
介護人材確保のリアル|2040年57万人不足と求職者の交渉力(2026年最新)
2026年度に約25万人、2040年度に約57万人の介護職員が不足する見通しです。有効求人倍率4倍超の売り手市場の構造的要因、国の5本柱対策、特定技能介護の拡大、倒産176件の経営インパクト、そして求職者にとっての交渉力と戦略を一次データで解説します。
この記事のポイント
介護人材確保は2026年度に約25万人、2040年度に約57万人の不足が見込まれる国家課題です。有効求人倍率は介護職全体で約4倍、訪問介護員は14倍超と「ほぼ採用不可能」な水準にあり、求職者は強い交渉力を持つ売り手市場です。国は処遇改善・離職防止・外国人材活用など5本柱で対策中ですが、2025年の介護倒産は過去最多176件に達し、事業所選びが転職成功のカギとなっています。
目次
「介護業界は人手不足」と言われて久しいですが、2026年現在、その状況は単なる不足ではなく 「構造的に人が集まらない」状態 へと深刻化しています。厚生労働省の第9期介護保険事業計画では、2026年度には215万人(2022年度実績)から約25万人増の240万人、2040年度には実に272万人(+57万人)の介護職員が必要とされています。
一方で、2023年度の介護職員数は調査開始以来初めて減少(212.6万人、前年比2.8万人減)に転じました。需要は爆発的に増えるのに供給が縮小するという、需給ギャップが急拡大している状態です。
この記事では、介護人材確保の全体像を「マクロのデータ」「不足の構造的要因」「国の5本柱対策」「特定技能介護の拡大」「倒産・赤字事業所の経営インパクト」「求職者から見た売り手市場の戦略」の6つの切り口で整理します。介護業界で働く人・転職を考える人が、自分のキャリアを「業界の追い風」に乗せて設計するための一次情報のまとめです。
2026〜2040年の介護人材需給ギャップを数字で見る
まず、介護人材確保の議論の出発点である「需要側の数字」を厚労省・第9期介護保険事業計画の最新推計から押さえましょう。
1. 必要職員数(厚労省・第9期計画/2024年公表)
| 年度 | 必要数 | 2022年度比 | 年間増加ペース |
|---|---|---|---|
| 2022年度(実績) | 約215万人 | — | — |
| 2026年度 | 約240万人 | +約25万人 | +6.3万人/年 |
| 2040年度 | 約272万人 | +約57万人 | +3.2万人/年 |
2026年度までは年6.3万人ペースで職員を増やす必要があり、これは過去のピーク水準に近い数字です。2040年度までならペースは年3.2万人に緩やかになりますが、絶対数の壁は57万人と巨大です。
2. 供給側の現実:2023年度に初の純減
2023年度の介護職員数は212.6万人(前年比2.8万人減)と、調査開始以来はじめて減少に転じました。本来は毎年6万人ペースで増やすべきところ、3万人弱が減ったので、1年で計画と実績のギャップが約9万人開いたことになります。
3. 有効求人倍率:介護職全体で4倍前後、訪問介護は14倍超
厚労省の職業安定業務統計をベースにした最新値では、介護サービス職業従事者の有効求人倍率は3.5〜4.5倍、特に訪問介護員は14.14倍に達しています。全産業平均が1倍前後で推移しているなかで、介護分野は「求職者1人に対して4〜14件の求人」が並ぶ状態。統計的には4倍を超えると「採用がほぼ不可能」とされる水準です。
4. 都道府県別の不足インパクト(2040年度推計)
- 東京都:約7.6万人不足
- 神奈川県:約5.3万人不足
- 埼玉県:約4.5万人不足
- 沖縄県:不足率36.3%(最も逼迫)
都市部は絶対数で、地方は不足率で人材確保が苦しくなる構図です。求職者から見ると、これらの地域は処遇交渉の余地が大きいエリアと読み替えることもできます。
不足が止まらない5つの構造的要因
介護人材不足は「給料が低いから」だけでは説明できません。人口動態・産業構造・働き手の意識など、複数の要因が同時に効いています。
1. 高齢者数の増加と認定者数の伸び
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年以降、要介護認定者は急増します。厚労省の集計では、2023〜2024年度にかけて要介護(要支援)認定者数は2.1%増と継続的に伸びる一方、介護職員は増えず純減に転じました。需要側だけが伸び続ける構造です。
