介護転職エージェント・求人サイト・派遣会社の使い分け|目的別ベストな組み合わせ3パターン
介護転職で使う「エージェント・求人サイト・派遣」の違いを、職業安定法・労働者派遣法の制度面から整理。手数料の発生主体・収益モデル・サポート品質を比較表で解説し、未経験/経験者の年収アップ/地方UIターンの目的別に最適な3つの組み合わせパターンを提示します。
結論:3サービスは「制度」「収益モデル」「雇用関係」が違う。目的で組み合わせる
介護転職で使う「転職エージェント」「求人サイト」「派遣会社」は、似たように見えて根拠となる法律と収益モデルが全く別です。エージェントと求人サイトは職業安定法に基づく有料職業紹介事業(許可番号は「○○-ユ-□□□□□□」)、派遣は労働者派遣法に基づく労働者派遣事業(許可番号は「派○○-□□□□□□」)で、許可制度自体が分かれています。
収益も違います。エージェントは採用成立時に企業から年収の30〜35%程度の紹介料、求人サイトは掲載料・成功報酬の広告費、派遣は派遣社員の時給と請求単価の差額(マージン)です。「誰がいくら払っているか」が違えば、求職者へのサポート密度・スピード・求人の質も変わります。
使い分けの結論はシンプルです。未経験・無資格は「派遣+資格0円制度+エージェント」、経験者の年収アップは「エージェント2社+求人サイト1」、地方UIターンは「求人サイト+地域型エージェント」。本記事では3サービスの制度的な違いから、目的別ベスト組み合わせ3パターンまでを整理します。
目次
「エージェント・求人サイト・派遣、結局どれを使えばいいの?」を制度で解く
介護の転職を検討すると、最初に迷うのが「サービス選び」です。レバウェル介護のような転職エージェント、ジョブメドレーやe介護転職のような求人サイト、かいご畑やスタッフサービス・メディカルのような派遣会社。どれも「介護の仕事を紹介する」という意味では似ていますが、求職者の体験はかなり違います。
違いをきちんと理解しないまま登録すると、「希望と違う求人ばかり来る」「電話がしつこい」「派遣のつもりが正社員紹介ばかり」「サイトに登録したのにアドバイザーから連絡が来た」など、ミスマッチが起こります。逆に、3つの仕組みを理解して役割ごとに使い分けると、求人の網羅性・条件交渉力・キャリア支援のすべてを一段引き上げることができます。
判断軸は3つです。(1) どの法律・許可で運営されているか(職業紹介事業か、労働者派遣事業か)、(2) お金がどう動いているか(誰が誰にいくら払うか)、(3) 雇用契約は誰と結ぶか(求人企業と直接か、派遣会社経由か)。この3点で見れば、3サービスの違いが立体的に見えてきます。
本記事では、まず厚労省の制度解説をベースに3サービスの違いを整理し、続いて比較表とタイプ別に向いている人、そして実務的に効く目的別ベスト組み合わせ3パターンを提示します。読み終わるころには、「自分はどの順番で何社登録すべきか」が固まるはずです。
制度の根っこを押さえる|「有料職業紹介事業」と「労働者派遣事業」の違い
3サービスを「サービス内容」で比べる前に、まず「どの法律で運営されているサービスなのか」を押さえます。これを理解すると、求人の出し方・お金の流れ・雇用関係の違いがすっきり整理できます。
転職エージェントと求人サイト=「有料職業紹介事業」
転職エージェント(レバウェル介護、マイナビ介護職、カイゴジョブエージェントなど)と求人サイト(ジョブメドレー、e介護転職、介護求人ナビなど)は、いずれも職業安定法に基づく有料職業紹介事業として運営されています。これは厚生労働大臣の許可制で、「求人および求職の申込みを受け、求人者と求職者の間における雇用関係の成立をあっせんする」事業です。
