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📑目次

  1. 01事業の概要:1.21億円で遠隔授業の基盤を整備
  2. 02養成基盤の崩壊危機:1割が募集停止、定員充足率53%の准看課程
  3. 03独自見解:地方医療と介護施設への直接的な影響
  4. 04今後の波及:訪問看護・特養・看護助手キャリアへの示唆
  5. 05よくある質問
  6. 06参考資料
  7. 07まとめ
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看護師等養成所の遠隔授業推進事業、令和8年度公募|地方の人材確保と介護現場への波及

看護師等養成所の遠隔授業推進事業、令和8年度公募|地方の人材確保と介護現場への波及

厚労省が令和8年度予算で1.21億円を計上した「人口減少社会の看護師等養成所における遠隔授業推進支援事業」の概要と、地方の養成所閉校・定員割れが介護施設の看護師確保に及ぼす影響を解説。

ポイント

この記事のポイント

厚生労働省は令和8年度(2026年度)予算で、人口減少社会の看護師等養成所における遠隔授業推進支援事業に1億2,100万円を計上した。地方の看護師養成所では志願者減少により全国1,180課程のうち約1割(98課程)が募集停止または停止予定となっており、複数校を遠隔でつなぐ授業や配信設備の整備を補助することで、養成基盤の維持と教育の質確保を狙う。介護現場でも特養や老健の看護師確保への波及が見込まれる。

📑目次▾
  1. 01事業の概要:1.21億円で遠隔授業の基盤を整備
  2. 02養成基盤の崩壊危機:1割が募集停止、定員充足率53%の准看課程
  3. 03独自見解:地方医療と介護施設への直接的な影響
  4. 04今後の波及:訪問看護・特養・看護助手キャリアへの示唆
  5. 05よくある質問
  6. 06参考資料
  7. 07まとめ
  8. 08関連記事

看護師を目指す若者が減っている。全国の看護師・准看護師養成校1,180課程のうち、令和7年度時点で約1割にあたる98課程が「新入生の募集を停止」または「今後停止予定」と報告された。コロナ禍前は年間およそ20万人だった看護系大学・3年課程の受験者数は、2025年には約14万人にまで落ち込んだ。地方では二次医療圏で唯一の看護校が募集を停止する事例も出てきており、地域医療と介護現場への影響が懸念される事態となっている。

こうした状況を受け、厚生労働省は令和8年度(2026年度)予算で「人口減少社会の看護師等養成所における遠隔授業推進支援事業」に1億2,100万円を計上した。複数校を遠隔でつないで講義や演習を実施したり、配信設備の整備を補助したりすることで、地方の養成所が単独では維持できなくなる教育機能を補完する狙いがある。本事業は厚労省医政局看護課が所管する新規事業であり、看護DX関連事業群の一翼を担う位置づけだ。本記事では事業の概要と公募スケジュール、看護人材不足の文脈、そして介護施設の看護師確保への波及までを整理する。

事業の概要:1.21億円で遠隔授業の基盤を整備

所管と位置づけ

「人口減少社会の看護師等養成所における遠隔授業推進支援事業」は、厚生労働省医政局看護課が所管する補助事業である。令和8年度概算要求の概要(医政局)に新規事項として盛り込まれ、予算額は1億2,100万円。看護師・准看護師の養成所を対象に、ICTを活用した遠隔授業の推進を後押しする位置づけだ。所管課である医政局看護課事業調整係(電話03-5253-1111)が事業実施団体の公募・採択・進捗管理を担う。

背景には、看護基礎教育検討会報告書(令和元年10月)で示されたICTを活用した教育の方向性がある。報告書では「情報通信技術(ICT)の進展等の変化に伴い、遠隔授業等の実施が可能である」と明記され、近年の指導要領改訂でも遠隔授業の取り扱いが整理されてきた。新型コロナウイルス感染症の発生に伴う学校養成所の運営に関する取扱い(文部科学省・厚生労働省、令和2年10月)でも、感染症下の代替手段として遠隔授業の活用が示された経緯があり、本事業はその延長線上で人口減少社会への恒常的な対応策として位置づけられる。