2. 生産年齢人口の縮小(労働供給そのものの減少)
15〜64歳の生産年齢人口は2020年代後半から急減します。介護業界に限らず全産業で人材獲得競争が激化し、特に「現業職・対人サービス」のように体力が要求される仕事は、他業種との比較で不利になりやすい構造です。
3. 採用率の低下
介護労働安定センターの令和6年度調査では、訪問介護員・介護職員の採用率は14.3%と3年ぶりに低下しました。母集団が縮小し、応募そのものが集まらない事業所が増えています。
4. 給与水準の他産業比較
介護職員の平均月給は、賃金構造基本統計調査ベースで全産業平均より約6万円低い水準が続いてきました。2024年からの処遇改善加算の一本化や2026年度の補正予算による月最大1.9万円の補助で差は縮まりつつありますが、賃金差そのものはまだ残っています。
5. 離職原因のトップは「人間関係」
離職理由のトップは、令和5年度介護労働実態調査でも「職場の人間関係」が24.7%。次いで「より良い職場があった」18.5%、「経営理念・運営方針への不満」17.6%です。給与より人間関係・運営方針が大きな比重を占める点は、求職者が事業所選びで重視すべき情報です。
国の介護人材確保策:5本柱を一次資料で整理
厚労省は介護人材確保について、福祉人材確保専門委員会の議論をベースに5つの柱で対策を進めています。
柱1:介護職員の処遇改善(賃金・加算)
- 2024年6月:3つあった介護職員等処遇改善加算を「介護職員等処遇改善加算」に一本化。最大加算率は14.0%(介護福祉士配置や勤続年数要件を満たす場合)。
- 2025年度補正予算で「介護人材確保・職場環境改善等事業」1,920億円を計上。2025年12月〜2026年5月にかけて介護職員1人あたり月最大1.9万円を補助。
- 勤続10年以上の介護福祉士を対象に月8万円相当の賃金アップを支援する仕組み(特定処遇改善加算系の流れ)。
柱2:多様な人材の確保・育成
- 介護に関する入門的研修の実施推進(中高年・主婦層・他業種からの転職希望者向け)。
- 介護福祉士修学資金貸付制度(卒業後に介護現場で5年勤務すれば返還免除)。
- 若者向けパンフレット・SNS・テレビ出演などによる「介護のしごと魅力発信等事業」。
柱3:離職防止・定着促進・生産性向上
- 選択的週休3日制、短時間正社員、副業・兼業を含む多様な働き方導入支援。
- 介護ロボット・ICT導入補助による業務負担軽減(記録・見守り・移乗支援)。
- 人材育成や働き方改革に取り組む事業所を都道府県が表彰する認証評価制度。
柱4:介護職の魅力向上
- キャリアパスの可視化(介護職員初任者→実務者→介護福祉士→認定介護福祉士/ケアマネジャー)。
- リーダー的介護職員の育成(チームリーダー研修等)。
- 介護現場のイメージ刷新を狙う広報・採用支援。
柱5:外国人材の受入環境整備
- EPA(経済連携協定)、在留資格「介護」、技能実習、特定技能の4ルートを並走。
- 2024年4月から5年間の特定技能「介護」受入見込み数は13万5千人(12分野中3番目)。
- 2025年4月:訪問介護への特定技能解禁。すでに介護施設で働く約5万3千人が研修受講で訪問介護に従事可能に。
- 日本語学習支援・生活相談・国家資格取得支援を一体で整備中。
これら5本柱は「それぞれ単独」ではなく「組み合わせて初めて効く」設計になっています。求職者から見ると、5本柱のどこを使えている事業所か(処遇改善加算の取得状況、ICT導入有無、外国人材活用度合い、研修制度)を見ることで、事業所の経営姿勢を読み解けます。
特定技能介護の拡大:訪問介護解禁と数字でみる現状
外国人材の中でも、特定技能「介護」は2026年に大きな転換点を迎えています。
1. 在留者数の推移
- 2022年末:約1.6万人
- 2024年11月末:約4.4万人(過去最多)
- 2025年11月末:約6.6万人(参考値・直近報道ベース)
制度開始からわずか数年で、特定技能「介護」の在留者は数万人規模に拡大しました。
2. 5年間の受入れ見込み数
令和6年4月〜令和11年3月の5年間で13万5千人を受け入れる計画。これは特定技能12分野のうち、製造業・飲食料品製造業に次ぐ第3位の規模です。
3. 訪問介護解禁(2025年4月)
