
物盗られ妄想・被害妄想への対応|介護職が現場でできること【職員が疑われたとき】
認知症の物盗られ妄想・被害妄想に施設の介護職がどう対応するかを解説。否定も同調もせず一緒に探す、本人が見つける形にする、職員が「盗った」と疑われたときの組織対応(一人で抱えない・記録・複数対応)、しまい場所の工夫、嫉妬妄想との関係まで一次資料で整理。
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この記事のポイント
認知症の物盗られ妄想・被害妄想に施設の介護職が対応するときは、否定も同調もせず「困っていますね」と気持ちを受け止め、本人と一緒に探して本人自身が見つける形に持っていくのが基本です。多くは記憶障害に不安や喪失感が重なって生じ、世話をしてくれる身近な人ほど疑われやすいため、職員が「盗った」と疑われる場面が避けられません。そのときは一人で抱えず、その場の状況を客観的に記録し、複数人で対応し、上司・チーム・家族と共有することが、本人と職員の双方を守る対応になります。薬の前にまずケアと環境調整で対応します。
目次
「私の財布がない、あなたが盗ったでしょう」。介護の現場で、昨日まで穏やかに接していた利用者から突然そう責められ、戸惑った経験を持つ職員は少なくありません。これは認知症でよくみられる物盗られ妄想で、被害妄想の一種です。やっかいなのは、いちばん熱心に世話をしている人ほど疑われやすいという点で、家族だけでなく介護職員も標的になります。
この記事は、施設やデイサービス、訪問の現場で働く介護職に向けて、物盗られ妄想・被害妄想が起きる背景、本人への基本対応、そして職員自身が「盗った」と疑われたときにチームとしてどう動くかを、一次資料に基づいて整理します。一人の職員の力量に頼るのではなく、記録と複数対応で組織的に支える視点を中心に置きました。
物盗られ妄想・被害妄想とは|なぜ身近な職員が疑われるのか
物盗られ妄想とは、財布や通帳、貴金属、年金手帳など大切な物を「誰かに盗まれた」と確信してしまう状態で、認知症の被害妄想の中でもっとも多くみられます。被害妄想にはこのほか、配偶者やパートナーが浮気していると思い込む嫉妬妄想、食事に毒が入っていると訴える被毒妄想、見捨てられる・追い出されると感じる見捨てられ妄想などがあり、物盗られ妄想と重なって現れることもあります。いずれも「事実ではないこと」を本人は強く確信しているため、説得や訂正がほとんど通じないのが共通の特徴です。
記憶障害だけでは説明できない
背景の中心にあるのは記憶障害です。自分でしまった場所を忘れるだけでなく、しまったという行為そのものを思い出せないため、「ない=誰かが盗った」という結論に一足飛びにたどり着きます。本人の中では筋が通った推論であり、嘘をついているわけでも、わざと困らせているわけでもありません。
ただし記憶障害だけが原因ではありません。認知症によって自分の能力が少しずつ失われていく不安、配偶者との死別、退職や経済力の低下、体の衰えといった喪失体験の連続が、強い不安や怒り、悲しみを生みます。その行き場のない感情が「誰かが私から奪っていく」という形で表に出たものが被害妄想だと考えられています。つまり妄想は、本人が抱えている不安や孤独のサインでもあるのです。この理解があると、職員は症状を「困った行動」ではなく「本人からの訴え」として受け止めやすくなります。
世話をしてくれる人ほど疑われる
物盗られ妄想では、いちばん身近で長く介護してくれている人が犯人にされやすいという、職員にとって理不尽に感じる特徴があります。在宅では同居の嫁や娘が、施設では担当の介護職員や、よく居室に入る職員が標的になりがちです。関わりが浅い人より、毎日顔を合わせ、居室で身の回りの世話をする人のほうが「物に近づける立場」とみなされるためです。
