
胃ろうを家族が決めるとき|仕組みと負担・在宅管理・延命の選択
親に胃ろう(胃瘻・PEG)を提案され迷うご家族へ。仕組みとメリット・負担、在宅での管理、費用、本人の意思とACP(人生会議)、外せるのかという疑問まで、公的情報をもとに中立的に整理しました。
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この記事のポイント
胃ろう(胃瘻・PEG)とは、おなかに小さな穴を開けて胃に直接栄養を入れる方法で、口から十分に食べられなくなったときの選択肢のひとつです。誤嚥(ごえん)性肺炎を繰り返す方の栄養を確保しやすく、口からの楽しみと併用できる一方、手術や日々の管理、ご家族の介護負担という側面もあります。一度つくっても、回復すれば外せる場合があり、「つけたら絶対に外せない」わけではありません。胃ろうにするかどうかは、本人の意思を最優先に、主治医や医療・ケアチームと繰り返し話し合って決めるものです。この記事は、特定の結論を勧めるものではなく、ご家族が納得して判断するための材料を、公的な情報をもとに中立的に整理したものです。
目次
親の飲み込む力が弱くなり、食事のたびにむせる。肺炎で入退院を繰り返す。そんなとき、主治医から「胃ろうを考えてみませんか」と提案され、戸惑うご家族は少なくありません。「栄養を入れて元気になってほしい」という気持ちと、「本人が望むだろうか」「延命につながらないか」という迷いの間で、答えを出すのは簡単ではありません。
胃ろうは、医学的にも倫理的にもデリケートなテーマです。だからこそ、まずは仕組みやメリット、負担を正しく知ったうえで、本人がどう生きたいかを中心に考えることが大切になります。この記事では、胃ろうの基本から在宅での管理、費用、そして本人の意思を尊重して話し合う「人生会議(ACP)」の進め方まで、公的な情報をもとに整理します。最終的にどう判断するかはご家庭ごとに異なります。ここでは特定の選択を勧めたり否定したりはせず、医療者と相談しながら納得して決めるための材料をお届けします。
胃ろう(PEG)とは|仕組みと、なぜ提案されるのか
胃ろう(胃瘻)とは、おなかの皮膚から胃に小さな穴(ろう孔)を開け、そこにチューブやボタンを取り付けて、胃へ直接栄養や水分、薬を入れられるようにする方法です。口から食べることが難しくなった方の、栄養の通り道を確保するための医療処置です。
PEG(ペグ)とは
胃ろうの多くは、内視鏡(胃カメラ)を使ってつくられます。これを「経皮内視鏡的胃瘻造設術」、英語の頭文字をとってPEG(ペグ)と呼びます。国立長寿医療研究センターによれば、開腹手術ではなく内視鏡でつくられることが多く、手術時間は順調に進めば15〜30分程度、入院は術後の経過を見ながら一般に1〜2週間程度とされています。体に穴を開ける手術ではありますが、ほかの多くの手術に比べると体への負担は比較的小さいとされています。なお、胃の手術後などでは開腹してつくる場合もあり、取り付けたカテーテルは定期的な交換が必要です。
なぜ「胃ろう」が提案されるのか
胃ろうが検討されるのは、主に次のような場合です。口から食べる量だけでは栄養や水分が足りない、脳血管疾患や認知症、神経・筋疾患などで自分から食べることが難しい、誤嚥性肺炎を繰り返している、といった状況です。鼻から管を入れる経鼻胃管という方法もありますが、国立長寿医療研究センターは、鼻の管は不快で自分で抜いてしまう方もいるため短期間向きで、4週間以上にわたって口以外からの栄養が必要な場合には胃ろうが推奨される、と説明しています。
大切なのは、胃ろうは「胃と腸が働いている」ことが前提だという点です。点滴(静脈栄養)に比べ、本来の消化機能を使うため体に自然に近く、管理もしやすいとされます。ただし、提案されたからといってすぐに決める必要はありません。なぜ必要なのか、ほかにどんな選択肢があるのかを主治医に確認することが出発点になります。
胃ろう以外の選択肢
口から十分に食べられなくなったとき、栄養を補う方法は胃ろうだけではありません。主な選択肢を知っておくと、医療者との話し合いがしやすくなります。
