要介護者の単身化が加速、3人に1人が独居|厚労省調査で単独世帯33.2%・75歳以上の老老介護は37.1%に

要介護者の単身化が加速、3人に1人が独居|厚労省調査で単独世帯33.2%・75歳以上の老老介護は37.1%に

厚生労働省が2026年7月15日に公表した2025年国民生活基礎調査で、在宅の要介護者等がいる世帯の33.2%が単独世帯となった。75歳以上同士の老老介護も37.1%に上昇。数値の読み解きと、介護職・ケアマネの実務への影響を解説する。

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厚生労働省が2026年7月15日に公表した「2025(令和7)年国民生活基礎調査」で、在宅の要支援者・要介護者がいる世帯の33.2%が「単独世帯」となり、過去最高を更新した。世帯構造の最多は「核家族世帯」の40.2%だが、単独世帯は2001年の15.7%から24年間で2倍以上に増え、逆に「三世代世帯」は32.5%から9.0%まで縮小した。同居の主な介護者との年齢の組み合わせでは「75歳以上同士」が37.1%に上昇している。ただし調査の原表を丁寧に読むと、「65歳以上同士」は前回2022年の63.5%から61.9%へむしろ低下しており、老老介護は一律に増えたのではなく担い手の重心が75歳以上へ移った、というのが実像だ。介護職・ケアマネジャーにとっては、家庭内に介護力が存在しない前提でサービスを組み立てる場面が確実に増えることを意味する。

目次

「一人暮らしの利用者が、また増えた」。訪問介護やケアマネジメントの現場で、そんな実感を持つ人は少なくないだろう。その肌感覚を裏づける公的な数字が、2026年7月15日に更新された。

厚生労働省が公表した「2025(令和7)年国民生活基礎調査の概況」によると、在宅で暮らす要支援者・要介護者がいる世帯のうち、33.2%が世帯員が1人だけの「単独世帯」だった。要介護者等のいる世帯のおよそ3世帯に1世帯が、家の中に誰も同居者がいないまま介護を受けている計算になる。

この調査は1986年から続く国の基幹統計で、3年ごとに大規模調査が実施される。2025年はその14回目の大規模調査にあたり、要介護者等の実態を尋ねる「介護票」は、全国から層化無作為抽出した2,500地区内の要介護者・要支援者およそ7千人を対象としている。中間年の簡易調査では介護票が実施されないため、介護の状況を全国規模で捉えられるのは3年に1度だけだ。前回は2022(令和4)年で、今回は3年ぶりの更新となる。

本記事では、公表された「Ⅳ 介護の状況」の統計表を一次資料にあたって読み解く。単身化と老老介護という2つの見出し数字を確認したうえで、原表を突き合わせて初めて見えてくる「担い手の構造変化」を整理し、介護職・ケアマネジャーの実務、そして家族介護者にとって何が変わるのかまでを射程に入れる。

要介護者のいる世帯の3割超が「単独世帯」に 三世代世帯は1割を割る

単独世帯が33.2%、三世代世帯は9.0%まで縮小

厚生労働省は2026年7月15日、「2025(令和7)年国民生活基礎調査の概況」を公表した。介護保険法で要支援または要介護と認定された者のうち、施設に入所せず在宅で暮らす者(調査では「要介護者等」と呼ぶ)がいる世帯について、その世帯構造を集計した結果が示されている。

それによると、最も多いのは「核家族世帯」で40.2%。次いで「単独世帯」が33.2%、「その他の世帯」が17.5%、「三世代世帯」が9.0%と続く。再掲項目では「夫婦のみの世帯」が23.4%、「高齢者世帯」が61.3%を占めた。

注目すべきは、この数字が単年の断面ではなく明確なトレンドの到達点だという点だ。調査は「『単独世帯』の割合は上昇傾向であり、『三世代世帯』の割合は低下している」と明記している。

24年で単独世帯は2倍超、三世代世帯は4分の1近くに

年次推移をたどると、変化の大きさが際立つ。要介護者等のいる世帯に占める単独世帯の割合は、2001(平成13)年の15.7%から、2025年には33.2%へと2倍以上に膨らんだ。前回2022(令和4)年の30.7%からも2.5ポイント上昇している。

対照的に、三世代世帯は2001年の32.5%から2025年の9.0%へと、24年間でおよそ4分の1近くまで縮小した。2022年の10.9%からも1.9ポイント下がり、ついに1割を割り込んだ。かつて要介護者等のいる世帯の3分の1を占めていた三世代同居は、いまや10世帯に1世帯にも満たない。

