
自己導尿の利用者への介助|介護職ができる範囲と見守りのコツ
自己導尿(CIC)を行う利用者への介護職の関わり方を解説。カテーテル準備・体位保持などの補助と、挿入という医行為との線引き、感染予防の見守り、出血・挿入困難時の対応と看護師への報告基準、自尊心を支える声かけまで実務目線で整理。
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この記事のポイント
自己導尿(清潔間欠自己導尿・CIC)は、利用者本人が自分でカテーテルを尿道へ入れて排尿する自己管理行為です。カテーテルの挿入・抜去そのものは医行為にあたり、介護職員が代わりに行うことはできません。介護職員ができるのは、厚生労働省通知(平成17年医政発第0726005号)が示す「自己導尿を補助するため、カテーテルの準備、体位の保持などを行うこと」の範囲、つまり物品準備・体位保持・声かけ・見守りと、尿の性状の観察・看護師への報告です。
目次
特別養護老人ホームやグループホーム、訪問介護の現場で、脊髄損傷や脳血管疾患、糖尿病性神経障害などによる「神経因性膀胱」のために自己導尿を行いながら生活している利用者に出会う機会は珍しくありません。自己導尿は病院でなくても、本人が手技を覚えれば自宅や施設で毎日続けられる排尿管理法ですが、加齢による手指の巧緻性低下や視力低下、認知機能の変化によって、これまで一人でできていたことが少しずつ難しくなる場面も出てきます。
ここで介護職員が最初に押さえておきたいのは、「自己導尿はあくまで本人が行う自己管理行為であり、介護職員がカテーテルを挿入する行為そのものを代行することはできない」という原則です。一方で、物品の準備や体位の保持、声かけ、見守り、そして尿の様子や体調変化に気づいて看護師へ伝える役割は、介護職員が担う重要な仕事です。この線引きを理解しないまま「困っているなら手伝ってあげたい」という善意だけで踏み込んでしまうと、本人の自立を奪うだけでなく、介護職員自身が責任を問われかねない行為に踏み込んでしまうリスクもあります。
本記事では、自己導尿の基本的な仕組みと対象になる人、介護現場での出会う頻度感、医行為としての線引き、介護職員が実際にできる関わり方、感染予防の観点からの見守りポイント、挿入困難・出血など困ったときの対応と報告基準、そして本人の自尊心と自立を支える声かけの工夫まで、現場目線で整理します。
介護現場で自己導尿の利用者に出会う頻度|統計から見る独自分析
自己導尿は決してまれなケアではありません。厚生労働省の調査データを組み合わせると、介護現場で自己導尿の利用者に出会う頻度感がつかめます。
日本泌尿器科学会の脊髄損傷診療ガイドラインによれば、脊髄損傷による下部尿路機能障害を持つ患者は国内に約8万人存在し、毎年約5,000人の新規患者が発生していると推計されています。脊髄損傷の主な原因はスポーツ外傷だけでなく、高齢期の転倒による非骨傷性頸髄損傷も近年増加が指摘されており、加齢とともに神経因性膀胱のリスクを抱える人が増える構図があります。
厚生労働省の「介護老人福祉施設における医療的ケアの現状についての調査研究事業」(令和元年度老人保健健康増進等事業)では、特別養護老人ホームの医療処置を要する入所者のうち「カテーテルの管理」が3.7%を占めるとされています。さらに令和6年度の別調査(有料老人ホームの現状と課題・論点について、厚生労働省)では、施設あたり平均9.3人・入居者の15.8%が何らかの医療処置を必要とし、その中でも「尿道カテーテルの管理」が4.6%で最多の処置内容として挙げられました。これらの数値には膀胱留置カテーテルの利用者も含まれますが、脳血管疾患・糖尿病・パーキンソン病など加齢に伴う神経因性膀胱の原因疾患の多さを踏まえると、自己導尿を行う利用者も一定数含まれていると考えられます。
当サイトの独自の見立てとして注目したいのは、特養の入所者の要介護度分布(要介護3以上が全体の約7割、令和元年時点)と、脊髄損傷・脳血管疾患による神経因性膀胱の年齢層が重なる点です。つまり「排尿管理にカテーテルを使う利用者」は、要介護度の高い層に一定の厚みで存在し、しかもその中には本人が自己導尿を続けられている人も一定数含まれます。介護職員にとって、この「本人がまだ自分でできる部分をどう支えるか」という視点は、要介護度だけで一律に「全介助」と決めつけないケアの前提になります。
