老健への転職|在宅復帰支援に向き合う職場と年収のリアル
介護職向け

老健への転職|在宅復帰支援に向き合う職場と年収のリアル

老健(介護老人保健施設)への転職を考える介護職向けに、月給35.3万円の最新賃金データ・在宅復帰機能加算の超強化型/強化型/基本型の違い・PT/OT/STとの多職種連携の実態を整理。マイナビ介護職・レバウェル介護など老健求人に強いサービス5社の選び方を解説します。

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ポイント

老健転職の結論

老健(介護老人保健施設)は、在宅復帰を目的とした「中間施設」として、リハビリ専門職(PT/OT/ST)と医師・看護師・介護職が密に連携する稀有な現場です。厚労省 令和6年度処遇状況等調査では介護職員の常勤月給が352,900円と特養に次ぐ高水準。在宅復帰機能加算の超強化型(指標70点以上・在宅復帰率50%超)を算定する施設は2023年時点で全体の約28.6%にまで増加し、要件を満たす老健は介護報酬が上乗せされるため賃金面でも有利です。求人サービスはマイナビ介護職レバウェル介護カイゴジョブエージェントジョブメドレー介護介護ワーカーの5社が老健求人を扱っており、リハ職と協働したい・医療連携の中で介護スキルを磨きたい人に向いています。看取りより回復・退所支援の手応えで働きたい人は、特養より老健が合います。

目次

老健は「在宅復帰のプロ集団」。介護職に求められる役割の変化

介護老人保健施設(以下、老健)は、要介護1以上の高齢者が病院退院後に3〜6か月の集中リハで在宅復帰を目指す中間施設として位置づけられています。特別養護老人ホームのような「終の棲家」ではなく、利用者が「家に帰る」ことを目標に、医師・看護師・PT・OT・ST・支援相談員・介護職が一つのチームでケアに当たる現場です。

2024年度の介護報酬改定でも厚生労働省は「老健の在宅復帰・在宅療養支援機能の更なる強化」を主軸に据え、報酬上の評価を5区分(超強化型・在宅強化型・加算型・基本型・その他型)で明確化しました。施設全体に占める超強化型の割合は2018年5月の7.4%から2023年2月時点で28.6%まで急伸しており、在宅復帰のプロ集団としての色合いがますます濃くなっています。

老健への転職は、特養と並んで介護職員の月給が高水準(常勤352,900円)でありながら、身体介護一辺倒ではなくリハマインドを持って自立支援に関われるという独自のやりがいがある選択肢です。本記事では、老健転職を成功させるために必要な賃金・加算データ5区分の見極め方求人に強い転職サービス5社の選び方までを公的データを中心に整理します。すでに 老健(介護老人保健施設)の仕事内容を徹底解説 で1日の流れを把握済みの方は、本記事の比較セクションから読み進めてください。

老健介護職の年収・夜勤手当・在宅復帰機能加算(2026年版)

老健の介護職員年収データを表したイラスト

老健介護職の年収・夜勤手当・在宅復帰機能加算データ

施設形態別の月給比較(厚労省 令和6年度処遇状況等調査)

施設形態常勤月給非常勤時給夜勤あり常勤の割合
介護老人福祉施設(特養)361,860円1,130円9割超
介護老人保健施設(老健)352,900円1,110円9割超
訪問介護事業所349,740円1,380円少ない
認知症対応型共同生活介護(GH)302,010円1,060円多い
通所介護(デイ)294,440円1,080円原則なし

老健は常勤月給で全施設形態の第2位。特養とは月給で約9,000円の差があるものの、老健は医療法人運営の比率が圧倒的に高く(PT/OT/ST・看護師・医師の体制が手厚い)、医療連携の中でキャリアを伸ばせるアドバンテージが付随します。

老健介護職員の経営主体別 月給

  • 地方公共団体: 393,420円(最高水準。公営は求人が少ない)
  • 医療法人: 349,180円(老健運営の中心。隣接病院との連携あり)
  • 社会福祉法人: 344,430円

夜勤手当の相場

老健も24時間入所介護のため夜勤シフト必須。夜勤手当は5,000〜8,999円が中央値で、月5〜6回 × 6,000〜7,000円 = 月3〜4万円が標準的な上乗せ額です。特養に比べ要介護度がやや低く(中央値3前後)、夜勤帯の身体介護は同等〜やや軽い傾向。

