高齢者の足がつる(こむら返り)|原因と家庭でできる予防・対処、受診の目安
ご家族・ご利用者向け

高齢者の足がつる(こむら返り)|原因と家庭でできる予防・対処、受診の目安

高齢者の足がつる(こむら返り)の原因を脱水・ミネラル不足・血流低下・薬の副作用・病気の面からやさしく解説。家庭でできる予防と対処、かかりつけ医・整形外科への受診の目安まで、介護するご家族向けにまとめました。

ポイント

この記事のポイント

高齢になると足がつる(こむら返り)が増えるのは、加齢による筋力低下に加えて、脱水やミネラル(マグネシウム・カルシウム・カリウムなど)の不足、足の血流の低下、冷え、薬の副作用などが重なりやすいためです。多くは一時的なもので心配いりませんが、家庭では「水分とミネラルをこまめにとる」「寝る前に軽くふくらはぎを伸ばす」「足を冷やさない」の3つが予防の柱になります。つった瞬間はあわてず、足の指を体側へゆっくり反らしてふくらはぎを伸ばします。週に何度も起こる、片足だけ繰り返す、強い痛みやしびれ・むくみを伴う、糖尿病や腎臓・心臓の持病があるといった場合は、かかりつけ医や整形外科・内科に相談してください。漢方薬などの薬は自己判断で続けず、必ず医師・薬剤師に相談しましょう。

目次

「夜中に突然、おばあちゃんが『足がつった』と痛がって目を覚ます」「父が一晩に何度もこむら返りで眠れないと言う」。高齢のご家族を介護していると、こうした足のつりに気づくことは少なくありません。本人にとっては強い痛みでつらく、睡眠が妨げられて日中の元気や食欲にも影響することがあります。

足がつる(こむら返り)は、ふくらはぎなどの筋肉が自分の意思とは関係なく強く縮んだまま、なかなかゆるまなくなる状態です。健康な人でも起こりますが、年齢を重ねるほど起こりやすくなり、夜間や明け方に多いのが特徴です。ほとんどは一時的で深刻なものではありませんが、ときには病気や薬の影響が隠れていることもあります。

このページでは、介護をするご家族の目線で、高齢者の足がつる原因をやさしく整理し、家庭でできる予防と、つったときの正しい対処、そして「どんなときに病院へ相談すればよいか」の目安までまとめました。受診先や薬のことで迷ったときは、自己判断せずかかりつけ医や薬剤師に相談する、という姿勢を大切にしてください。

こむら返り(足がつる)とは|高齢者に多い理由と夜間に起こりやすいわけ

こむら返りの「こむら」とは、ふくらはぎのことを指す古い言葉です。その名のとおり、足がつるときはふくらはぎに起こることが多いのですが、足の裏や足の指、太ももの前側・裏側など、ふだんよく使う筋肉にも起こります。医学的には「有痛性筋けいれん」や「筋クランプ(筋けいれん)」と呼ばれます。

筋肉が「縮んだまま戻らない」状態

私たちの筋肉は、ふだん脳からの信号に従って、縮んだり(収縮)ゆるんだり(弛緩)をくり返しています。ところが、何らかのきっかけでこの調整がうまくいかなくなると、筋肉が強く縮んだまま硬直し、数秒から数分にわたって元に戻らなくなります。これが「足がつる」状態で、多くの場合、強い痛みを伴います。MSDマニュアルでは、原因となる病気がなく、典型的には夜間に起こるものを「良性特発性の筋けいれん」と説明しています。

なぜ高齢者に多く、夜間に起こりやすいのか

足がつる正確なしくみはまだ完全には解明されていませんが、筋肉と神経の連携が、加齢や疲れ、ミネラルバランスの乱れなどで「誤作動」を起こすことが一因と考えられています。高齢者で増えるのは、次のような変化が重なるためです。

  • 筋肉量の減少:年齢とともにふくらはぎなどの筋肉が衰え、疲れやすく、けいれんを起こしやすくなります。
  • 体の水分が減りやすい:高齢になると体内の水分量が減り、のどの渇きも感じにくくなるため、知らないうちに軽い脱水になりがちです。
  • 血流の低下:動脈硬化や冷えで足の血のめぐりが悪くなり、筋肉に酸素や栄養が届きにくくなります。
  • 持病や薬の影響:糖尿病・腎臓病などの持病や、複数の薬の服用が背景にあることがあります。