核家族世帯も2022年の42.1%から40.2%へ微減している。増えているのは単独世帯と「その他の世帯」(16.4%→17.5%)だけであり、世帯の小規模化が一方向に進んでいることが読み取れる。

単独世帯は要介護度が軽い層に偏る

ただし、単独世帯の中身は一様ではない。調査は世帯構造別に要介護度の分布も示しており、ここに重要な特徴がある。

単独世帯では「要支援者のいる世帯」が44.1%を占め、全体平均の35.9%を大きく上回る。逆に「要介護者のいる世帯」は54.7%で、全体平均の62.6%を下回った。要介護3以上に絞ると、単独世帯は要介護3が9.0%、要介護4が5.7%、要介護5が4.4%で、いずれも核家族世帯(それぞれ12.4%、8.3%、5.5%)や三世代世帯(11.3%、9.4%、3.0%)より低い水準にとどまる。

調査自身も「『単独世帯』では要介護度の低い者のいる世帯の割合が高く、『核家族世帯』『三世代世帯』では要介護度の高い者のいる世帯の割合が高くなっている」とまとめている。重度化すると独居の継続が難しくなり、同居や施設入所へ移行している実態がうかがえる。単身化の進行は、裏を返せば「重度化する前に独居を続けられる期間が延びている」ことの現れとも読める。

要介護者等の高齢化も進む

要介護者等そのものの年齢構成も上がり続けている。2025年の集計では「90歳以上」が28.1%と最も多く、2022年の26.2%からさらに上昇した。「85〜89歳」は25.2%で、両者を合わせると53.3%と過半を占める。2001年時点で90歳以上は14.9%にすぎなかったことを踏まえると、四半世紀での重心移動は明白だ。

性別で見ると、男性は「85〜89歳」の22.4%、女性は「90歳以上」の31.5%が最も多い。女性の要介護者等はより高齢まで在宅で暮らしている。

介護が必要となった主な原因は、総数では「認知症」が16.7%で第1位、次いで「高齢による衰弱」15.6%、「骨折・転倒」14.6%。要介護者に限れば「認知症」が23.6%と突出し、要介護5では「脳血管疾患(脳卒中)」が27.6%で首位に立つ。認知症を主因とする在宅要介護者が最多層である事実は、独居支援を考えるうえで外せない前提になる。

75歳以上同士の老老介護が37.1% 終日介護の64.6%は配偶者

75歳以上同士の老老介護は37.1%

今回の調査でもう一つ注目を集めたのが、いわゆる「老老介護」の指標だ。調査は要介護者等と「同居の主な介護者」の年齢の組み合わせを集計しており、2025年の結果は「60歳以上同士」が79.0%、「65歳以上同士」が61.9%、「75歳以上同士」が37.1%となった。

年次推移を見ると、75歳以上同士の割合は2001年の18.7%から一貫して上昇し、2022年の35.7%を経て今回37.1%に達した。24年間でおよそ2倍である。60歳以上同士も2001年の54.4%から79.0%へと上昇しており、調査は年齢組み合わせの推移について「いずれもおおむね上昇傾向となっている」と評価している。

背景には高齢化の進展がある。団塊の世代がすべて75歳以上に到達し、支えられる側だけでなく支える側の年齢も押し上げられた。介護する配偶者自身が後期高齢者であるケースが、同居介護のおよそ3組に1組を超えたことになる。

主な介護者は「同居」が46.1%、「事業者」が16.0%

誰が主に介護を担っているのか。要介護者等と主な介護者の同別居の状況を見ると、「同居」が46.1%で、2022年の45.9%からほぼ横ばいだった。「別居の家族等」が13.4%(2022年は11.8%)、「事業者」が16.0%(同15.7%)、「その他」が0.7%(同0.6%)、「不詳」が23.9%(同15.7%)となっている。

同居の主な介護者を要介護者等から見た続柄別にみると、「配偶者」が22.5%で最も多く、次いで「子」が18.2%、「子の配偶者」が4.2%、「その他の親族」が1.1%、「父母」が0.1%だった。2022年と比べると、配偶者は22.9%から22.5%へ、子は26.0%から18.2%へ、子の配偶者は5.4%から4.2%へといずれも低下している。かつて家族介護の典型とされた「嫁が義父母を介護する」構図は、統計上すでに20世帯に1世帯を下回る少数派だ。

