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📑目次

  1. 01仕事と介護の両立に関わる介護サービスの供給データ
  2. 02介護休業とは|家族介護のために法律で保障された休む権利
  3. 03介護休業と介護休暇の違い|長期休業とスポット利用の使い分け
  4. 04介護休業の申請手順|時系列で見る5つのステップ
  5. 05介護休業給付金の計算例|月給別の手取りシミュレーション
  6. 06【独自分析】介護休業中の手取りは実質50%まで下がる|社会保険料と住民税の盲点
  7. 07家族介護者のための介護休業活用のコツ|看取り・分割取得・両立支援
  8. 08介護休業に関するよくある質問
  9. 09参考文献・出典
  10. 10まとめ|介護休業は「介護の体制を整える3か月」として戦略的に使う
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介護休業の申請手続き|家族のための93日・3回分割・給付金67%の取り方
ご家族・ご利用者向け

介護休業の申請手続き|家族のための93日・3回分割・給付金67%の取り方

親や配偶者の介護が必要になったご家族向けに、介護休業の申請手続きを徹底解説。育児・介護休業法の取得条件、対象家族7区分、93日3回分割の使い方、給付金67%の計算例、申請書類、2025年改正、社会保険料の盲点まで、厚労省資料と独自分析で網羅。

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この記事のポイント

介護休業は、家族の介護のために働く方が育児・介護休業法に基づいて取得できる休業制度です。対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分割して取得でき、雇用保険から休業前賃金の67%(上限月額356,574円)が介護休業給付金として支給されます。申請は休業開始日の2週間前までに勤務先へ書面で申し出る必要があり、給付金は休業終了後にハローワークへ申請します。親や配偶者の介護が必要になったご家族にとって、介護離職を避けるための重要な制度です。

📑目次▾
  1. 01介護休業とは|家族介護のために法律で保障された休む権利
  2. 02介護休業と介護休暇の違い|長期休業とスポット利用の使い分け
  3. 03介護休業の申請手順|時系列で見る5つのステップ
  4. 04介護休業給付金の計算例|月給別の手取りシミュレーション
  5. 05【独自分析】介護休業中の手取りは実質50%まで下がる|社会保険料と住民税の盲点
  6. 06家族介護者のための介護休業活用のコツ|看取り・分割取得・両立支援
  7. 07介護休業に関するよくある質問
  8. 08参考文献・出典
  9. 09仕事と介護の両立に関わる介護サービスの供給データ
  10. 10まとめ|介護休業は「介護の体制を整える3か月」として戦略的に使う

「親が脳梗塞で倒れた」「義父の認知症が進んで、施設探しと自宅介護の体制づくりに3か月は必要」。突然の介護の始まりは、仕事と家族の両方を抱える働く世代にとって、人生でもっとも判断の難しい局面の一つです。介護のために仕事を辞めるべきか、続けるべきか。続けるなら、誰がいつ介護を担うのか。

こうした「介護のはじまり」の数か月を、退職せずに乗り切るために設計されたのが 介護休業 制度です。育児・介護休業法に基づき、雇用保険の被保険者であれば、対象家族1人につき通算93日まで休業でき、休業中は雇用保険から給与の67%が給付金として支給されます。介護離職を防ぐ最後の砦として、毎年10万人前後の方が利用していますが、制度の細かい条件・申請手順を正確に理解している方は意外と少ないのが実情です。

この記事では、ご家族の介護に直面した方が「いつ・誰に・何を提出すれば」介護休業を取得できるかを、厚生労働省の最新資料と独自の分析を交えて、申請の時系列に沿って丁寧に解説します。給付金の計算例、社会保険料の落とし穴、看取りでの活用、復職後の生活設計まで、家族介護者の判断に必要な実務情報を網羅しています。

介護休業とは|家族介護のために法律で保障された休む権利

介護休業とは、育児・介護休業法(正式名称:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)第11条以降に基づき、要介護状態にある対象家族を介護する労働者が、事業主に申し出ることで取得できる休業制度です。法律で保障された労働者の権利であり、要件を満たして申し出た場合、事業主は原則として拒否できません。

取得できる人の条件

介護休業を申し出ることができるのは、以下の要件をすべて満たす労働者です。

  • 雇用保険の被保険者であること(給付金の受給要件)
  • 要介護状態にある対象家族を介護するための休業であること
  • 有期雇用の方は、申出時点で子の93日経過日から6か月以内に労働契約が満了することが明らかでないこと
  • 労使協定で除外されていないこと(入社1年未満、週所定労働日数2日以下、申出から93日以内に雇用関係が終了する見込みの方は労使協定で除外可能)

