
親が介護施設に入居・他界した後の実家を片付ける|遺品整理・名義変更・税金の進め方
親が介護施設に入居したり他界した後の実家の片付け・整理を体系化。遺品整理業者の選び方と費用相場、不動産や預貯金の名義変更、相続税・固定資産税の継続発生、空き家対策特別措置法、リサイクル・処分・寄付の使い分けまで、家族の心理的負担にも配慮して解説。
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この記事のポイント
親が介護施設に入居した後や他界した後の実家の片付けは、「契約・名義変更の手続き」「家財の整理」「不動産の処分・管理」「税金の継続対応」の4つを並行して進めます。遺品整理業者に依頼する場合の費用相場は1Kで3〜8万円、2LDKで15〜30万円、4LDK以上で60万円超が目安です。空き家のまま放置すると、2023年改正の空家対策特別措置法により「管理不全空家」「特定空家」に指定され固定資産税の住宅用地特例(最大1/6)が解除されるため、3年以内の方針決定が望まれます。
目次
親が介護施設に入居したり、施設や病院で亡くなった後に残るのが、長年暮らしてきた実家の家財・不動産・各種契約です。すぐに片付けに着手しないまま数か月が経過し、気づけば固定資産税の納付書だけが届き続ける——という状態に陥る家族は少なくありません。
厚生労働省の人口動態統計によれば、年間の死亡数は2023年で約157万人、その7割以上が65歳以上の高齢者です(同省「令和5年人口動態統計月報年計(概数)」)。同じ数の「実家整理」が毎年発生していることになりますが、片付けを進める家族の多くは、葬儀・四十九日・相続手続きで疲弊した状態のなか、何から手をつけるべきか分からないまま時間だけが流れていきます。
本記事では、親の介護施設入居や他界後の実家を整理するための工程を、契約の見直しから不動産の処分まで一連の流れで解説します。費用感や使える制度、心理的負担との向き合い方も含めて、ご家族が「次に動く一歩」を見つけられる形でまとめました。なお、税務や登記の個別判断は税理士・司法書士の専門業務に該当するため、本記事は制度の枠組みの説明にとどめます。
入居後・他界後の片付け全体フロー|まず動くべき4つの軸
実家整理は、思いつきで「片付け」から始めると挫折します。やるべきことは大きく4つの軸に分けられ、それぞれ期限とゴールが異なるため、最初に全体像を把握してから着手するのが鉄則です。
軸1:契約・名義変更(早期着手・期限あり)
公共料金(電気・ガス・水道)、固定電話、NHK、新聞、火災保険、銀行口座、年金、健康保険、介護保険など、親名義の契約を一覧化して見直します。施設入居の場合は「停止」もしくは「最小契約」、他界後は「解約・名義変更」が基本です。とくに相続発生時の銀行口座は、金融機関が死亡を把握した時点で凍結され、引き出しには遺産分割協議書または法定相続情報一覧図と相続人全員の同意書類が必要になります。
軸2:家財の整理(時間がかかる)
衣類・寝具・家電・家具・食器・書籍に加えて、写真・手紙・趣味の道具・仏壇・神棚といった「思い出系」が含まれます。家族で進めるか、遺品整理業者に依頼するかの選択が大きな分岐点です。判断基準は「物量」「家族の所在地」「期限の有無」の3つで、遠方在住で短期決着が必要なら業者依頼が現実的になります。
軸3:不動産(最重要・最も時間がかかる)
実家が持ち家の場合、最終的に「売却」「賃貸」「家族が住む」「解体して更地」「そのまま保有」のいずれかの方針を決める必要があります。2024年4月から相続登記が義務化(相続発生または所有権取得を知ってから3年以内)されており、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科される可能性があります(法務省「相続登記の申請義務化」)。賃貸の場合は退去手続きと原状回復、敷金清算が中心となります。
軸4:税金の継続発生(待ったなし)
不動産を保有する限り、毎年1月1日時点の所有者に固定資産税・都市計画税が課税されます。空き家のままでも納税義務は消えません。さらに後述する空家対策特別措置法による「管理不全空家」「特定空家」指定を受けると、住宅用地特例(最大1/6)が解除され税負担が増加します。
施設入居後と他界後で異なる「片付けの優先順位」