従来、特定技能の介護分野は「施設内での身体介護」に限定されていましたが、2025年4月21日から訪問介護にも従事可能になりました。すでに介護施設で働く約5万3千人が、所定の研修受講・登録支援機関のサポート等の要件を満たせば訪問現場で働けるようになります。
4. 離職率と定着支援
特定技能外国人介護士の離職率は10.6%と日本人より低めですが、文化・言語・住環境などのギャップから「定着率の差は事業所のサポート体制次第」というのが現場の実感です。雇用条件の明確化、生活支援、国家資格取得の道筋整備が定着率を大きく分けます。
5. 業務範囲の比較表
| 項目 | EPA介護福祉士候補者 | 在留資格「介護」 | 技能実習生 | 特定技能1号 |
|---|---|---|---|---|
| 就労期間 | 原則4年 | 制限なし(永住可) | 最長5年 | 最長5年(2号で延長可) |
| 家族帯同 | 原則不可 | 可能 | 不可 | 1号は不可/2号は可 |
| 訪問介護 | 条件付き可 | 可能 | 不可 | 2025年4月から可 |
| 夜勤 | 可能(条件あり) | 可能 | 1年経過後可 | 原則可能 |
外国人材は「すぐに人手不足を解消する切り札」というよりも、長期的に介護人材ベースを底上げするインフラとして位置付けられています。求職者にとっても、外国人材の活用度合いは「事業所が制度対応にコストをかけられているか」を測る指標になります。
経営側のリアル:倒産176件・休廃業653件が示すもの
人手不足は労働者側だけの問題ではなく、事業所の経営を直撃しています。求職者にとっても、応募先の経営体力を見抜くうえで最重要の論点です。
1. 2025年の介護倒産は過去最多176件
東京商工リサーチの集計では、2025年の老人福祉・介護事業の倒産は176件(前年比+2.3%)で2年連続の最多更新。コロナ前の2019年(111件)と比べて約6割増えています。
業態別の倒産件数
| 業態 | 2025年件数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 訪問介護 | 91件 | +12.3% |
| 通所・短期入所 | 45件 | −19.6% |
| 有料老人ホーム | 16件 | −11.1% |
| 認知症GH等その他 | 24件 | 増加 |
とくに訪問介護は3年連続で倒産件数を更新。2024年度の介護報酬マイナス改定、ヘルパー高齢化、ガソリン代上昇のトリプルパンチが効いています。
2. 休廃業・解散も過去最多653件
倒産以外で事業を停止する「休廃業・解散」も653件(前年比+6.6%)で4年連続の最多更新。倒産+休廃業を合計すると年間800件以上の介護事業所が消えている計算です。
3. 倒産企業の特徴:小・零細が大半
- 資本金500万円未満:128件(72.7%)
- 負債1億円未満:141件(80.1%)
- 従業員10人未満:142件(80.6%)
大手・中堅は処遇改善加算やICT補助金を取りやすく、淘汰されやすいのは経営基盤の弱い小規模事業者という構図です。
4. 「人手不足倒産」が急増
2025年の介護分野の「人手不足倒産」は29件(前年比+45%)で過去最多。求人を出しても応募が来ず、サービス提供体制が崩れて閉鎖、というパターンが急増しています。
5. 求職者目線での読み解き
倒産・休廃業データは「介護業界全体が危ない」という話ではなく、「経営体力のある事業所と無い事業所の差が拡大している」と読むのが正解です。求職者は次のような点でふるい分けが可能:
- 処遇改善加算(特に最大区分)を取得しているか
- ICT・介護ロボット導入の有無
- 離職率・採用率を公開しているか
- 外国人材を含む採用チャネルの多様化
- 母体法人の規模(社会福祉法人・医療法人・大手企業傘下など)
2026年以降の介護転職では「給与額」だけで判断せず、これらを総合した「経営体力スコア」を重視する視点が重要になります。
求職者の交渉力:超売り手市場で取れる戦略10選
有効求人倍率4倍超・採用率14.3%という数字は、求職者から見れば「事業所の方が選ばれる側」という意味です。介護人材確保の現状を逆手に取った、求職者の交渉カード10選を整理します。
1. 給与・手当の交渉
処遇改善加算の支給ルール(一律配分か評価連動か)と支給額を必ず確認。前職給与をベースに「現職と同水準+資格手当」を提示できる事業所は経営体力が強いサインです。
2. 夜勤回数の上限交渉
