
ケアプランデータ連携システムとは
国保中央会が運営するケアプランデータ連携システムの仕組み、利用料金(年間21,000円)、利用開始の流れ、メリットを解説。
この記事のポイント
ケアプランデータ連携システムは、国民健康保険中央会が運営するクラウド型のデータ連携基盤で、居宅介護支援事業所とサービス提供事業所の間で「ケアプラン」「サービス提供票」「実績」を電子データで安全にやり取りできる仕組みです。2023年4月本格運用開始。FAXや手渡しによる紙ベースの情報共有を電子化することで、ケアマネ・事業所双方の業務負担を大幅に削減することを目的としています。利用料金は1事業所あたり年額21,000円(2024年度時点)。
目次
ケアプランデータ連携システムの基本|国保中央会が提供する全国共通基盤
ケアプランデータ連携システム(以下、本システム)は、居宅介護支援事業所(ケアマネ)とサービス提供事業所(訪問介護・通所介護・短期入所等)の間でケアプラン関連情報を電子データで授受できる全国共通プラットフォームです。国民健康保険中央会(国保中央会)が厚生労働省の委託を受けて運営しています。
2022年度から実証事業を開始し、2023年4月に本格運用開始。背景には、ケアマネと事業所間の月次情報共有(サービス提供票・実績)が依然として紙・FAX・手渡し中心であり、業務効率の大きなボトルネックになっていた問題があります。本システム導入により、1事業所あたり年間約81万円のコスト削減効果が試算されています(厚労省試算)。
2024年介護報酬改定では「業務継続計画未策定減算」「生産性向上推進体制加算」の文脈で、ICT活用の文脈に位置付けられました。本システムの利用自体は加算要件ではありませんが、業務効率化の代表施策として推奨されています。
利用開始の流れ(5ステップ)
- 事業所登録の準備: 国保連の電子請求受付システムのID/パスワードを準備(既に介護給付請求で使用している事業所はそのまま使える)
- 利用申請: ケアプランデータ連携システムの公式サイトから利用申請、年額21,000円(税抜)の支払い
- クライアントソフトのインストール: 国保中央会から提供される専用ソフトをPCにインストール
- 連携先事業所の登録: 同じシステムを利用する連携先事業所を相互登録
- データ送受信開始: ケアプラン1表〜7表、サービス提供票、実績を電子データで授受
利用料金と対応データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営主体 | 国民健康保険中央会(国保中央会) |
| 本格運用開始 | 2023年4月 |
| 利用料金(2024年度) | 年額21,000円(税抜)/1事業所 |
| 送受信可能データ | ケアプラン1〜7表、サービス提供票、サービス利用票、実績 |
| セキュリティ | 国保連電子請求と同等のSSL/TLS暗号化通信 |
| 対象事業所 | 居宅介護支援、訪問介護、通所介護、短期入所、訪問看護、訪問リハ等 |
システム最新動向(Ver1.2.0と利用料金推移)
国保中央会は2026年2月にVer1.2.0をリリースし、操作性を大幅に改善しました。利用シーンの拡大に合わせ、利用料金体系も柔軟化されています。
| 項目 | 内容(2026年5月時点) |
|---|---|
| 利用料金 | 月額1,750円/1事業所(年額換算21,000円・税抜) |
| フリーパス施策 | 令和8年度(2026年度)下期まで利用料21,000円分を無償化するキャンペーン継続中 |
| Ver1.2.0主な改善 | 一括送信件数50→100件に拡大/下書きデータ一括送信/受信一覧の自動更新/メッセージコピー機能/ライセンス期限のトップ画面表示 |
| 標準仕様 | 厚生労働省「ケアプランデータ連携標準仕様」第4.1版(令和6年度) |
| 導入支援 | 2026年4月以降、導入支援用動画・資料が公式サイトで順次公開/全国自治体向けセミナー実施 |
「フリーパス施策」によって新規導入時の年額負担を実質ゼロにする入口設計が続いているため、未導入事業所はまず無償期間中の試行導入で運用フローを整える流れが標準化しつつあります。
導入メリットと注意点
メリット
- FAX送受信・郵送・手渡しの作業時間削減(試算で年間81万円分)
- 紙の保管スペース不要
- 誤送信・紛失リスクの大幅低下
- 業務継続計画(BCP)対応(紙が水害で消失するリスク回避)
注意点
- 連携先のすべての事業所が本システムを利用していなければ効果は限定的
- 導入初期はPC操作の研修が必要
- 事業所内の業務フロー(FAX前提)を変更する必要
- 地域包括支援センターとの連携は対応開始時期に注意
介護報酬改定と公的支援(補助金・加算)
2024年度(令和6年度)介護報酬改定では、生産性向上推進体制加算の創設をはじめ、ICT活用を後押しする方向性が明確に打ち出されました。本システム単体の導入は加算要件ではありませんが、関連する公的支援を組み合わせることで実質的な負担を抑えながら導入できます。
活用できる主な公的支援
- 地域医療介護総合確保基金(ICT導入支援事業): 都道府県経由で介護ソフトやタブレット、Wi-Fi整備などに補助。厚労省公表値では令和3年度に5,371事業所が補助を受けており、令和元年度の195事業所から大きく拡大している。
- 生産性向上推進体制加算(2024年度創設): ICT機器・介護ロボット活用と業務改善計画を組み合わせて取得する加算。本システム導入は典型的な業務改善施策として位置付けられる。
- 厚労省「ケアプランデータ連携標準仕様」第4.1版(令和6年度): 介護ソフト各社はこの標準仕様に準拠した連携機能を提供しており、ベンダーロックインが起きにくい設計になっている。
導入を検討する事業所は、まず自治体(都道府県・指定都市)のICT補助公募情報と、利用中の介護ソフトベンダーの対応状況の2点を確認するのが効率的です。
よくある質問
- Q1. 全国どこでも使えますか?
- A. 全国共通のシステムです。事業所の所在地に関わらず利用できます。
- Q2. 既存の介護ソフトとの連携は?
- A. 主要な介護記録ソフト(ケアコム、ほのぼの、ワイズマンなど)が本システムとのデータ連携に対応しています。詳細はソフトメーカーに確認を。
- Q3. 利用しない選択肢はありますか?
- A. あります。利用は任意で、利用しなくても介護給付請求には影響しません。ただし、業務効率化と地域連携の観点から導入が推奨されています。
参考資料
- [1]
- [2]
- [3]
まとめ
ケアプランデータ連携システムは、ケアマネと事業所間の月次情報共有を電子化する全国共通基盤です。年額21,000円の利用料で年間約81万円のコスト削減効果が試算されており、業務効率化と業務継続計画(BCP)対応の両面で導入が広がっています。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
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