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介護福祉士国家試験の合格率が70.1%に急落――合格者数3年連続減・パート合格制度初年度の結果と今後の展望

介護福祉士国家試験の合格率が70.1%に急落――合格者数3年連続減・パート合格制度初年度の結果と今後の展望

2026年3月発表の第38回介護福祉士国家試験は合格率70.1%と前回から8.2ポイント低下。合格者数は5万4,987人で3年連続減少。パート合格制度初年度の結果や外国人受験者1万人突破の背景、今後の試験対策まで最新データで詳しく解説します。

ポイント

第38回介護福祉士国家試験の合格率70.1%に急落

2026年3月16日に厚生労働省が発表した第38回介護福祉士国家試験の結果は、介護業界に大きな衝撃を与えました。合格率は70.1%で、前回の78.3%から8.2ポイントの大幅低下。合格者数は5万4,987人にとどまり、3年連続の減少で直近10年間で最少となりました。一方で受験者数は7万8,469人と前年から約3,000人増加しており、「受験者は増えたのに合格者は減った」という異例のねじれ現象が起きています。合格基準点は125点満点中わずか64点(正答率51.2%)まで引き下げられ、試験の難化が如実に表れました。今回から導入されたパート合格制度では、Aパート3,935人・Bパート1,509人・Cパート6,181人がパート別合格を獲得。また、外国人受験者が初めて1万人を突破し、全体の約2割を占めるなど、介護福祉士国家試験の転換点となる結果です。

第38回介護福祉士国家試験の結果概要――数字で見る全体像

2026年1月25日に実施された第38回介護福祉士国家試験の合格発表が、同年3月16日に厚生労働省および社会福祉振興・試験センターから行われました。ここではまず、公式発表に基づく主要データを整理します。

受験者数・合格者数・合格率の基本データ

第38回試験の基本データは以下のとおりです。

  • 受験者数:7万8,469人(前回比+3,082人)
  • 合格者数:5万4,987人(前回比-4,005人)
  • 合格率:70.1%(前回比-8.2ポイント)
  • 合格基準点:64点/125点満点(正答率51.2%)

受験者数が2年連続で増加した一方、合格者数は3年連続で減少するという「ねじれ現象」が最大の特徴です。合格者5万4,987人は直近10年間で最も少ない水準にあたります。

過去5年間の合格率推移

過去5回の試験結果を比較すると、合格率の低下傾向がより鮮明に見えてきます。

  • 第34回(2022年実施):受験者83,082人/合格者60,099人/合格率72.3%
  • 第35回(2023年実施):受験者79,151人/合格者66,711人/合格率84.3%
  • 第36回(2024年実施):受験者74,595人/合格者61,747人/合格率82.8%
  • 第37回(2025年実施):受験者75,387人/合格者58,992人/合格率78.3%
  • 第38回(2026年実施):受験者78,469人/合格者54,987人/合格率70.1%

第35回(84.3%)・第36回(82.8%)と80%超の高水準が続いた後、第37回で78.3%に低下し、今回の第38回で70.1%まで急落しました。70.1%という数値は、直近10年間で第32回(2020年実施)の69.9%に次ぐワースト2位の水準です(出典:厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験合格発表について」)。

合格基準点64点が示す試験難度の変化

介護福祉士国家試験の合格基準点は、総得点125点の60%程度(75点)を目安としつつ、問題の難易度によって補正されます。過去の合格基準点の推移は以下のとおりです。

  • 第34回(2022年):78点(正答率62.4%)
  • 第35回(2023年):75点(正答率60.0%)
  • 第36回(2024年):67点(正答率53.6%)
  • 第37回(2025年):70点(正答率56.0%)
  • 第38回(2026年):64点(正答率51.2%)

第38回の64点は過去の試験と比較しても極めて低い水準です。これは「64点まで基準を下げなければ合格率がさらに大幅に低下していた」ことを意味しており、試験問題そのものの難易度が顕著に上がったことを如実に物語っています(出典:社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験の合格発表について」)。

合格率8.2ポイント急落の背景にある3つの要因

なぜ第38回試験では合格率がこれほど大きく下がったのでしょうか。複合的な要因を整理すると、主に3つの背景が浮かび上がります。

要因1:試験問題の本質的な難化と出題傾向の変化

近年の介護現場では、認知症ケアの高度化、医療的ケア(喀痰吸引や経管栄養など)の拡充、科学的介護(LIFE=科学的介護情報システムの活用など)に基づく自立支援の推進が強く求められています。こうした現場ニーズの変化に対応し、国家試験の出題内容も大きく変わりました。