対象家族の範囲(7区分)

介護の対象となる「対象家族」は法律で明確に定められており、以下の7区分に限られます。

  • 配偶者(事実婚を含む)
  • 父母(養父母を含む)
  • 子(養子を含む)
  • 配偶者の父母(義父母・養父母を含む)
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹
  • 孫

注意点として、配偶者の祖父母・兄弟姉妹は対象外です。また、別居・扶養関係の有無は問われません。離れて暮らす実家の親や、長らく交流のなかった配偶者の親であっても、対象家族であれば申し出ることができます。

要介護状態とは

育児・介護休業法における「要介護状態」とは、負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態を指します。介護保険の要介護認定で「要介護2相当」以上が一つの目安ですが、要介護認定を受けていない場合でも、厚生労働省が示す判断基準(歩行・排泄・食事・入浴・衣類の着脱など12項目)に該当すれば対象になります。

つまり、「要介護認定を受けていないと取れない」わけではないのがポイントです。退院後しばらく見守りが必要なケースや、認知症の周辺症状で2週間以上の継続的な介護が必要な状態でも、医師の診断書や家族による状態説明で取得できます。

介護休業と介護休暇の違い|長期休業とスポット利用の使い分け

「介護休業」と「介護休暇」は名称が似ていますが、まったく異なる制度です。両方を組み合わせて使うことで、家族介護と仕事の両立がぐっと現実的になります。

制度比較表

項目介護休業介護休暇
取得日数対象家族1人につき通算93日対象家族1人につき年5日(2人以上で年10日)
分割回数3回まで分割可能1日・半日・時間単位で取得可
申請期限開始の2週間前まで当日の口頭申出も可
申請方式書面(介護休業申出書)会社の規定による
給付金賃金の67%(雇用保険から)原則無給(会社による)
主な用途介護体制の構築・看取り通院付き添い・ケアマネ面談

使い分けのコツ

家族介護を取り巻く実務では、両制度は次のように役割が分かれます。

  • 介護休業:「親が入院し、退院後の在宅介護体制を1〜2か月かけて整える」「特養入居の調整に3か月見込む」「看取り期に1か月寄り添う」など、連続的・集中的な対応が必要な局面で使います。
  • 介護休暇:「ケアマネジャーとの月1回の面談」「通院の付き添い」「行政手続きの同行」など、スポット的・短時間の対応で使います。

厚労省の「介護休業制度特設サイト」でも、介護休業は「介護のために自ら長期に介護する」のではなく、「介護の体制を整えるための準備期間」として活用することが推奨されています。実際、93日というのは「自分で介護を完結する期間」ではなく、ケアマネジャーやサービス事業者と連携して持続可能な介護体制を構築するための期間と位置づけられています。

介護休業の申請手順|時系列で見る5つのステップ

介護休業は、ある日突然「明日から休みます」と取れるものではありません。法律上は休業開始日の2週間前までに書面で申し出る必要があり、給付金の受給まで含めると、開始前から復職後まで複数の手続きが時系列で発生します。

ステップ1:要介護状態の確認(休業開始の3〜4週間前)

まず、ご家族が「2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態」にあることを客観的に示せる材料を集めます。

  • 入院中なら主治医の診断書や退院サマリ
  • 介護保険の要介護認定通知書(要介護2以上が目安)
  • 地域包括支援センターやケアマネジャーが作成した状態評価

会社によっては「家族の介護状態がわかる書類」の提出を求められます。法律上は書類提出を申出の条件にはできませんが、円滑な手続きのため事前に取得しておくと安心です。

ステップ2:会社への申出(休業開始の2週間以上前)

勤務先の人事・労務担当者に 「介護休業申出書」 を書面(紙またはPDF)で提出します。必要な記載事項は次のとおりです。

  • 申出年月日・申出者の氏名・所属
  • 対象家族の氏名・続柄・要介護状態(簡潔に)
  • 休業開始予定日・終了予定日
  • 同じ家族について過去に取得した介護休業の有無・日数

会社所定の書式がある場合はそれを使い、無い場合は厚労省ホームページの様式例(育児・介護休業等関係規程の規定例)をダウンロードできます。

ステップ3:休業開始時賃金月額証明書の準備(会社が手続き)

