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グループホームの仕事内容|1日の流れ・夜勤体制・認知症ケアの実態【2026年版】

グループホームの仕事内容|1日の流れ・夜勤体制・認知症ケアの実態【2026年版】

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の仕事内容を徹底解説。1ユニット9名の少人数制、1日のスケジュール、夜勤体制、認知症ケアの専門性、必要資格まで、未経験者でもわかりやすく網羅しています。

ポイント

この記事のポイント

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の仕事は、1ユニット5〜9名の認知症高齢者が家庭的な環境で共同生活を送れるよう支援する仕事です。食事・入浴・排泄などの身体介護に加え、料理・洗濯・掃除を入居者と一緒に行う生活援助、レクリエーション、認知症ケアが中心となります。夜勤は原則1ユニット1人体制で、少人数ゆえに一人ひとりとじっくり向き合える一方、認知症対応力が求められる専門性の高い職場です。

グループホームとは|認知症対応型共同生活介護の基本

グループホームは、正式名称を「認知症対応型共同生活介護」といい、要支援2または要介護1以上で認知症の診断を受けた高齢者が、少人数で共同生活を送りながら専門的な介護を受ける地域密着型サービスです。厚生労働省の制度区分では、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの「施設サービス」とは異なり、住み慣れた地域で暮らし続けることを目的とした「地域密着型サービス」に位置づけられています。

1ユニット5〜9名の少人数制

グループホームは「ユニット」と呼ばれる生活単位で運営されており、1ユニットの定員は5〜9名と定められています。1事業所は原則1〜3ユニットまでで、最大でも27名程度と、他の介護施設と比較して圧倒的に小規模です。各入居者には個室が用意され、居間・食堂・台所を共有する「家」のような環境が整えられています。

この少人数制は、認知症の方が大人数の中で混乱しないよう配慮された設計です。馴染みの顔ぶれ、決まった生活リズム、慣れ親しんだ空間が認知症の進行を緩やかにし、BPSD(行動・心理症状)の軽減にもつながるとされています。

「生活の場」としての家庭的環境

グループホームの最大の特徴は、病院や一般的な介護施設のような「管理された空間」ではなく、「自宅の延長線上にある生活の場」として設計されている点です。入居者は朝起きて顔を洗い、みんなで食卓を囲み、洗濯物を畳み、昼寝をして、お茶を飲む――そんな当たり前の日常を、職員がさりげなくサポートします。

職員は「お世話する人」ではなく、「一緒に暮らす仲間」「家族のような存在」として入居者と関わります。一方的に介護を提供するのではなく、入居者のできることを尊重し、残存機能を活かしながら自立支援を行うのが基本スタンスです。

認知症ケアの専門施設としての役割

グループホームは、認知症ケアに特化した唯一の介護保険サービスです。入居条件は「認知症の診断がある要支援2以上」と定められており、すべての入居者が認知症を抱えています。そのため職員には、単なる身体介護の技術だけでなく、認知症の中核症状・周辺症状への理解、パーソン・センタード・ケアの実践、コミュニケーション技術など、認知症ケアの総合力が求められます。

厚生労働省の「認知症対応型共同生活介護」に関する資料によれば、グループホームの平均要介護度は2.69で、特別養護老人ホーム(平均4.0)や介護医療院(平均4.2)と比較すると自立度の高い方が多く入居しています。そのため、寝たきりの方への全介助よりも、見守り・声かけ・部分介助を通じた「できることを奪わない支援」が中心となります。

グループホームの1日の流れ|日勤・夜勤スケジュール

グループホームの勤務形態は、早出・日勤・遅出・夜勤の4シフトが一般的です。入居者の生活リズムに合わせて職員が交代で勤務し、24時間365日のケア体制を維持しています。ここでは日勤と夜勤それぞれの1日の流れを、実際のスケジュール例とともに紹介します。

日勤の1日のスケジュール(9:00〜18:00)

時間主な業務内容
7:00起床介助、着替え、洗面、朝の水分補給
7:30朝食の配膳・食事介助・服薬介助・口腔ケア
9:00申し送り、バイタルチェック(体温・血圧・脈拍)
9:30入浴介助、シーツ交換、洗濯、掃除
10:30体操・脳トレなどのレクリエーション
12:00昼食準備(入居者と一緒に調理)、配膳、食事介助、服薬
13:00口腔ケア、休憩、午睡見守り
14:00レクリエーション、散歩、買い物同行、おやつ
16:00夕食の下ごしらえ、排泄介助、記録作成
17:00申し送り、夕食配膳・食事介助・服薬介助
18:00日勤終了、遅出・夜勤へ引き継ぎ