なお2025年は「不詳」が23.9%と前回から大きく増えている点に留意が必要で、続柄別の各割合の低下幅をそのまま実勢の減少と読むことはできない。それでも、事業者と別居家族の合計が29.4%に達し、同居家族以外が主な介護者となるケースが3割に迫っていることは、傾向として押さえておく価値がある。

介護者の性別・年齢構成

主な介護者を性別で見ると、同居・別居ともに女性が多い。同居の主な介護者は男性36.5%に対し女性63.5%、別居の家族等は男性29.0%に対し女性66.9%(不詳4.1%)となっており、介護の担い手がなお女性に偏る構図は変わっていない。

年齢階級別では、同居の主な介護者は「60〜69歳」が男女それぞれ31.3%・31.7%、「70〜79歳」が男24.1%・女29.6%、「80歳以上」が男24.8%・女16.8%と、高齢層に厚い。一方、別居の家族等は「60〜69歳」が男48.7%・女43.8%、「50〜59歳」が男35.7%・女36.3%と、同居に比べて若い世代の割合が高い。調査も「年齢階級別では別居の方が同居に比べ若い世代の割合が多くなっている」と指摘している。遠距離介護や通い介護の担い手は、現役世代がなお中心だということだ。

重度になるほど「ほとんど終日」の介護に

同居の主な介護者の介護時間は、要介護度によって様相が大きく変わる。「要支援1」から「要介護2」までは「必要なときに手をかす程度」が最多で、要支援1では66.4%、要介護2でも26.3%を占める。しかし「要介護3」以上になると「ほとんど終日」が最も多くなり、要介護3で29.5%、要介護4で48.5%、要介護5では54.2%に達する。要介護5では同居介護者の半数以上が、一日のほとんどを介護に費やしている。

さらに、介護時間が「ほとんど終日」である同居の主な介護者を続柄別に見ると、「配偶者」が64.6%と最も多く、次いで「子」が28.9%、「子の配偶者」が4.9%、「その他の親族」が1.6%。2022年(配偶者61.4%、子26.6%、子の配偶者8.2%、その他の親族3.7%)と比べると、配偶者と子への集中がさらに強まっている。終日介護という最も重い負担が、高齢の配偶者に寄せられている構図が鮮明だ。

原表が語るもう一つの事実 老老介護は「広がった」のではなく「深くなった」

「65歳以上同士」は前回より低下している

今回の公表を「老老介護がまた増えた」と一言でまとめるのは、実は正確ではない。統計表17と図26を丁寧に突き合わせると、見出しになりにくい事実が浮かび上がる。

「65歳以上同士」の割合は、2019(令和元)年59.7%、2022(令和4)年63.5%と上がってきたが、2025年は61.9%へと1.6ポイント低下しているのだ。上昇したのは「75歳以上同士」(35.7%→37.1%)と「60歳以上同士」(77.1%→79.0%)で、中間にあたる65歳以上のくくりだけが前回を下回った。

調査本文が推移を「いずれもおおむね上昇傾向」と表現しているのは、24年間の長期トレンドとしては正しい。しかし直近3年に限れば、老老介護は単純に一律拡大したのではなく、内部で重心が動いたと見るほうが実態に近い。65歳から74歳の前期高齢者が主介護者である比率が相対的に薄まり、75歳以上の後期高齢者が主介護者である比率が厚くなった。老老介護は「広がった」というより「深くなった」のである。

単身化と老老介護は、同じ現象の裏表である

ではなぜ、そうした重心の移動が起きるのか。単身化のデータと接続すると、筋の通った説明ができる。

そもそも「同居の主な介護者との年齢の組み合わせ」という指標は、同居の介護者がいる世帯しか対象にならない。要介護者等のいる世帯の33.2%が単独世帯である以上、この3分の1は老老介護の集計にそもそも入ってこない。つまり単身化が進むほど、同居介護の母集団そのものが痩せていく。

そして単独世帯に偏るのは要支援・軽度層だった。要介護度が上がると同居や施設へ移行する。結果として、同居介護として残るのは「軽度で独居を続けられなかったケース」と「重度化して家族が引き受けたケース」であり、その中核を担うのが高齢の配偶者になる。終日介護者の64.6%が配偶者で、しかもその比率が3年前より上がっているのは、この濃縮を裏づけている。

