
高齢の親の防災・避難の備え|要介護家庭の災害対策【家族向け】
要介護・高齢の親がいる家庭の防災ガイド。避難行動要支援者名簿・個別避難計画への登録、福祉避難所、在宅介護の停電・断水対策、薬やお薬手帳・医療機器の備えを、内閣府・厚労省の資料をもとに家族目線で整理します。
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この記事のポイント
要介護・高齢の親がいる家庭の防災で、まず取り組みたいのは「制度への登録」「在宅の備え」「相談先の確保」の3つです。お住まいの市区町村の避難行動要支援者名簿に登録し、ケアマネジャーや地域と相談しながら個別避難計画(いつ・誰が・どこへ・どう避難するか)をつくっておくと、いざというときの動きが具体的になります。在宅では薬とお薬手帳、医療機器の停電対策、飲料水や介護用品の備蓄を準備します。近年の風水害では、亡くなった方の多くを高齢者が占めており、早めの備えと避難判断が命を守るうえで重要とされています。
目次
地震や台風、豪雨などの災害は、いつ起こるか分かりません。体が思うように動かない高齢の親や、介護が必要な家族がいる場合、健康な人と同じスピードで避難するのは難しいことがあります。だからこそ、ふだんから備えておくことの意味は大きいといえます。
内閣府がまとめた近年の災害の犠牲者を見ると、亡くなった方のうち65歳以上の高齢者が占める割合は、令和元年の台風第19号で約65%、令和2年7月豪雨では約79%にのぼりました(内閣府)。逃げ遅れを防ぎ、避難先での体調悪化を避けるためには、家族と地域、専門職が連携した「その人に合った備え」が欠かせません。
この記事では、要介護・高齢の親がいる家庭が取り組みたい防災を、(1)市区町村の制度に登録する、(2)在宅での備えを整える、(3)相談先と連絡手段を確保する、という流れで整理します。すべてを一度に完璧にする必要はありません。できるところから少しずつ進め、迷ったときはケアマネジャーや市区町村の窓口、主治医に相談しながら、ご家庭に合った形を見つけていきましょう。
まず確認|避難行動要支援者名簿への登録
要介護の親の防災で最初に確認したいのが、市区町村が用意している避難行動要支援者名簿です。これは、災害時に自分ひとりで避難するのが難しい高齢者や障害のある方などを、市区町村があらかじめ把握しておくための名簿で、平成25年の災害対策基本法改正によって、すべての市区町村に作成が義務づけられています(内閣府・消防庁)。令和7年4月1日時点では、全国すべての市区町村で名簿が作成済みとされています。
名簿に載るとどうなるのか
本人の同意があれば、名簿の情報は平時から消防や警察、民生委員、社会福祉協議会、自主防災組織などの「避難支援等関係者」に共有されます。これにより、災害のときに「あの家には支援が必要な人がいる」と地域に知ってもらえ、安否確認や避難の声かけにつながりやすくなります。災害時には、本人の同意がなくても情報を共有できる仕組みになっています。
対象になるのはどんな人か
名簿の対象は、法律上は「自ら避難することが困難で、円滑な避難のために特に支援を要する方」とされています。多くの市区町村では、要介護3以上の方、ひとり暮らしの高齢者、障害者手帳をお持ちの方などを目安にしていますが、具体的な基準は市区町村ごとに異なります。「対象になるのか分からない」という場合は、要介護度が低くても、まず市区町村の防災担当課や地域包括支援センターに相談してみることをおすすめします。
登録のしかた
登録の方法は市区町村によって異なり、対象者へ案内が届く方式のところもあれば、本人や家族からの申し出(手上げ方式)で登録するところもあります。親が対象になりそうなのに案内が来ていない場合は、家族から市区町村に問い合わせてみましょう。手続きは、市区町村の防災・福祉担当の窓口や地域包括支援センターが入り口になります。
個別避難計画|「いつ・誰が・どこへ」を決めておく
名簿への登録が「誰が支援を要するか」を把握する仕組みだとすれば、個別避難計画は「その人が実際にどう避難するか」を一人ひとり決めておく計画です。令和3年の災害対策基本法改正で、市区町村が作成に努める(努力義務)ものと位置づけられました(内閣府)。
個別避難計画に書く主な内容