早出勤務(7:00〜16:00)は起床介助と朝食準備が中心、遅出勤務(11:00〜20:00)は夕食の調理・配膳と就寝準備を担当します。それぞれが重なる時間帯で入浴介助やレクリエーションを分担することで、少人数のチームでも効率的にケアを提供できる仕組みです。

夜勤の1日のスケジュール(16:30〜翌9:30の16時間勤務例)

時間主な業務内容
16:30出勤、申し送り、日中の状態確認
17:00夕食準備・配膳・食事介助・服薬・口腔ケア
19:00後片付け、就寝前のトイレ誘導、着替え介助
20:00就寝介助、消灯、コール対応
21:00巡視開始(概ね1〜2時間おき)、不眠者対応
23:00巡視、体位変換、オムツ交換
0:00介護記録作成、翌日準備、仮眠(施設により)
2:00巡視、排泄介助、体位変換
5:00早朝巡視、不眠者対応
6:00起床介助、着替え、洗面介助
7:00朝食準備、配膳、食事介助、服薬介助
8:30口腔ケア、申し送り準備、記録完成
9:30日勤への申し送り、夜勤終了

夜勤は2交代制の場合16時間前後の長時間勤務となり、仮眠時間の確保は施設によって差があります。3交代制を採用する施設では準夜勤(16:00〜0:30)と深夜勤(0:00〜9:30)に分かれ、1回あたりの勤務時間は短くなります。

シフト別の特徴と選び方

グループホームのシフトは、家庭の事情や体力に合わせて選びやすいのが魅力です。小さな子どもを持つ職員は早出のみ・日勤のみに限定してもらうケースも多く、反対に夜勤専従パートで週2回だけ働くベテラン職員もいます。シフト希望は入職時の面接で相談でき、柔軟に調整してくれる施設が大半です。自分のライフスタイルに合わせて働けるのは、少人数施設ならではのメリットといえるでしょう。

グループホーム介護職の主な業務内容

グループホームの仕事は、特養や老健のような「介護中心」の業務とは異なり、生活援助・身体介護・認知症ケア・健康管理・レクリエーションが複合的に絡み合っています。以下は、職員が日常的に行う主な業務内容です。

1. 身体介護

  • 食事介助:自力摂取が難しい方へのスプーン介助、嚥下状態の観察、誤嚥防止
  • 入浴介助:個浴が中心。着脱・洗身・洗髪・見守りを1対1で行う
  • 排泄介助:トイレ誘導、オムツ交換、尿パッド交換、失禁対応
  • 移乗・移動介助:ベッドから車椅子、車椅子からトイレへの移乗
  • 口腔ケア:食後の歯磨き介助、義歯洗浄、口腔内清拭

2. 生活援助(家事支援)

  • 調理:朝・昼・夕の食事づくり。入居者と一緒に野菜を切ったり盛り付けたり
  • 洗濯:衣類の洗濯、畳み、タンスへの収納を入居者と共同で
  • 掃除:居室・共用スペースの清掃、ゴミ出し
  • 買い物:近隣のスーパーへ入居者と同行し食材を購入
  • 環境整備:季節の花を飾る、写真を貼る、家庭らしい空間づくり

3. 認知症ケア

  • 声かけ・傾聴:入居者の話を否定せず受け止める、安心感の提供
  • 見守り:徘徊・転倒・事故防止のための細やかな観察
  • BPSD対応:帰宅願望、暴言、不穏、昼夜逆転などへの個別対応
  • 回想法・音楽療法:昔の写真や音楽を使った認知機能の維持
  • パーソン・センタード・ケア:その人の生活史や価値観を尊重したケア

4. 健康観察・服薬管理

  • バイタルチェック:毎日の体温・血圧・脈拍・SpO2測定
  • 服薬介助:処方薬の準備、飲み忘れ防止、服薬後の確認
  • 異変の早期発見:食欲不振、顔色の変化、排便状況の記録
  • 医療機関との連携:往診医・訪問看護との情報共有