自己導尿(清潔間欠自己導尿・CIC)とは|仕組みと対象になる人
自己導尿とは、利用者本人が一定の時間ごとに尿道からカテーテル(細い管)を膀胱内へ挿入し、たまった尿を自分の力で体外へ排出する方法です。正式には清潔間欠(自己)導尿、英語ではCIC(clean intermittent catheterization)またはCISC(clean intermittent self-catheterization)と呼ばれます。病院で行うような滅菌操作までは求められず、手洗いと清浄綿による清拭程度の「清潔操作」で行えるのが特徴です。
なぜ自己導尿が必要になるのか
腎臓では毎分およそ1mLの尿がつくられ、膀胱に150mL前後たまると尿意を感じ、400〜500mLを超える前に排尿するのが通常のしくみです。しかし、次のような原因で膀胱を自力で空にできなくなると、尿が膀胱にたまり続けてしまいます。
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血)、パーキンソン病、多発性硬化症などによる脳の障害
- 脊髄損傷、脊柱管狭窄症、二分脊椎などの脊髄の障害
- 糖尿病性神経障害、骨盤内手術(直腸がん・子宮がんなど)後の末梢神経の障害
- 前立腺肥大症など下部尿路の通過障害
こうした神経の障害で膀胱と尿道の協調がうまくいかなくなった状態は「神経因性膀胱」と呼ばれます。残尿が多いまま放置すると、膀胱の過伸展や膀胱内圧の上昇が起こり、尿路感染症や膀胱尿管逆流、水腎症を経て腎機能低下につながることがあります。自己導尿は、膀胱を定期的に空にすることでこの悪循環を断ち切る目的で行われます。
膀胱留置カテーテルとの違い
同じ「カテーテルで尿を出す」方法でも、管を入れたままにする膀胱留置カテーテルとは大きく異なります。自己導尿は排尿のたびに管を入れて終わったら抜くため、体内に管を留置する時間がなく、感染リスクが相対的に低いとされます。行動の自由度も高く、多くの医療現場で「可能であれば留置より間欠導尿を優先する」という考え方がとられています。在宅・施設で長期に排尿管理が必要な利用者に自己導尿が選ばれやすいのはこのためです。
医行為の線引き|介護職員ができること・できないこと
自己導尿の介助でもっとも重要なのが「誰が何をできるか」という線引きです。厚生労働省医政局長通知(平成17年7月26日 医政発第0726005号「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」)が判断の基準になります。この通知はその後、令和4年12月1日(医政発1201第4号、その2)、令和7年12月26日(医政発1226第12号、その3)と追加通知が重ねられ、蓄尿バッグの取り扱いなど介護現場で実施される行為の範囲が随時整理されていますが、自己導尿の補助についての基本的な位置づけは平成17年通知が定めたものです。
カテーテルの挿入・抜去は医行為
尿道からカテーテルを膀胱へ挿入する行為、挿入した管を抜く行為は医行為であり、医師・看護師など免許を持つ人だけが行えます。これは利用者本人の自己導尿であっても同じで、介護職員が本人に代わってカテーテルを挿入することはできません。「本人が自分でできない部分を手伝ってあげたい」という気持ちがあっても、挿入そのものを代行することは法的に認められていない点をまず理解しておく必要があります。
介護職員ができる「自己導尿の補助」
平成17年通知は、原則として医行為でない行為のひとつに「自己導尿を補助するため、カテーテルの準備、体位の保持などを行うこと」を明記しています。つまり介護職員にできるのは、あくまで本人が自分で導尿するための環境づくりです。
- 利用者が普段使うカテーテルとケース、消毒綿・清浄綿、採尿容器、防水シーツ、廃棄物入れなど物品の準備
- 本人が導尿しやすいよう体位を保持する手伝い(ベッド上での起き上がり介助、車椅子への移乗、下衣の上げ下げなど)
- 実施のタイミングを伝える声かけと、実施中の見守り
- 使い終わった物品の後片づけ、カテーテル・尿器の洗浄補助