とくに夜間や明け方に多いのは、睡眠中に汗をかいて軽い脱水になりやすいこと、体をほとんど動かさないため血流が落ちて足が冷えやすいこと、布団の重みでつま先が伸びた姿勢が続きふくらはぎが縮みやすいことなどが関係していると考えられています。一晩に何度も起こって眠れない、という方も珍しくありません。

高齢者の足がつる主な原因|脱水・ミネラル不足・血流低下・薬・病気

高齢者の足がつる背景には、いくつかの原因が重なっていることがほとんどです。家庭での予防や「受診すべきか」を考える手がかりになるので、主な原因を整理しておきましょう。

1. 脱水・ミネラル(電解質)の不足

体の水分とともに、カリウム・ナトリウム・カルシウム・マグネシウムといったミネラル(電解質)は、筋肉と神経が正しく働くために欠かせません。発汗や下痢、利尿薬の使用などで水分やミネラルが失われると、筋肉が過剰に興奮してけいれんを起こしやすくなります。高齢者はのどの渇きを感じにくく、トイレを気にして水分を控えがちなため、知らないうちに不足していることがよくあります。

2. 足の血流の低下・冷え

足の筋肉は、収縮することで血液を心臓へ送り返す「ポンプ」の役割も担っています。運動不足や長時間の同じ姿勢、動脈硬化などで血のめぐりが悪くなると、筋肉に酸素や栄養が届きにくくなり、つりやすくなります。体が冷えると血管が縮んで血流がさらに低下するため、冷えもこむら返りの引き金になります。

3. 加齢による筋力・柔軟性の低下

ふくらはぎなどの筋肉が衰え、柔軟性が落ちると、ちょっとした動きや軽い運動でも筋肉が疲れやすくなり、けいれんが起こりやすくなります。寝たきりや活動量の少ない生活では、この傾向が一層強まります。

4. 薬の副作用

高血圧や心臓の病気で使う利尿薬、一部の降圧薬、ぜんそくや肺の病気に使う薬、骨粗鬆症の薬など、足がつる副作用が報告されている薬があります。とくに利尿薬は体から水分とミネラルを出す働きがあるため、こむら返りと関係することがあります。ただし、足がつるからといって自己判断で薬をやめたり減らしたりするのは危険です。気になるときは必ず医師・薬剤師に相談してください。

5. 背景に隠れている病気

頻繁に足がつる場合、次のような病気が背景にあることがあります。いずれも足のつり以外の特徴的な症状を伴うことが多いので、あわせて確認しましょう。

  • 糖尿病:高血糖が続くと神経や電解質のバランスに影響し、足がつりやすくなります。のどの渇き、手足のしびれなどを伴うことがあります。
  • 腎臓の病気:老廃物の排出やミネラル調整がうまくいかず、むくみとともに足がつることがあります。透析を受けている方にもよくみられます。
  • 末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症):足の動脈が狭くなり血流が不足します。少し歩くとふくらはぎが痛んで歩けなくなり、休むとまた歩ける「間欠性跛行」が特徴です。足が冷たい、脈が触れにくいなどのサインもあります。
  • 腰部脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニア:背骨の中の神経が圧迫され、筋肉への信号がうまく伝わらず足がつることがあります。健康長寿ネットによれば、脊柱管狭窄症では立ったり歩いたりすると症状が出て、前かがみや座ると楽になるのが特徴です。腰痛や下肢のしびれを伴います。
  • 甲状腺機能の低下・肝臓の病気・脳梗塞:これらも足がつる原因になることがあり、それぞれむくみ、だるさ、手足の麻痺や言葉のもつれなど、特有の症状を伴います。

このように、足のつりは「ただの疲れ」のこともあれば、体からのサインのこともあります。次の章では、まず家庭でできる予防から見ていきましょう。

家庭でできる予防|水分・ミネラル・ストレッチ・保温の4つの柱

足がつるのを完全に防ぐ方法はありませんが、生活の中の工夫で起こりにくくすることはできます。高齢のご家族でも無理なく続けられる、家庭での予防の柱を紹介します。なお、腎臓病・心不全・糖尿病などで水分や食事に制限がある方は、自己流で増やさず、必ず主治医の指示に従ってください。