事業の目的:複数校連携と教育の質確保

事業の中核となるのは、複数の養成所を遠隔でつなぎ、講義や実技を同時に実施する仕組みづくりだ。厚労省が令和6年度に作成した「看護DXの取り組みハンドブック2024(看護師等養成所版)」では、複数校を遠隔接続して同時に授業を行い、教員リソースを共有しコミュニケーションを活性化する取り組みが先行事例として紹介されている。本支援事業はこの取り組みを全国に広げるための財政的後押しという性格を持つ。

看護師等養成所の運営に関する指導要領(医政発第326001号)では授業の質や時間数に関する基準が定められており、単純なオンライン化ではなく「対面と同等以上の教育効果」をどう確保するかが論点となる。本事業の補助によって整備された遠隔授業環境が、ただの動画配信に留まらず、双方向のやり取りや実技指導まで含めた質の高い教育を可能にできるかが問われる。とくに看護技術演習は身体所見の取り方や手技の正確さが教育の核心であり、遠隔配信のみで完結することはできない。複数校連携によって、対面演習と遠隔講義のハイブリッドモデルをどう設計するかが採択団体の腕の見せ所になる。

公募の動向

厚労省の関連事業(看護現場におけるデジタルトランスフォーメーション促進事業)では「医療現場における看護DX促進事業」と「看護師等養成所におけるDX促進事業」の2区分で公募要領・企画書様式が公開されており、本記事執筆時点(2026年5月)でも遠隔授業推進支援事業の公募スケジュールに準じた事業実施団体の選定が進められている。詳細な公募要領・申請書類は厚労省医政局看護課事業調整係へ問い合わせることで入手可能だ。

採択団体には、複数の養成所を束ねる連携体制を組成できる事業者・団体が想定されている。これまでの厚労省看護DX関連事業の採択例を見ると、看護系大学の教員研究グループや看護系団体、ICT事業者と養成所の連合体などが採択される傾向にある。地方の単独校が直接申請するというより、地域ブロックで連携体制を作って共同申請する形が現実的だろう。

養成基盤の崩壊危機:1割が募集停止、定員充足率53%の准看課程

1,180課程のうち98課程が募集停止

NHKが2025年12月に報じた独自調査によれば、全国の看護師・准看護師養成校1,180課程のうち、少なくとも98課程(約1割)が「新入生の募集を停止している」または「今後停止予定」と回答した。背景には少子化と看護志願者の減少がある。看護系大学と看護師3年課程の受験者数はコロナ禍前の年間およそ20万人から、2025年には約14万人へと約3割減少した。

埼玉県内では2025年度以降、7校の看護専門学校が学生募集を停止することを発表している。志願者減少による経営難が直接の理由で、地方都市・郊外に立地する看護専門学校ほど打撃が大きい。地方の看護専門学校は授業料収入を運営の主な財源としており、定員割れがそのまま赤字運営に直結するため、母体法人が事業継続を断念するケースが相次いでいる。

准看課程は平均倍率0.6倍、充足率53%

日本医師会が2025年に公表した資料によれば、准看護師課程では令和7年度の募集停止が15校に達した。平均倍率は0.6倍、定員充足率は平均53%にまで低下し、ほとんどの学校で定員割れという厳しい状況だ。看護師2年課程の定員充足率は58.5%、3年課程は75%と報告されており、課程の種別を問わず受験者の減少が進んでいる。

地方への影響はとくに深刻で、入院治療を提供する二次医療圏で唯一の看護校が募集を停止している地域も確認されている。各地の養成所を卒業した看護師は地元定着率が高く、地域に根差して働くケースが多いため、養成所がなくなれば地域の医療・介護現場の人材供給ルートそのものが断たれることになる。とくに山間部・離島・過疎地域では、隣接二次医療圏まで通学に2時間以上かかる立地もあり、若者が看護師を目指したくても物理的な選択肢がない事態が広がっている。