具体的には、単なる用語や制度の暗記で解ける問題が減少し、「特定の状況下で介護福祉士としてどう判断し、どう行動すべきか」を問う長文の事例問題や、複数分野の知識を組み合わせて解答する応用問題が増加しています。過去問の繰り返し学習だけでは対応が難しく、介護の本質的な理解が求められる試験へと変化したことが、合格基準点が64点まで引き下げられた最大の要因と考えられます。

要因2:パート合格制度導入による受験戦略の混乱

第38回試験から初めて導入された「パート合格制度」(詳細は後述)も、合格率低下に一定の影響を与えた可能性があります。「全体で不合格でもパート合格を取れればいい」という意識が一部の受験生に広がり、全科目を万遍なく学習する従来型の対策から、特定パートに学習を集中させる傾向が見られたとの指摘があります。

新制度の初年度であったことから、「どのように準備すればよいかわからない」という受験戦略の混乱も生じました。予備校や対策講座でもパート合格制度を踏まえた指導ノウハウが十分に蓄積されておらず、制度の過渡期特有の「戦い方の迷い」が全体の合格率を押し下げた側面は否定できません。

要因3:外国人受験者の急増による統計的影響

第38回試験では、特定技能1号や技能実習ルートからの外国人受験者が前年の約2倍となる1万人超に急増しました(詳細は後述)。外国人受験者はモチベーションが高く優秀な人材が多い一方、専門的な医療・福祉用語を含む日本語の壁は大きく、全体の合格率は33%前後にとどまっています。

外国人受験者が全体の21.1%を占めるまで増加したことで、全体の平均合格率が統計的に押し下げられた影響があります。仮に日本人受験者のみの合格率を算出すると、低下幅はやや小さくなると推測されますが、それでも試験の難化による影響は明確に存在しています(出典:介護ニュースJoint「今年度の介護福祉士国試、合格率が大幅低下」2026年3月16日)。

受験資格別・年齢別に見る合格者の内訳

第38回試験の合格者5万4,987人の内訳を受験資格別・年齢別に分析すると、介護人材の現状と課題がより具体的に見えてきます。

受験資格別の合格率――施設種別で大きな差

厚生労働省の公式発表によると、受験資格別の合格率には顕著な差が生まれています。

  • 福祉系高等学校(専攻科含む):合格率90.9%(受験者2,024人/合格者1,839人)――最も高い合格率
  • 保護施設・児童福祉施設の介護職員等:合格率88.3%(受験者479人/合格者423人)
  • 障害者福祉施設の介護職員等:合格率84.5%(受験者6,381人/合格者5,395人)
  • 訪問介護員等:合格率82.3%(受験者9,706人/合格者7,985人)
  • 老人福祉施設の介護職員等:合格率67.2%(受験者41,704人/合格者28,041人)――最多受験者層
  • 医療機関の看護補助者等:合格率67.8%(受験者5,355人/合格者3,631人)
  • 介護老人保健施設・介護医療院の介護職員等:合格率61.1%(受験者4,892人/合格者2,989人)――最も低い合格率
  • 介護福祉士養成施設:合格率58.8%(受験者7,824人/合格者4,603人)

福祉系高等学校の合格率が90.9%と突出して高い一方、介護老人保健施設・介護医療院の職員は61.1%、養成施設卒業者は58.8%と低い水準にとどまっています。養成施設卒業者の合格率が低い背景には、留学生の増加と日本語力の課題が影響していると考えられます。

年齢別の合格者分布――幅広い年代が挑戦

合格者の年齢分布を見ると、介護福祉士国家試験が幅広い年齢層に開かれた資格であることがわかります。

  • 20歳以下:3,702人(6.7%)
  • 21〜30歳:15,727人(28.6%)――最多年齢層
  • 31〜40歳:10,043人(18.3%)
  • 41〜50歳:11,970人(21.8%)
  • 51〜60歳:10,927人(19.9%)
  • 61歳以上:2,618人(4.8%)