1. 水分とミネラルをこまめにとる

のどが渇く前に、少しずつ何回かに分けて水分をとるのがコツです。とくに就寝前のコップ1杯の水や、起床後の水分補給を習慣にしましょう。ミネラルでは、筋肉や神経の働きに関わるカルシウム(牛乳・小魚・大豆製品など)、マグネシウム(豆腐・納豆などの大豆食品、海藻、種実類など)、カリウム(バナナ・いも類・野菜など)を、バランスよくとることがすすめられます。汗をかいたときは水だけでなくミネラルの補給も意識します。ただし、心臓や腎臓の持病でカリウムや水分・塩分を制限されている場合は、勝手に増やさないよう注意してください。

2. 寝る前と起床後に軽くストレッチ

就寝前にふくらはぎや太ももの裏をゆっくり伸ばしておくと、夜間のこむら返りが起こりにくくなるとされています。海外の研究でも、高齢の方が寝る前のストレッチを続けることで夜間の足のつりが減ったという報告があります。やり方は次のとおりです。

  • 壁を使ったふくらはぎ伸ばし:壁に手をつき、片足を後ろに引いてかかとを床につけたまま、後ろ足のふくらはぎが伸びるのを感じながら15〜30秒キープします。左右行います。
  • 座ってタオルで伸ばす:椅子や床で足を前に伸ばし、足裏にかけたタオルを手前にゆっくり引いて、つま先を体側へ反らします。立つのが不安な方でも安全に行えます。

反動をつけず、痛みのない範囲でゆっくり行うのが大切です。無理に強く伸ばすと筋肉を傷めることがあります。

3. 足を冷やさない・温める

就寝時にレッグウォーマーや長めの靴下、ひざ掛けで腰から下を冷やさないようにします。夏でも冷房や扇風機の風が直接足に当たらないよう気をつけましょう。入浴で体を芯から温めると血のめぐりがよくなり、予防に役立ちます。電気毛布を使う場合は、寝返りを妨げにくい敷きタイプがおすすめです。

4. 無理のない範囲で体を動かす

散歩や、椅子に座ったままできる足首の上下運動、軽いスクワット(つかまりながら)など、できる範囲で足の筋肉を動かすと、筋力と血流の維持につながります。ただし、持病のある方は運動の種類や量を主治医に相談してから始めると安心です。

5. 寝るときの姿勢・寝具を整える

あお向けで寝るときは、布団の重みでつま先が下を向き、ふくらはぎが縮んだ姿勢が続くと足がつりやすくなります。ひざの下に小さなクッションを入れる、掛け布団を重くしすぎない、体に合ったマットレスや枕で寝返りを打ちやすくするなど、寝具の見直しも予防の一つです。

足がつったときの正しい対処|あわてず筋肉を伸ばす手順

実際に足がつってしまったとき、本人は強い痛みであわててしまいがちです。介護するご家族が落ち着いて手伝えるよう、対処の手順を覚えておきましょう。

つった瞬間の基本対処

  1. あわてず、ゆっくり筋肉を伸ばす:ふくらはぎがつったときは、ひざを伸ばした状態で、足の親指やつま先を持ち、体の側(すねの方向)へゆっくり反らします。ご本人が自分でできないときは、ご家族がそっと支えて手伝います。
  2. 急に強く引っぱらない:硬直した筋肉を急激に伸ばすと、肉離れを起こすことがあります。「ゆっくり・痛くない範囲で」が鉄則です。
  3. 痛みが和らいだら温めてさする:落ち着いてきたら、蒸しタオルや手のひらで温めながら、ふくらはぎを下から上へやさしくマッサージすると、血行が促されて回復を助けます。
  4. 水分・ミネラルを少し補給:痛みが落ち着いたら、水やミネラルを含む飲み物を少し飲んでおくと再発予防になります(水分・塩分・カリウムの制限がある方は主治医の指示の範囲で)。

部位別の伸ばし方

  • 足の裏・足の指がつったとき:足の指を手で持ち、ゆっくり甲側へ反らします。床に立てる方は、つま先立ちの逆で、かかとを上げず足裏を伸ばすようにします。
  • 太ももの裏がつったとき:足を前に伸ばして座り、つま先を手前に引きながら上体を前へ倒し、太ももの裏を伸ばします。
  • 太ももの前がつったとき:壁や椅子につかまり、片方のひざを後ろに曲げて、かかとをお尻に近づけ、太ももの前を伸ばします。

