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📑目次

  1. 01介護人材需給データから見るケアマネ支援の必要性
  2. 02財務省が4月末に示した『適正化』提言
  3. 03日本介護支援専門員協会の反論ポイント
  4. 04ケアマネ現場への影響と独自分析
  5. 05今後の改定議論スケジュール
  6. 06参考資料
  7. 07まとめ
介護の働き方診断
日本介護支援専門員協会、財務省提言に反論|新類型『登録施設介護支援』の報酬引き下げに『さらなる経営悪化』
介護職向け

日本介護支援専門員協会、財務省提言に反論|新類型『登録施設介護支援』の報酬引き下げに『さらなる経営悪化』

2026年5月21日、日本介護支援専門員協会が住宅型有料老人ホーム向け新類型『登録施設介護支援』の介護報酬引き下げを求める財務省提言に反論声明。同一建物減算はすでに適正化済みで、追加引き下げは事業所の休廃止加速を招くと主張。

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日本介護支援専門員協会は2026年5月21日、住宅型有料老人ホーム入居者向け新類型『登録施設介護支援』の介護報酬を居宅介護支援より低く設定すべきとする財務省提言に対し、真っ向から反論する声明を発表した。同協会は『同一建物減算はすでに適正化されており、これ以上の引き下げは事業所のさらなる経営悪化と休廃止の加速を招く』と主張。来年度(令和8年度)介護報酬改定の最大論点の一つとして、ケアマネジメントの報酬水準が焦点に浮上している。

📑目次▾
  1. 01財務省が4月末に示した『適正化』提言
  2. 02日本介護支援専門員協会の反論ポイント
  3. 03ケアマネ現場への影響と独自分析
  4. 04今後の改定議論スケジュール
  5. 05参考資料
  6. 06介護人材需給データから見るケアマネ支援の必要性
  7. 07まとめ

解説動画

住宅型有料老人ホームの入居者に特化したケアマネジメントの新類型『登録施設介護支援』をめぐり、日本介護支援専門員協会が財務省提言に強く反論した。財務省は4月28日の財政制度等審議会で、住宅型ホーム入居者向けケアマネジメントは業務負担が軽く、事業所の収支差率も高いとして、新類型の基本報酬を居宅介護支援より低く設定すべきと提言。一方、ケアマネ協会は『現行の同一建物減算ですでに労働投入時間の差は反映されている』『追加引き下げは事業所の存続を脅かす』と反対の姿勢を鮮明にした。来年度の介護報酬改定議論で最大の対立軸の一つとなる見通しだ。

財務省が4月末に示した『適正化』提言

収支差率の高さを根拠に減額要求

財務省は4月28日の財政制度等審議会で、住宅型有料老人ホーム入居者向けケアマネジメントについて『業務負担が軽く、事業所の収支差率も高い傾向にある』と分析。来年度の介護報酬改定で、新類型『登録施設介護支援』の基本報酬を居宅介護支援より低く設定すべきと求めた。背景には、社会保障費の継続的な伸びを抑制したい財政当局の意向がある。

現行の同一建物減算の効果を限定的と評価

財務省は、現行制度の『同一建物減算』(住宅型ホーム併設事業所のケアマネに適用される減算ルール)について『効果が限定的』と指摘。減算幅の拡大ではなく、新類型での基本報酬そのものの引き下げが必要との立場を取った。住宅型ホーム入居者を担当するケアマネジメントの労働投入時間が個人宅より月22.8%少ないという昨年度の調査・研究事業データを念頭に置いた提言と見られる。

令和8年度改定の主要論点に浮上

登録施設介護支援は、政府が今国会に提出した介護保険法改正案に新設が盛り込まれた新類型。来年度(令和8年度)の介護報酬改定で具体的な基本報酬・加算体系が設計される。財務省提言は、その報酬設計の出発点となる議論を方向づける狙いがあったとみられる。

日本介護支援専門員協会の反論ポイント

同一建物減算はすでに適正化済み

日本介護支援専門員協会は5月21日の声明で、現行の『同一建物減算』はケアマネジャーの移動時間などを十分に検討して導入されたものであり、『すでに適正化はなされている』と反論した。財務省が主張する『効果が限定的』との評価に対し、減算自体が制度設計時に労働投入時間差を反映済みであると主張した格好だ。

事業所の休廃止加速を懸念

居宅介護支援事業所の数は近年減少傾向にあり、ケアマネ協会は『目下の厳しい経営環境』を強調。これ以上の介護報酬引き下げは『事業所のさらなる経営悪化を招き、休廃止を加速させる危険性がある』と警鐘を鳴らした。事業所の減少は、利用者がケアマネジャーを選びにくくなる事態に直結する。

地域生活相談業務の追加を踏まえた評価を要求

政府は新類型『登録施設介護支援』に、地域生活相談の業務を追加する方針を打ち出している。ケアマネ協会は『現行制度における労働投入時間差のみを前提とした報酬設計は不適当』と指摘。新類型では業務範囲が拡張される以上、その追加業務も評価に組み込むべきと主張した。そのうえで、加算も含めて『現行の居宅介護支援相当分の評価』が引き続き行われるべきと求めた。

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住宅型有料老人ホーム登録施設介護支援介護報酬同一建物減算介護報酬改定ケアマネジメント有料老人ホーム介護保険法

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ケアマネ現場への影響と独自分析

個人宅担当ケアマネ vs 住宅型併設ケアマネの構造的緊張

今回の議論の核心は、個人宅を担当する居宅ケアマネと、住宅型ホームに併設される事業所のケアマネとの間の経営条件の差異にある。住宅型併設事業所は要介護度の重い利用者が集まりやすく、相対的に業務負担が軽くケアマネを確保しやすい構造があり、個人宅ベースの事業所より経営的に有利と長年指摘されてきた。財務省提言は『この差異を報酬で是正する』方向、ケアマネ協会の反論は『減算済みの差異をさらに広げると業界全体が衰退する』方向。両者の対立は、ケアマネジメントの公正・中立性をどう担保するかという原理的問題に直結している。