- 経口摂取の工夫:飲み込む力の状態によっては、食事の形態を変える(とろみをつける、やわらかくする)、姿勢を整える、嚥下のリハビリを行うことで、口から食べ続けられる場合があります。国立長寿医療研究センターは、口から食べることが理想的な栄養の取り方だとしています。
- 経鼻胃管:鼻から胃まで細い管を通して栄養を入れる方法です。手術が不要な一方、不快感があり長期間には向かないとされます。
- 中心静脈栄養(点滴):血管から栄養を入れる方法です。胃や腸が使えない場合に選ばれますが、管理が難しく感染のリスクがあるとされ、施設での受け入れが限られることもあります。
どの方法にも長所と短所があります。胃ろうが本人にとって最も適しているのか、ほかの方法のほうが本人の希望に沿うのかを、主治医とよく比べて検討することが大切です。新潟市医師会の解説でも、栄養療法の基本やそれぞれの利点・欠点を比較したうえで説明を受けることの重要性が指摘されています。
胃ろうのメリットと負担・デメリット
胃ろうにはメリットと負担・デメリットの両面があります。どちらか一方だけを見て決めるのではなく、本人の状態や暮らし方に照らして両方を理解することが大切です。
胃ろうのメリット
- 必要な栄養・水分を確保しやすい:口から十分に食べられなくても、栄養状態を保ちやすくなります。栄養が改善して体力が戻り、リハビリに取り組みやすくなることもあります。
- 誤嚥のリスクを減らせる場合がある:食べ物を飲み込む際の誤嚥を避けやすくなります。ただし後述のとおり、胃ろうにしても誤嚥がゼロになるわけではありません。
- 口からの楽しみと併用できる:国立長寿医療研究センターは、胃ろうがあっても口から食べられること、たとえば固形物は口から、水分は胃ろうから、というように一部を口から楽しみながら不足分を補う使い方ができることを挙げています。
- 鼻の管に比べて快適で目立たない:鼻の不快感がなく、衣服を着れば外から見えにくく、入浴も可能です。チューブを自分で抜いてしまうリスクも経鼻胃管より低いとされます。
胃ろうの負担・デメリット
- 手術が必要:短時間で負担が比較的小さいとはいえ、体に穴を開ける手術です。食事が取れず弱っている状態の方では、相応のリスクがあります。
- 胃ろうにしても誤嚥性肺炎は起こりうる:誤嚥は食べ物だけでなく、自分の唾液(だえき)や、栄養剤の胃からの逆流でも起こります。眠っている間に唾液を誤嚥して肺炎になることもあり、口腔(こうくう)ケアは欠かせません。「胃ろうにすれば肺炎は防げる」というのは誤解です。
- 合併症・トラブルの可能性:造設直後の感染、出血、まれに腹膜炎などの合併症や、皮膚トラブル、チューブが抜けるといったトラブルがあります。
- ご家族の介護負担:在宅で続ける場合、注入やスキンケア、観察といった日々の手間が生じます。介護する人が少なかったり、介護期間が長くなったりすると、負担が大きくなることがあります。
大阪大学が公開する倫理事例の資料では、胃ろうのメリットは丁寧に説明される一方で、こうしたデメリットは十分に説明されないことが多い、と指摘されています。だからこそ、ご家族の側から「負担やトラブルにはどんなものがありますか」と医療者に確認しておくと、判断材料がそろいやすくなります。
在宅での胃ろう管理|注入の流れ・スキンケア・トラブル対応
胃ろうは、退院後にご家庭で続けることも多い処置です。在宅では訪問診療や訪問看護のサポートを受けながら、ご家族が日々の注入やケアを担います。ここでは在宅管理の基本的な流れと、皮膚のケア、起こりやすいトラブルへの対応を整理します。実際の手順や注意点は必ず主治医・訪問看護師の指導に従ってください。
栄養を注入する流れ
一般的には、次のような流れで行われます。
- 手を洗い、栄養剤の種類と温度を確認します。
- 逆流や誤嚥を防ぐため、上体を起こした姿勢(おおむね30〜90度)にします。
- 栄養剤を注入します。液体の栄養剤は時間をかけて少しずつ落とし、半固形タイプはシリンジで注入します。注入中はそばで様子を見守ります。
