・吸い込まないことが大切です。次の手順が基本です。
- 使い捨ての手袋・マスク・エプロン(ガウン)を着用する
- ペーパータオル等で、外側から内側へ静かに拭き取る
- 拭き取った後の床などを、薄めた次亜塩素酸ナトリウム液(塩素系漂白剤を薄めたもの)を含ませたペーパータオルで覆うように拭く
- 使ったペーパータオルや手袋はビニール袋に入れ、口をしばって密閉して捨てる
- 手袋・エプロン・マスクを外したあと、石けんと流水で手を洗う
消毒に使う次亜塩素酸ナトリウムの濃度は用途で異なり、便や嘔吐物が付着した場所の消毒には高めの濃度(おおむね0.1%=1000ppm程度)、ドアノブ・手すり・トイレなどの通常の消毒にはより薄い濃度(おおむね0.02〜0.05%)が用いられます。市販の塩素系漂白剤を薄めて作れますが、製品ごとに薄め方が異なるため、容器や自治体の案内の表示に従ってください。なお、アルコールや一般的な除菌スプレーでは効果が不十分なことがある点に注意します。
調理器具・リネン・トイレまわり
食器や調理器具は十分に洗ったうえで、熱湯(おおむね85度で1分以上)または薄めた次亜塩素酸ナトリウム液での消毒が有効です。便や嘔吐物がついた衣類・シーツは、洗剤で静かに下洗いしてから、ほかの洗濯物と分けて消毒・洗濯します。トイレのドアノブ・水洗レバー・便座・手すりなど、よく手が触れる場所もこまめに消毒します。症状がおさまった後も、ウイルスは数日〜1週間ほど便に出続けることがあるため、回復後しばらくは手洗いや消毒を続けると安心です。
危険なサインの早見表|「ただの下痢」と見分けるために
下痢の多くは数日でおさまりますが、なかには受診が必要なもの、急いで対応すべきものがあります。「ただの胃腸炎」と「危険なサイン」を見分ける目安を整理しました。あくまで一般的な目安であり、迷うときは相談を優先してください。
| 状況 | 家庭での見守りの目安 | 早めの受診・相談を考えるサイン |
|---|---|---|
| 便の様子 | 水様便だが回数が落ち着いてきた | 血便・黒い便・粘液や膿が混じる |
| 発熱 | 熱がない、または微熱 | 38度以上の高熱が続く |
| 腹痛 | 軽い差し込む程度 | 激しい腹痛、押すと強く痛む、痛みが続く |
| 水分・脱水 | 少量ずつ水分がとれている | 水分が全くとれない、尿がほとんど出ない、ぐったりしている |
| 意識・全身状態 | 受け答えがいつも通り | 意識がもうろうとする、呼びかけへの反応が鈍い |
| 期間 | 2〜3日で軽快してきた | 3日以上続く、または慢性的に繰り返す |
| 背景 | 持病が安定している | 糖尿病・心臓病・腎臓病などの持病がある、抗生物質の服用中・服用後、体重が減ってきた |
右側の「危険なサイン」に当てはまるものがあるときは、家庭での対応を続けるよりも医療機関に相談するほうが安全です。特に、血便・激しい腹痛・高熱・水分が全くとれない・意識がはっきりしない、のいずれかがあれば急いで対応してください。
受診・救急の目安と相談先(かかりつけ医・消化器内科・#7119)
「病院に行くべきか」「何科にかかればいいのか」「救急車を呼ぶべきか」。下痢のときにご家族が迷いやすいポイントを、判断しやすいように整理します。
すぐに受診・救急を考える場合
次のような場合は、ためらわずに受診、または救急への相談を検討してください。意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が鈍い、水分が全くとれない、ぐったりして立てない、激しい腹痛、血便、繰り返す嘔吐で何も口にできない、高熱が続く、といった状態です。これらは脱水や、感染性腸炎・虚血性腸炎などの可能性があり、早い対応が必要です。判断に迷う緊急時は、救急車を呼ぶべきか相談できる救急安心センター事業(#7119、実施していない地域もあります)を利用できます。明らかに様子がおかしい、命に関わると感じるときは119番をためらわないでください。
早めに受診したほうがよい場合
すぐの救急ではなくても、下痢が3日以上続く、強い腹痛や発熱をともなう、脱水のサインがある、抗生物質を飲み始めてから下痢が続く、便に血が混じる、体重が減ってきた、慢性的に下痢を繰り返す、といった場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
何科を受診すればよい?