受験者減少を支える「人口減少」の構造

背景にある人口減少は、単に18歳人口が減るというだけの話ではない。進路選択の多様化や、看護職の業務負担・夜勤・賃金水準への懸念から、保健医療系の進学希望が他職種へ流れている側面もある。日本看護学校協議会が令和6年3月に公表した「看護師等養成所におけるDX促進にむけた実態調査」でも、教員の業務負担、教育環境のデジタル化遅れ、学生確保の困難さが現場の課題として挙げられた。

日本医師会は国に対し、公立化または自治体による財政支援の必須化、物価・人件費上昇への補助金増額、サテライト化時の補助単価設定などを要望しており、本支援事業はこうした業界要望の一端に応える形で位置づけられている。ただし日本医師会の要望書では「養成所の運営費そのものへの補助拡充」が中心テーマであり、遠隔授業推進事業はあくまで「教育機能の効率化」という別軸の施策である点に留意が必要だ。両軸が組み合わさって初めて、地方の養成所維持は現実味を帯びる。

独自見解:地方医療と介護施設への直接的な影響

地方の養成所閉校は介護施設の看護師供給を直撃する

看護師等養成所の閉校が進めば、最も早く影響が出るのは地方の介護施設だ。特別養護老人ホームでは入所者100人あたり常勤換算3人以上の看護職員配置が義務づけられており(介護保険法施行規則)、介護老人保健施設では入所者100人につき常勤換算9〜10人以上の看護・介護職員配置が必要となる。これらの基準は病院よりも緩いが、夜勤体制やオンコール対応を考慮すると実際にはより多くの看護師が必要だ。

地方の特養や老健は、すでに病院との人材獲得競争で劣勢に立たされている。賃金水準・キャリア機会・教育研修体制のいずれも病院に対して見劣りしやすく、新卒看護師が直接介護施設に就職するケースは限られている。代わりに「結婚・出産で退職した地元出身ナースが、子育てが落ち着いてから施設で再就職する」という人材循環が、地方の介護現場を支えてきた。地域の養成所が閉校すれば、この循環の起点そのものが失われる。

遠隔授業推進が地域人材確保にどう効くか

本事業が描くシナリオは、複数の養成所を遠隔でつなぐことで小規模校が単独では維持できない教育機能を補完し、定員割れに直面する地方校を「サテライト化」しても運営できる体制を整えることにある。これが実現すれば、養成所そのものは小さく残り、地元学生が地元で学んで地元で就職するルートを保てる。

とくに准看護師課程は介護施設の重要な人材供給源だ。日本医師会の資料でも、准看護師は地域医療・介護現場で重要な役割を果たしてきたと位置づけられている。准看課程の平均充足率53%という現状を考えれば、本事業を活用して教育リソースを共有しながら准看課程を維持できるかが、5年後の特養・老健の看護配置基準達成を左右しかねない。

都道府県の役割と地域包括ケアとの接続

本事業は厚労省直接補助の枠組みだが、実際の運用では都道府県の看護課・医務課が協力する形になると見込まれる。都道府県は看護師等養成所運営費補助金や地域医療介護総合確保基金を所管しており、これらと組み合わせて遠隔授業推進事業を活用すれば、地域包括ケアシステムの人材基盤として一体的に整備できる。

地域包括ケアシステムは住み慣れた地域で医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供する仕組みだが、それを担う看護師そのものが地域からいなくなれば成立しない。本事業を「単発のICT補助」で終わらせず、都道府県の地域医療構想・介護保険事業計画と連動させて運用することが、実効性のカギになるだろう。

今後の波及:訪問看護・特養・看護助手キャリアへの示唆

訪問看護ステーションへの間接的な影響

地方の看護師供給が細れば、訪問看護ステーションの運営にも影響が及ぶ。訪問看護ステーションは指定基準として保健師・看護師・准看護師2.5人以上の配置が必要で、地方の小規模ステーションほど人員確保に苦慮している。看護師等養成所が地域から消えれば、新卒だけでなく、ブランクを経て訪問看護に戻りたい潜在ナースの再教育・継続教育の場も失われる可能性がある。