同じ「実家の片付け」でも、親が施設に入居しているのか亡くなっているのかで、優先順位と進め方が大きく変わります。両者を混同して進めると、本来残すべきものを処分してしまったり、逆に手をつけられない期間が長引いてしまいます。
ケースA:親が介護施設に入居している場合
親はまだ存命であり、本人の意思確認ができる前提で進めるのが原則です。所有権は親本人にあるため、家族が独断で処分することはできません。よくある進め方は次の通りです。
- 住み戻る可能性の評価:医師や施設のケアマネジャーと相談し、自宅復帰の可能性を整理する
- 当面の管理方針:月1〜2回の通気・郵便回収・庭の手入れを家族で分担、または見守りサービスを契約
- 家財の段階整理:本人と相談しながら、明らかに不要なもの(古い新聞・雑誌、賞味期限切れの食品)から処分
- 権利関係の確認:登記簿・通帳・保険証券・年金関係書類を金庫や貴重品ボックスに集約
- 成年後見・任意後見の検討:本人の判断能力に応じて、財産管理の枠組みを整える
この段階で家族が陥りがちな失敗が「親が嫌がるから何もしない」という先送りです。判断能力が保たれているうちにこそ、本人の意思を確認しながら整理を進めることが、後の負担を大きく軽減します。
ケースB:親が他界した場合
所有権は相続人に移り、家族が主導して整理を進めることになります。ただし遺産分割協議が完了するまでは、相続人全員の共有財産であるため、勝手に処分・売却することはできません(民法898条)。一般的な順序は以下です。
- 葬儀・初七日:当面の現金確保(葬儀費用は被相続人の預金から仮払い制度で一定額引き出し可能)
- 四十九日まで:遺品の確認、貴重品(通帳・印鑑・登記簿・保険証券・有価証券)の保全
- 3か月以内:相続放棄・限定承認の判断期限(家庭裁判所への申述)
- 4か月以内:被相続人の準確定申告
- 10か月以内:相続税の申告・納付(基礎控除を超える場合)
- 1年〜:遺品整理本格化、不動産の方針決定
- 3年以内:相続登記(2024年4月から義務化)
10か月以内の相続税申告期限が、家財整理のおおまかなタイムラインの目安になります。
遺品整理業者の選び方と費用相場|悪質業者を避ける5つのチェック
家族だけで実家を片付けるのが難しい場合、遺品整理業者への依頼が選択肢になります。業者市場は近年急速に拡大しており、参入業者数も増えていますが、それと比例して高額請求・不法投棄・残置物転売などのトラブルも報告されています。国民生活センターには遺品整理関連の相談が年間で1,000件以上寄せられている状況です。
費用相場(部屋の広さ別の目安)
業界各社の公開料金を集計した一般的な相場感は以下の通りです。物量・階数・搬出経路(エレベーターの有無)・地域差により上下します。
- 1K(6〜10畳・1人暮らし向け):3〜8万円
- 1DK・1LDK:5〜15万円
- 2DK・2LDK:12〜30万円
- 3DK・3LDK:17〜50万円
- 4LDK以上(一戸建て):22〜60万円超
仏壇・神棚の魂抜き、エアコン取り外し、ピアノ・金庫など特殊品の搬出、清掃・消臭は別料金(数千〜数万円)が加算されることが多いため、見積書で内訳を確認しましょう。
悪質業者を避ける5つのチェック
- 許認可の確認:家庭から出る不用品を運搬する場合は「一般廃棄物収集運搬業の許可」(市町村許可)が必要。買取を伴う場合は「古物商許可」(公安委員会許可)が必要。両方の番号を提示できるか確認
- 遺品整理士の在籍:一般社団法人遺品整理士認定協会の認定資格者がいるかどうか
- 相見積もりの取得:必ず2〜3社から見積もりを取り、極端に安い・高い業者は避ける
- 見積書の項目明細:「一式」表記ではなく、人件費・車両費・処分費・追加料金条件が明記されているか
- 契約書面の交付:作業内容・キャンセル規定・追加費用の上限が明文化されているか
家族でやる vs 業者依頼の判断軸
判断基準は次の4つです。
- 時間:家族で進めると通常2〜6か月、業者は1〜3日
- 距離:実家が遠方なら家族整理の交通費・宿泊費が嵩む
- 物量:軽トラック2台分以上なら業者が現実的
- 心理負担:思い出の品を選別する精神的疲労が大きい場合は業者の貴重品捜索サービスを活用
近年は「家族で大切なものを選別→残りは業者で一括撤去」というハイブリッド型も一般的になっています。
名義変更・解約手続きの順序|公共料金・銀行・不動産まで