精神科医の上田諭氏は、物盗られ妄想は軽症のアルツハイマー型認知症の人に多く、重症ではほとんどみられないこと、そして世話になる引け目や、やりたくてもできないことが増えていくジレンマが、周囲を攻撃する妄想の一因になると指摘しています。能力がまだ比較的保たれているからこそ、できなくなっていく自分を受け入れがたく、その葛藤が身近な人へ向くという見方です。疑われるのは関わりが浅いからではなく、むしろ深く関わり、頼られているからこそ起きる現象だと理解しておくと、職員が必要以上に自分を責めずにすみます。
「初期に多い」という性質を活かす
物盗られ妄想が認知症の比較的初期に多いということは、まだ言葉でのやり取りが成り立ち、本人の生活歴や性格が対応の手がかりになる段階だということでもあります。何を大切にしてきた人か、どこに物をしまう癖があるか、誰の言うことなら受け入れやすいかといった情報を、初期のうちにチームで集めておくと、その後の対応がぐっと楽になります。
本人への基本対応|否定も同調もせず、一緒に探す
物盗られ妄想への基本対応は、否定も全面的な同調もせず、本人の不安な気持ちに寄り添いながら、一緒に探して本人が見つける形に導くことです。現場で迷わないよう、手順として整理します。
1. 否定せず、まず気持ちを受け止める
「盗ってなんていません」と事実を正そうとすると、本人は「信じてもらえない」とさらに孤立し、妄想が強まりがちです。本人にとってその不安や怒りは本物であり、訂正されるほど「やはりこの人が怪しい」と感じてしまうこともあります。まずは出来事の真偽ではなく、感情の部分を受け止めます。「それは困りましたね」「大事なものがなくなって不安ですよね」と、本人が今感じている気持ちに言葉を返します。
一方で、「ひどいですね、誰が盗ったんでしょう」と犯人探しに同調するのも避けます。その場は収まったように見えても、職員自身や同僚、他の利用者が「犯人」として固定されてしまい、関係を長くこじらせる原因になります。否定もしない、同調もしない、気持ちだけを受け止める。この線引きが対応の土台になります。
2. 一緒に探し、本人が見つける形にする
「一緒に探しましょう」と提案し、職員は犯人ではなく協力者だという立場を行動で示します。横に並んで一緒に探すこと自体が、「この人は味方だ」という安心につながります。
このとき大切なのは、職員が先に見つけて差し出さないことです。職員がさっと見つけて渡すと、「やはりこの人が持っていた」と新たな疑いを生むことがあります。本人がよくしまう場所へさりげなく視線や足を向け、本人自身の手で見つけられるように導くのがコツです。見つかったら「ありましたね、よかったです」と一緒に喜び、「ほら、誰も盗ってなかったでしょう」といった勝ち負けのような言葉は使いません。本人の自尊心を守ることが、次の妄想を起こりにくくします。
3. 見つからないときは無理に探し続けない
探しても見つからないこともあります。その場合は「また一緒に探しましょう」「大事なものだから、見つかるまで気にかけておきますね」と前向きに区切り、本人が好きな話題や、お茶・食事・散歩など別の行動へ自然に切り替えます。興奮が強いときは、説得を続けるより一度その場を離れて時間を置くほうが落ち着くことが多いです。時間がたつと訴えそのものを忘れていることも珍しくありません。
4. 一対一を避け、複数で関わる
本人と職員が一対一の状況だと、疑いが一人に集中しやすくなります。状況を理解している別の職員に声をかけてもらい、自然に二人以上で関わると、注意がそれて落ち着く場合があります。複数で関わることは、本人の安心につながるだけでなく、後述する「職員が疑われたときの自衛」にも直結する、とても大切な工夫です。
5. 訴えの裏にある不調やニーズを探す
「盗られた」という言葉が、そのまま本当のニーズとは限りません。背景に、寂しさ、退屈、痛みや便秘などの体の不調、トイレに行きたいといった、言葉にできない別の困りごとが隠れていることがあります。訴えが続くときほど、「この人は今、何に困っているのか」とひと呼吸おいて考えると、物を探すより先に解決すべきことが見えてくることがあります。
現場で起こりやすい場面と初動
現場で「盗られた」という訴えが出る場面は、いくつかの典型的なパターンに分けられます。あらかじめ想定しておくと、初動で慌てずにすみます。