住宅型ホームの『囲い込み』対策との接続

5月22日に衆院厚労委で可決された介護保険法改正案には、住宅型有料老人ホームへの登録制導入が含まれる。新類型『登録施設介護支援』の報酬設計は、この登録制と一体で運用される見通しだ。基本報酬を居宅介護支援より下げれば、囲い込み構造への抑止力にはなる一方、住宅型併設事業所のケアマネは経営難から退出を迫られる可能性もある。改正附帯決議は『囲い込み対策の実効性担保』を求めており、報酬設計はその実効性確保の手段の一つに位置づけられる。

個人宅担当ケアマネにとっての含意

個人宅を担当する居宅ケアマネにとって、財務省提言通り住宅型併設事業所のケアマネ報酬が下がれば、相対的に競争環境は公平化される。一方、ケアマネ協会の反論通り現行水準維持となれば、住宅型併設の経営優位性は維持され、個人宅担当の事業所離れが進む可能性もある。どちらの結論になっても、現場ケアマネは『自事業所の利用者構成(個人宅か住宅型か)』を意識した経営判断が必要になる。

今後の改定議論スケジュール

介護給付費分科会での具体化

新類型『登録施設介護支援』の基本報酬や加算体系は、社会保障審議会介護給付費分科会で議論される。来年度(令和8年度)改定の本格議論は2025年12月〜2026年2月にかけてピークを迎える見通し。財務省提言とケアマネ協会の反論のどちらが反映されるかは、分科会委員の意見・厚労省事務局案・診療側/保険者側の駆け引きで決まる。

注目すべき判断材料

分科会での議論の判断材料となるのは、①住宅型併設事業所と個人宅担当事業所の収支差率の最新データ、②労働投入時間調査のアップデート、③居宅介護支援事業所の休廃止件数の推移、④住宅型ホーム入居者の状態像(要介護度・医療必要度)の変化、の4点。これらのデータが分科会資料として提示される段階で、報酬水準の議論が具体化する。

介護現場が注視すべき情報

ケアマネ・事業所管理者は、厚労省の介護給付費分科会の議事録・資料を継続的に確認することが重要。改定議論の途中で『基本報酬◯◯%減』『同一建物減算◯%引き上げ』といった具体的数字が出始めるタイミングで、自事業所への影響シミュレーションを始められる。

参考文献・出典

参考資料

  • 介護ニュースJoint「ケアマネ協会が財務省に反論 新類型『登録施設介護支援』の報酬、現行評価の維持を主張」(2026年5月21日)
    https://www.joint-kaigo.com/articles/46179
  • 日本介護支援専門員協会 公式サイト
    https://www.jcma.or.jp/
  • 財務省「財政制度等審議会」
    https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/index.htm
  • 厚生労働省「社会保障審議会 介護給付費分科会」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_126706.html
  • 厚生労働省「居宅介護支援事業所の概況」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/kyotaku/index.html

関連する公的データ(本文の補足)

介護人材需給データから見るケアマネ支援の必要性

厚生労働省の第9期介護保険事業計画に基づく推計では、介護職員は2022年度の約215万人から、2026年度に約240万人、2040年度に約272万人が必要とされています。介護職員の必要数が増えるほど、サービス調整を担うケアマネジャー側の業務負担も重くなります。

年度介護職員数・必要数2022年度との差見方
2022年度約215万人基準足下の介護職員数
2026年度約240万人+約25万人第9期計画期間の終期に必要な規模
2040年度約272万人+約57万人高齢化が進む2040年度に必要な規模

2040年度までに必要とされる上積みは約57万人です。これは、介護現場の努力だけで吸収するには大きい規模で、処遇改善、採用、定着支援、業務効率化を組み合わせて進める必要があります。処遇改善やICT化の議論は、介護職員だけでなく、ケアプラン作成・連携・相談対応を支える職種の持続性とあわせて見ると実態に近づきます。

出典: 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(2024年7月12日公表)。2022年度の介護職員数は厚生労働省「令和4年介護サービス施設・事業所調査」、2026年度・2040年度は市町村の第9期介護保険事業計画に基づく都道府県推計の集計です。

まとめ

2026年5月21日、日本介護支援専門員協会は財務省の『登録施設介護支援の報酬引き下げ』提言に反論声明を発表した。背景には、住宅型有料老人ホーム併設事業所と個人宅担当事業所の経営条件の構造的差異、それを是正する方向の財務省提言、業界の経営悪化を懸念する協会側という3者の対立がある。来年度(令和8年度)介護報酬改定の最大論点の一つで、2025年12月〜2026年2月の介護給付費分科会で具体的な数字が固まる見通し。ケアマネ・事業所管理者は、自事業所の利用者構成と分科会議論の動向を継続的に把握することが重要だ。

医療・健康情報に関する免責事項

本記事は、介護現場で働く方および介護職への転職を検討される方に向けた一般的な情報提供を目的としており、 個別の症状に対する医学的な診断・治療を行うものではありません。

ご本人・ご家族の症状やケア方法について判断が必要な場合は、必ず医師・看護師・薬剤師・言語聴覚士・理学療法士・作業療法士等の有資格者にご相談ください。 介護保険サービスの利用判断についてはケアマネジャー、行政手続きについては各市区町村の窓口にお問い合わせください。

掲載情報は公開時点の各種公的資料・業界資料に基づき作成していますが、最新の制度・診療ガイドライン等と異なる場合があります。

公開日: 2026年5月23日最終更新: 2026年6月3日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

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