5. レクリエーション・イベント

  • 日常レク:体操、脳トレ、塗り絵、手芸、カラオケ、書道
  • 外出活動:散歩、買い物、公園訪問、神社仏閣参拝
  • 季節イベント:お花見、夏祭り、敬老会、クリスマス会、お正月
  • 家族交流:面会対応、家族参加型イベント、誕生日会
  • 地域交流:近隣住民との挨拶、地域行事への参加

6. 記録・事務業務

  • 介護記録:日々のケア内容、バイタル、食事量、排泄量の記録
  • ケアプラン関連:計画作成担当者への情報提供、モニタリング
  • 申し送り:シフト交代時の口頭・書面での情報共有
  • ヒヤリハット報告:事故防止のためのリスク情報共有

夜勤体制の実態|1ユニット1人夜勤の負担と手当

グループホームの夜勤は、他の介護施設と大きく異なる特徴があります。それは「原則として1ユニットに職員1人」という人員配置基準です。9名の認知症高齢者を、夜間は職員たった1人で見守る――これがグループホーム夜勤のリアルです。

法定基準は「1ユニットに夜勤職員1人以上」

厚生労働省の「認知症対応型共同生活介護の指定基準」では、夜間および深夜帯の人員配置について、1ユニットごとに介護従業者1人以上を夜勤配置することが義務付けられています。つまり、2ユニット併設の事業所なら最低2人、3ユニット併設なら最低3人の夜勤職員が必要です。

2021年度の介護報酬改定では、一部条件下で「3ユニットに夜勤職員2人」という緩和措置が認められましたが、安全確保や入居者同意など複数の要件をクリアする必要があり、多くの施設では従来通り「1ユニット1人夜勤」が維持されています。

夜勤1人体制の実際の負担

1人夜勤では、以下のような状況が同時に発生しても、すべて1人で対応しなければなりません。

  • 入居者Aさんが不眠で何度もナースコールを鳴らす
  • 入居者Bさんが深夜に起きてトイレに行きたがる
  • 入居者Cさんが急な発熱、救急要否の判断が必要
  • 入居者Dさんが徘徊を始め、玄関に向かう
  • 夜間記録の作成、翌朝の配膳準備

介護労働安定センターの調査でも、夜勤の負担は介護職員の離職理由の上位に挙がっており、特にグループホームでは「責任の重さ」「孤独感」「休憩が取りづらい」といった声が多く聞かれます。施設によっては仮眠時間が確保されない、16時間ぶっ通し勤務になるケースもあります。

夜勤手当の相場

グループホームの夜勤手当は、1回あたり4,000円〜8,000円が一般的な相場です。2交代制の長時間勤務(16時間前後)では5,000〜7,000円、3交代制(準夜勤・深夜勤)では1回3,000〜5,000円程度が目安となります。月4〜5回の夜勤に入ると、月額2〜3万円の夜勤手当が加算され、年収換算で25〜35万円程度の上乗せとなります。

夜勤を乗り切るための工夫

  • センサーマット・見守りカメラ:離床時の即時通知で徘徊や転倒を予防
  • タブレット記録:巡視しながらその場で記録入力、二重作業を減らす
  • オンコール体制:緊急時に管理者や看護師へ電話相談できる体制
  • 他ユニット職員との連携:複数ユニット併設施設なら隣ユニット職員と協力
  • 先輩からの引き継ぎ:不穏になりやすい入居者の特徴、対処法の共有

夜勤が不安な場合の選択肢

夜勤に不安がある方は、以下のような働き方も選べます。

  • 夜勤なしパート:日勤のみのシフトで働く。給料は下がるが負担は少ない
  • 夜勤専従:慣れてきたら夜勤だけで高収入を狙う働き方
  • 複数ユニット施設:夜勤時に他ユニット職員がいる安心感を重視して施設を選ぶ
  • 見守り機器導入施設:センサー・カメラ・インカムが整備された施設を選ぶ

グループホームで働くために必要な資格とスキル

グループホームは、介護資格がなくても働ける施設ですが、認知症ケアの専門性が求められるため、一定の研修受講が義務化されています。ここでは必要な資格と、キャリアアップに役立つ資格、実務で求められるスキルを整理します。

必須となる資格・研修

  • 認知症介護基礎研修(全職員必須):2021年度改定で、医療・福祉系資格を持たない無資格の介護職員にはこの研修の受講が義務化されました。eラーニングで約150分、費用は数千円程度で、入職後すぐに受講できます
  • 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級):必須ではないが、多くの施設で採用優遇。未経験者はまず取得を目指すことが推奨されます
  • 介護福祉士実務者研修:介護福祉士受験の前提資格。キャリアアップに有利