居室での身の回りケアのとき
居室で着替えや片づけを手伝った直後に「財布がない」と言われるのは、もっとも多い場面のひとつです。職員が物に触れられる立場にいたため疑われやすくなります。対応としては、一人で居室に入る時間を必要最小限にする、可能なら声をかけて二人で入る、ケアの前後に貴重品の場所を本人と一緒に確認しておくといった予防が有効です。
面会や外出のあと
家族の面会後や外出後に、財布や持ち物の置き場所が変わって「なくなった」と訴えることがあります。家族が持ち帰った、本人がしまい直したなど、実際に場所が動いていることもあるため、頭から妄想と決めつけず、まず一緒に探します。家族と「何を持ち帰ったか」を共有しておくと、行き違いを防げます。
夕方から夜にかけて
夕方になると不安が強まり、訴えが増える人がいます。職員数が手薄になりやすい時間帯と重なるため、一対一になりがちで疑いも集中しやすくなります。この時間帯はとくに、申し送りで状況を共有し、複数で見守れる体制を意識します。夜勤帯であれば、ペアで対応する、対応内容を必ず記録に残すといったルールが、職員を守ります。
共通して大切なこと
どの場面でも、対応の軸は変わりません。否定も同調もせず気持ちを受け止め、一緒に探し、本人が見つける形にする。そして、いつ・どこで・どう訴えたかを記録し、一人で抱えずチームで共有する。場面ごとの予防策と、この共通の軸を組み合わせることが、本人の安心と職員の安全の両方につながります。
職員が「盗った」と疑われたとき|一人で抱えず組織で動く
物盗られ妄想の対応でもっとも職員を消耗させるのが、自分が犯人扱いされる場面です。これは介護の質や人柄とは無関係に起こり得ますが、放置すると職員の落ち込みや離職、本人・家族との深刻なトラブル、さらには根拠のない虐待疑いにまで発展しかねません。だからこそ、個人の心構えに任せるのではなく、組織の手順として対応を決めておく必要があります。
その場でやること
- 反論より記録。感情的に否定しても本人は納得せず、かえって興奮させてしまいます。いつ・どこで・何を・本人がどう訴えたか、自分はそのとき何をしていたかを、事実だけ客観的に記録します。推測や感情、「困った人だ」といった評価は書きません。事実の記録は、本人理解の材料にも、職員を守る証拠にもなります。
- 一人で対応を続けない。すぐに近くの職員を呼び、複数人で関わる体制に切り替えます。第三者の目が入ること自体が本人の興奮を鎮め、同時に「その場に何があったか」を見ていた証人を確保することになります。
- その場で解決しようとしない。「私は盗っていません」と一人で潔白を証明しようと粘らず、まずは落ち着いて気持ちを受け止め、対応はチームに引き継ぐ前提で動きます。
チームと組織でやること
- 上司・チームへの共有。誰が・いつ・どんな場面で疑われたかをチームで共有し、特定の職員にだけ対応や疑いが偏らないよう、シフトや担当、居室への入り方を調整します。「またあなたなの」と当事者を責める空気をつくらないことが、共有を続けられる前提になります。
- 家族への早期共有。妄想の内容と施設の対応方針を家族に先に伝えておくと、家族経由で「職員が盗ったのでは」という疑いが広がるのを防げます。財布や現金、通帳など、トラブルになりやすい貴重品の管理方法も、家族と前もって取り決めておきます。施設で現金を預からない、必要最小限だけ持ってもらうといったルールづくりも有効です。
- 記録の組織的な保管。個人のメモではなく、ケース記録や申し送りとして組織で残します。経過が残っていれば、対応の振り返りに使えるだけでなく、万一、第三者から疑いを向けられたときの客観的な裏づけになります。
- 事案として振り返る。疑われた場面が繰り返されるなら、個人の問題ではなくケアの課題として、なぜ起きるか・どんな関わりだと落ち着くかをカンファレンスで検討します。
虐待防止の原則がそのまま使える