許可番号は「○○-ユ-□□□□□□」(例:13-ユ-300566)の形式で付番されます。最初の2桁は許可を受けた都道府県コード、「ユ」は有料職業紹介を意味する記号、後ろの6桁が事業所固有の番号です。求職者を採用したい施設・企業と、求職者をマッチングする「仲介役」であり、雇用契約は求人企業と求職者が直接結びます。
派遣会社=「労働者派遣事業」
一方、派遣会社(かいご畑、スタッフサービス・メディカル、ウィルオブ介護、レバウェル介護派遣など)は労働者派遣法に基づく労働者派遣事業として運営されています。こちらも厚生労働大臣の許可制ですが、根拠法も許可も別系統です。
許可番号は「派○○-□□□□□□」(例:派13-301980)の形式で、「派」から始まる2桁-6桁という統一フォーマットです。派遣会社の最大の特徴は、派遣会社自身が求職者を雇用すること。介護施設は派遣会社に「人を貸してください」と依頼し、派遣会社の社員として施設に派遣される形になります。施設は労働者を「指揮命令」しますが、給与を払うのも社会保険を負担するのも派遣会社です。
「あっせん」と「派遣」の決定的な違い
もっとも重要な違いは雇用契約の相手です。職業紹介(エージェント・求人サイト)は雇用契約が「求職者⇄求人企業」の二者で完結しますが、派遣は「求職者⇄派遣会社」が雇用契約、「派遣会社⇄施設」が労働者派遣契約という三者構造になります。だから派遣社員は、職場が変わっても派遣会社との雇用関係は続き、有給休暇や社会保険も派遣会社の管理になります。
1つの会社が両方の許可を持つこともある
実務上、レバウェル介護のように「ユ」の有料職業紹介と「派」の労働者派遣を両方の許可で運営している会社も少なくありません。求職者から見れば「同じレバウェル介護」でも、正社員紹介を受けるサービスと、派遣として働くサービスでは登録ルートも担当者も別ということがあります。会社のサイトで「許可番号一覧」を見れば、その事業者がどちらの事業を扱っているかが分かります。
3サービス比較表|手数料の発生主体・雇用関係・サポート品質・スピード
制度の違いを押さえたうえで、求職者から見た「使い勝手」のレイヤーで3サービスを比較します。同じ「介護の仕事を紹介する」サービスでも、お金の動き方とサポートの厚さがここまで違います。
大枠の比較表
| 項目 | 転職エージェント | 求人サイト | 派遣会社 |
|---|---|---|---|
| 根拠法・許可 | 職業安定法(有料職業紹介事業) 許可番号「○○-ユ-□□□□□□」 | 職業安定法(有料職業紹介事業) 許可番号「○○-ユ-□□□□□□」 | 労働者派遣法(労働者派遣事業) 許可番号「派○○-□□□□□□」 |
| 雇用契約の相手 | 求人企業(施設)と直接 | 求人企業(施設)と直接 | 派遣会社 |
| 給与の支払元 | 就職先の施設 | 就職先の施設 | 派遣会社 |
| 給与体系 | 月給・年収(正社員) 時給(パート) | 月給・年収(正社員) 時給(パート) | 時給(一部、無期雇用は月給) |
| 手数料の発生主体 | 採用企業が紹介料(年収の30〜35%)を支払い | 掲載料・成功報酬の広告費を採用企業が支払い | 派遣会社が請求単価から人件費を引いた差額(マージン)を取得 |
| 求職者の利用料 | 無料 | 無料 | 無料 |
| サポート品質 | ◎ アドバイザーが選考対策・条件交渉まで伴走 | △ 基本は自分で応募。サイトによってはスカウトあり | ◯ 派遣コーディネーターが就業前後をサポート、施設とは派遣会社が交渉 |
| スピード(応募〜入社) | 2〜4週間が目安。担当者の動きで早まる | 最短即日応募〜2週間。自分で動けるなら速い | 1〜2週間。即日就業案件もあり |
| 非公開求人 | ◎ 多い(特に高年収・管理職) | △ 基本は公開求人のみ | ◯ ある(条件交渉中の案件など) |