親の他界後(または施設入居後)に発生する各種名義変更・解約手続きは、申請先が複数の役所・民間事業者に分散しているため、抜け漏れが生じやすい領域です。代表的な手続きを着手すべき順に整理します。
すぐに行う手続き(7日〜14日以内)
- 死亡届:死亡を知った日から7日以内に市町村役場へ提出(葬儀社が代行することが多い)
- 火葬・埋葬許可申請:死亡届と同時に窓口で取得
- 世帯主変更届:世帯主が亡くなった場合、14日以内に市町村役場へ
- 健康保険・介護保険の資格喪失届:14日以内(後期高齢者医療制度の被保険者証・介護保険被保険者証の返却)
- 年金受給停止:厚生年金10日以内、国民年金14日以内(未支給年金の請求も同時に)
1〜3か月以内に行う手続き
- 金融機関への連絡と相続手続き:通帳・印鑑・キャッシュカード・通帳取引履歴を整理。各行で必要書類が異なる(遺産分割協議書または法定相続情報一覧図、相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書など)
- 公共料金(電気・ガス・水道)の名義変更または解約:実家を残すなら名義変更、即時解約なら停止申込み
- 固定電話・インターネット・携帯電話の解約:契約者死亡の証明書類が必要
- NHK・新聞・有料サービスの解約:請求書や領収書で契約一覧を洗い出す
- クレジットカードの解約:未払い残高は相続債務として扱われる
- 火災保険・地震保険の名義変更:実家を保有し続ける場合は必須
- 自動車の名義変更または廃車:相続人への移転登録、または永久抹消登録
- マイナンバーカード・運転免許証の返納:市町村役場・警察署
3〜10か月以内に行う手続き
- 準確定申告(4か月以内):被相続人の所得税の最終申告
- 相続放棄・限定承認(3か月以内):家庭裁判所への申述
- 相続税の申告と納付(10か月以内):基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人数」を超える場合
10か月以降〜3年以内に行う手続き
- 不動産の相続登記(3年以内・義務化):法務局へ申請。司法書士に依頼するのが一般的
- 農地の名義変更:農業委員会への届出
- 墓地・霊園の継承手続き:管理者への届出と承継料の支払い
具体的な書類の取り扱いや税務判断は、税理士・司法書士・行政書士の専門業務に該当するため、相続財産の規模が大きい場合や相続人間で意見が分かれる場合は早期に専門家へ相談することが推奨されます。
空き家のまま放置するリスク|2023年改正の空家対策特別措置法
実家を片付け終えても、不動産を「とりあえずそのまま」にしておくケースは多くあります。総務省「住宅・土地統計調査」(令和5年)によれば、全国の空き家数は約900万戸、空き家率は13.8%と過去最高を更新しており、行政の対応も厳格化しています。
2023年12月施行の改正空家対策特別措置法
「空家等対策の推進に関する特別措置法」は、2023年12月13日の改正で「管理不全空家等」という新しい区分が追加されました(国土交通省)。従来の「特定空家等」より一段階前の段階で行政指導が入る仕組みです。
- 管理不全空家等:放置すれば特定空家になるおそれのある空き家。窓ガラスの割れ・雨樋の破損・庭の繁茂など
- 特定空家等:倒壊・衛生・景観・周辺生活環境に著しい影響を及ぼす状態の空き家
固定資産税の住宅用地特例の解除
住宅が建っている土地は、固定資産税の「住宅用地特例」により評価額が200㎡まで1/6、200㎡超の部分は1/3に軽減されています。ところが、市町村から「管理不全空家」または「特定空家」として勧告を受けると、この特例から除外され、税負担が最大6倍程度に増加します。固定資産税のほか、都市計画税(最大1/3軽減)も同様に解除されます。
行政措置の段階
- 助言・指導:市町村職員からの口頭・文書による改善要請
- 勧告:応じない場合、住宅用地特例から除外
- 命令:勧告に従わない場合、改善を命じる(違反は50万円以下の過料)
- 代執行:命令にも応じない場合、市町村が解体等を実施し費用を所有者に請求
つまり、空き家を放置すると「税金が上がる」「行政から解体費用を請求される」「過料を科される」という三重のリスクがあります。
相続登記の義務化との合わせ技