休業に入る前、事業主が 「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」 をハローワークへ提出します。これは給付金の算定基礎となる「休業前6か月間の賃金」を確定する重要書類です。本人が用意する書類ではありませんが、会社が手続きを忘れると給付金支給が遅れるため、人事担当者に「いつ提出しますか?」と確認しておきましょう。

ステップ4:介護休業期間中の対応

休業中は、給付金は原則として後払いです。介護休業終了後にハローワークへ申請するため、休業中は給与・給付金ともに入金がなく、貯金や家族からの援助で生活する必要があります(独自分析セクションで詳述)。

分割取得(3回まで)を予定している場合、1回目の終了後に2回目を取得する際にも、改めて2週間前までに申出書を提出します。

ステップ5:給付金の支給申請(休業終了後)

1回の介護休業終了後、終了日の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日までに、事業主を経由してハローワークへ給付金支給申請を行います。本人が用意する書類は次のとおりです。

  • 介護休業給付金支給申請書(事業主から渡される)
  • 介護対象家族との続柄が分かる書類(住民票・戸籍謄本など)
  • 本人と対象家族のマイナンバー
  • 振込先口座の通帳コピー

例:3月15日に休業終了 → 5月31日までに申請。期限を過ぎると給付金が一切受け取れないため、復職後の最重要タスクとしてカレンダーに記入しましょう。

介護休業給付金の計算例|月給別の手取りシミュレーション

介護休業給付金は、休業前6か月間の平均賃金(賃金日額)をもとに、雇用保険から支給されます。実際にいくら受け取れるのか、給与水準別に具体的に計算してみましょう。

計算式の基本

給付金の支給額は、原則として次の式で算出されます。

賃金日額 × 支給日数(通常は30日) × 67%

「賃金日額」は、休業前6か月間の総支給額(賞与を除く)を180日で割った金額です。月給制の場合、ほぼ「月給÷30日」と考えて差し支えありません。ただし、後述する上限・下限があります。

上限・下限額(令和8年7月31日まで)

  • 賃金月額の上限:532,200円(67%換算で支給上限月額356,574円)
  • 賃金月額の下限:90,420円(67%換算で支給下限月額60,581円)

上限・下限は毎年8月1日に改定されます。実際の額は申請時にハローワークで確認してください。

給与別シミュレーション

休業前の月給支給単位期間の給付金(30日分)93日分の合計(おおよそ)
20万円約134,000円約415,400円
25万円約167,500円約519,250円
30万円約201,000円約623,100円
40万円約268,000円約830,800円
50万円約335,000円約1,038,500円
60万円(上限超)356,574円(上限)約1,105,379円

※ 上記は概算値。実際の支給額は休業前6か月の賃金から算定され、賞与・残業代を含む総支給額がベースになります。

給付金が減額・不支給になるケース

  • 休業中に就業日が10日(または80時間)を超えた支給単位期間:その期間は支給されません。
  • 会社から休業前賃金日額×支給日数の80%以上の賃金が支払われた場合:給付金は不支給。
  • 賃金が13%超80%未満の場合:「賃金月額の80%」と賃金の差額が支給されます。
  • 休業終了時点で離職予定の場合:給付対象外。

会社によっては介護休業中も給与の一部(30〜50%程度)が支払われる場合がありますが、雇用保険からの給付金と合算して「賃金月額の80%」を超えないように調整されます。

【独自分析】介護休業中の手取りは実質50%まで下がる|社会保険料と住民税の盲点

「給付金で給与の67%もらえるなら、実質3割減でなんとかなる」。多くの家族介護者がそう試算しますが、実際の手取りベースでは50%前後まで下がるケースが多くあります。介護休業制度の最大の盲点は、介護休業給付金が「賃金」ではなく「給付」扱いのため、給付金そのものは非課税である一方、社会保険料と住民税の扱いに落とし穴がある点です。

盲点1:社会保険料は免除されない

育児休業の場合、健康保険料・厚生年金保険料は申出により免除されます。一方、介護休業の場合、社会保険料の免除制度はありません。会社経由で通常どおり徴収されるため、休業中も毎月数万円の保険料負担が発生します。

たとえば月給30万円の方の場合:

  • 健康保険料(労使折半後本人負担):約15,000円
  • 厚生年金保険料(労使折半後本人負担):約27,000円
  • 合計:毎月約42,000円の負担が休業中も発生

給付金支給額が30日あたり約201,000円なので、ここから42,000円を差し引くと 実質的な月収は約159,000円(休業前手取り比 約60%) まで下がります。