これらはいずれも「本人が行う自己導尿を手伝う」行為であり、介護職員がカテーテルを尿道へ入れる操作そのものを行うわけではありません。この一線を越えないことが、利用者の安全と介護職員自身を守ることにつながります。
「異常がないこと」が前提の行為であること
厚労省のガイドラインは、こうした「原則として医行為ではない行為」について、病状が不安定であるなど専門的な管理が必要な場合には医行為とされる場合もあり得るとしています。普段と違う様子がないかを実施前に確認し、疑問があれば自己判断せずに看護師・医師に確認する姿勢が欠かせません。
家族が行う場合との違い
医行為の規制は、医師・看護師等の免許を持たない人が「業として」反復継続的に行うことを対象とするため、利用者本人やその家族が自宅で自己導尿・介助を行うことは法的に妨げられません。在宅では家族が導尿を担うケースも多くありますが、介護保険サービスの中で「業として」提供する介護職員の立場とは前提が異なる点に注意が必要です。
自己導尿の補助の流れ|準備から片づけまで
自己導尿の補助は、実施前の準備、実施中の見守り、実施後の片づけの3段階に分けて考えると流れをつかみやすくなります。手順は利用者ごとにケアプランや看護師の指示で定められているため、必ず個別の手順書・申し送りに従ってください。
1. 実施前の準備
- 利用者から「導尿の時間」の合図や訴えがあったら、落ち着いた声で応答する
- 普段使うカテーテル(再利用型・単回使用型・親水性コーティング付きなど利用者ごとに異なる)、消毒綿・清浄綿、採尿容器、防水シーツ、廃棄物入れをそろえる
- プライバシーが保てる環境か(カーテン、扉、周囲の人の目)を確認する
- 本人が導尿しやすい姿勢(ベッド上の長座位、車椅子上、トイレでの座位など普段の方法)が取れるよう体位を整える
2. 実施中の見守り
- 本人が自分でカテーテルを扱う様子を見守り、求められた範囲でのみ手を貸す(物を渡す、体を支えるなど)
- カテーテルの挿入・抜去そのものには手を出さない
- 「痛みはないか」「いつもと違う感じはないか」を必要に応じてさりげなく確認する
- 他の利用者や職員の目に触れないよう配慮し、急かさない
3. 実施後の片づけと確認
- 使用済みカテーテルの廃棄または洗浄・消毒液への浸漬を、本人の方法に従って手伝う
- 尿の色・量・におい・混濁の有無をさりげなく確認する
- 排尿日誌への記録がある場合は、本人が記入しやすいよう用具を渡す、代筆が必要なら内容を確認しながら記録する
- 異常があれば速やかに看護師へ報告する(次のセクションで詳述)
感染予防の観点から介護職員が見守りたいポイント
自己導尿は、膀胱を定期的に空にして内圧を上げないことで尿路感染を防ぐ方法です。無菌操作でなく「清潔操作」で足りるとされるのはこの理屈があるためですが、清潔操作が崩れると感染リスクは高まります。介護職員が見守りの中で気づける代表的なポイントは次のとおりです。
- 手洗い・手指消毒: 導尿前後に流水と石けんで手を洗えているか。外出時など洗えない場面ではウェットティッシュや手指消毒剤で代替できているか
- 尿道口の清拭: 清浄綿で尿道口とその周囲を清潔にする手順が普段どおり行えているか
- 潤滑剤の使用: 単回使用型カテーテルで潤滑剤が必要なタイプの場合、塗布が省略されていないか(潤滑不足は尿道損傷につながる)
- 膀胱をためすぎていないか: 決められた回数・間隔(多くはおよそ400〜500mLを超えない設定)で導尿できているか。回数が乱れている様子があれば看護師に共有する
- 水分摂取量: 一般的な目安は1日およそ1,000〜1,500mLとされますが、水分制限がある利用者もいるため、個別の指示を確認する
とくに高齢の利用者では、手指の巧緻性や視力の低下によって、これまでできていた清潔操作が徐々に難しくなることがあります。「最近、手技に時間がかかるようになった」「物品を落とすことが増えた」といった変化は、本人が困っていても言い出しにくい場合があるため、介護職員が日々の見守りの中で気づき、看護師・医師へつなぐことが本人の膀胱と腎臓を守ることに直結します。
膀胱留置カテーテルの利用者との介助の違い
| 比較項目 | 自己導尿(間欠導尿)の利用者 | 膀胱留置カテーテルの利用者 |
|---|---|---|