キャリアアップに有利な資格

  • 介護福祉士(国家資格):実務経験3年+実務者研修修了で受験可。資格手当が月額5,000〜15,000円つく施設が多数
  • 認知症介護実践者研修:実務経験2年以上の介護職員が対象。グループホームでの専門性を高める中核研修
  • 認知症介護実践リーダー研修:実践者研修修了後のリーダー職向け。ユニットリーダー任用要件に含まれる場合あり
  • 計画作成担当者:認知症介護実践者研修修了者で、入居者のケアプランを作成する専門職。事業所ごとに1人以上の配置が必須
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー):計画作成担当者として配置される場合に有利

実務で求められるスキル

  • 認知症の理解:アルツハイマー型・レビー小体型・前頭側頭型・血管性認知症の特徴と対応の違い
  • コミュニケーション力:傾聴、共感、否定しない姿勢、非言語コミュニケーション
  • 観察力:表情・しぐさ・食事量の変化から体調不良を察知する力
  • 臨機応変な対応力:マニュアル通りにいかない認知症ケアでの柔軟な判断
  • 家事スキル:料理・洗濯・掃除などの生活能力
  • チームワーク:少人数チームでの情報共有、引き継ぎの徹底
  • 記録・文書作成力:介護記録、ヒヤリハット、申し送り文書の作成

特養・デイサービスとの違い|仕事内容・働き方の比較

グループホームの働き方を理解するうえで、他の主要な介護施設との違いを把握することは重要です。ここでは特別養護老人ホーム(特養)、デイサービス(通所介護)と、仕事内容・夜勤・介護度・職員数などを比較します。

項目グループホーム特別養護老人ホームデイサービス
サービス区分地域密着型サービス施設サービス居宅サービス
定員1ユニット5〜9名(最大27名)29名以下〜100名以上10〜30名程度
対象者認知症の要支援2以上原則要介護3以上要支援1〜要介護5
平均要介護度2.69約4.0約1.9
入浴介助の特徴個浴が中心、1対1対応機械浴・特浴あり、介助負担大個浴・中間浴が中心
排泄介助の頻度中程度(自立度高め)高い(全介助多数)低い(通所のみ)
夜勤あり(1ユニット1人)あり(複数フロア担当)なし(日中のみ)
家事業務多い(調理・洗濯・掃除)少ない(専門スタッフが対応)少ない(送迎・レク中心)
レクリエーション生活に溶け込んだ小規模レクフロアごとの集団レク大規模な集団レクが中心
認知症ケア中心業務(全員認知症)一部(入居者の約半数)個別対応あり
身体介護の負担中程度大きい小さい
職員との関係性家族的・濃密チーム分担制日中のみの関わり

グループホームが向いている人の傾向

上記の比較から、グループホームは「身体介護の負担は中程度でよいが、認知症ケアにじっくり向き合いたい人」「少人数の濃密な人間関係の中で、家族のような関わりを持ちたい人」「料理・家事が得意で、生活支援全般に抵抗がない人」に向いているといえます。

一方、重度の要介護者への全介助を極めたい人は特養、日中のみ働きたい人はデイサービスという選択肢が合理的です。夜勤の有無、身体介護の負担、認知症対応の割合を軸に、自分に合う施設タイプを選ぶことが転職成功の第一歩になります。

給料水準の違い

厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」によれば、介護職員の平均月給は施設形態により異なり、特養(介護老人福祉施設)が最も高く月額約34万円(常勤・手当込み)、次いで介護老人保健施設、そしてグループホームとなっています。グループホームは特養より月額1〜2万円程度低い傾向がありますが、夜勤手当・処遇改善加算の上乗せで実質的な差は小さく、何より身体介護の負担差を考えると「コスパのよい働き方」と評価する声も多くあります。給料だけで施設を選ぶのではなく、業務負担とのバランスで判断するのがおすすめです。

独自分析:なぜグループホームは「長く働ける」と言われるのか

当サイトで複数の介護職員データや厚生労働省統計をクロス分析したところ、グループホームの離職率は介護業界平均(約14.3%)と比較して低めの傾向があることがわかっています。背景には、(1)入居者との関係が長期的で愛着が生まれやすい、(2)少人数のため自分のペースで業務を進められる、(3)チーム内の人間関係が安定しやすい、という3つの構造的要因があります。特養が「短期間で介護技術を磨きたい人向け」だとすれば、グループホームは「腰を据えて認知症ケアと向き合いたい人向け」の職場だと言えるでしょう。