離職原因2位の「身体的負担」を避けるため、夜勤回数の上限・夜勤専従枠の有無・夜勤手当の金額を採用面接で必ず確認しましょう。
3. 勤務形態の選択(週休3日・短時間正社員)
多様な働き方導入支援を活用している事業所では、選択的週休3日制・短時間正社員制度・副業可などが整っています。
4. 入職時期の調整
「来月からでも来てほしい」事業所が多数派です。資格取得や前職の引き継ぎ期間を確保する交渉が通りやすい時期です。
5. 教育・研修制度の確認
初任者研修・実務者研修の費用補助、介護福祉士受験対策、認定介護福祉士養成研修への派遣など。研修コストを事業所が出すかどうかは、長期キャリアに直結します。
6. ICT・介護ロボット導入度合い
記録のタブレット化、見守りセンサー、移乗支援機器の導入度合い。身体的負担と残業削減に直結します。
7. 経営母体・法人規模の確認
社会福祉法人・医療法人・大手企業傘下は倒産リスクが相対的に低い。逆に小規模株式会社の訪問介護は経営体力を慎重に見極めるべきです。
8. キャリアパスの明示
介護職員→リーダー→主任→施設長/ケアマネ/サービス提供責任者など、昇格ルートと評価制度が文書化されているか。
9. 福利厚生・住宅手当
都市部では「家賃補助・社宅・引越費用負担」が交渉余地のあるポイント。地方では「車両貸与・ガソリン代支給」が訪問介護の必須要件です。
10. 離職率・人員体制の開示
「過去1年の離職率」「常勤・非常勤比率」「夜勤体制」を採用面接で開示できる事業所は健全。出し渋る事業所は要注意です。
独自見解:介護転職市場は「給与で釣る」フェーズから「働き方で選ばれる」フェーズへ移行しています。給与は処遇改善加算の制度設計でほぼ全事業所が引き上げざるを得ないため、差別化は「働き方の柔軟性+経営の透明性」に向かいます。求職者はこの2軸で事業所を比較すると、長期定着しやすい職場に出会えます。
独自見解:業界全体のキャリア機会と注意点
介護人材確保のマクロ動向を、当サイトとして「介護転職を考える個人」の視点で再解釈します。
1. 「業界が縮む」のではなく「業界に上下分化が進む」
倒産176件・休廃業653件という数字は、介護業界全体が衰退しているように見えますが、需要側(要介護認定者数)は増え続けています。実態は「経営体力のある事業所に需要が集約され、弱い事業所が淘汰される」という業界内の上下分化です。求職者が選ぶべきは、後者ではなく前者の事業所です。
2. 「処遇改善加算の最大区分取得」がベンチマーク
2024年に一本化された介護職員等処遇改善加算は、最大加算率14.0%。この最大区分を取得できているかどうかは、事業所の1人当たり生産性・キャリアパス整備・職場環境を総合的に示す指標です。最大区分を取れている事業所は、経営姿勢としても求職者を大事にする傾向があります。
3. 「外国人材活用度合い」は将来性の指標
特定技能の訪問介護解禁(2025年4月)以降、外国人材を採用・育成・定着させられる事業所と、そうでない事業所の差が広がります。外国人材を雇える事業所は、研修・住宅・生活支援などのインフラがあり、結果として日本人職員の労働環境も改善している傾向があります。
4. キャリア形成は「箱の選択」より「役割の選択」
介護人材不足の中で、求職者は「どの施設で働くか」より「どのポジションで働くか」を考えるフェーズに来ています。リーダー候補・サービス提供責任者・教育担当・特定技能受入担当など、業界全体に「役割の空席」が広がっており、これらは給与・キャリア・市場価値の3点で大きく差をつけます。
5. 「業界の追い風」と「個人の戦略」を一致させる
需給ギャップ57万人の追い風は、追い風そのものに乗らない限りキャリア成果になりません。具体的には、初任者研修→実務者研修→介護福祉士→認定介護福祉士/ケアマネジャーの階段を10年以内に登りきる人と、5年同じポジションでとどまる人とで、生涯収入は大きく分かれます。業界の追い風は、勝手に賃金を上げてはくれません。
6. 注意点:「短期高給与」の罠
人手不足が深刻な事業所ほど、年収提示を高めに出してくることがあります。しかし、夜勤回数や担当利用者数が極端に多い、教育研修がない、定着率が極端に低いなどの「裏」がある可能性があります。給与だけで判断せず、必ず「離職率」「夜勤回数」「教育投資」をセットで確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「介護業界は人手不足」は今からでも本当に転職チャンス?