盲点2:住民税は前年所得ベースで徴収される

住民税は前年の所得に対して翌年6月から課税されます。介護休業で収入が下がっても、住民税の徴収額は変わりません。月給30万円の方なら月1.5〜2万円が引き続き徴収されます。会社経由の特別徴収が続く場合、給与振込がない月も住民税分を会社へ振り込む必要があるケースもあります。

盲点3:給付金は「後払い」で約2〜3か月遅れる

介護休業給付金は休業終了後に申請し、ハローワーク審査を経て支給されます。休業開始から最短でも2〜3か月後に初回入金となるため、休業中はまず無収入の期間を凌ぐ必要があります。

家族介護者の生活設計:必要な手元資金の試算

これら3つの盲点を加味し、月給30万円・93日(3か月)連続休業のケースで必要な手元資金を試算すると:

  • 休業期間中の生活費(食費・光熱費等):月20万円×3か月=60万円
  • 社会保険料:月4.2万円×3か月=12.6万円
  • 住民税:月1.5万円×3か月=4.5万円
  • 必要な手元資金合計:約77.1万円
  • 休業終了後2〜3か月で給付金約60万円が入金 → 最終的な収入減は約17万円

結論として、介護休業を取得する前に最低でも給与3か月分の生活防衛資金があると安心です。資金が不足する場合は、後述する「両立支援等助成金」の対象企業で勤務しているか、自治体の介護家族向け支援制度(生活福祉資金貸付など)も検討しましょう。

📖

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家族介護者のための介護休業活用のコツ|看取り・分割取得・両立支援

介護休業を最大限に活用するための実務的なコツを、4つの典型シーンに分けてまとめます。

コツ1:93日を「3回分割」で介護のフェーズに合わせて使う

2017年の法改正で、介護休業は3回まで分割取得できるようになりました。これは「介護はステージごとに必要な対応が違う」という現実に合わせた改正です。家族介護者の典型的な使い分けは次のとおりです。

  • 1回目(30〜45日):発症・入院・退院直後。要介護認定の申請、介護保険サービスの調整、自宅改修の手配、ケアマネジャーとのプラン策定など、介護体制の構築フェーズに充てる。在宅介護を選ぶか施設入所を選ぶかの判断材料を集める時期でもあります。
  • 2回目(30〜40日):状態悪化や追加入院、施設入所の調整など、節目の対応フェーズに充てる。在宅から施設へ、あるいは施設の種類変更(特養待機→老健経由など)が必要になった場面で活用します。
  • 3回目(残り日数):看取り期に充てるご家族が多い。最期の数週間を自宅や病院で寄り添うために温存しておく方法。早く使い切ってしまうと、看取りの場面で休みが取れず後悔につながりやすいため、配分には注意が必要です。

コツ2:看取りでも介護休業は使える

厚生労働省は介護休業を「家族の介護のために仕事を休む必要がある場合」と広く定義しており、自分で直接介護をする時間だけでなく、看取り期の付き添いも対象です。実際に、終末期医療の場面で介護休業の3回目を活用し、家族で最期の時間を過ごす方は少なくありません。看取りの心理的・物理的負担を、介護休業給付金が一定程度サポートしてくれる仕組みになっています。緩和ケア病棟や在宅ホスピスでの最期にも、心置きなく寄り添える環境を整えてくれる制度です。

コツ3:勤務先が「両立支援等助成金」対象なら情報共有・面談を求める

2025年度の両立支援等助成金「介護離職防止支援コース」は、中小企業(小売・サービス業は300人以下に拡大)の事業主が、介護休業取得者を支援した場合に最大60万円程度の助成金を受け取れる制度です。会社にとってメリットがあるため、勤務先がこのコースの活用を検討していれば、「介護支援プラン」に基づく面談やプラン策定がスムーズに進む可能性があります。

勤務先の人事担当者に「うちの会社は両立支援等助成金の介護離職防止支援コースを使えますか?」と尋ねてみましょう。中小企業であれば、企業側が制度導入に前向きになるきっかけになります。助成金を受給するためには、休業前の面談・休業後の復帰支援面談を会社側が記録に残す必要があるため、ご家族にとっても「会社の支援が見える化される」というメリットがあります。

コツ4:復職後は短時間勤務・所定外労働の制限も併用可能

93日の介護休業を使い切ったあとも、「介護のための短時間勤務制度」「所定外労働(残業)の制限」「深夜業の制限」は、対象家族1人につき利用開始から3年の間で2回以上利用できます。介護休業で介護体制を整え、その後は短時間勤務と介護保険サービスを組み合わせて働き続けるのが、家族介護と仕事の両立の現実的なパターンです。