在宅復帰機能加算の5区分(2024年度改定対応)

老健の介護報酬は、在宅復帰・在宅療養支援等指標のポイントによって5段階に分類され、上位区分ほど報酬が高くなります。求人票・施設HPで自施設の区分を公表している老健は「報酬の上振れ余地がある」=賃金原資に余裕があるサインです。

区分指標ポイント在宅復帰率の基準特徴
超強化型70以上50%超最高評価。週3回以上のリハ・退所時指導・地域貢献活動・リハマネ実施が必須
在宅強化型60以上50%以上超強化型に次ぐ水準
加算型40以上あり充実したリハ要件は不要
基本型20以上あり要件は緩め
その他型19以下基本報酬のみ

在宅復帰・在宅療養支援等指標は10項目(在宅復帰率、ベッド回転率、入所前後訪問指導、退所前後訪問指導、居宅サービス実施数、リハ専門職配置、支援相談員配置、要介護4・5割合、喀痰吸引実施割合、経管栄養実施割合)で算定。最高値は90ポイントです。

2026年6月処遇改善の動き

2026年6月の臨時報酬改定では介護報酬の引き上げ幅が+2.03%となる見込みで、定期昇給と合わせて月最大約19,000円の処遇改善が見込まれています。老健は加算Ⅰ算定の比率が高く、転職時には「処遇改善加算の区分」「在宅復帰機能加算の区分」の2点を必ず求人票で確認してください。

老健求人に強い転職サービス5社徹底比較

老健求人に強い転職サービス5社比較を表したイラスト

老健は医療法人運営が中心のため、医療系コネクションを持つエージェント非公開求人を多く抱える大手を組み合わせるのが定石です。

サービス運営会社公開求人数老健での強み適性
マイナビ介護職株式会社マイナビ非公開求人多数医療系のグループ会社(マイナビ薬剤師・看護のお仕事)と連携。医療法人系老健の求人に厚み医療連携の中でキャリアを伸ばしたい人
レバウェル介護レバウェル株式会社約15〜19万件求人母数最大級。リハ職との協働事例の取材記事も豊富選択肢を広く見たい人/LINE相談で気軽に進めたい人
カイゴジョブエージェント株式会社エス・エム・エスSMSグループ全体で約20万件SMSは医療従事者向けキャリア支援が本業。老健の医師・看護師との橋渡しに強い医療法人系老健で長く働きたい人
ジョブメドレー介護株式会社メドレー約13万件超求人検索型でスカウトも届く。地方の老健求人を自分のペースで探しやすいマイペースで比較検討したい人/登録ハードルを抑えたい人
介護ワーカー株式会社トライトキャリア約4.5〜7万件面接同行・条件交渉に強い。リハ職との関わり方を事前確認しやすい面接が苦手で年収交渉を委ねたい人

選び方の早見表

転職サービス全体の比較は 介護転職サイトおすすめ12選 にまとめています。

老健で働くメリットと「ここがしんどい」と言われる理由

老健で働くメリット5つ

  1. 多職種連携の経験が圧倒的に積める。医師・看護師・PT・OT・ST・支援相談員・管理栄養士と日々カンファレンス。介護職としての視野が広がる。
  2. 身体的負担が特養比でやや軽い。要介護度の中央値が3前後と特養(4前後)より低く、リハで自立度が上がる利用者も多い。
  3. 「家に帰る」やりがいを実感できる。3〜6か月で利用者が退所し在宅生活に戻る場面に立ち会える。
  4. 給与水準が高い。常勤月給352,900円・年収換算で400万円台前半。賞与込みで450〜500万円も視野。
  5. 介護スキル+医療知識のハイブリッド人材になれる。喀痰吸引・経管栄養対応・バイタル管理など医療的ケアの経験を体系的に積める。