| 条件交渉 | ◎ アドバイザーが代行 | △ 自分で交渉 | ◎ 派遣会社が代行(同一労働同一賃金もあり) |
| 合わなかった場合の異動 | 退職→再求職活動が必要 | 退職→再求職活動が必要 | 派遣先変更で対応可(雇用関係は派遣会社と継続) |
収益モデルから見た「サービスの動機」
各サービスの動きを理解するには、誰が誰にいくら払っているかを知るのが近道です。
- 転職エージェント:採用が決まったら、採用先の施設が採用者の理論年収の30〜35%程度を紹介料として支払います。たとえば年収400万円で入社した場合、施設は120〜140万円程度の紹介料を負担します。これが「無料で使えるのに丁寧にサポートしてくれる」理由です。エージェント側は採用が決まらないと一円ももらえないため、マッチングと内定獲得に強いインセンティブがあります。
- 求人サイト:施設は求人サイトに掲載料または応募・採用ベースの成功報酬(広告費)を支払います。エージェントよりは1人あたりの単価が安いケースが多く、施設にとってはコスト負担が軽いのが特徴。サイト側はアドバイザー人件費を抱えないため、サポート密度は低いものの掲載求人数を増やしやすい。
- 派遣会社:派遣会社は施設から派遣料金(請求単価)を受け取り、その中から派遣社員に時給を支払います。差額が派遣会社のマージン(人件費・社会保険料・利益)になります。派遣会社にとっては「長く就業し続けてくれること」が収益源なので、入社後のフォロー(職場トラブル対応、有給管理、契約更新)に動機が働きます。
同じ「無料」でも、エージェントは内定到達率、求人サイトは掲載数とアクセス数、派遣会社は稼働継続率がKPI。これがサービスの体験差を作っています。
タイプ別「向いている人」|あなたが優先すべきサービスはどれ?
3サービスは「どれが優れているか」ではなく「誰に合うか」で選ぶものです。自分の状況・優先順位ごとに、まず軸足を置くべきサービスを整理します。
転職エージェントが向いている人
- 初めて介護業界に転職する:求人票の読み方や選考の進め方が分からない人にとって、アドバイザーの伴走は強い武器になります。レバウェル介護、マイナビ介護職、カイゴジョブエージェントなどが代表例です。
- 働きながら転職活動をしたい:日程調整・施設との連絡・条件交渉まで代行してもらえるので、現職を続けながら動ける時間が限られている人に向きます。
- 年収アップ・キャリアアップを狙う経験者:管理職・主任・リーダー層の非公開求人はエージェント経由が中心。年収700万円超えを狙うなら、エージェントの活用は事実上必須です。
- ブランクからの復職や異業種転職:自己分析・経歴書作成・面接対策をやってくれるので、自信がない時期に背中を押してくれます。
- 条件交渉が苦手:給与・夜勤回数・休日数の交渉をアドバイザーに任せたい人。
求人サイトが向いている人
- 自分のペースで活動したい:アドバイザーから電話が来るのが苦手で、まずは情報収集だけしたい人。ジョブメドレー介護、e介護転職、介護求人ナビなどがこの軸の代表です。
- 応募する施設をすでに決めている:「あの法人で働きたい」「家から近い特養を探している」など、ピンポイントの希望がある人にとっては、エージェント経由よりも直接応募のほうがスピーディーで意思も伝わります。
- 地方在住・職場の写真や雰囲気を重視:求人サイトは施設ごとの写真・スタッフ紹介・口コミが充実しているため、「現場の雰囲気を見て決めたい」派の人に向きます。e介護転職は写真掲載が多いことで知られます。
- スカウトを受けてみたい:ジョブメドレー介護のように、プロフィール登録だけしておくと施設からスカウトが来るタイプは、待ちの転職活動に向いています。
- 2社目・3社目として併用したい:エージェント1社では網羅できない求人を補うために求人サイトで「裏取り」する使い方も有効です。