単身化と老老介護は、別々に進行する2つの問題ではない。「世帯に介護力が残っていない」という一つの構造が、独居では単身化として、同居では後期高齢の配偶者への集中として、それぞれ別の顔で現れているだけだ。

担い手は「世帯の中」から「世帯の外」へ移りつつある

もう一つ、担い手の所在を示す数字を重ねたい。主な介護者のうち「事業者」は16.0%、「別居の家族等」は13.4%で、合計29.4%。同居家族以外が主介護者となるケースが3割に迫る。2022年の同じ合計は27.5%であり、緩やかながら外部化が進んでいる。

一方、同居の主な介護者の続柄では「子」が26.0%から18.2%へ、「子の配偶者」が5.4%から4.2%へと下がった。前述のとおり2025年は不詳が23.9%と大きく、この下げ幅をそのまま実勢の減少と断定することはできない。ただし三世代世帯が9.0%まで縮小したという独立した事実と方向性は一致しており、家族内の後続世代が主介護者となる経路が細っていること自体は、複数の指標が同時に指し示している。

三世代世帯32.5%・単独世帯15.7%だった2001年の日本は、介護をまず家族の中で完結させ、足りない分を制度で補う社会だった。単独世帯33.2%・三世代世帯9.0%の2025年は、その前提が反転しつつある。制度が土台にあり、家族はそこに部分的に関与する。今回の調査は、この移行が理念や政策目標ではなく、すでに統計上の現実になったことを示す資料として読むべきだろう。

この数字を読むときの留意点

解釈にあたっては、調査の設計上の制約も押さえておきたい。介護票の客体は要介護者・要支援者およそ7千人の標本調査であり、数ポイントの変動には標本誤差が含まれる。65歳以上同士の1.6ポイントの低下も、単独で過大に意味づけするのは危うい。

また、この調査が捉えているのは在宅の要介護者等だけである。社会福祉施設の入所者は世帯員から除外されるため、施設入所を含めた要介護者全体の姿ではない。独居の高齢者が重度化して施設に移れば、この統計からは消える。単身化の数字は「在宅で暮らし続けている人の中での構成比」だという枠を外さずに読む必要がある。

そのうえでなお、24年間で単独世帯が2倍以上、三世代世帯が4分の1近くという変化は、誤差では説明のつかない構造変化だ。次回の大規模調査は2028(令和10)年で、介護の状況が全国規模で更新されるのは3年後になる。

単身化する在宅介護に、現場はどう向き合うか 独居支援・身寄り問題・レスパイト

「家族に確認します」が通じない現場が3分の1に

要介護者等のいる世帯の33.2%が単独世帯だという事実は、介護職やケアマネジャーの日常業務の前提を変える。

サービス担当者会議の招集、契約書への署名、体調変化時の連絡、入院時の付き添い、金銭管理。これらはいずれも、暗黙のうちに「そばに家族がいる」ことを想定した仕組みだ。単独世帯では、その想定が最初から成り立たない。別居の家族等が主介護者であるケースが13.4%あり、その担い手は50代・60代が中心で就労中の割合も高い。日中の連絡がつかない、遠方で急行できないという制約は珍しくない。

単独世帯に要支援・軽度層が多い(要支援者のいる世帯が44.1%)ことは、一見すると負担が軽そうに見える。しかし軽度であるほどサービス利用の頻度は低く、訪問と訪問の間隔が空く。誰も同居していない時間が長いという意味では、むしろ異変の発見が遅れるリスクを抱えている。

服薬・食事・異変の発見をどう設計するか

独居支援で具体的に難しくなるのは、同居家族が担ってきた「常時の観察」を分解して制度に乗せ換える作業だ。

服薬管理では、飲み忘れや重複を家族が気づく経路がない。一包化や服薬カレンダー、訪問時の残薬確認に加え、薬剤師の居宅療養管理指導を組み合わせる設計が現実的な選択肢になる。食事も同様で、買い物や調理を誰が担うかだけでなく、低栄養や脱水の兆候を誰がいつ拾うかまで含めて考える必要がある。介護が必要となった原因の第2位が「高齢による衰弱」(15.6%)であることを踏まえれば、栄養面の観察はそのまま重度化予防に直結する。

異変の発見については、見守りセンサーや緊急通報装置といった機器の活用余地が大きい。ただし機器は通報の受け手があって初めて意味を持つ。誰が通報を受け、誰が駆けつけるのか。その連絡体制まで含めてケアプランに落とし込まなければ、装置は入れただけで終わる。