老健が「しんどい」と言われる5つの理由と対処

  • 利用者との関係が短期: 3〜6か月で退所のため、利用者との別れが頻繁。→ 「在宅復帰したご本人と家族から感謝される」というやりがい設計に切り替えると気持ちが楽。
  • 医療用語のハードル: 看護記録・カンファで「ROM」「ADL」「廃用症候群」など専門用語が飛び交う。→ 入職後3か月で慣れる。研修制度が整った医療法人を選ぶと安心。
  • 看護師主導の文化に違和感: 老健は医師・看護師の指示系統が明確で、介護職の裁量が特養より小さく感じることも。→ 医療職とフラットなチームを謳う法人を面接で見極める。
  • リハ強化型は記録業務が多い: 在宅復帰機能加算の算定要件で、退所前後訪問指導・リハマネジメントの記録が膨大。→ ICT記録システム導入施設を優先。
  • 看取りも一部ある: 在宅復帰が主目的だが、状態変化で看取りに移行するケースも。→ 看取り頻度を施設見学時に確認。

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超強化型/強化型/基本型の見極めと求人票チェックポイント

超強化型/強化型/基本型の見極めと求人票チェックポイント

区分ごとの「働き方」の違い

区分働き方の特徴こんな人向き
超強化型/在宅強化型週3回以上のリハ、退所前後訪問指導、地域貢献活動が日常業務に組み込まれる。チームの動きが速く、退所支援への熱量が高い。介護職としてリハ視点・在宅復帰支援の専門性を磨きたい人
加算型/基本型在宅復帰率・リハ要件は緩め。長期入所利用者の比率が比較的高く、特養に近い働き方。看取りも含めた幅広いケアを経験したい人
その他型在宅復帰機能の指標が低く、慢性期入所中心。長期ケア志向の人(ただし求人数は限定的)

求人票・施設見学で必ず確認したい7項目

  1. 在宅復帰機能加算の区分(超強化型・在宅強化型・加算型・基本型・その他型のどれか)
  2. リハ専門職の常勤数(PT/OT/STそれぞれ何名常勤か)
  3. 多職種カンファレンスの頻度(週1回以上が望ましい)
  4. 処遇改善加算の区分(Ⅰ〜Ⅳ。Ⅰ算定が望ましい)
  5. 夜勤手当の額と月の上限回数
  6. 退所前後訪問指導への介護職の関与有無(在宅生活のリアルが見える経験)
  7. ICT記録システムの導入有無(記録業務の負担軽減)

転職前に振り返るべき自分の志向

  • 「終の棲家でじっくり関わる」より「短期で成果を見たい」と思える → 老健向き
  • 「医療職と組むのが嫌ではない」「むしろ学びたい」 → 老健向き
  • 「リハの考え方を介護に取り入れたい」「自立支援が好き」 → 超強化型・在宅強化型
  • 「看取り・終末期ケアを深めたい」 → 特養または加算型・基本型老健

老健の仕事内容そのものをもう一度確認したい場合は 老健(介護老人保健施設)の仕事内容を徹底解説 を併読してください。

老健転職の進め方|登録から内定までの5ステップ

  1. STEP1: 自己分析と希望条件の整理(1日)
    「リハ強化型でガンガン経験を積みたい」「医療連携で穏やかに働きたい」など、老健のどの区分が自分に合うかを言語化。
  2. STEP2: 転職サービスに2〜3社登録(30分)
    医療連携重視ならマイナビ介護職カイゴジョブエージェント、求人を広く見たいならレバウェル介護ジョブメドレー介護
  3. STEP3: 担当エージェントと初回面談(オンライン30分〜1時間)
    「在宅復帰機能加算の区分」「PT/OT/STの常勤数」「多職種カンファレンスの頻度」を必ず希望条件として伝達。
  4. STEP4: 求人紹介〜書類提出(1〜2週間)
    老健は施設ごとに区分・チーム文化が大きく異なるため、必ず1日体験・施設見学を依頼。リハ室の活気、カンファの雰囲気、夜勤帯の人員数を確認。
  5. STEP5: 面接〜内定〜条件交渉(2〜4週間)
    面接で「介護職としてリハに関わる場面はどの程度あるか」を質問するのがおすすめ。介護職の裁量度が見えます。年収交渉はエージェント経由で。

登録から内定まで4〜6週間を見込んで、在職しながら並行して動くのが現実的です。

老健転職のよくある質問

老健転職のよくある質問(FAQ)

Q1. 未経験から老健に転職できますか?

採用枠はありますが、特養に比べると医療用語と多職種連携の習得ハードルがあるため、半年〜1年は研修期間として捉える前提で。「介護職員初任者研修」を取りながら派遣で経験を積む選択肢もあります。詳しくは 未経験から介護転職 を参照。

Q2. 老健と特養、給料の差はどれくらいですか?