派遣会社が向いている人
- 未経験・無資格から介護を始めたい:派遣は「お試し就業」として現場を経験できるうえ、かいご畑のキャリアアップ応援制度のように派遣勤務しながら初任者研修や実務者研修を0円で取得できる仕組みを持つ会社があります。研修費10万円超を浮かせながら現場経験を積めます。
- 家庭・育児・介護と両立したい:曜日・時間・夜勤の有無を細かく指定できるのが派遣の強み。「平日9〜15時のみ」「夜勤なし」「週3日」のような働き方を続けやすい。
- 合わない職場をすぐ離れたい:派遣なら契約期間ごとに見直しができ、人間関係や設備が合わなければ派遣会社経由で別の派遣先に異動できます。雇用関係は派遣会社と続くので、給与の途切れも最小化できます。
- 時給を最大化したい:首都圏では介護派遣の時給が1,700円超のレンジに入る案件もあり、月給換算で正社員より手取りが多くなるケースもあります。スタッフサービス・メディカルやレバウェル介護派遣がこのレンジを多く扱います。
- 介護以外の人生イベントと並走したい:副業・起業準備・資格取得・家族の介護など、3〜5年スパンの「仕事以外の主軸」がある人にとって、派遣の柔軟性は強い武器です。
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目的別ベストな組み合わせ3パターン|未経験/年収アップ/地方UIターン
1社だけで完結する転職活動は、求人の偏り・条件交渉の弱さ・情報の死角を生みます。実務的に効くのは「役割が違う2〜3社を組み合わせる」設計です。ここでは目的別に、最適な組み合わせを3パターン提示します。
パターン①:未経験・無資格から始める「派遣+資格0円+エージェント」
| 役割 | サービス例 | 使い方 |
|---|---|---|
| 軸足(派遣) | かいご畑、スタッフサービス・メディカル | 派遣で現場経験を積みながら初任者研修・実務者研修を取得(かいご畑のキャリアアップ応援制度なら0円) |
| サブ(エージェント) | レバウェル介護、カイゴジョブエージェント | 資格取得後・現場経験6か月以降に正社員紹介を受ける窓口として登録しておく |
このパターンが効く理由
未経験で正社員に挑戦すると、面接で「未経験ですか…では時給ベースから」となり、待遇が伸びにくいのが現実です。先に派遣で現場経験+資格を確保してから正社員転職に切り替えると、6か月後・1年後には「経験者・有資格」として年収レンジが上がるのが大きな利点です。
かいご畑では派遣として就業しながら受講料0円で初任者研修・実務者研修・介護福祉士実務者研修を取得できる「キャリアアップ応援制度」を提供しています。研修費は10〜15万円相当が一般的なので、これを浮かせながら現場経験も積めるのは未経験スタートの最強ルートです。スタッフサービス・メディカルもリクルートグループの福利厚生・無期雇用派遣枠があり、無資格でも始めやすい構造です。
注意点
派遣で長期キャリアを作るつもりがないなら、「3年ルール」を意識すること。同じ部署で派遣を続けられるのは原則3年までで、それ以降は派遣先での直接雇用化、別の派遣先への異動、派遣会社の無期雇用への転換などが求められます(後述)。
パターン②:経験者の年収アップ「エージェント2社+求人サイト1社」
| 役割 | サービス例 | 使い方 |
|---|---|---|
| 主軸(エージェントA) | レバウェル介護 | 求人数の多さで網羅性を担保。LINE相談で温度感を保つ |
| 主軸(エージェントB) | カイゴジョブエージェント、マイナビ介護職 | 非公開求人の重複を減らすために系統が違うエージェントを併用 |
| 裏取り(求人サイト) | ジョブメドレー介護 | エージェント経由の年収提示が市場相場とずれていないかをチェック |
このパターンが効く理由