個別避難計画には、おおむね次のようなことを記載します。
- 誰が避難を支援するか(避難支援等を実施する人の氏名・連絡先)
- どこへ避難するか(避難先・避難場所)
- どの経路で避難するか(避難路)
- 避難の際にどんな配慮が必要か(車いす・杖が必要、声かけのしかた、医療的な配慮など)
たとえば「車いすで近くの小学校まで30分、付き添いは隣家の方と長男」といったように、避難の段取りを具体的な形にしておくものです。自宅の災害リスク(浸水のおそれや土砂災害警戒区域かどうか)をハザードマップで確認するところから始めるのが、内閣府の示す進め方です。
ケアマネジャーが関わることが多い
計画づくりには、本人や家族のほか、ケアマネジャー(介護支援専門員)や相談支援専門員、民生委員、自治会・自主防災組織などが関わります。ケアマネジャーは日頃からケアプランを通じて本人の心身の状態をよく把握しているため、計画づくりの中心的な役割を担うことが期待されています(内閣府)。担当のケアマネジャーがいる場合は、「災害のときの避難についても相談したい」と声をかけてみると、話が進みやすくなります。
作成は優先度の高い人から進む
個別避難計画は、市区町村が優先度が高いと判断した方から順に、おおむね5年程度をめどに作成が進められています。内閣府・消防庁の調査では、令和7年4月1日時点で計画を作成している市区町村は1,691団体で、これまでに作成された要支援者は累計約145万人とされています。まだ計画ができていなくても、家族から「うちの親の計画もつくれないか」と相談すること自体が、作成を後押しすることにつながります。
避難先の種類|避難所・福祉避難所・在宅避難
避難先には、大きく分けて、緊急的に身の安全を確保する指定緊急避難場所と、一定期間生活する指定避難所があります。さらに、高齢者や障害のある方など特に配慮が必要な方のための避難所として、福祉避難所があります。一般の避難所での生活が体調や介護の面で難しい場合に、相談・支援を受けやすい環境が整えられた避難先です。
指定福祉避難所と「直接避難」
令和3年の災害対策基本法施行規則の改正で、市区町村が福祉避難所ごとに受入対象者をあらかじめ特定し、「特定された要配慮者とその家族のみが避難する施設」であることを公示できる制度(指定福祉避難所)がつくられました(内閣府)。これは、一般の避難所をまず経由するのではなく、状況によっては福祉避難所へ直接避難できるようにし、要配慮者の支援を強めるねらいがあります。直接避難の対象になるかどうかは、個別避難計画づくりの過程で、市区町村と事前に調整しておくことが前提になります。
福祉避難所は誰でも自由に行ける場所ではない
注意したいのは、福祉避難所は、災害が起きたら誰でも自由に押しかけてよい場所ではない、という点です。受入対象者があらかじめ特定されており、施設の体制にも限りがあります。また、支援者の到着が間に合わず、災害発生の初日には開設が間に合わないこともあるとされています(内閣府)。「いざとなったら福祉避難所へ行けばよい」と考えるのではなく、ふだんから市区町村やケアマネジャーに「親の避難先として福祉避難所が使えるか」を確認し、個別避難計画に反映しておくことが大切です。
在宅避難という選択肢も考えておく
自宅が浸水想定区域や土砂災害警戒区域の外にあり、建物に大きな被害がない場合は、無理に避難所へ移動せず、自宅で過ごす「在宅避難」が、かえって体調を保ちやすいこともあります。慣れない避難所での生活は、高齢の方にとって負担が大きく、災害関連死につながる例も報告されています。自宅にとどまる場合に備えて、次の章で説明する停電・断水への備えを整えておきましょう。どちらを選ぶかは、自宅の災害リスクと親の状態によって変わるため、ハザードマップの確認と、ケアマネジャー・市区町村への相談をもとに、家族で方針を話し合っておくと安心です。
在宅介護の停電対策|医療機器と電源の備え
在宅で介護をしている場合、災害時にまず困りやすいのが停電です。電気を使う介護用ベッドや医療機器が止まると、ふだんのケアが続けられなくなります。停電への備えは、機器の種類ごとに「電気が止まったらどうするか」をあらかじめ決めておくことが基本です。
電気を使う機器を書き出しておく