本事業で整備された遠隔授業基盤が、いずれ現任看護師のリカレント教育にも活用される展開は十分にあり得る。訪問看護師に求められる在宅医療スキルやACP(人生会議)の知識は、養成所の通常カリキュラムだけでカバーしきれない領域だ。複数校をつなぐ遠隔授業の仕組みが、現職向けの専門研修プログラム提供に転用されれば、訪問看護師のスキルアップも地方にいながら可能になる。

看護助手・介護福祉士の役割拡大の文脈

看護師そのものの不足が深刻化すれば、医療行為以外の業務を担う看護助手や、介護福祉士の特定行為(喀痰吸引・経管栄養)の役割が拡大していく方向性は避けられない。すでに介護施設では、介護福祉士が認定特定行為業務従事者として一定の医療的ケアを担う体制が広がっている。看護師等養成所の維持・縮小再編と並行して、介護職側のスキルレベル底上げが進むかどうかも注目点だ。

介護現場で働く看護師にとっても、こうした構造変化は無関係ではない。地方の特養・老健で「看護師1人がカバーする入所者数が増える」状況が現実になれば、看護師の業務負担はさらに重くなる。本事業によって養成基盤が一定程度維持されるかどうかは、現職看護師の働きやすさにも直結する。逆に養成所閉校が進めば、地方の介護施設は派遣看護師への依存を強めざるを得ず、施設側の人件費負担は重くなり、結果として待遇改善余地が圧迫される可能性もある。

2040年問題と看護人材確保策の連動

厚労省は「2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会」を設置し、2040年に向けた看護職員の中長期確保策を議論している。本事業はその施策パッケージの一部として位置づけられるが、これ単独で養成基盤の崩壊を止められるわけではない。同検討会では、看護職員需給推計、特定行為研修の拡大、復職支援、外国人看護師の受け入れ、ICTを活用した教育など複数の論点が並走しており、本事業はそのうち「養成段階の効率化」に該当する位置づけだ。

2026年度の公募採択結果と、2027年度以降の事業継続・予算規模拡大の動きが、看護師等養成所の将来を左右する重要な指標となる。看護師を志す若者にとっても、自分が学ぶ養成校の運営環境がどう変わっていくかを意識することは無駄ではない。地方の養成校で学びながら遠隔授業で都市部の専門領域に触れられるなら、それは新卒時のキャリア選択肢を広げる契機にもなるだろう。逆にいま養成校選びをしている社会人入学者にとって、遠隔授業の整備状況は学校選択の新しい比較軸になり得る。

よくある質問

Q1. この事業の補助対象は誰ですか?

看護師・准看護師の養成を行う指定養成所が対象で、複数の養成所が連携して遠隔授業を実施する取り組みや、配信設備の整備が補助対象となる見込みです。詳細な要件は厚労省医政局看護課が公表する公募要領に従ってください。単独校での申請より、地域ブロックや看護系団体を中心とした連携体制を組成しての共同申請が現実的とみられます。

Q2. 予算1.21億円は十分な規模ですか?

事業初年度の規模としては小さくありません。ただし全国に1,180課程ある養成校全体の遠隔授業環境を一度に整備するには明らかに不足しており、モデル事業として複数の連携グループが採択される性格の予算と理解するのが妥当でしょう。事業効果の検証を経て、令和9年度以降の予算拡大が議論される可能性があります。先行する看護現場におけるデジタルトランスフォーメーション促進事業も初年度はモデル採択中心で始まり、年度を追うごとに対象範囲が広がってきた経緯があります。

Q3. 遠隔授業で看護教育の質は本当に確保できますか?