| カテーテル操作の主体 | 本人が自分で挿入・抜去する | 医師・看護師が挿入し、留置したままにする |
| 介護職員ができる範囲 | 物品準備・体位保持・声かけ・見守り・尿の観察 | 蓄尿バッグの尿廃棄、尿量・尿の色の確認、外れたテープの指定位置への貼り直し、専門的管理不要と確認された場合の陰部洗浄 |
| 介護職員ができないこと | カテーテルの挿入・抜去そのもの | カテーテルの挿入・抜去、入れ直し |
| 感染リスクの考え方 | 体内に管を留置しないため相対的に低い | 留置期間が長いほど高い。開放式は4日以上でほぼ全例に尿路感染が生じるとされる |
| 観察の中心 | 尿の性状、導尿間隔、手技の様子 | 蓄尿バッグ内の尿量・色、チューブの屈曲・固定状態 |
同じ「排尿管理が必要な利用者」でも、自己導尿の利用者は本人が主体的に手技を行う点が最大の違いです。介護職員の役割は「代わりにやってあげる」ことではなく、「本人ができる状態を維持するための環境と観察を担う」ことにあります。膀胱留置カテーテルを使う利用者への具体的な介護職員の対応は、当サイトの別記事「膀胱留置カテーテルの利用者の介護」で詳しく解説しています。
困ったときの対応|挿入困難・出血・発熱と看護師への報告基準
自己導尿は毎日繰り返す行為であるぶん、うまくいかない日や体調の変化に気づく場面も出てきます。介護職員が「これは看護師に伝えるべきか」を判断する目安を整理します。判断に迷ったときは自己判断で様子を見ず、まず報告することが原則です。
カテーテルが挿入しにくい・尿が出ない
緊張や便秘、体位のずれなどでカテーテルが入りにくいことがあります。無理に進めると尿道を傷つける危険があるため、本人には「無理に押し込まない」ことを促し、いったん中止して時間をおいてから再挑戦する対応が一般的です。何度試みても入らない、まったく尿が出ないという場合は尿閉の可能性もあるため、速やかに看護師へ報告します。
カテーテルに血液がつく・尿が赤い
尿路のどこかを傷つけた可能性があります。色の濃さや量、痛みの有無とあわせて看護師に報告し、指示を仰ぎます。少量の血尿でも自己判断で「様子を見ましょう」と済ませないことが大切です。
尿がにごる・悪臭がする
尿路感染のサインである可能性があります。高齢者では発熱がはっきり出ず、元気のなさや食欲低下、いつもと違う様子(せん妄に近い状態)として現れることもあるため、尿の性状だけでなく全身状態もあわせて観察し、看護師に伝えます。
下腹部の張り・強い痛み・発熱
膀胱にうまく尿を出せていない、あるいは感染が進んでいる可能性があります。決められた時間でなくても速やかに看護師・医師へ連絡する対応が推奨されます。
報告のタイミングと伝え方
「いつもと違う」と感じたら、量・色・におい・痛みの有無・発生した時間を具体的に伝えると、看護師や医師が状況を判断しやすくなります。タブレットで尿の色や性状を写真共有する運用を取り入れている施設もあります。
本人の自尊心と自立を支える関わり方
自己導尿は排泄というきわめてプライベートな行為であり、羞恥心や自尊心への配慮が欠かせません。認知症介護の研究でも、排泄ケアでは「自尊心や羞恥心に配慮した声かけになっているか」「介護者側の都合で誘導していないか」がケアの質を左右するとされています。自己導尿の見守りでも同じ視点が生きてきます。
- 周囲に聞こえない声で伝える: 「導尿の時間ですね」といった声かけは、他の利用者や職員に聞こえない距離・トーンで行う
- 「できること」を奪わない: 手伝いすぎると本人の自己管理能力の低下や自信の喪失につながりかねません。求められた部分だけを手伝い、本人が自分でできる工程は見守りに徹する
- 失敗をとがめない: うまく挿入できなかった日や尿がこぼれてしまった場面で、あわてた態度や大きな声を出さない。落ち着いた対応が本人の安心につながる
- 体調変化を「管理」ではなく「気づき」として伝える: 「最近、少し時間がかかっているように見えますが、何か困っていることはありますか」など、本人の意思を尊重する聞き方を心がける
- プライバシーが保たれる環境を整える: カーテンや扉を閉める、声のトーンを落とすなど、環境面での配慮も自尊心を守る関わりの一部