経験5年以上・有資格者の非公開求人はエージェントが押さえています。1社だけだとそのエージェントが扱う求人プールに依存してしまうため、求人ソースが違うエージェント2社を併用すると同じ法人の同じ施設の求人でも、年収提示・夜勤手当・退職金制度の見せ方が違うことに気づけます。
そこに求人サイト(ジョブメドレー介護など)を1社足すと、市場相場のレンジ確認とエージェントが扱わない地場法人の求人を補完できます。エージェントだけで進めると「アドバイザーが推す求人」に視野が引っ張られがちなので、求人サイトでフラットな目線をキープすることが重要です。
注意点
同じ求人にエージェントと求人サイトの両方から応募してしまうと、採用側で混乱が起きる(誰経由の応募か不明)ことがあります。複数経路で動かすなら、最初の応募経路を決めて、二重応募はしないこと。
パターン③:地方・UIターンで動く「求人サイト+地域型エージェント」
| 役割 | サービス例 | 使い方 |
|---|---|---|
| 主軸(求人サイト) | ジョブメドレー介護、e介護転職、介護求人ナビ | 地場の中小法人・社会福祉法人の求人は求人サイト中心。施設写真・口コミで雰囲気を確認 |
| サブ(エージェント) | レバウェル介護、マイナビ介護職など全国大手 | 地方拠点が手薄でも、移住前提の年収交渉や非公開求人で活用 |
このパターンが効く理由
地方ではエージェント経由の紹介料を負担できる施設が首都圏ほど多くないため、求人サイト経由の直接応募が主戦場になります。e介護転職のように施設写真・スタッフ紹介・代表者メッセージを重視するサイトなら、現地に足を運ぶ前に職場の雰囲気をある程度つかめます。
ただしUIターンの場合、移住費用・住宅手当・採用時期の調整など条件交渉が発生しやすい。ここはエージェントを補助線として使うと安心です。レバウェル介護やマイナビ介護職は地方拠点を持っており、希望地域の事情に詳しい担当者がつくこともあります。地方在住の中小法人求人を求人サイトで一次スクリーニングし、エージェント担当者と「実際にこの施設、どうですか」と相談する使い方が現実的です。
注意点
地方求人は求人票の更新が遅い傾向があり、サイト掲載中なのに既に募集終了というケースがあります。応募前にサイト経由でも一度問い合わせてから応募すると安全です。
派遣を選ぶ前に知っておきたい3つの法律ポイント|3年ルール・同一労働同一賃金・無期雇用派遣
派遣を選ぶ前に知っておきたい3つの法律ポイント
派遣は柔軟性の高い働き方ですが、エージェントや求人サイト経由の正社員・パートとは違う労働者派遣法のルールが適用されます。事前に押さえておくべきは3つです。
1. 3年ルール(事業所単位・個人単位の期間制限)
2015年の改正派遣法で導入されたのが「3年ルール」です。同一の派遣先の同一組織単位(課・グループなど)で派遣社員として働けるのは、原則として3年まで。これは派遣社員の雇用安定とキャリア形成を促す狙いです。
3年経過時点で、派遣会社は次のいずれかの雇用安定措置を講じる必要があります。
- 派遣先への直接雇用の依頼
- 新しい派遣先の提供
- 派遣会社による無期雇用化
- その他の雇用安定措置(教育訓練など)
例外として60歳以上、派遣会社と無期雇用契約を結んでいる派遣社員、有期プロジェクト業務などは3年ルールの対象外です。介護分野では「長期で同じ施設で働きたい」というニーズが強いので、登録時に無期雇用派遣の枠があるかを必ず確認しましょう。スタッフサービス・メディカルやウィルオブ介護は無期雇用派遣のラインを持っています。
2. 同一労働同一賃金(待遇格差の是正)
2020年4月から、派遣労働者にも同一労働同一賃金のルールが適用されています。これは「派遣先の正社員と同じ仕事をしているなら、賃金や福利厚生で不合理な格差を設けてはいけない」という原則です。