まずは、自宅で電気に頼っているものを書き出してみましょう。介護用電動ベッド、エアマット、たんの吸引器、在宅酸素の酸素濃縮器、人工呼吸器、冷蔵庫で保管する薬、エアコン(夏や冬の体温管理)などが挙げられます。これらが止まったときに、どれが命や健康に直結するかを家族で共有しておくことが、停電対策の出発点です。
医療機器を使っている場合は主治医・業者に必ず相談
在宅酸素や人工呼吸器、たんの吸引など医療的なケアを受けている場合、停電対策は機種ごとに事情が異なり、命に関わります。必ず主治医・訪問看護師・機器の取扱業者に、停電時の対応をあらかじめ相談してください。一般的な目安として、次のような点が各機関の資料で示されています。
- 酸素濃縮器:据え置き型は、停電すると基本的にすぐ止まります。緊急時にすぐ酸素ボンベへ切り替えられるよう、ふだんから練習しておくことがすすめられています(国立成育医療研究センター 災害対策マニュアル)。ボンベは使える時間に限りがあるため、業者と相談して余裕をもって備えます。
- たんの吸引器:停電に備えて、足踏み式・手動式の吸引器や、乾電池・車のシガーソケットなど複数の電源に対応した機種を用意しておく方法があります(同マニュアル)。
- 人工呼吸器:多くは内部バッテリーに自動で切り替わりますが、稼働できる時間は数時間程度と限られます。外部バッテリーの準備や、手動で空気を送るバッグ(蘇生用バッグ)の使い方に慣れておくことが、各医療機関の資料で示されています。
停電そのものへの備え
機器の有無にかかわらず、停電に共通して役立つ備えとして、次のものを用意しておくと安心です。
- 懐中電灯・LEDヘッドランプ(両手が使えるヘッドランプは介護の場面で便利)と予備の電池
- 携帯ラジオ(情報収集用)
- スマートフォンの予備バッテリー・モバイル充電器
- カセットコンロとガスボンベ(湯せんや温かい食事のため)
発電機やポータブル電源を使う場合は、室内で発電機を回すと一酸化炭素中毒の危険があるため必ず屋外で使うなど、扱い方に注意が必要です。導入を検討するときは、つなぐ機器の消費電力に合うものか、業者や主治医に確認しましょう。
断水・食事・薬の備え|在宅ケアを止めないために
断水もまた、在宅介護で大きな影響が出る災害時の困りごとです。飲み水だけでなく、口腔ケアや清拭、トイレ、おむつ交換など、介護のさまざまな場面で水を使うためです。停電と同じく、ふだんからの備蓄がものを言います。
飲料水・生活用水の備蓄
飲料水は、一般的に1人あたり1日3リットルを目安に、最低3日分(できれば1週間分)を備えておくとよいとされています。高齢の方は脱水を起こしやすいため、こまめな水分補給ができるよう、少し多めに用意しておくと安心です。トイレを流したり手を洗ったりする生活用水として、ポリタンクや浴槽に水をためておく方法もあります。
水が使えないときの介護の工夫
断水時に介護を続けるための備えとして、次のようなものが役立ちます。
- 水のいらない清拭シート(からだ拭き)・ドライシャンプー
- 口腔ケア用のウェットティッシュ・マウスウォッシュ
- 使い捨て手袋・アルコール消毒液
- 携帯トイレ・簡易トイレ(凝固剤と処理袋)
- 多めのおむつ・尿取りパッド(ふだんの使用ペースから3日〜1週間分を逆算)
食事と薬の備え
食事面では、ふだんやわらかい食事やとろみをつけた食事をとっている場合、それに合った非常食を用意しておくことが大切です。市販の介護用レトルト食品やとろみ調整食品、ゼリー飲料などを、好みや飲み込みの状態に合わせて備えましょう。
薬については、避難してすぐに薬を手に入れられるとは限らないため、1週間程度を目安に多めに手元に置いておけるよう、主治医や薬剤師に相談しておくと安心です。あわせて、お薬手帳(または薬の名前・量を書いたメモ)を持ち出し袋に入れておきましょう。お薬手帳があれば、避難先で診てもらうときに、ふだん飲んでいる薬を正確に伝えられます。スマートフォンの電子版や写真でも代わりになります。
持ち出し袋|要介護の親のために入れたいもの
避難するときにすぐ持ち出せるよう、要配慮者向けの持ち出し袋を準備しておきましょう。一般的な防災グッズに加えて、その人の介護・医療に欠かせないものを入れておくのがポイントです。重くなりすぎないよう、両手が空くリュックにまとめ、玄関近くなど取り出しやすい場所に置いておきます。