2025年の育児・介護休業法改正では、企業に対して「介護に直面した労働者への個別周知・意向確認」と「40歳到達時の情報提供」が義務化されました。これは「介護に直面する前から、制度を知り、心の準備を始める」ことを国が後押しする動きです。両立支援制度はあくまで「使える権利」であり、申し出なければ動きません。早めに人事担当者や地域包括支援センターに相談し、情報を集めておきましょう。

介護休業に関するよくある質問

Q. 介護休業中に親が亡くなりました。残った日数はどうなりますか?

対象家族が亡くなった時点で、その家族に関する介護休業は終了します。残日数は別の対象家族のためには使えません(介護休業は「対象家族1人につき93日」の制度のため)。給付金は休業終了日までの分について、所定の手続きで申請できます。

Q. パートやアルバイトでも介護休業を取れますか?

有期雇用契約の方も、雇用保険の被保険者であり、申出時点で「休業開始予定日から93日経過日+6か月以内に労働契約が満了することが明らかでない」場合は取得できます。日雇い・週所定労働日数2日以下の方は労使協定で除外される場合があります。

Q. 兄弟姉妹で交代に介護休業を取ることはできますか?

はい、可能です。介護休業は「労働者ごとに対象家族1人につき93日」が上限なので、同じ親について兄と妹がそれぞれ別々に93日ずつ取得できます。介護休業給付金も、各人が自分の雇用保険から受給できます。

Q. 介護休業の申請を会社が拒否しました。どうすればいい?

育児・介護休業法に基づく介護休業の申出は、要件を満たしている限り事業主が拒否することはできません。拒否や不利益取扱いがあった場合は、まず都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談してください。匿名相談・指導勧告・調停制度があります。

Q. 同じ家族について、複数回給付金を申請できますか?

はい。介護休業を3回に分割した場合、それぞれの休業終了後に給付金支給申請が必要です。通算93日まで、3回までに限り給付されます。各回ごとに「終了日翌日から2か月を経過する月の末日」までに申請してください。

Q. 介護休業中に副業や在宅ワークをしてもいいですか?

原則として、支給単位期間中の就業日が10日(または80時間)以下であれば給付対象となります。10日超の就業日があった支給単位期間は給付されません。また会社の就業規則で副業禁止規定がある場合は、勤務先の許可が必要です。

Q. 要介護認定を受けていなくても介護休業を取れますか?

取れます。育児・介護休業法上の「要介護状態」は介護保険の要介護認定と完全には一致せず、医師の診断や厚労省の判断基準(12項目)に該当すれば対象です。退院直後の見守りや認知症の周辺症状にも対応できる柔軟な制度です。

参考文献・出典

  • [1]
    介護休業給付の内容及び支給申請手続について(リーフレット)- 厚生労働省・公共職業安定所

    介護休業給付金の支給対象者・対象となる介護休業・給付内容(賃金月額上限532,200円・支給上限356,574円・支給率67%)・申請手続きの公式リーフレット

  • [2]
    介護休業制度特設サイト- 厚生労働省

    介護休業の取得条件・対象家族・分割取得・2週間前申出ルールなど制度全体を解説する公式特設サイト

  • [3]
    2025(令和7)年度 両立支援等助成金のご案内- 厚生労働省

    介護離職防止支援コースの支給額(介護休業40万円・介護両立支援制度20〜25万円・業務代替支援5〜20万円)と中小企業の範囲を示す公式リーフレット

  • [4]
    育児・介護休業法のあらまし- 厚生労働省

    育児・介護休業法第11条以降の介護休業規定、対象家族7区分、要介護状態の判断基準、2025年改正内容を網羅した公式パンフレット

  • [5]
    Q&A〜介護休業給付〜- 厚生労働省

    介護休業給付金の受給要件・支給単位期間・分割取得・賃金との関係などに関する公式Q&A

関連する公的データ(本文の補足)

仕事と介護の両立に関わる介護サービスの供給データ

働きながら介護を続けられるかどうかは、平日の日中を任せられるデイサービスと、朝夕の隙間を埋める訪問介護の供給に大きく左右されます。制度(介護休業など)と地域の供給は両方そろって初めて機能します。本サイトが集計した厚生労働省由来のデータでは、デイサービスの事業所は全国に24,742件、75歳以上人口1万人あたりでは11.9件です。