- 薬がある場合は水に溶いて注入します。
- 終わったらチューブの中に残らないよう白湯(さゆ)を流します。
- 注入後しばらく(おおむね30分〜1時間)は、すぐに横にせず座った姿勢を保ち、逆流を防ぎます。
注入にかかる時間は栄養剤のタイプで異なり、液体タイプは1回あたり1〜2時間ほど、半固形タイプは5〜15分ほどとされます。半固形タイプは胃食道逆流を起こしにくく、誤嚥性肺炎の予防につながるとされています。
胃ろう周りのスキンケア
ろう孔の周りは皮膚トラブルが起きやすい場所です。毎日皮膚を観察し、清潔と乾燥を保つことが基本です。赤み、腫れ、痛み、膿(うみ)のような分泌物、ただれなどが見られたら、自己判断せず早めに医師・訪問看護師に相談します。チューブが皮膚に埋もれてしまう「バンパー埋没」を防ぐため、指導に沿ってチューブを少し回したり動かしたりする、ストッパーと皮膚の間に適度なゆとりを保つ、といったケアが行われます。
起こりやすいトラブルと対応
- チューブが抜けた:ろう孔は短時間でふさがり始めることがあるため、抜けたらすぐに医療機関へ連絡できるよう、緊急連絡先を手元に用意しておきます。
- 下痢・嘔吐:注入の速度や姿勢、栄養剤が関係することがあります。様子を記録して相談しましょう。
- 皮膚の異常:発赤・腫れ・分泌物などは感染や肉芽のサインのことがあるため、早めに相談します。
在宅での胃ろう管理は、訪問看護やケアマネジャー、訪問診療と連携して支える体制づくりが鍵になります。「家族だけで抱え込まない」ことが、無理なく続けるための大切なポイントです。
費用と介護体制の考え方
胃ろうにかかる費用は、造設手術、その後のカテーテル交換、栄養剤などに分かれます。いずれも医療保険や介護保険の対象になり、自己負担割合(1〜3割)や所得に応じた負担上限(高額療養費制度など)によって実際の支払いは変わります。ここでの金額は目安であり、正確な費用は医療機関やケアマネジャーに確認してください。
主な費用の目安
- 造設手術:保険適用後の自己負担で、1割負担の場合おおむね1万円前後、3割負担では数万円程度が目安とされます。
- カテーテルの交換:胃ろうのカテーテルは定期的な交換が必要です。バルーン型は1〜2か月に1回程度、バンパー型は半年に1回程度が交換の目安とされ、1回あたりの自己負担は型や負担割合により数百円〜数千円程度です。
- 栄養剤:医薬品として処方される栄養剤の場合、保険適用後で月2万〜3万5千円程度が一つの目安とされています。
- 在宅での管理料など:訪問診療・訪問看護を利用する場合、その費用も加わります。
介護体制も合わせて考える
費用と同じくらい大切なのが、誰がどう支えるかという介護体制です。在宅で続けるなら、訪問看護・訪問診療・ケアマネジャーによるケアプランが軸になります。施設で過ごす場合は、たんの吸引や胃ろうに対応できる体制があるかが施設選びのポイントになります。2012年度の制度改正により、一定の研修を受けた介護職員が、条件のもとで胃ろうからの栄養注入などに対応できるようになり、対応できる施設は増えています。在宅か施設か、どちらが本人とご家族にとって続けやすいかを、費用・体制の両面から相談しておくと安心です。
在宅で支える体制の整え方
胃ろうを在宅で続けると決めた場合、ご家族だけで抱え込まないための仕組みづくりが欠かせません。退院前には、病院の医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーが中心となって、退院後の生活を見据えた準備が進められます。具体的には、訪問看護による定期的なケアと観察、訪問診療によるカテーテル交換や体調管理、ヘルパーによる生活支援などを組み合わせ、ケアプランとして整えていきます。
厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」は、2018年の改訂で、病院だけでなく在宅医療・介護の現場でも活用できるよう見直され、話し合いに加わる医療・ケアチームに介護従事者が含まれることが明確化されました。胃ろうの管理についても、医師・看護師・ケアマネジャー・介護職などが連携して本人と家族を支える前提で考えることが大切です。困ったときに誰に連絡すればよいかをあらかじめ決めておく、緊急時の対応を共有しておく、といった備えが、安心して在宅介護を続ける土台になります。
胃ろうは延命なのか|本人の意思とACP(人生会議)
胃ろうをめぐる迷いの多くは、「これは延命なのではないか」「本人は望むだろうか」という問いに行き着きます。ここでは、その答えを一つに決めるのではなく、家族がどう考え、どう話し合えばよいかを整理します。
胃ろうは「延命治療」なのか
胃ろうが延命治療かどうかは、状況によって受け止め方が変わります。脳血管疾患などで急に飲み込めなくなった場合のように、栄養を補うことで回復が期待でき、再び口から食べられる可能性がある場面では、胃ろうは回復を支える治療の一環といえます。国立長寿医療研究センターも、胃ろうは必ずしも延命治療ではなく、胃ろうを使いながら働いたり生活したりしている方もいる、と説明しています。
一方で、終末期の認知症や老衰など、栄養を入れても生活の質の改善が見込みにくい状況では、結果的に延命の意味合いが強くなることもあります。新潟市医師会の解説によれば、こうした場面では社会的・倫理的な配慮が必要とされ、日本老年医学会も本人の尊厳を損なうおそれがあるとして慎重な判断を求めています。つまり、胃ろうそのものが良い・悪いと一概に言えるものではなく、本人の状態と意思に照らして考えるべきものなのです。
本人の意思を中心に置く
厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」は、医療・ケアの方針は本人の意思決定を基本とすることを原則としています。本人の意思が確認できないときは、家族等が本人の意思を推定し、それを尊重して本人にとっての最善を多職種のチームで考える、と定めています。判断に迷う場合や家族の中で意見がまとまらない場合は、複数の専門家による話し合いの場を設けることも示されています。
参考になるのが、厚生労働省の平成29年度の意識調査です。食事や呼吸が不自由でも意識や判断力が保たれている状態を想定した質問で、自分自身の胃ろう造設を「望む」と答えた人は4.8%、「望まない」は72.4%でした。これはあくまで一般的な意向の傾向であり、目の前の本人がどう考えるかとは別物です。だからこそ、本人がどう生きたいかを本人の言葉で聞いておくことが何より大切になります。
人生会議(ACP)という話し合い
もしものときに備えて、本人が望む医療やケアについて、家族や医療・ケアチームと前もって繰り返し話し合い、共有しておく取り組みを、厚生労働省は「人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)」という愛称で呼んでいます。ポイントは次の通りです。
- 本人が主役:本人の人生観や価値観を中心に、本人の言葉を大切にします。
- 繰り返し話し合う:気持ちは変わるものです。一度決めて終わりではなく、状態や思いの変化に合わせて何度でも話し合います。
- 信頼できる人と共有する:本人の意思を推定してくれる家族や親しい人を決め、医療・ケアチームと内容を共有しておきます。
- 強制しない:「考えたくない」という本人の気持ちも尊重されます。無理に話し合うものではありません。
胃ろうを「する・しない」だけを決める話し合いに終始するのではなく、本人がどこでどう過ごしたいか、何を大切にしたいかという、より広い暮らしの希望を一緒に考えることが、後悔の少ない選択につながるとされています。判断に迷ったときは、主治医や訪問看護師、医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャーに相談しながら進めましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 胃ろうは一度つくると外せないのですか?