派遣会社は、以下のどちらかの方式で派遣社員の待遇を決めます。
- 派遣先均等・均衡方式:派遣先の正社員の待遇を基準にする
- 労使協定方式:派遣会社と労働組合等が結ぶ労使協定で、厚労省が示す賃金水準(職種・地域別)を満たす待遇にする
多くの介護派遣会社は労使協定方式を採用しており、これにより厚労省の基準以上の時給が担保されます。介護福祉士・実務者研修・初任者研修などの資格手当がきちんと反映されているかは、契約前に書面で確認すべきポイントです。
3. 無期雇用派遣(雇用の安定と派遣の柔軟性を両立)
無期雇用派遣とは、派遣会社と「期間の定めのない雇用契約」を結ぶ派遣形態です。次の派遣先が決まっていない期間も派遣会社から給与(待機給)が支払われ、3年ルールの対象外になります。
有期派遣との違いを表で整理します。
| 項目 | 有期雇用派遣(一般的な派遣) | 無期雇用派遣 |
|---|---|---|
| 雇用契約 | 派遣先の契約期間と連動 | 期間の定めなし |
| 3年ルール | 適用される | 適用外 |
| 給与体系 | 時給制が中心 | 月給制が中心 |
| 派遣先がない期間 | 給与なし(雇用契約も終了) | 待機給あり、雇用継続 |
| 賞与・退職金 | 派遣会社による | 支給される会社が多い |
「派遣の自由度は欲しいけど雇用は安定させたい」という人は、無期雇用派遣を扱う派遣会社(スタッフサービス・メディカル、ウィルオブ介護、レバウェル介護派遣など)を優先するのが現実解です。
よくある質問
Q1. 同じ会社が「エージェント」と「派遣」の両方を運営しているのはなぜ?
レバウェル介護のように、有料職業紹介(許可番号「○○-ユ-□□□□□□」)と労働者派遣(「派○○-□□□□□□」)の両方の許可を取って運営している会社が増えています。求職者の状況によって「正社員紹介」「パート紹介」「派遣」のどのルートが適切かが違うため、複数のラインを持つことで取りこぼしを減らす狙いです。求職者から見れば、登録時に「正社員希望」と伝えるとエージェントライン、「派遣希望」と伝えると派遣ラインに振り分けられます。両方検討したい場合は、登録時に明確にその旨を伝えましょう。
Q2. 求人サイトでも担当者から電話が来たのですが、エージェントとどう違う?
ジョブメドレー介護のように求人サイトとエージェントのハイブリッド型を提供しているサービスもあります。基本は自分で応募する求人サイトですが、希望条件をプロフィールに登録しておくと、サイト側のキャリアサポート担当からスカウトや連絡が来ることがあります。「電話やサポートが不要な場合はメールのみで」と伝えればトーンを調整してもらえる会社が多いので、登録時に希望を伝えてください。
Q3. 紹介料を施設が負担するなら、エージェント経由だと給与が低くなる?
結論から言うと、給与水準そのものに直接の影響はほぼありません。施設は採用予算の中で「採用コスト+採用者の給与」を見ていますが、紹介料は初年度の採用コストとして一時的に発生するものであり、入社後の給与レンジは施設の給与規程に基づいて決まります。エージェント経由のほうが交渉力が働く分、むしろ提示額が上がるケースもあります。
Q4. 派遣で3年経ったら必ず辞めなければいけないの?
いいえ。3年ルールに達したときに派遣会社が雇用安定措置を講じる義務があり、選択肢として「派遣先への直接雇用依頼」「別の派遣先の提供」「派遣会社による無期雇用化」「教育訓練の提供」などがあります。同じ施設で働き続けたい場合は派遣先との直接雇用か無期雇用派遣への転換が現実的です。事前に派遣会社のキャリアコンサルタントに「3年後のキャリア」について相談しておくと、見通しが立ちやすくなります。
Q5. エージェントと求人サイトを併用する場合、同じ求人に二重応募してもいい?