サービス種別全国事業所数75歳以上1万人あたり最も供給が厚い県最も薄い県
デイサービス24,742件11.9件沖縄県(33.3件)北海道(7.6件)
訪問介護35,172件16.9件大阪府(34.8件)新潟県(8.8件)

デイサービスの供給密度は、最も厚い沖縄県(75歳以上1万人あたり33.3件)と最も薄い北海道(同7.6件)で約4.4倍の開きがあります。供給が薄い地域では送迎時間や利用曜日の希望が通りにくく、勤務時間との調整が難しくなります。介護休業の93日は「体制を作るための期間」と割り切り、その間に地域の供給を前提にした分担を固めましょう。

介護休業給付金は賃金の67%が支給されますが、申請は原則として職場経由です。人事部門に介護の事実を伝えるタイミングから逆算して準備しましょう。ケアマネには「延長対応や送迎時間の柔軟なデイサービス」を、勤務先には「時差出勤・短時間勤務との併用」を確認すると、両立の持続可能性が大きく変わります。

出典: 厚生労働省 介護サービス情報公表システム掲載データに基づく本サイト集計(事業所数)、総務省統計局 人口推計(2024年10月1日現在)。事業所数は公開データの登録状況により変動します。

まとめ|介護休業は「介護の体制を整える3か月」として戦略的に使う

介護休業は、ご家族の介護に直面した働く方が、退職せずに「介護の始まりの数か月」を乗り切るための法律上の権利です。本記事の重要ポイントを最後に整理します。

  • 制度の核心:対象家族1人につき通算93日、3回まで分割取得可能。雇用保険から賃金の67%(上限月額356,574円)が給付される。
  • 対象家族の範囲:配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫の7区分。別居・扶養関係は問われない。
  • 申請の核:休業開始の2週間前までに「介護休業申出書」を書面提出。給付金は休業終了後にハローワークへ「終了日翌日から2か月を経過する月の末日まで」に申請。
  • 家族介護者の生活設計:給付金は後払い・社会保険料免除なし・住民税継続のため、実質手取りは50〜60%まで下がる。給与3か月分の手元資金が安心の目安。
  • 使い分け:介護休業は「介護体制を整える準備期間」、介護休暇は「通院付き添い等のスポット利用」、復職後は短時間勤務と組み合わせる三層構造で介護離職を防ぐ。

介護のはじまりは、誰にとっても突然訪れ、判断に悩む時期です。「介護のために仕事を辞めるしかない」と決断する前に、まずは介護休業を視野に入れ、勤務先の人事部と地域包括支援センターの両方に相談してみてください。法律で守られた3か月という時間が、家族と仕事のどちらも諦めずに済む道を開いてくれるはずです。

医療・健康情報に関する免責事項

本記事は、介護現場で働く方および介護職への転職を検討される方に向けた一般的な情報提供を目的としており、 個別の症状に対する医学的な診断・治療を行うものではありません。

ご本人・ご家族の症状やケア方法について判断が必要な場合は、必ず医師・看護師・薬剤師・言語聴覚士・理学療法士・作業療法士等の有資格者にご相談ください。 介護保険サービスの利用判断についてはケアマネジャー、行政手続きについては各市区町村の窓口にお問い合わせください。

掲載情報は公開時点の各種公的資料・業界資料に基づき作成していますが、最新の制度・診療ガイドライン等と異なる場合があります。

公開日: 2026年5月17日最終更新: 2026年8月13日

監修者

介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム

医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)

看護師介護福祉士ケアマネジャー

訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護保険、施設選び、在宅介護など、介護を受ける方・ご家族が判断に迷いやすいテーマを、公的情報と実務上の確認ポイントに沿って解説しています。

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都民ファーストの会の後藤なみ政務調査会長が、東京都独自の介護・福祉職員向け「居住支援特別手当」(最大月2万円)の来年度以降の拡大継続を表明。対象を事務職・調理員・送迎ドライバー等にも広げる構想を示した。有効求人倍率7.95倍の東京で「東京価格」に賃金が追いつかない現状と、国の処遇改善の限界を読み解く。

NCCU、介護報酬「抜本引き上げ」へ50万筆署名を開始|村上副会長「低賃金の元凶は介護報酬の設定」

日本介護クラフトユニオン(NCCU)が2027年度の介護報酬改定に向け50万筆署名を開始。村上久美子副会長は低賃金の元凶を介護報酬の設定と指摘。目標数・しめきり・提出先と、処遇改善加算と基本報酬の構造を中立に解説。

介護休業の申請手続き|家族のための93日・3回分割・給付金67%の取り方
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