一般的な持ち出し品
- 飲料水・非常食(やわらかい食品・とろみ調整食品など本人に合うもの)
- 懐中電灯・ヘッドランプ・予備電池・携帯ラジオ
- 携帯トイレ・ティッシュ・ウェットシート・ビニール袋
- 保険証・介護保険被保険者証のコピー、現金、連絡先メモ
- マスク・消毒液・体温計
要介護の親のために加えたいもの
- 薬(数日〜1週間分)とお薬手帳(写真やコピーでも可)
- 眼鏡・補聴器・入れ歯と洗浄用品
- おむつ・尿取りパッド・清拭シート・口腔ケア用品
- 常用している医療機器の予備部品(酸素の予備カニューラ、吸引チューブなど)と取扱業者の連絡先
- 本人の情報メモ(持病、かかりつけ医、ふだんの服薬、アレルギー、緊急連絡先、介助のしかた)
- 使い慣れたタオルや好きな物など、本人が落ち着けるもの
とくに「本人の情報メモ」は、家族が付き添えない場面で、周囲の人や避難先のスタッフが適切に支援するための手がかりになります。氏名・生年月日・かかりつけ医・服薬内容・必要な配慮を1枚にまとめ、持ち出し袋と本人の身につけるものの両方に入れておくと安心です。
相談先と連絡手段|ケアマネ・地域・家族の連携
防災は、ものを備えるだけでは完成しません。災害のときに「誰に連絡し、誰に助けてもらうか」をあらかじめ決めておくことが、要介護の親を守るうえでとても重要です。家族だけで抱え込まず、専門職や地域とのつながりをつくっておきましょう。
ケアマネジャー・主治医に相談しておく
担当のケアマネジャーには、「災害時の避難や備えについても一緒に考えてほしい」と伝えておきましょう。前述の個別避難計画づくりでも中心的な役割を担います。主治医や訪問看護師には、停電時の医療機器の扱いや、薬を多めに処方してもらえるかなどを相談しておくと安心です。在宅酸素や人工呼吸器を使っている場合は、機器の取扱業者の緊急連絡先も控えておきます。
地域とのつながりをつくる
遠くの親戚より近くの隣人、という言葉があるように、いざというときに頼りになるのは近所の人です。「うちには介助が必要な家族がいます」と、無理のない範囲で隣近所や自治会・民生委員に伝えておくと、安否確認や避難の手助けにつながりやすくなります。地域の防災訓練に親と一緒に、あるいは家族が代わりに参加してみるのも、つながりづくりの第一歩です。
連絡手段を複数決めておく
災害時は電話がつながりにくくなります。家族の安否を確認し合う方法を、あらかじめ複数決めておきましょう。
- 災害用伝言ダイヤル「171」:音声で安否のメッセージを録音・再生できる仕組み。毎月1日・15日などの体験利用日に、親と一緒に使い方を試しておくと安心です。
- 災害用伝言板(web171)やメッセージアプリ:文字で安否を残せる手段も併用する。
- 遠方の親戚を中継役に:被災地どうしより、離れた地域の親戚を経由したほうが連絡がつきやすいことがあります。
これらの連絡方法と、待ち合わせ場所(自宅が危険なときに集まる場所)を、家族で紙に書いて共有し、親の手元にも置いておきましょう。
災害時の介護保険|利用者負担の減免と認定の特例
被災したあとは、介護サービスの費用や手続きの面でも不安が大きくなります。災害時には、市区町村の判断で介護保険のさまざまな特例的な取扱いが用意されており、知っておくと落ち着いて行動しやすくなります。
利用者負担や保険料が減免されることがある
災害で生活が大きく影響を受け、介護サービスの利用者負担を支払うことが難しい場合、市区町村の判断で、利用者負担を減免できる仕組みがあります(介護保険法第50条・第60条)。第1号被保険者(65歳以上)の介護保険料についても、市区町村の条例にもとづき、減免や徴収の猶予を受けられることがあります(同法第142条)。減免の対象になるかどうかや手続きは市区町村ごとに異なるため、被災したときは、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口に確認してみてください(内閣府・厚生労働省「災害時における介護保険サービスの利用と災害救助法による支援との関係について」令和7年12月24日事務連絡)。
被保険者証が手元になくてもサービスを受けられる