グループホームの仕事に向いている人

グループホームは、施設の特性上「合う人・合わない人」が明確に分かれる職場です。求人応募前に、自分の適性を確認しておきましょう。

向いている人の特徴

  • 一人ひとりとじっくり向き合いたい人:大人数のケアではなく、入居者の人生や性格を理解した上で関わりたい人に最適です
  • 認知症ケアに関心がある人:認知症への理解を深めたい、専門性を高めたいという意欲がある人に向いています
  • 家事・料理が得意な人:調理・洗濯・掃除が日常業務に含まれるため、家事スキルが活きます
  • 傾聴力がある人:同じ話を何度聞いても、初めて聞くように受け止められる人
  • 冷静に判断できる人:夜勤1人体制で、トラブル時にも落ち着いて対応できる人
  • アットホームな職場を好む人:大規模施設の分業より、小さなチームでの協働が好きな人
  • 自立支援の考え方に共感できる人:できることを奪わず、本人の力を引き出すケアに納得できる人
  • 家族のような関わりを望む人:入居者と長期的な関係を築き、見送りまで寄り添いたい人

向いていない可能性がある人

  • マニュアル通りに動きたい人:認知症ケアは個別対応が基本で、マニュアル化しにくい業務が多い
  • 身体介護のスキルだけを磨きたい人:介護度が比較的軽いため、技術習得の機会は特養より少ない
  • 家事業務を「介護職の仕事ではない」と考える人:調理や掃除を嫌がると業務が苦痛になる
  • 大規模チームで働きたい人:少人数ゆえ人間関係の密度が濃く、合わないと辛い
  • 夜勤1人体制に強い不安がある人:責任の重さに耐えられないと離職につながる

未経験者でも始めやすい理由

グループホームは、無資格・未経験からでもスタートできる数少ない介護職場です。身体介護の負担が特養より軽めで、入居者の自立度が比較的高いため、未経験者が基礎を学ぶには適した環境といえます。入職後に認知症介護基礎研修を受講し、働きながら初任者研修・実務者研修を取得してキャリアアップしていく道筋が一般的です。

グループホームの仕事に関するよくある質問

Q1. グループホームは無資格・未経験でも働けますか?

A. はい、働けます。介護福祉士や初任者研修などの資格がなくても応募可能です。ただし2021年度の制度改正で、無資格の介護職員は「認知症介護基礎研修」の受講が義務化されました(eラーニングで約150分)。入職後すぐに受講できる体制を整えている施設がほとんどです。未経験者も、先輩職員のOJTを受けながら段階的に業務を覚えていけます。

Q2. グループホームの夜勤は本当に1人ですか?

A. 原則として1ユニットにつき夜勤職員1人以上が配置されます。つまり1ユニットのみの施設では確実に1人夜勤ですが、2ユニット・3ユニットの複合施設では、建物内に複数の夜勤職員が在籍するため「1人ぼっち」感は軽減されます。2021年度改定で3ユニット2人夜勤の緩和措置もできましたが、要件が厳しく多くの施設は従来通りの配置です。夜勤1人体制に不安がある場合は、複数ユニット併設施設を選ぶとよいでしょう。

Q3. 料理ができないと働けませんか?

A. 必須ではありませんが、家事業務が多いため、ある程度の調理経験があると働きやすいのは事実です。多くのグループホームでは、入居者と一緒に野菜を切ったり盛り付けたりする「共同作業」の形で食事づくりを行います。また、最近は食材や献立が事業者から配達される施設、セントラルキッチン方式で調理済みの食事が届く施設も増えており、調理負担を減らす工夫がされています。求人票の「食事提供方法」欄を確認してから応募するのがおすすめです。

Q4. 介護度はどのくらいの方が多いですか?

A. 厚生労働省の調査では、グループホームの平均要介護度は2.69です。特別養護老人ホーム(平均4.0)と比べると自立度の高い方が多く、寝たきりの方や胃ろう・経管栄養の方は少数派です。ただし、入居者が高齢化し、看取りまで対応するケースも増えているため、終末期ケアを経験する機会もあります。

Q5. 介護福祉士を目指すにはグループホームでの経験も含まれますか?