厚生労働省や自治体が示す高齢者虐待対応の手引きでは、不適切なケアや疑いが生じたときの原則として、「一人で悩まず上司に報告する」「複数の職員で事実確認を行う」「事実を客観的に記録する」「通報や相談をした職員が不利益を受けないようにする」ことが繰り返し強調されています。これは虐待を疑われた職員を守るための仕組みでもあります。職員が利用者から「盗った」と疑われる場面でも、この一人で抱えない・記録する・複数で動く・職員を孤立させないという原則はそのまま当てはまります。疑われた職員を責めるのではなく、施設全体の課題として受け止め、風通しのよい職場をつくることが、トラブルの再発と離職の両方を防ぎます。
環境としまい場所の工夫|悪循環を断つ
対応の負担を減らすには、その場の声かけだけでなく、妄想が起きにくい環境づくりも欠かせません。鍵は「物がなくなった」と本人が感じる状況そのものを減らすことです。
しまい場所を一緒に決めて固定する
大切な物の置き場所を本人と一緒に決め、いつも同じ場所に戻す習慣をつくります。整理整頓された環境は、探すときの混乱を減らし、本人にとって安心できる場所になります。居室のどこに何があるかを職員間で共有しておくと、訴えがあったときにすぐ一緒に探せます。
ただし注意点があります。すぐ目につく場所に置くと、本人が「盗られないように」と、より見つけにくい場所へしまい込んでしまい、それを忘れて「やはり盗られた」と思い込む悪循環に陥ることがあります。本人がしまい込みやすい場所(布団の下、タンスの奥、衣類のポケット、ティッシュの箱の中など)を職員がいくつか把握しておくと、探すときに役立ちます。
同じ物を予備で用意する
財布やハンカチ、特定のバッグなど、特定の物に強くこだわる場合は、よく似た物を予備で用意しておき、見つからないときに自然に渡せるようにしておく方法もあります。本人が安心することが目的なので、財布の中身が本物の現金である必要はありません。トラブルを避けるため、こうした工夫は必ず家族と相談したうえで行います。
不安の引き金を減らす
痛みや便秘、空腹、眠気などの身体的な不調、入所直後やレイアウト変更といった環境の変化、退屈や孤立も妄想の引き金になります。声かけや傾聴の機会を増やし、洗濯物をたたむ、テーブルを拭くといった本人が役割を感じられる活動を用意すると、不安そのものが和らぎ、妄想が出にくくなることがあります。妄想を消そうとするより、本人が安心して過ごせる時間を増やすという発想が、結果的にいちばん効きます。
記録から「起きやすいパターン」を見つける
いつ・どんな状況で訴えが出やすいかを記録から振り返ると、夕方に多い、入浴の前後に多い、特定の職員の勤務帯に多いといったパターンが見えてくることがあります。引き金が分かれば、その時間帯の関わり方を工夫したり、人員の配置を変えたりと、先回りした対応ができます。
見極めておきたい違い|妄想性障害・嫉妬妄想・薬の前にケアを
「物を盗られた」という訴えが、すべて認知症の物盗られ妄想とは限りません。対応を誤らないために、関連する状態との違いと、薬を考える前に押さえておきたい順序を整理します。
物盗られ妄想と妄想性障害の違い
物盗られ妄想は、嫁・娘・担当職員といった身近な人を犯人にするのが特徴です。一方、寝ている間や留守中に「誰かが侵入して盗っていく」と訴え、特定の身近な人を犯人にしないタイプは、妄想性障害(かつて遅発パラフレニーと呼ばれた状態)の可能性があります。上田諭氏によれば、こちらは一人暮らしで対人交流が乏しい高齢女性に多く、認知症のスクリーニング検査ではほぼ問題が出ず、画像検査でも脳の萎縮が目立たないこともあります。長年の社会的な孤立が背景にあると考えられ、認知症の物盗られ妄想とは成り立ちが異なります。
現場の職員が両者を診断する必要はありませんが、「身近な人を犯人にするか」「生活全般はしっかり自立しているか」といった違いに気づけると、医療職や受診につなぐべきかを判断する材料を、適切に申し送ることができます。気になるときは自己判断せず、看護職やケアマネ、医療機関と共有します。
嫉妬妄想など他の妄想との関係