そのようなことはありません。国立長寿医療研究センターは、飲み込む力が回復したり、病気が治って体力が戻ったりすれば、胃ろうを抜去できる場合があると説明しています。「つけたら一生外せない」というのは誤解です。ただし、外せるかどうかは本人の状態によります。
Q. 胃ろうにすると口から食べられなくなりますか?
胃ろうがあっても口から食べられます。一部を口から味わい、足りない栄養や水分を胃ろうから補う、という併用もできます。たとえば固形物は口から、誤嚥しやすい水分は胃ろうから、という使い方をしている方もいます。ただし、飲み込む力の状態によっては口から食べることを勧められない場合もあるため、主治医とよく相談してください。
Q. 胃ろうにすれば誤嚥性肺炎は防げますか?
完全には防げません。誤嚥は食べ物だけでなく、自分の唾液や栄養剤の逆流でも起こります。眠っている間に唾液を誤嚥して肺炎になることもあるため、口から食べていなくても口腔ケアは欠かせません。「胃ろうにすれば肺炎の心配がなくなる」と考えるのは誤りです。
Q. 胃ろうにすると、どのくらい生きられますか?
一概には言えません。新潟市医師会が紹介する全国調査では、胃ろうをつくった方の半数が2年以上生存したという結果が示されています。長く生きることが良いかどうかは別として、造設後はそれなりの期間、介護が続く可能性を見込んで体制を整えておくことが大切だと指摘されています。実際の見通しは本人の病状によって大きく異なるため、主治医に確認してください。
Q. 本人の意思が確認できないときは、誰がどう決めればよいですか?
厚生労働省のガイドラインでは、本人の意思が確認できない場合、まず家族等が本人の意思を推定し、それを尊重して本人にとっての最善を医療・ケアチームと話し合って決める、とされています。家族の中で意見がまとまらないときや判断が難しいときは、複数の専門家による話し合いの場を設けることもできます。一人で抱え込まず、医療者に相談しながら進めましょう。
Q. 胃ろうを一度始めた後で、やめることはできますか?
栄養補給を続けるか中止するかは、極めてデリケートな問題です。厚生労働省のガイドラインや日本医師会の解説では、本人が望まない場合、または本人の意思を推定できる家族等が話し合いのプロセスを経てその意思を尊重する場合に、定められた手続きに沿って慎重に判断するとされています。自己判断で行うことではなく、必ず医療・ケアチームと十分に話し合って進める必要があります。
参考文献・出典
- [1]
- [2]
- [3]
- [4]「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の改訂について- 健康長寿ネット(長寿科学振興財団)
厚労省2018年改訂ガイドラインの趣旨・ACP概念の導入・在宅介護現場での活用
- [5]
まとめ|本人の意思を中心に、医療者と相談しながら
胃ろうは、口から食べることが難しくなった方の栄養を支える有効な方法のひとつである一方、手術や日々の管理、ご家族の負担、そして「本人はどう生きたいか」という問いを伴う、簡単には割り切れない選択です。この記事で見てきたように、胃ろうは必ずしも延命治療と決まっているわけではなく、回復すれば外せる場合もあり、口からの楽しみと併用することもできます。同時に、胃ろうにしても誤嚥性肺炎は起こりうるなど、過度な期待も禁物です。
大切なのは、メリットと負担の両方を正しく知ったうえで、本人の意思を中心に、主治医や訪問看護師、ケアマネジャーといった医療・ケアチームと繰り返し話し合うことです。厚生労働省が「人生会議(ACP)」として勧めているように、もしものときにどうしたいかを、元気なうちから本人の言葉で聞き、信頼できる人と共有しておくことが、後悔の少ない選択につながります。
どの選択が正解かは、ご家庭ごとに異なります。この記事が、答えを押し付けるためではなく、ご家族が納得して話し合うための一助になれば幸いです。迷ったときは一人で抱え込まず、ぜひ医療者に相談してください。
監修者
介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム
医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)
訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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