A. はい、含まれます。グループホームでの実務経験は、介護福祉士国家試験の受験要件である「実務経験3年(従業期間1,095日以上、従事日数540日以上)」にカウントされます。実務者研修を修了すれば、グループホーム勤務のまま介護福祉士試験に挑戦できます。

Q6. BPSD(暴言・徘徊・不穏)への対応が不安です

A. BPSD(行動・心理症状)対応は、未経験者が最も不安を感じるポイントです。しかしこれは「経験を積みながら身につけていくスキル」であり、初日からできる必要はありません。先輩職員の対応を見て学び、認知症介護実践者研修で理論を学び、少しずつ対応力を高めていきます。また、グループホームでは馴染みの関係性を築くことで、入居者のBPSDが軽減されるケースも多く、環境の効果が大きい職場です。

Q7. グループホームは看取りまで対応しますか?

A. 多くのグループホームで看取りに対応しています。厚生労働省の加算制度として「看取り介護加算」があり、終末期を家庭的な環境で過ごしたいと希望する入居者・家族のニーズに応えています。ただし、医療処置が必要になった場合は病院や他施設への転院となるケースもあり、対応範囲は施設によって異なります。

Q8. 夜勤手当はいくらですか?

A. グループホームの夜勤手当は1回あたり4,000円〜8,000円が相場です。2交代制(16時間勤務)では5,000〜7,000円、3交代制の深夜勤では3,000〜5,000円程度が目安です。月4〜5回の夜勤に入れば月額2〜3万円の上乗せとなり、年収では25〜35万円ほど夜勤手当が積み上がります。

参考文献・出典

  • [1]
    認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)- 厚生労働省

    グループホームの制度概要、人員配置基準、平均要介護度などの基本データ

  • [2]
    介護サービス情報公表システム 認知症対応型共同生活介護- 厚生労働省

    全国のグループホーム事業所情報、運営基準の公表データ

  • [3]
    令和5年度介護従事者処遇状況等調査結果- 厚生労働省

    介護職員の賃金・処遇改善加算の状況、職場類型別の給与比較

  • [4]
    令和5年度介護労働実態調査- 介護労働安定センター

    介護職員の夜勤負担、離職理由、労働環境に関する全国調査

  • [5]
    認知症対応型共同生活介護 夜間人員配置に関する検討資料- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会

    グループホームの夜勤配置基準、見守り機器導入状況、安全性評価

まとめ|グループホームは認知症ケアの専門性を磨ける職場

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、1ユニット5〜9名という少人数制の中で、認知症高齢者の「生活の場」を支える専門的な介護施設です。特別養護老人ホームのような重度介護中心の職場とは異なり、身体介護の負担は中程度に抑えられる一方、認知症ケアの深さ・生活援助の幅広さが求められます。

1日の流れを見ると、朝の起床介助から始まり、食事・入浴・レクリエーション・家事支援を入居者と一緒に行いながら、夜間は1ユニット1人体制での見守りを担うという、他施設にはない独特の業務フローが特徴です。夜勤の負担は確かに大きく、厚生労働省や介護労働安定センターの調査でも課題として挙がっていますが、見守り機器の導入、複数ユニット併設施設の選択、夜勤手当の充実など、負担軽減の仕組みも整いつつあります。

グループホームで働くメリットは、「一人ひとりの入居者と深く関われること」「認知症ケアの専門性を実践的に磨けること」「家庭的な雰囲気の中で働けること」の3点に集約されます。未経験・無資格からでも認知症介護基礎研修を受講すればスタートでき、働きながら初任者研修→実務者研修→介護福祉士とキャリアアップしていく道筋も明確です。認知症ケアのスペシャリストを目指したい方、少人数で濃密な関係性を築きたい方にとって、グループホームは理想的な職場といえるでしょう。

求人を探す際は、ユニット数、夜勤体制(1人夜勤か複数体制か)、食事提供方法(自炊か配達か)、看取り対応の有無、研修制度などを必ず確認し、自分に合った施設を選ぶことが長く働くコツです。また、実際に見学に行った際には「職員同士の声かけの雰囲気」「入居者の表情」「共用スペースの生活感」を観察することで、書面では分からない職場の質を感じ取れます。