21〜30歳の若年層が約3割を占める一方、41歳以上の合格者も全体の46.5%に達しており、ミドルシニア層の挑戦も活発です。介護業界への転職を検討する中高年にとっても、十分にチャレンジ可能な資格であることを示すデータといえるでしょう(出典:厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験合格発表について」)。

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パート合格制度の初年度結果を徹底分析

第38回試験の最大のトピックの一つが、今回から初めて導入された「パート合格(合格パートの受験免除)」制度です。厚生労働省の検討会を経て正式導入されたこの制度は、介護福祉士国家試験の歴史において大きな転換点となりました。

パート合格制度とは何か

パート合格制度とは、従来13科目を一括で受験し総合点で合否判定していた試験を、A・B・Cの3つのパートに分割し、パートごとに合否を判定する仕組みです。全体の合格基準に達しなかった場合でも、各パートの基準点を満たしていれば「パート合格」として認められ、翌年・翌々年の2年間、合格済みパートの受験が免除されます。

3つのパートの構成は以下のとおりです。

  • Aパート(午前試験・60問):人間の尊厳と自立、介護の基本、社会の理解、人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術、生活支援技術
  • Bパート(午後試験・45問):こころとからだのしくみ、発達と老化の理解、認知症の理解、障害の理解、医療的ケア
  • Cパート(午後試験・20問):介護過程、総合問題

合否判定の仕組みとしては、まず全パートの総得点で通常の合格判定が行われます。総得点で不合格となった場合に、次のステップとしてパートごとの合否が判定されます。パート別の合格基準点は、全体の合格基準点を全受験者の平均得点比率で按分して算出されます(出典:厚生労働省「介護福祉士国家試験におけるパート合格(合格パートの受験免除)の導入について」)。

初年度のパート別合格者数

第38回試験におけるパート別合格者数は以下のとおりです。

  • Aパート合格者:3,935人
  • Bパート合格者:1,509人
  • Cパート合格者:6,181人

Cパートの合格者が最も多い6,181人となりました。Cパートは介護過程(8問)と総合問題(12問)の合計20問で構成されており、出題数が少ないぶん学習範囲を絞りやすい特性があります。一方、Bパートの合格者は1,509人と最少で、医学的知識を問う科目群の難易度の高さが反映されています。

パート合格者数は一部重複がある点に注意が必要ですが、延べ1万1,625人が何らかのパート合格を獲得しています。この人々は来年以降の再受験時に、不合格パートのみに集中して学習できるというメリットを得ました。

パート合格制度が受験者に与える影響

パート合格制度の導入により、受験者には以下のようなメリットとデメリットが生じます。

メリットとしては、不合格パートの学習に集中できること、働きながらでも計画的に最大3年かけて合格を目指せること、モチベーションを維持しやすいことが挙げられます。特に夜勤やシフト勤務が中心の介護職にとって、全13科目を一度に仕上げる負担が軽減される意義は大きいでしょう。

デメリットとしては、資格取得までの期間が長期化する可能性があること、パート合格の有効期限が2年間であること、受験手数料(18,380円)が全パート受験でも一部パート受験でも同額であることが挙げられます。複数回受験すると費用負担が増えるため、できるだけ早期の完全合格を目指す計画が重要です(出典:社会福祉振興・試験センター「パート合格(合格パートの受験免除)がスタートします!」)。

外国人受験者が初の1万人突破――介護人材の国際化が加速

第38回試験のもう一つの歴史的トピックが、外国人受験者数の爆発的な増加です。日本の介護業界における国際化の波は、もはや後戻りできない段階に入ったといえます。

特定技能の受験者が前年から倍増

厚生労働省の発表によると、特定技能1号の在留資格で受験した外国人は1万406人で、前年度の4,932人から倍増し、初めて1万人を突破しました。合格者は3,435人、合格率は33.0%で前年度の33.3%とほぼ横ばいです。

特定技能以外の外国人受験者も含めた全体像は以下のとおりです。

  • 特定技能1号:受験者10,406人/合格者3,435人/合格率33.0%
  • 技能実習:受験者517人/合格者227人/合格率43.9%
  • 養成施設の留学生:受験者4,461人/合格者1,540人/合格率34.5%
  • EPA(経済連携協定):受験者1,196人/合格者380人/合格率31.8%