同じ施設の同じ求人にエージェント経由と求人サイト経由で同時に応募すると、施設側で「どちら経由で採用したことになるか」が混乱し、トラブルになることがあります。最初に応募経路を決め、二重応募はしないこと。エージェント担当者にも「他社・他経路でも検討しています」と正直に伝えると、相談がスムーズになります。
Q6. 派遣だと社会保険に入れない?退職金もない?
派遣会社の社会保険には加入できます(週20時間以上などの要件を満たす場合)。雇用主は派遣会社なので、社会保険・雇用保険・労災は派遣会社が手続きします。退職金は派遣会社の規程によりますが、近年は同一労働同一賃金の流れで退職金相当を時給に上乗せする派遣会社が増えています。契約前に「賃金規定書」「就業条件明示書」で確認しましょう。
Q7. 「許可番号がない」と書いてある介護求人は危険?
有料職業紹介・労働者派遣はどちらも厚労省の許可制ですので、求人媒体の運営会社は必ず許可番号を表示する義務があります(職業安定法施行規則)。サイトのフッターや会社概要に許可番号がない、もしくは「許可申請中」などの記載がある場合は、運営の透明性に注意が必要です。厚労省の「人材サービス総合サイト」で許可番号を検索すれば、正規の事業者かどうかを確認できます。
参考にした一次情報・資料
- 厚生労働省「職業紹介事業制度の概要」(職業安定法に基づく許可制度・許可番号の付番ルール)
- 厚生労働省 香川労働局「労働者派遣事業・職業紹介事業の概要」(労働者派遣事業の定義・指揮命令関係)
- 厚生労働省「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)」(3年ルール、雇用安定措置、同一労働同一賃金)
- 厚生労働省「派遣労働者の同一労働同一賃金ガイドライン」(派遣先均等・均衡方式/労使協定方式)
- 厚生労働省「人材サービス総合サイト」(職業紹介事業者・労働者派遣事業者の許可番号検索)
- 各サービス公式サイト(運営会社・許可番号・サービス内容の確認)
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まとめ|「制度・お金・雇用関係」で見ると、3サービスの使い分けは難しくない
介護転職で迷う「エージェント・求人サイト・派遣」は、実は法律の根拠から違うサービスです。エージェントと求人サイトは職業安定法に基づく有料職業紹介事業(許可番号は「○○-ユ-□□□□□□」)、派遣は労働者派遣法に基づく労働者派遣事業(許可番号は「派○○-□□□□□□」)。エージェントは年収の30〜35%程度の紹介料、求人サイトは掲載料・成功報酬、派遣は時給と請求単価のマージンと、お金の流れも完全に別物です。
使い分けの結論はシンプル。未経験・無資格は「派遣(資格0円制度活用)+エージェント」、経験者の年収アップは「エージェント2社+求人サイト1社」、地方UIターンは「求人サイト+全国大手エージェント」の3パターンが現実的なベスト解です。1社完結ではなく、役割が違う2〜3社の組み合わせで網羅性・交渉力・情報の死角をすべて塞ぐ設計が転職成功率を上げます。
派遣を選ぶ場合は3年ルール・同一労働同一賃金・無期雇用派遣の3つの法律ポイントを押さえることが重要。「派遣で長期キャリアを作る」なら無期雇用派遣を扱う会社、「お試し感覚で短期」なら有期派遣、と目的に応じて選ぶと後悔が減ります。
最後にもう一度。「無料で使える」は3サービス共通でも、誰がいくら払って動かしているかは違うということ。お金の動機を理解したうえでサービスを選ぶと、求人の偏りや担当者の温度差にも冷静に対処できます。まずは働き方診断で自分の優先順位を整理し、続いて介護転職サイトおすすめ12選で具体的なサービスを選んでください。
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