看護師等養成所の運営に関する指導要領では授業時間数や実技指導の基準が定められており、すべてを遠隔化することはできません。本事業が想定するのは、講義型の科目や複数校共通のカリキュラム部分を遠隔でつなぎ、教員リソースを効率化する形です。実技演習・臨地実習は引き続き対面が原則となります。看護基礎教育検討会報告書でも、ICT活用は「教育効果を高める手段」として位置づけられており、対面教育の代替ではありません。

Q4. 介護施設で働く看護師にどう関係しますか?

直接の補助対象は養成所ですが、地方の養成所が維持されれば、地域の特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・訪問看護ステーションへの新卒供給と潜在ナースの再就職ルートが保たれます。逆に養成所が閉校すれば、5〜10年後の介護施設の看護師確保はさらに困難になります。とくに准看課程は介護現場の重要な人材供給源であり、本事業による准看課程の維持効果が注目されます。

Q5. 看護学生はどう関わればよいですか?

学生本人が直接申請する事業ではありませんが、自分の通う養成校が遠隔授業推進の取り組みを始める可能性があります。遠隔授業によって他校の専門領域に触れる機会が増えれば、就職先の選択肢検討にも役立つはずです。また、社会人入学で看護師を目指す方にとって、遠隔授業の整備状況は学校選択の新しい比較軸になり得ます。地方在住で通学が困難な場合、ハイブリッド型のカリキュラムを提供する養成校が現実的な選択肢として浮上してきます。

参考資料

  • 厚生労働省「医政局令和8年度概算要求の概要」(令和7年8月)
    https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/26syokan/dl/gaiyo-02.pdf
  • 厚生労働省「看護現場におけるデジタルトランスフォーメーション促進事業 公募」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000193976_00076.html
  • 厚生労働省「看護DXの取り組みハンドブック2024(看護師等養成所版)」(2025年3月)
    https://www.mhlw.go.jp/kango_kyouiku/_file/nursing-dx-handbook-2024.pdf
  • 厚生労働省「看護基礎教育検討会報告書」(令和元年10月15日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/10805000/000557411.pdf
  • 厚生労働省「看護師等養成所の運営に関する指導要領について(通知)」(医政発第326001号、平成15年3月26日)
    https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta6785&dataType=1&pageNo=1
  • 厚生労働省「2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/youseikakuho_72181.html
  • 日本医師会「各地で看護師等養成所の定員割れが深刻化 国と自治体に対応を強く求める」
    https://www.med.or.jp/nichiionline/article/012493.html
  • 日本看護学校協議会「令和5年度看護師等養成所におけるDX促進にむけた実態調査 調査結果報告書」(令和6年3月)
    https://www.nihonkango.org/report/recruitment/pdf/r5_DXreport.pdf

まとめ

厚生労働省が令和8年度予算で1.21億円を計上した「人口減少社会の看護師等養成所における遠隔授業推進支援事業」は、地方の看護師養成所が直面する定員割れと閉校危機に対する直接的な処方箋だ。全国1,180課程の約1割が募集停止に追い込まれ、准看護師課程に至っては平均充足率53%という水準まで落ち込んでいる中で、複数校を遠隔でつないで教育機能を共有する仕組みは、養成基盤を残す最後の選択肢になりつつある。

この事業の真価は、看護師教育そのものに留まらず、地方の特養・老健・訪問看護ステーションに供給される看護人材の流れを保てるかどうかにかかっている。1.21億円という予算規模は単独で養成所閉校の流れを止められるものではないが、2027年度以降の継続・拡大に向けたモデル事業として注目すべき新規施策だ。看護学生・現職看護師・介護施設運営者のいずれにとっても、自分の地域の養成所がどのような形で生き残るのかを考える材料になる。とくに地方の介護施設運営者にとっては、5年後の看護配置基準維持が経営上の死活問題であり、地元養成所と連携した実習受け入れや遠隔授業への協力が、長期的な人材確保戦略の一部になり得る。

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公開日: 2026年5月1日最終更新: 2026年5月1日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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