介護するご家族が気をつけたいこと

夜間のこむら返りは、ご本人が一人で対処しようとして無理な姿勢をとり、転倒やベッドからの転落につながることがあります。同じ部屋や近くで休んでいる場合は、声をかけて一緒に伸ばしてあげると安心です。また、いつ・どの足が・どのくらいの頻度でつったかを簡単に記録しておくと、受診の際に医師へ正確に伝えられ、原因の見極めに役立ちます。

受診の目安|「すぐ受診・早めに相談・家庭で様子見」の3段階で判断

足がつるのは多くが一時的で、家庭でのケアで様子をみてよいものです。一方で、頻繁に起こる、ほかの症状を伴う、持病があるといった場合は、背景の病気を確かめるために受診が必要になります。ここでは、当サイトが複数の医療機関・公的情報の受診目安を整理し、ご家族が判断しやすいよう「すぐ受診・早めに相談・家庭で様子見」の3段階にまとめました。あくまで目安であり、迷うときはかかりつけ医に相談してください。

受診の目安(3段階)

レベルこんなときとる行動
すぐに受診・相談 片足だけが急に腫れて痛む・赤くなる/足が冷たく色が悪い・脈が触れにくい/手足の麻痺・ろれつが回らない・激しい頭痛など他の急な症状を伴う/少し歩くと足が痛んで歩けなくなる(間欠性跛行) 血管や神経、脳の病気が隠れている可能性があります。整形外科・内科や、症状によっては救急へ。急な麻痺やろれつの異常は迷わず救急要請を。
早めにかかりつけ医へ 週に何度もつる/一晩に何度も起きて眠れない/同じ足ばかり繰り返す/つった後も痛みやしびれが長く残る/糖尿病・腎臓病・心臓病など持病がある/飲んでいる薬を始めてから増えた 原因の病気や薬の影響を調べる必要があります。かかりつけ医・内科・整形外科に相談を。お薬手帳を持参すると役立ちます。
家庭で様子見でよい たまにつる程度/運動や立ち仕事のあとに一時的につる/伸ばすとすぐ治まり、ほかに症状がない 水分・ミネラル補給、就寝前のストレッチ、保温など家庭での予防を続けます。回数が増えるようなら相談を。

何科を受診すればよい?

どの科にかかればよいか迷うときは、まずはかかりつけ医に相談するのが安心です。持病を把握しており、必要に応じて適切な科を紹介してくれます。かかりつけ医がいない場合は、足やこしの症状なら整形外科、糖尿病・腎臓病・むくみ・全身の不調が気になるなら内科が目安です。受診の際は、「いつ・どの足が・どのくらいの頻度でつるか」「ほかの症状の有無」「飲んでいる薬」をメモやお薬手帳で伝えると、診断がスムーズになります。

薬は自己判断しない|漢方薬(甘草)の副作用と持病の薬の注意

「こむら返りには漢方薬が効く」と耳にしたことがあるかもしれません。たしかに、こむら返りに対して医療機関で芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)という漢方薬が処方されることがあります。しかし、薬は良い面だけでなく注意すべき点もあり、高齢者では自己判断での使用は避けるべきです。

市販薬・漢方薬を自己判断で続けない

芍薬甘草湯などに含まれる「甘草(かんぞう)」という生薬の成分は、長く飲み続けたり量が多かったりすると、「偽アルドステロン症」という副作用を起こすことがあります。これは、血圧が上がる、体がむくむ、体内のカリウムが減る、力が抜ける、手足がだるい・しびれる、さらに筋肉痛やこむら返りがかえって現れる、といった症状が出る状態です。厚生労働省やPMDA(医薬品医療機器総合機構)の重篤副作用マニュアルでも、甘草を含む漢方薬による偽アルドステロン症に注意するよう示されています。皮肉なことに、こむら返りを治そうとして飲んだ薬の副作用で、こむら返りや筋肉の異常が悪化することもあるのです。

とくに高血圧・腎臓病・心臓病などの持病がある高齢者では、この副作用が出やすかったり、ほかの薬との飲み合わせに注意が必要だったりします。市販薬として手に入る漢方薬もありますが、高齢のご家族に使う前には、必ず医師や薬剤師に相談してください。すでに服用している場合も、自己判断で量を増やさず、むくみや血圧上昇、だるさなどの変化に気づいたら早めに相談しましょう。

「足がつるから」と持病の薬を勝手にやめない

利尿薬などの薬が足のつりに関係していることはありますが、これらは血圧や心臓・腎臓の治療に欠かせない薬であることが多く、自己判断で中止すると持病が悪化して危険です。「この薬を飲み始めてからつるようになった気がする」と感じたら、やめるのではなく、その旨を医師に伝えて相談してください。薬の調整は必ず医師の判断で行います。