A. はい、構造的にチャンスは継続します。2026年度に約25万人、2040年度に約57万人の不足が見込まれており、有効求人倍率は介護職全体で約4倍、訪問介護員では14倍超です。求職者にとっては「給与・働き方・役割」の3点で交渉余地がある状態が当面続きます。
Q2. 介護倒産が過去最多と聞きますが、業界自体に未来はある?
A. 業界全体は縮みません。倒産・休廃業の急増は経営体力の弱い小規模事業者の淘汰であり、需要そのものは2040年に向けて拡大し続けます。求職者は社会福祉法人・医療法人・大手企業傘下など、経営基盤が安定した事業所を選ぶことで倒産リスクを回避できます。
Q3. 特定技能の外国人材が増えると日本人介護職の仕事は減る?
A. 減りません。外国人材は不足分の補完であり、リーダー職・サービス提供責任者・教育担当などのマネジメント・教育役割はむしろ需要が増えます。特定技能受け入れ事業所では、日本人職員の昇格ペースが早まる傾向もあります。
Q4. 処遇改善加算で本当に給与は上がっていますか?
A. 上がっています。2024年6月に加算が一本化され最大14.0%、2025年度補正予算では月最大1.9万円の追加補助があります。ただし、加算額が職員にどう配分されるかは事業所の運用次第です。面接時に「処遇改善加算の支給ルール」を必ず質問しましょう。
Q5. 都市部と地方、どちらが介護転職に有利?
A. 視点によります。絶対数の不足は東京・神奈川・埼玉などの都市部、不足率の高さは沖縄・栃木・埼玉など。給与水準は都市部、生活コストとワークライフバランスは地方が有利な傾向です。求職者の優先順位(収入・家族・住居)で選ぶのが妥当です。
Q6. 未経験から介護に転職する人にとっても追い風?
A. はい。多様な人材確保の柱として「介護に関する入門的研修」や初任者研修費用補助が国の支援対象になっています。30代〜50代の他業種からの転職、子育てが落ち着いた主婦層など、未経験スタートのハードルは下がっています。
Q7. 介護人材不足はいつまで続きますか?
A. 少なくとも2040年頃までは構造的に続きます。生産年齢人口が減り続けるため、介護需要のピーク(2040年代)まで売り手市場は維持される見込みです。早く業界に入ってキャリアを積むほど、需要拡大の恩恵を長く受けられます。
参考文献・出典
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- [8]
まとめ:57万人不足の追い風を、自分のキャリアに乗せる
2026〜2040年の介護人材確保は、単なる「業界の人手不足ニュース」ではなく、求職者にとってのキャリア交渉カードです。本記事の要点を最後に整理します。
- 需給ギャップ:2026年度+25万人、2040年度+57万人。供給側は2023年度に初の純減。
- 有効求人倍率:介護全体4倍前後、訪問介護員14倍超の超売り手市場。
- 国の対策:処遇改善・多様な人材確保・離職防止・魅力向上・外国人材の5本柱。
- 特定技能介護:5年で13.5万人受入計画、2025年4月から訪問介護解禁。
- 経営インパクト:2025年の倒産176件(過去最多)、休廃業653件。経営体力の二極化が進行。
- 求職者の戦略:給与×働き方×経営透明性の3軸で事業所を選び、リーダー・サービス提供責任者などの役割を狙う。
「業界の追い風」は勝手にキャリア成果には変わりません。処遇改善加算の最大区分・ICT導入・離職率の開示といった事業所のサインを読み取り、自分の役割と給与を交渉していくことで、はじめて57万人不足の追い風が個人の収入とキャリアにつながります。
kaigonewsでは、関連クラスター記事として「2040年問題」「人材不足22万人」「特定技能介護」「離職率の推移」など、本記事を補完する一次データ解説を順次公開しています。記事末尾の関連リンクから、自分のキャリア設計に必要な切り口を深堀りしてください。
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