避難の際に介護保険被保険者証を持ち出せなかったり、自宅に残したまま避難したりすることもあります。災害救助法が適用された地域では、氏名・住所・生年月日・負担割合を申し立てることで、被保険者証を提示したときと同じようにサービスを受けられる取扱いとされています。また、新たに介護が必要になった場合には、要介護認定の申請前であっても、暫定的なケアプランにもとづいてサービスを利用できる仕組みが用意されています。いずれも市区町村やケアマネジャーが間に入って手続きを進めるため、まずは相談先に状況を伝えることが第一歩になります。
よくある質問
Q. 親は要介護2ですが、避難行動要支援者名簿に登録できますか
名簿の対象基準は市区町村ごとに異なります。要介護3以上を目安にしている自治体が多い一方、ひとり暮らしや心身の状態など個別の事情を考慮するところもあります。要介護度だけで判断せず、まずは市区町村の防災担当課や地域包括支援センターに相談してみてください。
Q. 個別避難計画は家族が勝手につくってもよいのですか
家族が避難の段取りを自宅で話し合っておくことはとても大切です。一方、市区町村が作成する正式な個別避難計画は、本人の同意のもと、ケアマネジャーや地域の関係者と一緒につくるのが基本です。まずはケアマネジャーや市区町村に「計画をつくりたい」と相談するところから始めましょう。
Q. 災害のとき、福祉避難所にすぐ行けますか
福祉避難所は誰でも自由に行ける場所ではなく、あらかじめ受入対象として調整された方が利用する仕組みです。直接避難できるかどうかは、個別避難計画づくりの中で市区町村と事前に確認しておく必要があります。また、災害初日には開設が間に合わないこともあるため、自宅での備えもあわせて整えておきましょう。
Q. 在宅酸素を使っています。停電したらどうすればよいですか
据え置き型の酸素濃縮器は、停電するとすぐ止まることが多いため、酸素ボンベへの切り替えが基本になります。切り替えの手順はふだんから練習しておきましょう。具体的な対応は機種や体の状態によって異なるため、必ず主治医・訪問看護師・酸素の取扱業者に、停電時の対応をあらかじめ確認しておいてください。
Q. 薬はどのくらい備えておけばよいですか
避難してすぐに薬を手に入れられるとは限らないため、1週間程度を目安に手元に置いておけると安心です。ただし、薬の種類によっては多めの処方が難しいものもあります。主治医や薬剤師に相談し、あわせてお薬手帳を持ち出し袋に入れておきましょう。
参考文献・出典
- [1]
- [2]避難行動要支援者名簿及び個別避難計画の作成等に係る取組状況の調査結果(令和7年4月1日現在)- 内閣府・消防庁
名簿は全市町村作成済み、個別避難計画作成済み1,691団体、累計作成された要支援者約145万人
- [3]
- [4]
- [5]
まとめ|できることから一つずつ
要介護・高齢の親がいる家庭の防災は、特別な人だけのものではなく、どの家庭にも必要な備えです。大切なのは、(1)市区町村の避難行動要支援者名簿に登録し、ケアマネジャーや地域と個別避難計画をつくっておくこと、(2)停電・断水に備えて薬やお薬手帳、医療機器の電源、飲料水や介護用品を準備しておくこと、(3)ケアマネジャー・主治医・近隣・家族との相談先と連絡手段を確保しておくこと、の3つです。
これらをすべて一度に整えるのは大変です。まずは「市区町村の窓口に名簿のことを聞いてみる」「ケアマネジャーに避難の相談をする」「お薬手帳を持ち出し袋に入れる」といった、できることから一つずつ始めてみてください。自宅の災害リスクや親の状態によって最適な備えは変わりますので、迷ったときは市区町村の防災・福祉担当窓口、地域包括支援センター、ケアマネジャー、主治医に相談しながら、ご家庭に合った備えを整えていきましょう。日頃からの小さな準備が、いざというときに親の命と暮らしを守る力になります。
監修者
介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム
医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)
訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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