2024年4月から相続登記が義務化(3年以内)されたことで、所有者が確定しない空き家を行政が放置できない状況になりつつあります。実家の名義が祖父母世代のまま止まっている、いわゆる所有者不明土地の問題に対応するための制度改正です。「とりあえず登記しない」という選択肢は、もはや現実的ではなくなっています。
リサイクル・処分・寄付・買取の使い分け
家財を「全部捨てる」のはもったいないと感じる家族は多いものです。物品の状態や種類に応じて、処分ルートを使い分けるのが基本です。
家電リサイクル法対象品(必ず指定ルートで)
テレビ・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機・エアコンの6品目は、家電リサイクル法により一般ごみとして処分できません。購入店または家電量販店に引き取り依頼するか、指定引取場所に持ち込みます。リサイクル料金(数千円)と収集運搬料が必要です。
市町村の粗大ごみ回収(最も安価)
家具・寝具・自転車・小型家電などは、各市町村の粗大ごみ回収を利用します。電話・ウェブで申し込み、有料粗大ごみ処理券を貼って指定日に出します。1点あたり数百〜数千円程度で、量が少ない場合は最も安価です。
リサイクルショップ・買取業者
状態の良い家電・家具・楽器・着物・茶道具・骨董品などは買取対象になる場合があります。出張買取を依頼すれば、その場で査定・現金化が可能です。ただし業者には古物商許可が必須で、許可番号の提示を受けて依頼するのが安全です。
フリマアプリ・ネットオークション
時間と手間をかけられる場合は、メルカリ・ヤフオク等で個人売買する選択肢もあります。送料・梱包・トラブル対応の負担を考慮して取り組む品目を絞るのが現実的です。
寄付・譲渡
- 未使用品・新品:NPO法人や福祉施設、海外支援団体への寄付が可能(送料は通常負担)
- 書籍・CD・DVD:図書館や古本買取サービス
- 衣類:難民支援団体や被災地支援団体
- 未開封食品:フードバンクへの寄付(賞味期限と保管状態の確認が必要)
仏壇・神棚・遺影・人形などの「魂が宿る」とされるもの
地域や信仰により扱いが異なりますが、菩提寺・神社で「魂抜き(閉眼供養)」「お焚き上げ」をしてから処分するのが一般的な慣習です。仏壇店や葬儀社、遺品整理業者でも供養サービスを提供している場合があります。家族の納得感を大切にし、急がず段階的に進めることが心理的負担の軽減につながります。
家族の心理的負担との向き合い方|「片付けられない」は当然
実家整理が長期化する最大の理由は、物量ではなく家族の心理的負担です。親の人生の痕跡を捨てる作業は、論理だけでは進められません。罪悪感、後悔、兄弟姉妹間の意見対立、配偶者からのプレッシャー——複数のストレス要因が重なります。
「片付けられない」のは怠慢ではない
遺品整理の現場で繰り返し報告されているのが、「親の他界から1年以上、何も触れない」という心理的フリーズです。これは怠慢でも先送りでもなく、悲嘆反応(グリーフ)の一つの形と考えられています。とくに親密だった親が亡くなった場合、遺品との対峙は喪失体験の再演になるため、無理に進めることは逆効果になりえます。
段階的アプローチを推奨
- 第1段階:契約と書類のみ(必要に迫られる手続きから着手)
- 第2段階:明らかに不要なものから(食品、消耗品、新聞、雑誌など)
- 第3段階:日用品(衣類・食器・家電)
- 第4段階:思い出系(写真、手紙、趣味の品)
- 第5段階:仏壇・神棚など供養対象
第4・第5段階は最も時間がかかり、半年〜数年かけて少しずつ進める家族も珍しくありません。
兄弟姉妹間の役割分担
「実家のある場所に住んでいる兄弟姉妹に負担が集中する」「離れている兄弟が口だけ出す」というのは典型的な家族トラブルです。事前に話し合っておきたいのは以下です。
- 誰が現地に通うか・通えないか(仕事・育児・距離)
- 金銭的負担(交通費・宿泊費・業者費用)の按分
- 形見分けの優先順位(誰がどの品を希望するか)
- 不動産の最終方針(売却・賃貸・誰かが住む)と売却益の分配
記録を残しながら進めることが、後の遺産分割協議でのトラブル防止につながります。
外部リソースを使う
遺品整理業者だけでなく、グリーフケアの専門相談、地域包括支援センター、社会福祉協議会、自治体の高齢者・遺族支援窓口など、家族の心理面を支える資源も活用できます。一人で抱え込まないことが、長期的には最も効率的な進め方になります。