介護業界全体で人材不足が続く中、グループホームは特に「家庭的な環境で長く働きたい」「認知症という現代医療最大のテーマに専門職として向き合いたい」と考える人にとって、やりがいと成長機会に満ちた職場です。まずは見学や短期のパート勤務から始めて、自分に合うかを確かめてみることをおすすめします。給料・年収の詳細については「グループホームの給料・年収」の記事も併せてご覧ください。

💡

あわせて読みたい

グループホームの1日の流れ

グループホームでは、早番・日勤・遅番・夜勤のシフト制で勤務します。日勤と夜勤それぞれの1日の流れを見てみましょう。

日勤の1日の流れ(9:00〜18:00の例)

時間業務内容
9:00出勤、申し送り(夜勤者から引き継ぎ)
9:30バイタルチェック、お茶の提供
10:00入浴介助、レクリエーション
11:30昼食準備(利用者さんと一緒に調理)
12:00昼食、服薬介助
13:00休憩(1時間)
14:00レクリエーション、おやつ準備
15:00おやつ、自由時間(散歩・買い物など)
16:00夕食準備、介護記録の作成
17:30遅番への申し送り
18:00退勤

夜勤の1日の流れ(16:00〜翌9:00の例)

時間業務内容
16:00出勤、日勤者から申し送り
17:00夕食準備(利用者さんと一緒に)
18:00夕食、服薬介助
19:00口腔ケア、就寝準備
20:00就寝介助(着替え、トイレ誘導)
21:00消灯、巡回開始
22:00〜5:00定期巡回(2時間ごと)、体位変換、排泄介助
※仮眠時間あり(施設による)
6:00起床介助、着替え、トイレ誘導
7:00朝食準備
8:00朝食、服薬介助、口腔ケア
8:30介護記録作成、申し送り準備
9:00日勤者への申し送り、退勤

夜勤の注意点

認知症の方は、夜間に不安になって起き出したり、徘徊してしまうことがあります。そのため、定期的な巡回と見守りが欠かせません。ただし、グループホームは少人数(1ユニット5〜9人)なので、大規模施設に比べると夜勤の負担は軽めです。

グループホームで働くメリット・デメリット

メリット

1. 体力的な負担が少ない

グループホームは比較的介護度が低い方が多く、全介助が必要なケースは少なめです。特養などに比べると、腰への負担が軽く、体力に自信がない方でも働きやすい環境です。

2. 一人ひとりに寄り添ったケアができる

少人数制(1ユニット5〜9人)なので、利用者さん一人ひとりとじっくり向き合えます。「流れ作業」ではなく、その方の生活リズムや好みに合わせたケアが可能です。

3. 家庭的でアットホームな雰囲気

グループホームは「第二の家」をコンセプトにしているため、職場の雰囲気も穏やかです。利用者さんと一緒に料理をしたり、おしゃべりを楽しんだりと、家庭的な時間を過ごせます。

4. 未経験でも始めやすい

身体介護の比重が軽いため、介護未経験の方でも入職しやすいです。先輩スタッフから丁寧に教えてもらいながら、徐々にスキルアップできます。

5. 認知症ケアの専門性が身につく

認知症専門施設なので、認知症ケアについて深く学べます。この経験は、どの介護現場でも役立つ貴重なスキルになります。

デメリット

1. 認知症ケアの難しさ

認知症の方は、同じことを何度も聞いたり、怒りっぽくなったりすることがあります。最初は対応に戸惑うこともあるでしょう。根気強さと理解が求められます。

2. 看取りへの精神的負担

グループホームで最期を迎える方もいます。長い時間を一緒に過ごした利用者さんとのお別れは、精神的に辛いこともあります。

3. 夜勤は1人体制のことも

夜勤は1ユニットにつき1人配置が基本です。何かあったときに1人で対応しなければならない場面もあり、不安を感じる方もいます。

4. 給与は平均的

特養や老健に比べると、給与水準はやや低めです。ただし、体力的な負担の軽さを考慮すると、バランスは取れているともいえます。

のの働き方

のでは、様々な働き方が可能です。

勤務形態の選択肢

  • 日勤のみ:の中には日勤帯のみで働ける施設もあります
  • シフト制:早番・日勤・遅番・夜勤のローテーションが基本
  • パート・アルバイト:週2〜3日から働ける柔軟な雇用形態

で働く環境

エリアのでは、資格取得支援制度や研修制度が充実している施設が多くあります。での経験を積みながら、キャリアアップを目指すことができます。

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公開日: 2026年4月6日最終更新: 2026年4月6日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。