被害妄想は単独で出るとは限りません。物盗られ妄想に、配偶者の浮気を疑う嫉妬妄想や、見捨てられる・追い出されると感じる見捨てられ妄想が重なることもあります。一見ばらばらの訴えに見えても、根っこにある「不安」「自分が損なわれ、奪われていく感覚」は共通しています。だからこそ、個々の妄想を一つずつ論破しようとするより、本人が安心できる関わりを増やすことが、結果的にどの妄想にも効きます。嫉妬妄想の場合は、疑われている相手(配偶者など)が一対一で長時間関わる場面を減らすなど、物盗られ妄想と同じ「一対一を避ける」工夫が役立ちます。
薬の前に、まずケアと環境
被害妄想に対して、いきなり薬で抑えようとするのは適切ではありません。上田諭氏は、物盗られ妄想に抗精神病薬は効きにくく、まず治療者が理解者になり、否定も肯定もせず困りごとに耳を傾けることが第一歩だと述べています。認知症の行動・心理症状に対する抗精神病薬は、効果が限定的な一方で、過鎮静やふらつきによる転倒、誤嚥などのリスクが知られており、安易な使用は本人の生活の質を下げかねません。
順序としては、まず一緒に探す・気持ちを受け止める・しまい場所を整える・不安の引き金を減らすといったケアと環境調整を尽くす。それでも本人が強く苦しんでいたり、本人や周囲の安全が保てなかったりする場合に、医師の判断のもとで薬物療法を慎重に検討する。この順序を職員全体で共有しておくことが大切です。職員の側から「薬で落ち着かせてほしい」と求めるのではなく、ケアで何を試したかを記録として示し、医療職と一緒に判断していく姿勢が、本人の利益を守ります。
よくある質問(FAQ)
Q. 「盗ってないですよね?」と利用者に確認されたら、否定してもいいですか
事実として否定したくなりますが、強く否定すると本人は「信じてもらえない」と感じて孤立し、妄想が強まりがちです。「盗っていませんよ」と一言伝えても納得しない場合は、論争を続けず「一緒に探しましょう」と協力者の立場に切り替えます。同時に、その場の状況は必ず記録し、リーダーに共有してください。
Q. 自分だけが繰り返し疑われます。担当を外してもらうべきですか
関わりが深い職員ほど疑われやすいため、力量の問題ではありません。まずチームで状況を共有し、一定期間、複数担当制にする、ペアで関わるなどの調整を相談しましょう。一人に負担と疑いが集中する状態を放置しないことが、本人にとっても職員にとっても安全です。
Q. 家族から「職員が盗ったのでは」と言われたらどうすればいいですか
個人で釈明・対決しようとせず、上司に報告し組織で対応します。日頃から妄想の内容と施設の対応方針、貴重品の管理方法を家族と共有しておくと、こうした誤解を予防できます。記録が残っていれば、事実確認の客観的な裏づけになります。
Q. 妄想がひどいときは薬で抑えるしかないのでしょうか
まずはケアと環境調整が基本です。一緒に探す、しまい場所を整える、不安の引き金を減らすといった対応を尽くしても、本人や周囲の安全が保てない場合に、医師の判断で薬物療法が検討されます。職員の判断で薬を求めるのではなく、医療職と連携して進めます。
参考文献・出典
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まとめ|本人も職員も守る、チームでの妄想対応
物盗られ妄想・被害妄想は、記憶障害に不安や喪失感が重なって生じ、もっとも身近に世話をする人ほど疑われます。だからこそ、職員が疑われるのは避けられない前提として備えておくことが、現場を楽にします。
本人へは、否定も同調もせず気持ちを受け止め、一緒に探して本人が見つける形に導く。職員が疑われたら、反論より記録、一人で抱えず複数で動き、上司・チーム・家族と共有する。環境面ではしまい場所を整え、不安の引き金を減らす。そして薬は最後の選択肢として医療職と連携する。この一連の流れを、個人の頑張りではなくチームの手順として共有しておくことが、利用者の安心と職員の働きやすさの両方を守ります。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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