よくある質問
Q. 親が施設に入居した時点で実家を売却してもよいですか?
A. 親本人が所有者の場合、判断能力があれば本人の意思と署名・押印が必要です。判断能力が低下している場合は成年後見人を選任し、家庭裁判所の許可を得て売却することになります(居住用不動産処分許可)。家族の独断で売却することはできません。
Q. 相続放棄をすれば実家の処分義務はなくなりますか?
A. 相続放棄により所有権は引き継がれませんが、改正民法940条により相続放棄者には「現に占有している財産の保存義務」が残ります。次の相続人または相続財産清算人に引き渡すまで、必要最低限の管理は続ける必要があります。完全に手を引きたい場合は、家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立てる手続きが必要です。
Q. 遺品整理業者の見積もりが想定より高すぎる場合は?
A. 必ず2〜3社から相見積もりを取りましょう。1社だけの提示で契約するのは避けるべきです。また、不用品の買取が可能な品物(家電、家具、骨董品など)がある場合は、買取分を作業費から差し引く方式を提案する業者もあります。極端に安い業者は不法投棄や追加請求のリスクがあるため、相場の半額以下は警戒対象です。
Q. 実家を空き家のまま長期間放置するとどうなりますか?
A. 固定資産税・都市計画税は毎年発生し続け、火災保険料・防犯対策費・最低限の管理費(草刈り・通気)も必要です。さらに2023年12月施行の改正空家対策特別措置法により「管理不全空家」「特定空家」に指定されると、住宅用地特例(最大1/6)が解除され税負担が大幅増加します。倒壊・火災・治安悪化のリスクも高まるため、相続発生から1〜3年以内の方針決定が望まれます。
Q. 遺品の中から多額の現金や有価証券が出てきた場合は?
A. 相続財産として、すべて遺産分割協議の対象になります。発見した相続人が独断で取得すると、後で他の相続人とのトラブルになり、相続税の申告漏れにもつながります。発見した時点で写真記録を残し、相続人全員に共有することが原則です。タンス預金・株券・貸金庫の中身・絵画・骨董品なども同様です。
Q. 親の介護施設入居中、実家の固定資産税はどう扱われますか?
A. 所有者は親本人のままなので、納税義務も親本人にあります。親に支払い能力がある場合は本人の口座から、判断能力が低下している場合は家族が立て替えるか、成年後見人が支払うことになります。立て替えた費用は、後の相続で清算する形を取ることが多く、領収書と立替記録を保管しておくことが重要です。
参考文献・出典
- [1]
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- [4]
- [5]
まとめ|実家整理は「期限の管理」と「家族の対話」がすべて
親の介護施設入居後・他界後の実家整理は、感情的にも物理的にも家族にとって大きな負担です。しかし、やるべきことは整理可能な軸に分けられます。
- 契約と名義変更:死亡後14日・3か月・10か月・3年という法定期限を把握する
- 家財の整理:家族で手分けするか業者依頼か、物量・距離・期限で判断
- 不動産の方針:相続登記義務化(3年以内)と空家対策特別措置法を念頭に置く
- 税金の継続発生:固定資産税・都市計画税は所有が続く限り発生し続ける
遺品整理業者を利用する場合は、許認可・遺品整理士の在籍・相見積もり・書面契約の4点を必ず確認し、悪質業者を避けてください。
そして何より大切なのは、家族全員で「いつまでに、誰が、何を、どこまでやるか」を共有することです。兄弟姉妹間の不公平感は、後の遺産分割協議のトラブルにも直結します。期限のある手続きは早めに、思い出の品の整理は時間をかけて、というメリハリのある進め方が、結果的に家族関係を守ることにつながります。
個別の税務判断・登記・相続手続きについては、税理士・司法書士・弁護士などの専門家への相談を強くおすすめします。本記事はあくまで全体像と制度の枠組みの理解を助けることを目的としています。
監修者
介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム
医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)
訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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