常勤月給で約9,000円(老健352,900円 vs 特養361,860円)。賞与込みの年収では10〜15万円差が目安です。給与だけで選ぶなら特養ですが、医療スキル・リハマインドを身につけられる老健は長期キャリアの幅で優位性があります。詳細比較は 特養への転職 で確認できます。

Q3. 老健介護職に必要な資格は?

必須ではありませんが、介護職員初任者研修・実務者研修・介護福祉士のいずれかを保有していると、夜勤シフト・喀痰吸引等研修の受講機会・処遇改善加算の上振れに直結します。喀痰吸引等研修は老健で需要が高く、月給1〜2万円アップ要因になります。

Q4. 超強化型老健は介護職にとってきついですか?

記録業務・退所前後訪問の関与が多く業務密度は高いです。一方、リハマインドや在宅復帰支援のノウハウが体系的に身につく現場でもあり、ケアマネ・サ責などへキャリアアップしたい人には学びが多い環境です。

Q5. ブランクからでも老健に戻れますか?

戻れます。むしろ多職種チームで動く老健は1人で抱え込みづらい環境のため、ブランク復職にも向いています。再就職準備金(最大40万円・無利子貸付)も活用可能。詳細は ブランクからの介護転職

Q6. 夜勤は何回くらいありますか?

常勤で月5〜6回が標準。1人夜勤を採用している老健もあるため、求人票で「夜勤職員配置加算」の有無を確認してください。加算を算定している老健は基準より1人多い手厚い体制です。

Q7. 老健はどんな性格の人に向いていますか?

「短期で結果を出すのが好き」「医療職とフラットに会話できる」「自立支援に共感できる」「記録業務を厭わない」人に向いています。逆に「同じ利用者に長く寄り添いたい」人は特養の方が合います。

参考情報・出典

  • 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(介護老人保健施設・介護職員月給データ)
  • 厚生労働省 社会保障審議会 介護給付費分科会 第231回 資料2「介護老人保健施設」(2026年5月閲覧)
  • 厚生労働省 老健局「介護老人保健施設の報酬・基準について」(社保審 第194回 資料3)
  • 厚生労働省「2024年度 介護報酬改定における主な改定事項について」(在宅復帰・在宅療養支援機能加算の5区分整理)
  • 厚生労働省「介護職員等処遇改善加算 制度のご案内」
  • 厚生労働省「2026年6月臨時報酬改定の概要」
  • 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(理学療法士の月給・年収)
  • 公益財団法人 介護労働安定センター「介護労働実態調査」(夜勤手当相場・夜勤回数)
  • マイナビ介護職 公式サイト
  • レバウェル介護 公式サイト
  • カイゴジョブエージェント(株式会社エス・エム・エス)公式サイト
  • ジョブメドレー介護(株式会社メドレー)公式サイト
  • 介護ワーカー(株式会社トライトキャリア)公式サイト

※本記事の年収・加算データは2026年5月時点の公表値および臨時改定の見通しに基づきます。最新の制度詳細は厚生労働省公式サイトもご確認ください。

まとめ|老健は「在宅復帰のチームの一員になれるか」で選ぶ

老健は介護施設のなかで第2位の給与水準(常勤月給352,900円)でありながら、PT/OT/ST・医師・看護師との多職種連携が日常で、身体介護+医療+リハビリのハイブリッドな経験を積める唯一の現場です。

転職サービスはマイナビ介護職レバウェル介護カイゴジョブエージェントジョブメドレー介護介護ワーカーの5社が老健求人を網羅。医療連携重視ならマイナビ+カイゴジョブの組み合わせ、求人母数で広く比較するならレバウェル+ジョブメドレーが王道です。

選ぶ際の最大のポイントは、在宅復帰機能加算の区分(超強化型/強化型/加算型/基本型/その他型)多職種カンファレンスの頻度。区分が高い老健ほどリハビリと退所支援の比重が高く、「家に帰る」を支える達成感を味わいやすい一方、記録業務やチームでの動きの速さが要求されます。

1日体験・施設見学を必ず申し込み、リハ室の活気とカンファの雰囲気を肌で確かめてから決断しましょう。まずは2社に登録して、医療法人系老健の非公開求人にアクセスするところから始めてみてください。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

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