これら4区分を合わせた外国人受験者の合計は1万6,580人で、全体の受験者数7万8,469人に対して21.1%を占めています。おおむね5人に1人が外国人という構成比であり、介護福祉士国家試験における外国人の存在感は年々高まっています。

外国人受験者の合格率に見る課題

外国人受験者の合格率は全区分で30〜44%前後であり、全体平均の70.1%と比較すると大きな開きがあります。この差の主な要因は以下の3点です。

第一に、日本語の壁です。試験はすべて日本語で実施され、医療・福祉分野の専門用語や長文の事例問題を正確に読解する必要があります。特に「尊厳」「自己決定」「QOL」といった抽象的な概念は、母国語でも理解が難しい場合があります。

第二に、学習時間の確保の難しさです。特定技能や技能実習で来日した外国人は、日常業務と並行して試験勉強を進めなければなりません。夜勤を含む不規則なシフトの中で体系的な学習時間を確保することは容易ではありません。

第三に、受入れ機関のサポート体制の差です。施設によって試験対策の支援体制には大きなばらつきがあり、学習環境が整った施設の外国人は合格率が高い傾向にあります。

EPA受験者の出身国別合格率

EPA(経済連携協定)に基づいて来日した介護福祉士候補者1,196人のうち、合格者は380人(合格率31.8%)でした。注目すべきは出身国別の合格率の差です。

  • ベトナム:合格率77.4%
  • インドネシア:合格率30.7%
  • フィリピン:合格率20.0%

ベトナム出身者の合格率が77.4%と突出して高く、日本人を含む全体平均の70.1%を上回っています。ベトナムからのEPA候補者は日本語学習に対する意欲が高く、来日前の準備教育が充実していることが背景にあると分析されています(出典:福祉新聞「介護福祉士試験の合格率70.1% 3年連続減」2026年3月30日)。

パート合格制度と外国人材の在留期間延長

パート合格制度の導入は、外国人介護人材にとっても大きな意味を持ちます。特定技能1号の在留資格には原則5年の上限がありますが、5年目の試験で「1パート以上合格」かつ「総得点の80%以上」を達成した場合、最長1年間の在留期間延長が認められる特例措置が設けられました。

この特例は、資格取得に向けて努力している外国人材に再チャレンジの機会を提供するものです。施設側にとっても、5年間かけて育成した人材を失わずに済む可能性が広がり、人材の定着と育成の両面で期待されています(出典:厚生労働省「介護福祉士国家試験のパート合格による特定技能1号の在留期間延長に関する措置について」)。

合格者数3年連続減少が介護業界に与えるインパクト

合格者数が第36回の6万1,747人から第37回の5万8,992人、そして第38回の5万4,987人と3年連続で減少していることは、深刻な介護人材不足に直面する日本の介護業界にとって看過できない事態です。

介護人材の需給ギャップは拡大の一途

厚生労働省の「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によると、介護職員の必要数は2026年度に約240万人、2040年度には約272万人と推計されています。一方、2040年度には約57万人が不足すると見込まれており、不足率は約21%に達します。これは10名体制が必要な現場に8名しか配置できない計算です。

介護福祉士は介護現場の中核を担う専門職であり、新規合格者の減少は現場の質の維持に直結する問題です。特に、チームリーダーとしてケアの質を管理したり、後輩の指導・育成を担ったりする役割は介護福祉士が中心となって果たしており、有資格者の供給減少は現場のマネジメント力にも影響を与えます。

訪問介護の人材危機はより深刻に

特に深刻なのが訪問介護の分野です。訪問介護員の有効求人倍率は14.14倍(2023年度、厚生労働省調べ)と異常な高水準にあり、全職業平均の1.20倍と比較すると約12倍の差があります。訪問介護は1対1のサービス提供が基本であり、施設介護以上に専門的な判断力が求められるため、介護福祉士の資格を持つ人材の確保が特に重要です。

2024年度の介護報酬改定では訪問介護の基本報酬が引き下げられたこともあり、訪問介護事業所の経営環境は厳しさを増しています。合格者数の減少は、この分野の人材確保をさらに困難にする可能性があります。