認知症の独居と、意思決定支援の問題

とりわけ難しいのが認知症のケースだ。要介護者において介護が必要となった主な原因の第1位は「認知症」で23.6%を占める。認知症があり、かつ独居という組み合わせは、今回の統計の交点として確実に存在する。

判断能力が低下していくなかで、契約の締結、金銭の管理、医療同意といった場面で意思決定を支える仕組みが要る。成年後見制度や日常生活自立支援事業の活用が検討課題になるが、申立てを誰が行うのかという入口の問題が残る。身寄りがない場合には市町村長申立てという経路もある。制度の存在を知っているかどうかで、支援の選択肢の幅が大きく変わる領域だ。

いわゆる「身寄り問題」は、入院時の保証人、緊急連絡先、看取りの場面での意向確認など、あらゆる局面で立ち現れる。単独世帯33.2%という数字は、これが例外的な困難ではなく、標準的に想定すべき状況になったことを意味している。

同居介護は「軽くなった」のではなく重い側に凝縮している

一方、同居世帯への視線も緩めるべきではない。要介護3以上で「ほとんど終日」の介護が最多になり、要介護5では54.2%。その終日介護者の64.6%が配偶者で、しかも75歳以上同士が37.1%まで来ている。後期高齢者が終日介護を担うという、身体的にも精神的にも極限に近い状況が、同居介護の中核に濃縮されつつある。

ここで効くのは、レスパイトを目的としたショートステイや通所サービスの計画的な組み込みだ。介護者が倒れれば要介護者と共倒れになり、結果として緊急の施設入所という最も高コストな帰結を招く。介護者自身の健康状態を継続的に確認することは、もはや付随的な配慮ではなく、ケアマネジメントの中心的な業務の一部と位置づけたほうがよい。

働く場としての介護、その需要はどこへ向かうか

キャリアの観点でも、この統計は示唆に富む。単身化と外部化が進めば、家庭内で吸収されていた介護needsが制度側へ流れ込む。訪問介護、訪問看護、小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護といった、在宅を24時間支える類型の重要性が相対的に高まる方向だ。事業者が主な介護者となるケースが16.0%まで来ていることは、その入口を示している。

同時に求められるスキルも変わる。家族という情報源も実行部隊もいない前提で、本人の生活を成り立たせる。多職種と地域資源をつなぎ、法制度を使い、リスクを見積もる。単なる身体介護の技術を超えた、調整と判断の力が問われる仕事になっていく。人材不足が続くなかで、こうした領域に対応できる専門職の希少性は今後さらに増すだろう。

2028年の次期大規模調査で、単独世帯の割合はおそらく3割台半ばに届く。その3年間をどう準備するかが、事業者にとっても個々の専門職にとっても分かれ目になる。

まとめ

2026年7月15日に公表された2025年国民生活基礎調査は、在宅の要介護者等がいる世帯の33.2%が単独世帯であり、三世代世帯が9.0%まで縮小したことを示した。24年前は単独15.7%・三世代32.5%だったことを踏まえれば、この間に起きたのは緩やかな変化ではなく、介護を支える器そのものの入れ替わりである。同居の主な介護者との年齢の組み合わせでは75歳以上同士が37.1%に達し、終日介護を担う者の64.6%を配偶者が占める。

ただし数字は丁寧に読む必要がある。65歳以上同士は前回の63.5%から61.9%へ低下しており、老老介護は一様に拡大したのではなく、担い手の重心が後期高齢者側へ移動した。単身化によって同居介護の母集団自体が痩せ、残った同居介護は高齢配偶者による重い介護へと凝縮している。単身化と老老介護は、家庭内に介護力が残っていないという一つの構造が見せる二つの顔にすぎない。介護職・ケアマネジャーにとっては、服薬や食事の管理、異変の発見、緊急時の連絡体制、意思決定支援といった、これまで家族が担ってきた機能を制度と多職種で組み直す作業が、例外対応ではなく標準業務になっていくことを意味する。

次に介護の状況が全国規模で更新されるのは、2028年の大規模調査だ。その3年後、単独世帯の割合はさらに上がっているとみて間違いないだろう。家族がいることを前提にした支援の型を、どこまで組み替えておけるか。あなたの現場では、独居の利用者に異変があったとき、最初に気づくのは誰だろうか。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

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