下痢の相談先として基本になるのは、内科または消化器内科です。普段から通っているかかりつけ医がいれば、まずそこに相談するのがスムーズです。持病があり薬を飲んでいる方は、薬の影響かどうかも含めて、処方している医師や薬剤師に相談すると判断がつきやすくなります。脱水が強く点滴が必要そうな場合や、夜間・休日で迷う場合は、地域の救急外来やかかりつけ医の指示を仰ぎましょう。受診の際は、いつから・何回くらい・どんな便か(水様便か、血が混じるか)、発熱や嘔吐の有無、最近の食事や服用中の薬、水分がとれているかをメモして伝えると、診察がスムーズになります。
よくある質問(FAQ)
Q. 下痢のとき、下痢止めを飲ませてもいいですか?
自己判断で使うのは避けましょう。感染性の下痢では、悪いものを出そうとして下痢が起きており、無理に止めると回復が遅れることがあります。特に発熱や血便をともなう場合は、使う前に医師や薬剤師に相談してください。
Q. 水分はどのくらい飲ませればよいですか?
一度に多くではなく、少量を回数多くが基本です。スプーン1〜2杯から始め、吐かないことを確認しながら少しずつ増やします。下痢の量が多い日は、普段より多めの補給を意識します。心臓・腎臓の持病で水分制限がある方は、必ずかかりつけ医の指示に従ってください。
Q. 食事はとらせないほうがいいですか?
長く絶食する必要はありません。水分がとれて吐き気が落ち着いたら、おかゆやうどんなど消化のよいものから少量ずつ再開します。脂っこいもの・刺激物・乳製品・生ものは症状が強い時期は控えます。
Q. 高齢者の下痢は何日くらいで治りますか?
感染性胃腸炎の多くは数日でおさまります。ただし高齢者は経過に個人差があり、脱水や体力低下を起こしやすいため、3日以上続く、悪化していく、危険なサインがあるときは受診してください。
Q. 牛乳を飲むと毎回下痢をします。原因でしょうか?
乳糖をうまく消化できない乳糖不耐の可能性があります。牛乳を控えると改善するかどうかを観察し、栄養面で心配があれば医師や管理栄養士に相談しましょう。
Q. 家族にうつらないようにするには?
石けんと流水での手洗いが基本です。便や嘔吐物は使い捨て手袋・マスクをして処理し、薄めた次亜塩素酸ナトリウム液で消毒します。アルコールだけでは不十分なことがあります。症状が治まった後も数日は便にウイルスが残ることがあるため、手洗い・消毒を続けると安心です。
参考文献・出典
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まとめ|迷ったら早めに相談を
高齢者の下痢は、感染性胃腸炎・食あたり・薬や抗生物質の影響・乳糖不耐・過敏性腸症候群など、さまざまな原因で起こります。高齢の方は脱水や体力の消耗を起こしやすく、下痢そのものは軽くても全身状態に影響することがあるため、軽く考えずに見守ることが大切です。
家庭では、経口補水液などで水分と塩分を少量ずつこまめに補い、おなかにやさしい食事に戻していくこと、おむつや皮膚のケアで二次的なトラブルを防ぐこと、そして手洗いと適切な消毒で家庭内に感染を広げないことが基本になります。下痢止めの自己使用は避け、必要なら医師や薬剤師に相談しましょう。
血便・高熱・激しい腹痛・水分が全くとれない・意識がもうろうとするといった危険なサインがあるとき、下痢が3日以上続くとき、抗生物質の服用中・服用後に下痢が続くときは、早めに内科や消化器内科、かかりつけ医に相談してください。判断に迷う緊急時は#7119、命に関わると感じるときは119番をためらわないことが、高齢のご家族を守ることにつながります。
監修者
介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム
医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)
訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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