介護事業所の6割超が人材不足を実感

公益財団法人介護労働安定センターの「令和6年度介護労働実態調査」によると、介護事業所全体の65.2%が人員不足を感じていると回答しています(「大いに不足」10.0%、「不足」21.2%、「やや不足」34.0%)。一方で明るいデータもあり、介護職員の離職率は2024年度に12.4%と過去最低を更新しました。これは全産業平均の15.4%を大きく下回る水準であり、処遇改善の取り組みが定着率の向上につながっていることがうかがえます。

しかし、新規参入者の採用率は14.3%と3年ぶりに低下しており、離職は減っているものの新たな人材の確保が難しくなっている構図です。介護福祉士の合格者数減少は、この採用難をさらに加速させる要因となりかねません(出典:介護労働安定センター「令和6年度介護労働実態調査結果の概要について」)。

第39回試験に向けた対策と今後の展望

合格率の低下と試験制度の大きな変更を受け、来年以降の受験生はどのように準備を進めるべきでしょうか。また、介護福祉士を取り巻く環境は今後どのように変化していくのでしょうか。

パート合格制度を活かした学習計画の立て方

2026年度の第39回試験からは、第38回でパート合格を獲得した受験者が不合格パートのみを再受験できるようになります。これにより、学習のアプローチは大きく変わります。

初受験の場合は、全パートを受験する必要があるため、従来どおり全科目を満遍なく学習することが基本です。ただし、パートごとの特性を意識した学習計画を立てることが重要です。Aパートは介護の基本と制度の理解、Bパートは医学的知識、Cパートは実践的な事例対応が中心です。自分の得意・不得意を把握し、確実に合格できるパートを増やしていく戦略が有効です。

再受験の場合は、不合格パートに集中して学習できるメリットを最大限に活かしましょう。ただし、パート合格の有効期限は2年間です。たとえば第38回でAパートに合格した場合、第40回(2028年1月実施予定)までにB・Cパートを合格する必要があります。期限切れにならないよう、できるだけ早期の完全合格を目指す計画を立ててください。

事例問題・応用問題への対策が必須に

第38回の合格基準点が64点まで下がった背景には、事例問題や応用問題の増加があります。第39回以降もこの傾向は続くと予想されるため、以下の対策が重要です。

  • 過去問に加えて実践的な事例演習を行う:単なる暗記ではなく、「なぜそうなるのか」「この場面でどう対応すべきか」を考える学習を重視する
  • 科学的介護(LIFE)に関する知識を強化する:介護現場での科学的根拠に基づくケアの考え方は、今後の出題でさらに比重が増す可能性がある
  • 認知症ケアと医療的ケアの理解を深める:高齢化の進行に伴い、これらの分野の出題は増加傾向にある
  • 模擬試験を活用して時間配分を身につける:長文問題が増えたことで、時間内にすべての問題を解き終えるペース配分も重要になっている

施設・事業所に求められる受験支援体制

介護施設や事業所の管理者・人事担当者には、職員の資格取得を組織的に支援する体制の構築がこれまで以上に求められています。具体的には、以下のような取り組みが効果的です。

  • パート合格制度を踏まえた複数年にわたる学習計画の策定支援
  • シフト調整による学習時間の確保
  • 外国人スタッフに対する専門用語の日本語教育の実施
  • 受験対策講座の費用補助や資格取得手当の整備
  • 合格者をロールモデルとして活用した勉強会の開催

資格取得支援の充実度は、職員の定着率向上や採用力の強化に直結します。人材確保が困難な時代において、「職員の成長を支える施設」であることは大きな差別化要因となるでしょう。

介護福祉士の社会的価値は今後さらに高まる

合格率の低下は受験生にとって厳しいニュースですが、見方を変えれば、介護福祉士という国家資格の専門性と社会的価値がより高く評価されるようになった証でもあります。試験の難化は、資格の質を担保し、専門職としての地位を向上させる方向性と合致しています。

超高齢社会の最前線で利用者の尊厳を守り、科学的根拠に基づいたケアを提供できる介護福祉士は、今後ますます社会に必要とされる存在です。処遇改善加算の拡充や、介護職員の賃上げに向けた政策的な動きも続いており、介護福祉士を取得することのキャリア上のメリットは着実に大きくなっています。

第38回試験の結果は、日本の介護が「量の確保」と「質の向上」の両立という難題に本格的に取り組み始めた転換点として記録されることになるでしょう。

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公開日: 2026年4月13日最終更新: 2026年4月13日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

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