自己導尿を続けられているということは、本人が自分の体と向き合い、生活を維持するための手技を身につけているということです。介護職員の役割は、その自立を代行することではなく、本人が安心して続けられる環境を整えることにあります。
自己導尿の介助に関するよくある質問
Q. 介護職員が利用者のカテーテルを挿入してもよいですか。
できません。カテーテルの挿入・抜去は医行為にあたるため、介護職員は実施できません。できるのは物品準備・体位保持・声かけ・見守りといった「自己導尿の補助」です(厚生労働省 平成17年通知)。
Q. 利用者がうまく挿入できず困っている様子でも、代わりにやってはいけませんか。
本人が難しそうにしていても、介護職員が代わりにカテーテルを挿入することは認められていません。声をかけて落ち着いてもらう、体位を整え直す、時間をおいて再挑戦してもらうといった対応にとどめ、うまくいかない状態が続くようなら看護師に相談します。
Q. 尿の色や量を記録してもよいですか。
観察・記録は介護職員が行える範囲です。排尿日誌がある利用者では、量や色、においなどの情報を本人と一緒に確認し、必要に応じて記録を手伝うことができます。
Q. どの程度の変化で看護師に報告すべきですか。
血尿、尿の混濁や強い悪臭、発熱、下腹部の張りや痛み、挿入困難や尿が出ないといった変化がみられたら速やかに報告します。判断に迷う場合は「様子を見る」より先に報告する方が安全です。
Q. 手指の巧緻性が落ちてきた利用者にはどう対応すればよいですか。
介護職員が手技を肩代わりするのではなく、気づいた変化を看護師・医師に伝え、カテーテルの種類変更や介助方法の見直しにつなげることが役割になります。訪問看護やケアマネジャーと連携し、本人ができる範囲を見極めながら支援体制を調整します。
Q. 自己導尿を行う利用者が施設に入所・入院する際、事前に確認しておくべきことはありますか。
受け入れ側の職員が把握しておきたいのは、使用しているカテーテルの種類(再利用型か単回使用型か)と本数、導尿の回数・時間帯、必要な体位保持の方法、見守りの必要性の有無、異常時の報告先です。ケアマネジャーや訪問看護師と連携し、本人・家族からこれらの情報を事前に共有してもらうことで、環境が変わっても自己導尿を継続しやすくなります。
Q. 認知症のある利用者が自己導尿を行っている場合、注意点はありますか。
認知機能の変化によって、導尿の時間やカテーテルの扱いを忘れてしまう、手順が混乱するといった場面が出てくることがあります。介護職員が手技を代行することはできないため、決まった時間に声をかける、物品を分かりやすい位置に置く、混乱している様子があれば看護師に相談するなど、本人の記憶や理解力を補う関わり方が中心になります。
参考文献・出典
- [1]医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)- 厚生労働省
平成17年通知(医政発第0726005号)ほか「原則として医行為ではない行為」に関する一連の通知の掲載ページ。自己導尿の補助(カテーテル準備・体位保持)が原則医行為でないと整理されている
- [2]介護職員が実施できること=「医行為ではないこと」が改定されました!- 愛知県看護協会(厚生労働省通知の整理資料)
平成17年通知・令和4年通知(その2)に基づく、自己導尿の補助・膀胱留置カテーテル関連で介護職員が行える行為の一覧整理
- [3]
- [4]
- [5]
- [6]
- [7]
- [8]
まとめ
自己導尿(清潔間欠自己導尿・CIC)は、利用者本人が自分の手でカテーテルを操作して行う自己管理行為です。介護職員ができるのは、カテーテルなど物品の準備、体位の保持、声かけと見守り、そして尿の性状や手技の変化に気づいて看護師へ報告することまでで、カテーテルの挿入・抜去そのものを代行することはできません。この線引きを守りながら、感染予防の観点での見守り、挿入困難や出血・発熱時の適切な報告、そして本人の自尊心と自立を尊重する関わり方を積み重ねることが、利用者の膀胱と腎臓を守り、住み慣れた場所での生活を長く支えることにつながります。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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