医療機関では原因に応じた対応を

病院では、まず足を伸ばすストレッチの指導や、生活習慣のアドバイスが行われ、それでも症状が強い場合に薬が検討されます。背景に糖尿病や血管・神経の病気が見つかれば、その治療が足のつりの改善にもつながります。「ただのこむら返り」と思っても、頻繁な場合は一度医療機関で相談することが、安心への近道です。

よくある質問(FAQ)

Q. 高齢の親が毎晩のように足をつります。病気でしょうか?

A. 加齢によって夜間のこむら返りは増えますが、週に何度も・一晩に何度も起こって眠れない場合は、糖尿病や腎臓・血管・神経の病気、薬の影響が隠れていることもあります。まずは家庭での予防(水分・ミネラル・ストレッチ・保温)を続けつつ、回数が多いときはかかりつけ医に相談しましょう。

Q. 水分はたくさん飲ませたほうがよいですか?

A. こまめな水分補給は予防に役立ちますが、心不全や腎臓病で水分・塩分・カリウムを制限されている方は、自己判断で増やすと体に負担がかかることがあります。持病がある場合は、必ず主治医の指示の範囲で行ってください。

Q. こむら返りに効く食べ物はありますか?

A. 特定の食品が即効で効くわけではありませんが、筋肉や神経の働きに関わるカルシウム(牛乳・小魚・大豆製品)、マグネシウム(大豆食品・海藻・種実類)、カリウム(バナナ・いも類・野菜)をバランスよくとることがすすめられます。極端に偏らず、ふだんの食事で整えることが大切です。

Q. 市販の漢方薬(芍薬甘草湯)を飲ませてもよいですか?

A. 自己判断での使用はおすすめできません。甘草の成分により、長期・多量の服用で血圧上昇やむくみ、低カリウムなどの副作用(偽アルドステロン症)が出ることがあります。とくに持病のある高齢者では、使う前に必ず医師・薬剤師に相談してください。

Q. 受診するなら何科ですか?

A. 迷うときはまずかかりつけ医へ。持病を把握したうえで適切に対応・紹介してくれます。足やこしの症状が中心なら整形外科、糖尿病・腎臓病・むくみなど全身の不調が気になるなら内科が目安です。

Q. 足がつったとき、温めるのと冷やすのはどちらがよいですか?

A. こむら返りは血流の低下や冷えが関係することが多いため、痛みが落ち着いたあとは温めるのが基本です。蒸しタオルや入浴で温め、やさしくマッサージすると回復を助けます。打撲や腫れを伴う場合など判断に迷うときは医療機関に相談してください。

参考文献・出典

まとめ|安心して相談を

高齢者の足がつる(こむら返り)は、加齢による筋力低下に、脱水やミネラル不足、血流の低下、冷え、薬の副作用、ときには持病などが重なって起こります。多くは一時的なものですが、家庭では「水分とミネラルをこまめに」「寝る前に軽くストレッチ」「足を冷やさない」を続けることで、起こりにくくすることができます。つったときは、あわてず足の指を体側へゆっくり反らし、落ち着いたら温めてさすってあげましょう。

一方で、週に何度もつる、片足だけ繰り返す、強い痛みやしびれ・むくみを伴う、糖尿病や腎臓・心臓の持病がある、薬を始めてから増えた、といった場合は、背景に病気や薬の影響が隠れていることがあります。漢方薬などの市販薬を自己判断で続けたり、持病の薬を勝手にやめたりせず、気になることはためこまずに相談することが大切です。

受診先に迷うときは、まずかかりつけ医に相談しましょう。持病や飲んでいる薬を把握したうえで、必要に応じて整形外科(足やこしの症状)や内科(糖尿病・腎臓病・むくみなど全身の不調)へつないでくれます。薬のことは医師・薬剤師に確認するのが安心です。ご家族が「いつ・どの足が・どのくらいつるか」を記録しておくと、診察のときに役立ちます。ひとりで抱え込まず、専門家の力を借りながら、ご本人が安心して眠れる毎日を取り戻していきましょう。

監修者

介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム

医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)

看護師介護福祉士ケアマネジャー

訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護保険、施設選び、在宅介護など、介護を受ける方・ご家族が判断に迷いやすいテーマを、公的情報と実務上の確認ポイントに沿って解説しています。

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